推しのために死に続ける話。   作:三つ首黒虎

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お待たせしましたー!
ちょっぴり難産でした。今回新キャラ一名追加入ります。
どんな個性なんでしょうね。わくわく


ちょっぴり加筆修正してます‼︎
色々本編と違うところがで始めたので説明不足でした。申し訳ない。


13話 USJヴィラン戦2

「嫌な予感がしてね……校長のお話を振り切りやってきたよ」

 

 

 オールマイトのその言葉に1-Aの生徒は皆「オールマイトがきてくれた!それなら大丈夫だ。」というように涙を流しながら笑みを浮かべている。

 

 

「来る途中で飯田少年とすれ違って……何が起きているかあらまし聞いた」

 

 

「もう――大丈夫」

 オールマイトはネクタイを引きちぎり

「――私が来た!」

 そう言い歯を食いしばっている。

 オールマイトが笑っていない、それだけでオールマイトがどれほど自責の念を感じているかが窺える。

 

 死柄木がオールマイトに語りかけた。

「待ったよ、ヒーロー……社会のごみめ」

 

 相澤先生との戦いで逃げ延びたヴィランが驚愕している。

「あれが……‼︎生で見るの初めてだぜ……‼︎迫力……すげぇ……」

「バカヤロウ、尻込みすんなよ。アレを殺って俺たちが……」

 

 瞬間、オールマイトは駆け出していた。

 

「‼︎」

 

 まさに、一瞬の出来事だった。

 死柄木たちから離れヴィランに囲まれた僕を瞬きの間に救い出した。

 

「すまない……こんなボロボロになって……」

 僕にそう語りかけると、そのままスッと立ち上がり今度は緑谷くんたちの方へ。

 死柄木がオールマイトの眼光に怯んだ瞬間――

 

 

「⁉︎」

 

 僕を右腕に抱えたまま……死柄木と脳無から、緑谷くん、梅雨ちゃん、峰田くんの三人をまとめて救い出した。さらに、オールマイトはその瞬間に死柄木に一撃を与えるという攻撃すら行っていた。

 

「皆、入口へ。置換くんを頼んだ。意識はあるようだが……負傷が酷い。早く‼︎」

 

 

 

 

 

 

「ああああ……だめだ……ごめんなさい……!」

 

 死柄木はオールマイトの攻撃で落ちた自身の顔についていた手を拾おうとふらふらと歩き出した。

 

「お父さん……」

 死柄木は手の元に辿り着くとスッとその手を拾い自分の顔に付け、ボソボソと呟いている。

「助けるついでに殴られた……ははは、国家公認の暴力だ。さすがに速いや、目で追えない。けれど思ったほどじゃない」

「やはり、本当だったのかな……?弱ってるって話――」

 

 

 

「オールマイトだめです‼︎あの脳ミソヴィラン‼︎ワン……っ、僕の腕が折れないくらいの力だけどビクともしなかった‼︎きっとあいつ……」

 

「緑谷少年」

 

 オールマイトは緑谷くんに声をかけると、ニカっと笑い顔の前でピースサインを作る。

 

「大丈夫」

 

 

 オールマイトは両腕をクロスさせながら、脳無と死柄木に向かい駆け出した。

「CAROLINA……」

 

「脳無」

 

 オールマイトは両の手の手刀で脳無に初撃をあたえる。

「SMASHッ‼︎」

 

 確実に当たったんだ。

 でも、脳無はまるでダメージを受けていないように攻撃を返している。

 

「ムッ‼︎」

 オールマイトは脳無の一撃を避けると――

「マジで、全っ然……効いてないな‼︎!」

 と右腕を脳無の鳩尾に叩き込む。

 

 

「効かないのはショック吸収だからさ。脳無にダメージを与えたいなら、ゆうっくりと肉をえぐり取るとかが効果的だね……それをさせてくれるかは別として」

 死柄木はまるで自分の玩具はすごいだろうと自慢げな表情だ。自慢されている間もオールマイトは脳無を殴り続けている。

 

 

「わざわざサンキュー。そういうことなら‼︎」

 

 オールマイトは脳無の腰に手を回した。

「︎――やりやすい‼︎」

 そのまま背後の地面へ脳無を頭部から叩きつけた。

 さながらプロレスのジャーマンズプレックスだ。

 

 

 

 

 

 近くで峰田くんと梅雨ちゃんが話している。

「なんでバックドロップが爆発みてーになるんだろうな……‼︎やっぱダンチだぜオールマイト‼︎」

 

「授業はカンペを見ながらの新米さんなのに」

 

 僕を背負った緑谷くんはなんとも言えない表情をしている。

 たぶん、オールマイトが来た以上大丈夫……だと思う。けど、僕の中の何かが叫んでる。まだ……離れちゃいけない、そんな気がする。

 

「み……り……くん……」

 緑谷くんに僕はまだ離れちゃいけない……と伝えようとする。しかし口は、身体は思うように動いてくれない。

 

「みど……り……ま……いけ……い」

 

 梅雨ちゃんと峰田くんが気づいてくれた。

「緑谷ちゃん、置換ちゃんが何か言ってるわ」

「ほんとだ。聴き取りにくいけどなんか言ってるぜ」

 

「置換くん?……どうしたの?何か伝えたいことが⁈」

 緑谷くんに聞かれるがまだ声が出にくい。

 動け僕の口よ、身体よ。まだ、やることがあるはずなんだ。僕の中の何かがまだやることがあると……そう言っているんだ。

 

「ま……だ、はな……れ……ちゃ、いけ……ない」

 少しちゃんとした声になってきた。

 もう少しだ。頑張るんだ僕。

 

「まだ」

「離れちゃ?」

「いけない⁈」

 

「まだ、はなれちゃ……いけない」

 声がでた……伝えられた……

「ッ、なんで……置換くん」

 

 オールマイトが口から血を出している。

「っ〜〜〜‼︎」

 

 なぜか脳無は地面ではなくワープゲートに食い込んでいた。さらに、オールマイトの背中の下の地面にあるワープゲートから上半身が飛び出し、脳無のその両手の指はオールマイトの脇腹に突き刺さっていた。

 

「そういう、感じか……‼︎」

 

 

「コンクリに深くつき立てて動きを封じる気だったか?それじゃ封じれないぜ?脳無はおまえ並みのパワーになってるんだから」

 

「いいね黒霧期せずしてチャンス到来だ」

 オールマイトを傷つけられたことが嬉しいのだろう。死柄木は目を見開き笑っている。

 

 

「あイタ‼︎」

 脳無の指がさらに食い込む。

「君ら初犯でコレは……っ覚悟しろよ‼︎」

 

 

 地面から身体を生やした黒霧は

「私の中に血や臓物が溢れるので嫌なのですが……あなた程の者ならば喜んで受け入れる」

 

「目にも止まらぬ速度のあなたを拘束するのが脳無の役目。そしてあなたの身体が半端に止まった状態でゲートを閉じ――」

 

「――引きちぎるのが私の役目だ」

 そう言った。

 

 

 

「蛙ス……っ……ユちゃん」

「頑張ってくれてるのね。なぁに緑谷ちゃん」

「置換くん担ぐの代わって……‼︎」

「うん……けど何で……」

 

 梅雨ちゃんと緑谷くんが話している。

 でも、待って、待ってくれ。僕も連れて行ってほしい。まだ嫌な予感はしている。頭の中で警報が鳴り響いているんだ。

 

「待って……僕も……連れて……」

 

「何言ってるの。置換ちゃん、あなたははやく治療しな……」

 僕は梅雨ちゃんの言葉に被せて言った。

 「……わかってる‼︎でも……嫌な予感が……止まらないんだ。アレじゃあダメだって」

 

「オールマイトが来たのよ?なら大丈夫よ」

「そ、そうだぜ。オールマイトが来たんだから大丈夫だよ置換……」

「それもわかってるんだ……でも……それでも、今のままじゃダメ……なんだ。脳無についてオールマイトに伝えさせて」

 

 また嘘をついてしまった。でも僕があそこに行かなければいけない、そんな気がするんだ。

 

――――緑谷くんがオールマイトの方に駆け出した。

「オールマイトォ‼︎‼︎」

 

 

 

「浅はか」

 黒霧がそう呟き緑谷くんの前にワープゲートを開く。

 

 緑谷くんがそれに飲み込まれそうになった時――

 

 BOOM‼︎と言う爆発音と共にワープゲートを殴り飛ばした爆豪くんがいた。

「どっけ邪魔だァ‼︎デク‼︎」

 そう言った爆豪くんは黒霧の頭部……だろうかその部分を左手で地面に叩きつける。

 

 

 

 

 ――――パキパキと何かが凍る音がする。

「‼︎?」

 今度は脳無が凍りついていた。

 

「てめぇらがオールマイト殺しを実行する役とだけ聞いた」

 

「だぁー‼︎」

 死柄木に攻撃を仕掛ける切島くん。

 

「!」

 

 しかし死柄木は一歩前に出ることでその攻撃を躱した。

 

 

「くっそ‼︎!いいとこねー!」

 攻撃を躱され悔しがっている切島くん。

 

「スカしてんじゃねぇぞ、モヤモブが‼︎」

 笑みを浮かべる爆豪くん。

 

「平和の象徴はてめぇら如きに殺れねぇよ」

 そう淡々と話す轟くん。

 

「かっちゃん……!皆……‼︎」

 情けない表情で涙を浮かべる緑谷くん。

 

 彼らはオールマイトを救おうとヴィランの前に立ちはだかっていた。

 

 

 

 

「氷結……‼︎」

 オールマイトがそう呟くや否や脳無の手が緩んだのだろう。やられた両脇腹を抑えて一時後退。

 

 

 抑えられた黒霧、凍りついた脳無を見てなお何故か、死柄木は平静を保っている。

「出入口を押さえられた…………こりゃあ……ピンチだなぁ……」

 

 黒霧を抑えた爆豪くんはやはりそうだったかと笑顔を浮かべている。

「このウッカリヤローめ!やっぱ思った通りだ!モヤ状のワープゲートになれる箇所は限られている!そのモヤゲートで実態部分を覆ってだんだろ⁉︎そうだろ⁉︎」

「全身モヤの物理無効人生なら危ないっつー発想は出ねぇもんなぁ‼︎!」

 

「ぬぅっ……」

「っと動くな‼︎怪しい動きをしたと俺が判断したらすぐ爆破する‼︎」

 爆豪くんはまるでヒーローらしがらぬ言動で黒霧に脅しをかけている。

 

 

 

 

「攻略された上に全員ほぼ無傷……すごいなあ、最近の子どもは……恥ずかしくなってくるぜヴィラン連合……!」

 

 死柄木の言っていることと表情柄全くあっていない。

 まだまるで……自身の方が優位だと、おまえらの負けは確定しているのだと言いたげに見える。

 

「脳無、爆発小僧をやっつけろ。出入口の奪還だ」

 

 その言葉を聞いた脳無は凍った身体のままワープゲートから脱出を始める。されど凍っている部分を無理に動かした故そこは砕け落ちていった。

 

「⁉︎」

 

「身体が割れているのに……動いてる……⁉︎」

「皆下がれ‼︎なんだ⁉︎ショック吸収の個性じゃないのか⁉︎」

 

 脳無の砕けた腕と足の筋肉が盛り上がり形を成していく。ズグズグと膨らんでは収縮しを繰り返す脳無の身体。

 

 

「別にそれだけとはいってないだろう。これは超再生だな。脳無はおまえの100%にもら耐えられるよう改造された超高性能サンドバッグ人間さ」

 

 

 脳無は命令通り爆豪くんに向かい駆け出していた。すでに殴り飛ばすフォームに入っている。

 それに気づいたオールマイトが爆豪くんを庇い代わりに殴り飛ばされた。

 

 その拳は拳圧だけで木々を揺らし地面を削る。その時点で威力も想像に難くない。

 

「かっちゃん‼︎」

 

 爆豪くんは緑谷くんの横で驚愕の表情を浮かべている。あのままであれば脳無に殴り潰されていた爆豪くんをオールマイトがここまで飛ばしたのだろう。

 

 

「ゴホッ、ゲホ…………加減を知らんのか……」

 オールマイトは左手を盾にし血を吐きながら防御体制をとっていた。

 

 

 

 

 死柄木は手を広げ歌うように叫ぶ。

「仲間を助ける為さ、しかたないだろ?さっきだってホラそこの……あ――――……地味なやつ。あいつが俺に思いっきり殴り掛かろうとしたぜ?」

 

「他が為に振るう暴力は美談になるんだ。そうだろ?ヒーロー?俺はな、オールマイト!怒ってるんだ! 同じ暴力がヒーローとヴィランでカテゴライズされ善し悪しが決まる、この世の中に‼︎」

 

「何が平和の象徴‼︎所詮抑圧の為の暴力装置だおまえは!暴力は暴力しか生まないのだと。おまえを殺すことで世に知らしめるのさ!」

 

 

「めちゃくちゃだな、そういう思想犯の眼は静かに燃ゆるもの。自分が楽しみたいだけだろ、嘘つきめ」

 

 

 オールマイトの指摘に死柄木はニタ……と笑いながら答えた。

「バレるの、早……」

 

 

 

「3対5だ」

「モヤの弱点はかっちゃんが暴いた……‼︎」

「とんでもねぇ奴らだが、俺らでオールマイトのサポートすりゃ……撃退出来る‼︎」

 

「ダメだ‼︎逃げなさい」

 オールマイトは勇む四人を静止する。

 

「‼︎」

「……さっきのは俺がサポート入らなけりゃやばかったでしょう」

「オールマイト血……それに時間だってないはずじゃ……あ……」

 

 オールマイトは右の拳を握り込む。

「それはそれだ。轟少年‼︎ありがとな‼︎しかし大丈夫‼︎プロの本気を見ていなさい‼︎」

 

 

「脳無、黒霧やれ。俺は子どもをあしらう――」

 

「――――クリアして帰ろう!」

 その言葉と共に生徒四人に向かい走ってくる死柄木。

 

 

 

 同時にオールマイトも駆け出した。

 生徒に向かっていた死柄木はオールマイトのその圧に何かを感じたのか後ろに下がった。

 オールマイトはそのまま脳無に向かい駆ける――

 

 オールマイトと脳無の拳がぶつかり合った。

 拳と拳の応酬だ。

 オールマイトは血を口から吐きながら……

 脳無は笑っている……のだろうかよくわからない。

 

「真正面から殴り合い⁉︎」

 誰もその拳圧によって近づけず、ただただ見ていることしかできない。

 

「無効でなく吸収ならば‼︎限度があるんじゃないかと⁉︎私対策⁉︎私の100%を耐えるなら‼︎さらに上からねじ伏せよう‼︎」

 脳無との殴り合いは続いている。

 

「ヒーローとは常にピンチをぶち壊していくもの!」

だんだんとオールマイトの身体に――顔に傷が増えていく。

 

「ヴィランよ、こんな言葉を知ってるか!⁉︎」

 その言葉と同時により大きく拳を振りかぶる。

 

「――Plus Ultra‼︎」

 身体の捻る力、腰、足、全ての力が集約されたその一撃は脳無をはるか上空に殴り飛ばした。

 脳無はUSJのガラスドームを割り外へ飛んでいく。

 

 

 間に合った――

「梅雨ちゃん……あり……がとう……」

 

 

「……漫画かよ。ショック吸収をないことにしちまった。……究極の脳筋だぜ」

「デタラメな力だ……再生もまにあわねぇ程のラッシュってことか……」

 

 

「――やはり衰えた」

「全盛期なら五発も撃てば充分だったろうに」

「三百発以上も撃ってしまった――」

 身体から煙を出しながらオールマイトは笑みを浮かべる。

 

 

 

 

 

 

「あぁ、そうだ。知ってるかな。ヒトってやつはさ、勝利を確信した直後油断する……らしいぜ?」

 

 そんな女の声と共にオールマイトの背後にワープゲートが開き、そこから手が出てきた。

 

「オールマイトだもんな、両腕だ。持ってけ――」

 

 

 

 その言葉と同時に二本の腕が切り落とされ一つに収束する。

 

 オールマイトが振り返るが遅い、限界が近いのだろうか。このままではあれがどれほどの威力を持つか分からないが直撃する。

 このタイミングで出てきた以上致命的な威力ではあるのだろう。

 

 

 僕は確信した。これだ。これを止める為に僕は今ここにいる。

 手をたた――いや、折れている。しかも両方。当然動かない。それなら……と、新しく覚えた舌を鳴らすことにした。

 

 

 だけど置換対象は何がいい、何と置き換える。

 あれはもうヒトから離れた"モノ"であるが故に個性適応圏内。元は腕でも、もう切り離された以上生きてはいない。

 

 ふと視界に落ちてくる脳無が映った。脳無の落下予測地点及びその周辺には誰もいない。僕からの距離にして二十メートルと言ったところだろうか。

 今までであれば、無理だった。だけど、今は個性が成長している気がする。本来であれば十メートルの範囲内だったのに今ならその倍いける気がするんだ――――

 

 

 ――――タン――――

 

「え、マジかよ。俺の両腕、脳無に変わったんだけどウケる」

 そんな声が聞こえると同時だった。

 脳無が元いた位置、僕からみて二十メートル離れたその位置、そこが一瞬強烈な光を放った。そこから周囲三メートル圏内全てが一瞬にして塵となった。

 

「「⁉︎」」

 

 …………これだけの威力……

 もし直撃すればオールマイトだとしても消えてしまっただろう。

 危なかった……だけど……なんで?なんで僕はこれを防げた……?何を知っているんだ……?

 

 

 そんなことを考えていたがワープゲートから再度女の声が聞こえた為、思考を一度やめてそちらを向く。

「うっわぁ、流石両腕対価か、当たれば死んでたのになー……痛い思いしたのに、残念…………」

 

 

「帰る前に……コレ台無しにしてくれたやつだけ見ていこうかな。黒霧どれだ――?」

 

「……ええ、そこの両腕が折れたボロボロの少年……ですかね。今の脳無との入れ替わりを見るにそういう個性のようですよ」

 

「ふーん。俺の個性、しかも両腕の対価を入れ替えるだけで防げるとは思わないけど……。うん、いいね。気に入った。見た目が割と好みだ、ボロボロなのも素晴らしい。ねぇ、キミ……次はちゃんと出会おうね?」

 

 ワープゲートから燦々と輝いた瞳が覗いている。

 ゾクリとした。何か……とんでもないモノの獲物になったような……そんな……そんな予感。

 

 

 

「んじゃ、黒霧俺、帰るわ。弔ちゃん、コレも失敗なら無理だから諦めた方がいいぞ〜」

 

「なんで失敗してんだよクソ女ァ!!」

 今まで余裕の表情を浮かべていた死柄木、その表情から笑顔が消えた。

 

 

 

「あ、危なかった……あのままだったら私は……」

 生徒は安堵の息をはき、オールマイトは自身の油断故に襲ってきた危機を戒めている。

 

 

 

「いや……そんなこと言ってはいられない。」

 

オールマイトは気分を変えるように自分の頬を叩くと

「さてと……ヴィラン。お互い早めに決着つけたいね」

 

 

「ああ、クソ。運すら味方かよ……このチートが……!」

 

「運?それは違う……置換少年が助けてくれたんだ……ダメだな……先生が生徒に助けられてちゃ、もっと大人のかっこいいところ見せないと……だ。」

 

 

 死柄木は身体中を掻きむしっている。

「それに、衰えた……?嘘だろ……完全に気圧されたよ。よくも俺の脳無を……チートがぁ…!」

「全っ前弱ってないじゃないか‼︎あいつ……俺に嘘教えたのか⁉︎」

 

 

「どうした?来ないのかな⁉︎クリアとかなんとか言ってたが……――」

 

「――出来るものならしてみろよ‼︎」

 オールマイトは土埃、煙を全身に纏いながら死柄木を睨みつけている。

 

 

 

「うぅうぉおおぉおおぉおおぉお……‼︎」

 死柄木は気圧され怯みながら足を一歩下げた。しかし次の瞬間ふと思いついたように、死柄木が脳無を動かそうと叫んだ。

「そうだ……いるじゃないか。そこの子どもがこっちに連れてきた……」

「脳無‼︎起きろォ!」

 

 死柄木が呼びかけるも脳無は動かない。

 

「おい!何やってやがる。何故動かない……ああどいつもこいつも使えない……」

 

「死柄木弔。おそらく…おそらくですが。……オールマイトによって与えられた負荷を修復するため……言わば一時的なスリープモードと言える状態になったのではないでしょうか…」

 

黒霧が返答を返すも死柄木は

 

「スリープモード?ふざけんな、ふざけんなよ。あいつそんなこと言ってなかったはずだ……ああもう……」

 

 死柄木はそう言いながら首を掻きむしり、頭を抱えた。

 

 

 

 そうだ、確かに一時的に脳無をアレと置き換えたのよかったが確かに動き出したら危険だ。

 それなら…動き出す前に声の届かない、個性最大置換距離地下二十メートルの深くへ。

 距離指定しかできないから不確定だけど……ここに脳無があるよりはマシなはず……

 

 

 個性発動。

 

ーーーーこれで、脳無はこの場所からいなくなるーーーー

 

 ドサッという土が落ちる音がした。

 

「⁉︎脳無!どこ行った‼︎‼︎」

 死柄木は突然いなくなった脳無を探すように周りを見渡す、されどいくら探しても見つからない。見つかるわけがない。あれは僕がいま……隠したから。地下二十メートル下の伝えと置き換わって……

 

「脳無が……土に…なっ…た……?」

そう言ったら死柄木は周りを見渡すとギロリと僕を睨んだ。

 

 

「お前か……脳無がいなくなる前になったあの音。お前が脳無を消したのか……」

しかし僕はオールマイトのはるか後方。死柄木がこちらに来るにはオールマイトを超えてくるしかない。

 

 

「さぁ、どうした⁉︎頼みの綱は動かず消え去ったぞ‼︎」

 

 

 オールマイトのその一言に終わったまたもや怯んだのか一歩足を後ろに下げた死柄木。

「脳無さえいれば‼︎奴なら‼︎何も感じず立ち向かえるのに……!」

「死柄木弔……落ち着いて下さい。たしかに脳無はいなくなりましたが……よく見れば脳無に受けたダメージは確実に表れている」

 

「どうやら子どもらは棒立ちの様子……あと数分もしないうちに増援が来てしまうでしょうが。死柄木と私で連携すればまだヤれるチャンスは充分にあるかと……」

 

 

「……うん……うんうん……そうだな……そうだよ……そうだ……やるっきゃないぜ……目の前にラスボスがいるんだもの……」

 

「――何より脳無の仇だ」

 黒霧のワープゲートと死柄木がオールマイトに向かい動き出した。仇…ということなら狙われるのはオールマイトの後ろの……僕……かな。だけど周囲にワープゲートは見えない。

 

 

 オールマイトを助けようと横から飛び出す緑谷くんがいた。

「…………‼︎」

 

 オールマイトから引き剥がす為に、黒霧の隠している身体を攻撃しようとしたのだろう。緑谷くんにまたしても助けられた。彼が特攻しなければ僕が襲われたはずだったから……

「オールマイトから――離れろ」

 

 だけど現実は残酷だ。黒霧のワープゲートを通して死柄木が緑谷くんに手を伸ばす。

「二度目はありませんよ‼︎」

 

 死柄木の手が緑谷くんに触れようとしたその瞬間――

 

 ズドという音と共に死柄木の親指と人差し指の付け根が銃弾に貫かれた。

「‼︎‼︎」

 

「来たか‼︎」

 

 

 

「ごめんよ皆」

「遅くなったね」

 

「飯田くん……!」

 

「すぐ動けるものをかき集めて来た」

 

「1-Aクラス委員長飯田天哉‼︎ただいま戻りました‼︎!」

 数多の名だたるヒーローを携えて飯田くんが戻って来た。

 

 

 あぁ、ここまでくれば大丈夫なはず……

 もう大丈夫、これだけのヒーローがいるんだから……

 安心したからなのだろう緊張の糸が切れ、そのまま僕は意識を失った。




おかしい…またしても主人公は気絶して終わった。
注意していたはずなのに…でもまぁ、両腕粉砕骨折、疲労困憊、ヒーローを助けられた満足感、助けが来た安心感あれば普通に気絶するかな……?流石にするよな、うん


本日も読んでいただきありがとうございました!
アンケート機能あったの忘れてました!よければ投票していただければと思います。

では、次のお話でお会いしましょう
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