推しのために死に続ける話。   作:三つ首黒虎

18 / 102
インプットが楽しすぎてアウトプットが追いつかなかった…
明日はヒロアカ映画ですね!
ちょうど休みなのでみに行くことにしました。


さてさて、それではお待たせしました。
第一種目ですね‼︎どうぞ


16話 障害物競争

 

『雄英体育祭‼︎ヒーローの卵たちが、我こそはとシノギを削る。年に一度の大バトル‼︎』

 

『どうせてめーらアレだろ。こいつらだろ‼︎?ヴィランの襲撃を受けたにも拘わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星‼︎』

 

『ヒーロー科‼︎――――一年‼︎、A組だろぉぉ‼︎⁉︎』

 

 プレゼントマイクのそんな煽りと共に僕たちは会場へ入場した。

 

 

「あわあわ、完璧ヘイト買ってるよ……プレゼントマイク先生よくないって……」

「なーに言ってんの!置換くん‼︎どうせ皆敵なんだから気にしちゃダメだよ〜」

 そんなことを言って葉隠さんは僕の背をパチンと叩いた。

 

 

「大人数に見られる中で最大のパフォーマンスを発揮できるか……!これもまたヒーローとしての素養を身につける一環なんだな」

 飯田くんはいつものように現状の分析をしている。

 

 

「めっちゃ、持ち上げられてんな……なんか緊張すゆな……!なァ爆豪」

 切島くんはソワソワしながら爆豪くんに話しかけている。

「しねえよ。ただただアガるわ」

 

『B組に続いて普通科C.D.E組……‼︎サポート科F.G.H組もきたぞー!そして経営科……』

 

 雄英高校一年がここに揃い興奮さめやらずな様子でワイワイと雑談している。

 

 そんな中――

 ピシャンとムチをしならせ皆の視線を集める美女が一人。

「選手宣誓‼︎」

 

 そう、他の誰でもない、ミッドナイトだった。

 

「おお!今年の一年主審は十八禁ヒーロー『ミッドナイト』か!」

「校長は?」

「校長は例年三年ステージだよ」

 

 ポツリと常闇くんが呟いた。

「十八禁なのに高校にいてもいいものか」

 

 え?何言ってるの、当然――

「「いい」」

 

 …………ハモった。

 こんなことを言うのは峰田くんしかいない。

 彼の方に視線を向けると目があった。

 (わかってるじゃねぇか、流石置換。あのボディ素晴らしいよな)

 

 (甘いね、峰田くん、ミッドナイトの素晴らしいところはそこだけじゃない。包み込むような抱擁感、目元の泣きぼくろ、耳、首元、目つき、口元、身体つき、どこをとっても最高だ。あの溢れる出るS感に隠された確かな優しさ、それを見抜けないようじゃまだまだだね」

 

「…………マジかよ。ガチ勢じゃねぇか。ミッドナイト先生については負けたぜ置換。おまえの勝ちだ……エロにおいて負けるとは……俺としたことが情けねぇ…目先の身体しか見てなかったッ……くそぅ……」

 

 

 

 

 

 何故周りから視線を感じる。

「…………あれ?」

 

 気のせいだろうか、周りの目線、特に女子からの目線が厳しいような……⁇

 

「サイテー……」

「峰田くんだけじゃなくて……置換くんも……」

「あー……置換……どんまい……」

 

「えーと、こほん」

 ミッドナイトも少し頬が赤いような……?それになんかモジモジしてる……ん?え、可愛いんだけど。え?

「そこ、静かにしなさい?」

 なんか、言い方優しくない?

 

 

 ミッドナイトは空気を変えるようにもう一度咳払いをすると再びムチをしならせた。

「選手宣誓‼︎」

 

「1-A 爆豪勝己‼︎」

 

 

 さっきのことがまるで無かったことのように周りからザワザワと声が聞こえる。

「え〜〜、かっちゃんなの⁉︎」

「あいつ一応入試一位通過だったからな」

 

「ヒーロー科の入試な」

 もしかしたら、あの言い方から察するに一般入試の方は爆豪くんより優れた人物がいたのかもしれない。

 

 

 とはいえ、あんな見た目でも爆豪くんはかなりの頭脳派だ。センスも才能も、それを活かす頭脳もある。

 

 問題があるとするなら短期、精神面の傲慢性、そういったところなのだろう。そんな彼を越す人物……いや、流石にいないか。そもそも筆記以外では採点方法も違うのだろうから、あくまであの発言はその言葉の通りだったのだろう。

 

 そんなことを考えていると爆豪くんがミッドナイト先生の前に到着していた。

 ポケットに両手を突っ込み、少し気怠に

「せんせー」

 

「――俺が一位になる」

 

 

「絶対やると思った‼︎」

「調子のんなよ。A組オラァ」

「何故品位を貶めるようなことをするんだ‼︎」

「ヘドロヤロー」

 とブーイングの嵐だ。

 

 爆豪くんはさらに炎上の燃料を投下した。右の親指を下に向け立て、その手を左から右にずらす。

「せめて跳ねの良い踏み台になってくれ」

 

 案の定、投下されな燃料には火がつきさらなるブーイングが巻き起こる。

 

「どんだけ自信過剰だよ‼︎」

「この俺が潰したるわ‼︎」

 

 

 皆が落ち着いたのを見計らってミッドナイトは告げた。

「さーて、それじゃあさっそく第一種目行きましょう」

 その言葉が発せられると同時にミッドナイトの後方の空中にヴンとスクリーンが投影された。

 

「いわゆる予選よ!毎年ここで多くの者が涙を飲むわ‼︎」

「さて運命の第一種目‼︎今年は……――」

 

 

「コレ‼︎‼︎」

 そう言ったミッドナイトが示したスクリーンには『障害物競争』の文字があった。

 

「障害物……競争……?」

 雄英の障害物競争だ。今までのそれとはレベルが違うのだろう。ただし、“個性"ありの競争であるなら僕の得意分野だ。

 

 

「計十一クラスでの総当たりレースよ!コースはこのスタジアムの外周約四キロ!」

「我が校は自由さが売り文句!ウフフフ……コースさえ守れば何をしたって構わないわ!」

 

「っ」

 やっぱりだ。なんでもあり、当然個性もありの障害物競争。とはいえ数多の人にコレは見られている。あまり外道な手は使わない方がいいだろう。

 

「さあさあ、位置につきまくりなさい……」

 

 スタートラインの三つあるランプのうちの一つが灯った。

 

 さぁ、やるぞ。腕はほぼ治り個性はUSJ事件以降置換範囲、置換方法ともに強化されている。だけど……それは可能なら隠しておきたい。

 

 

 二つ目のランプが灯った。

 

 だから――個性を使う時は柏手で、距離も十メートルを基準に使う。さぁ、みんなを騙そう。僕は弱いからこうでもしなきゃ、裏をかかなきゃ勝つなんて夢のまた夢だを

 

 三つ目のランプが灯る。

「スターーーーーーーーート‼︎」

 ミッドナイトのその掛け声と共に皆が走り出した。しかし――ゲートが狭く一度に通れる人数は決まっている。

 

「ってスタートゲート狭すぎだろ‼︎」

「…………!」

「邪魔だよ!邪魔‼︎」

 

 ギチギチとゲートに参加者たちが群がっている。

 ゲートを見渡すと下の道は当然詰まっているが……上は当然、すかすかだ。

 

 1-Aは轟くんが先行して進みそこに追随する様に個性を活かし爆豪くん、八百万さんが、フィジカルで切島くんがゲートを抜けた。

 

 

 それなら僕は――こうする。

 地面を見渡し手頃なサイズの小石を探す。

 一つ、二つ、三つ――――五つほど確保して僕は動き出した。

 

「……ふッ」

 ゲート上方に放物線を描く様に地面に転がっていた小石を投げる。

 

 必然、小石は参加者たちの上空を飛んでいく。

「あ?なんだこれ……上……」

 

 ――――パン――――

 僕は柏手を響かせる。この体育祭の行く末が僕にとって満足のいく結末であります様にと、少しでも強くなれます様にと願いを込めて――

 

 柏手を響かせると同時、僕はゲートの上空に浮いていた。

「うんうん……それじゃみんな先行くね?」

 下を見ながら挑発、続けて前方に二個目の小石を投げ柏手を打った。

 

 ――――パン――――

 

 

 さて、最初に入手できた石は五つ、すでに二つ使用した。残りは三つ、必ずしも周りにあるとは限らないので節約しなければならない。

 

 残弾節約のためゲートを抜け走っているとプレゼントマイクと相澤先生の声が聞こえた。

『さーて実況してくぜ!解説アーユーレディ⁉︎』

『無理矢理んだんだろが…』

 

 

 思考を戻そう、僕とほぼ同時にゲートを抜けたのが1-Aから六名、常闇くん、芦戸さん、尾白くん、緑谷くん、麗日さん、峰田くんの六人だ。

 さらに、宣戦布告に来ていた普通科の生徒もゲートを抜け、他にもB組の面々が何人かゲートを通過していた。

 

「轟のウラのウラをかいてやったぜ、ざまぁねえってんだ!くらえ、オイラの必殺――」

 

「GRAPE……」

 必殺技を繰り出そうとしていた峰田くんが無骨な金属の腕に殴られ吹き飛ばされた。

 

 

「ターゲット……大量!」

 その声を聞き視線を向けた。全長二メートル弱、入試の時に見た仮想敵がそこにいた。

 

 プレゼントマイクの実況が聞こえた。

『さぁいきなり障害物だ‼︎まずは手始め……』

 

『第一関門――ロボ・インフェルノ‼︎』

 

 入試時の仮想敵が複数体、その奥に0Pの巨大仮想敵も一面に多数見られる。あまりの数に通るのも一苦労しそうだ。

 

 だけど、これはチャンス、ラッキーだ。残弾の補充ができる。現在の残弾数三、少し時間をかけたとしてもここで二十は手に入れておきたい。個性の都合上、残弾数=個性の使用回数と言い換えることもできる。

 

 そう考えている間に轟くんが0Pの仮想敵を凍らせた。

「あいつがとめたぞ‼︎あの隙間だ!通れる!」

 そんな声を尻目に轟くんは先行している。

 

「やめとけ、不安定な体勢ん時に凍らしたから……倒れるぞ」

 その言葉が発されると同時だった。巨大仮想敵が爆音を立てて倒れ落ちる。

 

『1-A 轟‼︎攻略と妨害を一度に‼︎こいつぁシヴィー‼︎』

 

『すげえな‼︎一抜けだ‼︎アレだな、もうなんか……ズリぃな‼︎』

 

 

「ッ」

 やっぱり僕はツイてる。今のでパーツが辺り一面に飛び散った。それを拾い集めれば…自分で壊す手間が浮く‼︎

 

 

 

 

 みんなが先に進もうとしている最中、

 僕は――

 

 

 ――パーツの吟味をしていた。……え?何やってるの?カッコ悪いって?いやいや、ここでカッコ悪かろうが最後に勝てばよかろうなのだ。何も問題ないと思う……いい感じに仮想敵のパーツも集まりズボンのポケットいっぱいに確保できた。

 

 

『おおっとぉ?1-A置換は何してるんだァ⁉︎』

『ありゃ、個性に必要な道具揃えてんだろ、あいつの個性便利だが……今回ヒーロースーツ禁止だからな……当然、スーツに付随する道具も使えん』

 

  

 その数――片方のポケットあたり十、ポケット両方合わせ二十だ。当然見た目はダサい、何せポケットだけパンパンだ。だけど、確保前に比べて十七も増えた。当然……実用的だ。これで僕は何もなければ二十の個性使用が保証された。

 

 

 ずいぶんと出遅れてしまった。過半数が先に進み第二関門に差し掛かろうというところだろうか。

 

 

 さぁ、ここからだ。僕の逆転劇が幕を開ける。

 とはいえやることは単純だ。パーツを行きたい方向の上空に投げ個性を使い置換する。それを繰り返すだけ。

 

 

 パーツを投げて、手を叩く。残りパーツ十九――

 進め進め、今までの遅れを取り戻すんだ。

 

 

 パーツを投擲して、手を打ち鳴らす。残りパーツ十八――

 巨大仮想敵の群れはもうすぐ越せる。仮想敵の手が僕に伸びる。だけど遅い、さぁ、もう一回。

 

 

 パーツを放擲して、柏手を打つ。残りパーツ十七――

 巨大仮想敵の群れは超えた。

 それでもまだ前方との差がある。

 

 

『オイオイ第一関門、チョロいってよ‼︎んじゃ第二はとうさ‼︎落ちればアウト‼︎それが嫌なら這いずりな‼︎――』

『――ザ・フォーーール‼︎』

 

 うっすらと前方よりプレゼントマイクの実況が聞こえた。なるほど、第二関門はそうなんだね。

 

 じゃあ――

 投じて、柏手を響かせる。残りパーツ十六――

 上等、進め進め進むんだ。

 

『オイオイオイオイ、さっきまでガラクタ集めしてた置換が第二関門に辿り着いたぞォ‼︎ヤベェなオイ、はえぇじゃねぇか‼︎』

『そりゃそうだ、あいつの個性は置換。投げてモノを自分と置き換えるそれを繰り返すだけで移動できる、かなり便利な個性だぞ……』

 

 

 

 さぁ、ついた。第二関門ザ・フォール。端的にいうと大袈裟な綱渡り。でもこれもまた――"とべる"僕には関係ない。

 

 

 放って、開手を打つ。残りパーツ十五――

 綱を渡る梅雨ちゃんを、サポートアイテムを使う少女を、綱を走る飯田くんの上空に僕は躍り出る。

 邪魔をしようにも僕は遥か上空。

 故に――誰も届かない。

 

 

『さあ先頭は難なくイチ抜けしてんぞ‼︎』

 

 

 ぶん投げて両手を叩く。残りパーツ十四――

 さぁ、ザ・フォール突破だ。

 距離はそこまで空いていない。まだ追いつける。

 落下、着地し走る走る走る――

 

 

『先頭が一足抜けて下はダンゴ状態!上位何名が通過するかは公表してねえから安心せずち突き進め‼︎』

『そして早くも最終関門‼︎かくしてその実態は――……』

『一面地雷原‼︎怒りのアフガンだ‼︎地雷の位置はよく見りゃわかる仕様になってんぞ‼︎目と脚酷使しろ‼︎』

 

 

『ちなみに地雷!威力は大したことねえが、音と見た目派手だから失禁必至だぜ!』

『人によるだろ』

 

 

 

 轟くんが先頭を走りながらポツリと呟いた。

「エンターテイメントしやがる」

 

「はっはぁ俺は――」

「関係ね――――――‼︎」

 

 

 爆豪くんは轟くんを睨みつけながら言った。

「てめぇ、宣戦布告する相手を――間違えてんじゃねえよ」

 

 

 

『ここで先頭がかわった――‼︎喜べマスメディア‼︎お前ら好みの展開だああ‼︎』

『後続もスパートをかけてきた‼︎だが引っ張り合いながらも……先頭二人がリードかあ‼︎⁉︎』

『いや……上を見ろマイク、もう一人――いるぞ』

 

『おおっとぉ‼︎まさかのまさか、先ほどから追い上げていたものの姿の見えなかった置換、置換隷が今度は遥か上空にいるぞーーー⁉︎』

 

 

 

 時は少し巻き戻る。

 プレゼントマイクの実況が聞こえた。

『そして早くも最終関門‼︎かくしてその実態は――……』

『一面地雷原‼︎怒りのアフガンだ‼︎地雷の位置はよく見りゃわかる仕様になってんぞ‼︎目と脚酷使しろ‼︎』

 

 そっか第一種目、これで最後なんだ。

 それなら、パーツ全て使い切っても問題ない……かな。

 

 

 それじゃあ、大盤振る舞いだ。

 第一関門で溜め込んだパーツを投げては自身と置き換える。十三、十二、十一、十、九――――

数はどんどん減っていく。しかしそれと同時に消費一つにつきおおよそ十メートル僕も先へ進む。

 

 

 さらに先へと個性を連続発動させ天に昇りつつも先に進み続ける。パーツの数は減り続ける。六、五、四、三――――

 

 気づけば僕は轟くんと、爆豪くんのデッドヒートを上空三十メートルの位置から眺めていた。

 

『ここで先頭がかわった――‼︎喜べマスメディア‼︎お前ら好みの展開だああ‼︎』

『後続もスパートをかけてきた‼︎だが引っ張り合いながらも……先頭二人がリードかあ‼︎⁉︎』

『いや……上を見ろマイク、もう一人――いるぞ』

 

『おおっとぉ‼︎まさかのまさか、先ほどから追い上げていたものの姿の見えなかった置換、置換隷が今度は遥か上空にいるぞーーー⁉︎』

 

 

 

 個性の使用を辞めた以上僕は落下している。

 

 ――――――落ちる、僕は真っ逆さまに落ちていく。だけどまだ個性は二度使える。

 

『おっと‼︎コイツァやべぇか⁉︎置換、真っ逆さまに落ちてるじゃねぇか‼︎』

 

 プレゼントマイクの声が聞こえる。

 

『いや、これは――』

 相澤先生がそう言ったのと同時だった。僕はゴールに向けてパーツを投擲、残り一個――――

 

『このレース――まだ動くぞ』

 

「あ?これ……」

「これは……」

 柏手の音とパーツを上空に残して轟くんと、爆豪くんの前に――僕はゴール二十メートル目前に置換していた。

 

『後続もスパートをかけてきた‼︎だが、引っ張り合いながらも先頭三人がリードかぁ‼︎⁉︎』

 

 これで――

「僕の――勝ち、だ‼︎」

 その言葉と同時に最後のパーツを前方に投げる。これでパーツ残数零――しかし――

 

 

 

 

「「させねぇ‼︎」」

 爆豪くんの爆風により投げた進路が変更され妨害された。

 

 轟くんに足元を凍らされた。

 

「しまっ……」

 柏手をうち、凍らされた範囲からの脱出は成功した。

 しかし、爆風に流されたパーツはゴール二十五メートル後方まで下がっていた。

 

 

 しまった、これではもう個性が使えない。周り見渡すが使えそうなものは見つからない。

 現時点で轟くん、爆豪くんが先行、僕がその後ろに着いている形となる。残る距離は十五メートル――素直に走るしかない‼︎

 

 BOOOM‼︎と後方で爆発音が聞こえた。

 

『後方で大爆発‼︎⁉︎何だ、あの威力⁉︎偶然か、故意

 ――――』

『A組緑谷爆風で猛追――――‼︎⁉︎』 

 

『―――――……っつーか‼︎‼︎抜いたああああー‼︎』

 

 後ろを振り向いている場合じゃない、先へ進むんだ。

 ――駆ける、後ろから誰かが飛んでくるのを見て駆けていた。

 僕の後ろを通り過ぎ――緑谷くんだった。

 パーツにしがみつき爆風で飛ばされてきたのだろう。

 ゴール直前まで直進しているが――これでは、着地が?

 

 

「デクあ‼︎‼︎」

 爆豪くんが緑谷くんに迫る。

「俺の真ェ…行くんじゃねえ‼︎」

 

「後ろ気にしてる場合じゃねえ……!」

 轟くんは足元を凍らせスケートのように滑り出す。

 

 

『元・先頭の二人、足の引っ張り合いを止め緑谷を追う‼︎共通の敵が現れれば人は争いを止める‼︎争いは無くならないがな!』

 

 

 緑谷くんが掴んでるの……パーツ?それは――

 僕がそう思うのと同時だった。そのパーツを緑谷くんは振りかぶり地雷原に叩きつける。地雷の爆風に乗りさらに先へ進む。

 

 だけど――僕もそのパーツ使わせてもら――いや……ダメだ、使えない。今置換すれば爆風に飛ばされるか煙に包まれ先が見えなくなる。

 つまりぼくは、このまま走るしかない――残る距離は十メートル、個性を使ってもほぼ誤差だ。それなら、走ったほうが速い‼︎

 

 

『緑谷間髪入れず後続妨害‼︎何と地雷原即クリア‼︎イレイザーヘッドお前のクラスすげえな‼︎どういう教育してんだ!』

『俺は何もしてねぇよ。奴らが勝手に火ィ付け合ってんだろう』

 

『さァさァ、序盤の展開から誰が予想できた⁉︎今一番にスタジアムへ還ってきたその男――――……』

 

 

『緑谷出久の存在を‼︎』

 

 そんな実況を聞きながら、爆風に逆らいながら――走り続ける。

 

『さぁ、轟、爆豪と後続もたどり着いて来た‼︎おおっと、その後ろに置換もいるぞ‼︎』

 

 ついた――四位か……

 

『少し遅れて、塩崎、骨抜、飯田……さぁ続々とゴールインだ!順位等は後でまとめるからとりあえずお疲れ様‼︎』

 

 

 悔しいなぁ……だけど、それでも四位になれた。轟くん、爆豪くんに迫る動きは見せれた。上等の戦果ではないだろうか。ただ、僕の個性置換対象がないと実質無個性になる。そこだけは注意しなくちゃいけない……何か対策を考えないと。

 

 

 

「ようやく終了ね。それじゃあ結果をご覧なさい!」

 ミッドナイトが掲示板を見るよう促している。

 

 上から順に、緑谷、轟、爆豪、僕、塩崎、骨抜、飯田、常闇、瀬呂、切島、鉄哲、鬼人、尾白、泡瀬、蛙吹、障子、砂藤、麗日、八百万、峰田、芦戸、口田、耳郎、回原、円場、上鳴、凡土、柳、心操、拳藤、宍田、黒色、小大、鱗、庄田、小森、鎌切、物間、角取、葉隠、取蔭、吹出、発目、青山の計四十四名。

 

 

「予選通過は上位四十四名‼︎残念ながら落ちちゃった人も安心しなさい!まだ見せ場は用意されてるわ‼︎」

「そして次からいよいよ本戦よ‼︎ここからは取材陣も白熱してくるよ!キバリなさい‼︎」

 

「さーて、第二種目よ‼︎私はもう知ってるけど〜〜〜……」

 ドゥルルルルとドラムロールが鳴り響き、空中に映像が投影される。

「何かしら!⁉︎言ってるそばから――」

 

「コレよ‼︎‼︎」

 そうミッドナイトが示したスクリーンの先にあったのは『騎馬戦』の文字だった。

 

 

「騎馬戦……!」

「個人競技じゃないけどどうやるのかしら」

 

「参加者は二〜四人のチームを自由に組んで騎馬を作ってもらうわ!基本は普通の騎馬戦と同じルールだけど、一つ違うのが……先ほどの結果にら従い各自にポイントが振り当てられること!」

 

「入試みてえなポイント稼ぎ方式かわかりやすいぜ」

「つまり組み合わせによって騎馬のポイントが違ってくると!」

 

 

「あんたら私が喋ってんのにすぐ言うね‼︎」

 ピシャンとミッドナイトがムチをしならせ怒っている。

「ええそうよ‼︎そして与えられるポイントは下から5ずつ!四十四位が5ポイント、四十三位が10ポイント……と言った具合よ。そして……一位に与えられるポイントは――」

 

 

 

「1000万‼︎‼︎」

 

 

「上位の奴ほど狙われちゃう――――――――――……下剋上サバイバルよ‼︎」

 そんなミッドナイトの声が会場に響き渡るのだった。




今回も読んでいただきありがとうございました!
次回は…まだ書いてないけど…明日あげられたらいいなぁ(無理だったらごめんなさい)
ヒロアカ最新刊明日発売ですね!映画みてからの最新刊購入するんじゃないかな。

次回は騎馬戦書くんですけど、あれ…置換くん無双しないか…?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。