何も考えずトーナメント人数を増やしたが為に非常に悩む羽目に……
今回なら20ではなく24にするべきだったぜ……
さてさて、ではどうぞ!
本日も、楽しめたら幸いです。
[昼休憩終了後]
『最終種目発表の前に、予選落ちの皆へ朗報だ!』
『あくまで体育祭!ちゃんと全員参加のレクリエーション種目も用意してんのさ!本場アメリカからチアリーダーも呼んで一層盛り上げ…………』
『ん?アリャ?』
『なーに、やってんだ……?』
『どーしたA組‼︎?』
そんなプレゼント・マイク先生の声を聞きグラウンドに視線を向けると――
A組女子たちが、チアガール姿で、立っていた。
僕は目を擦りもう一度そちらに視線を向ける。何かの間違いだろうと、不安とちょっぴりの期待を胸にそちらに視線を――
どこからどう見ても、A組女子たちが、チアガール姿で、立っていた。だけどなぜかおかしい、皆表情が沈んでいる。
なんで⁉︎
疑問は八百万さんの発言ですぐに解決した。
「峰田さん、上鳴さん‼︎騙しましたわね⁉︎」
そう言えば…やりたくなかったし、どうせ無理だろうと思ってスルーしたけど……僕も峰田くんに話を振られたような……
話は一時間前に遡る。
騎馬戦が終わり騎馬戦メンバーを昼食に誘いに行く途中の出来事だった。
峰田くんが僕にこう話しかけてきたんだ。
「な、な、置換。オイラ面白い話、思いついたんだ。」
「どうしたの?面白い話って………」
「それがな、偶然聞いたんだけど、どうやらレクリエーション企画応援枠でチアガールを呼んでるらしい。そこで――」
僕は峰田くんから計画の全貌を聞いた。
どうやら峰田くんはそのチアガールの応援についてA組女子たちに話を歪めて伝え、彼女らにチアガールの衣装を着せイベントに参加させたいとのことだった。
「いや……それは無理だと思うけど……流石に騙されないと思う。峰田くん一人なら特に――」
「おいおい、だから同志であるオマエを誘ってるんだって。オイラだけだと警戒されちまう。だけど一見草食無害そうなオマエがいるなら……話は別だ。女子たちも信用するだろ?」
流石にそこは考えていたんだろう。でも僕も本音をこぼしたから一部女子に引かれてたような……
「んー、どうだろう。でも僕はやりたくないかな……A組のなかでも仲良い子いるし、引かれるようなことしたくないから……」
そういうと峰田くんはまるで裏切り者を見るかのようなすごい目で一瞬僕に視線を向けると目を閉じた。
「はぁ……そうか。オマエには熱いパッションを感じたんだが……オイラの見込み違い、か」
え、今までなんか峰田くん同類扱いされてたの?え?
「峰田くんも女子と仲良くしたいならあんまりそういうことしない方がいいよ?それじゃあ僕は騎馬戦チームにご飯誘い行くから――」
峰田くんは閉じていた目をカッと開くと言った。
「置換、オマエ……B組女子と飯食うのか……」
「いや、鬼人と鎌切くんもいるけど……」
「オマエ……B組女子と昼飯食べるのか」
「いやだから――」
「こんにゃろーーー‼︎一人で青春してんじゃねぇよォ〜この裏切り者ぉ〜〜」
涙を流した峰田くんはそのまま走り去っていった。
「………………まぁ、いっか。気分も乗らないし、女子も流石に騙されないだろうし……うん、鬼人たちお昼ご飯に誘いに行こっと」
少し解せない気持ちを抱えながら僕はお昼を誘いに向かった。
…………これかぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎
峰田くん上鳴くん誘って計画実行したんだ……まさか成功するとは思ってもなかったから、記憶の隅の方に置いてた……というかなんなら忘れてた。
こんなことならちゃんと女子たちに伝えておけば良かった……
「何故こうも峰田さんの策略にハマってしまうの私……」
「まあまあ、そういうこともあるよ」
落ち込む八百万に励ます麗日さん。
「アホだろ、アイツら……」
「まァ本戦まで時間空くし張り詰めてもシンドイしさ……いいんじゃない⁉︎やったろ‼︎」
恥ずかしげに呟く耳郎さんと乗り気の葉隠さん。
『さァさァ、皆楽しく競えよレクリエーション!』
『それが終われば最終種目、進出五チーム総勢二十名からなる、トーナメント形式‼︎』
『一対一の、ガチバトルだ‼︎』
ふと僕は尾白くんの方を見た。やはり表情は沈んでいる。
遡ること二時間前。
騎馬戦が終わった直後僕は尾白くんに声をかけられた。とても真剣な表情で何故か気分が沈んでるように見える。
「なぁ、置換。お前、俺が騎馬戦で何やってたか知ってるか?」
よく分からない質問をされた。
「?何やってたって……確か心操チームで戦ってたはずだけど……」
僕はそのままあった事実を伝えた。
ふと思い出した心操チームといえば――
「そうだったおめでとう、最終種目進出‼︎」
「それだ。それなんだ、置換。俺は――」
「?」
どうしたんだろう、尾白くん。勝ったのに表情が沈んでる……
「――覚えてないんだ。騎馬戦でなんであのチームに入ったかどう戦ったか、ほとんど……覚えてない。いや……正しくはボンヤリとしか覚えてない……か」
「ボンヤリとしか覚えてない……?」
「そうだ、お前には話しておく、俺はチーム決めの時あいつに声をかけられた。そこから全てが朧げなんだ」
「…………」
「俺は――こんなよく分からない状態で最終種目に出れない。出たくないんだ」
「皆が頑張って乗り越えてきて最終種目出るんだぜ。なのに俺は俺の力でここに立ってるわけじゃないんだ」
僕は尾白くんに声をかける。
「でも……出た方が尾白くんの為になるよ……それに僕は君とも競い合いたい」
「……あぁ、そうだな。そっちの方が自分のためになるって分かってる。俺だってお前と競いたい。だけど、ここでプライド捨てたら俺が俺じゃなくなるんだ。今までの俺を全部否定することになる」
「それに――知ってるか?置換。武道ってさ、礼で始まって礼で終わるんだ。俺は武道家だ、少なくとも俺はそう思って自分を鍛えてきた。それが、その一番大事な礼が、今回の騎馬戦は全くなかった」
僕はゴクリと唾を飲み込む。
「これじゃあ、武道家じゃねぇよ……俺は俺が情けない。」
「尾白くん…………」
「えっと、悪かったせっかく勝ち上がったのに暗い話して……置換。時間もまだあるし、もうちょっと考えてみるよ」
去る間際に一瞬笑みを浮かべると尾白くんは沈んだ表情のまま競技場から消えていくのだった。
「…………尾白くん……」
僕は彼に何も言えなかった。言いたいことはいっぱいあった。でも、いえなかった。涙は出てなかったけど彼は泣いていた、僕にはそう見えた。これ以上彼の誇りを、プライドを穢せないよ――
「それじゃあ、組み合わせ決めのくじ引きしちゃうわよ」
ミッドナイト先生のその声で現実に戻された。
「組が決まったらレクリエーションを挟んで開始になります!」
ミッドナイト先生はスッとくじ引き箱を抱えながら言った。
「レクに関しては進出者二十人は参加するもしないも個人の判断に任せるわ。息抜きしたい人も温存したい人もいるしね」
「それじゃあ、一位チームから順に……」
ミッドナイト先生がそう言った瞬間だった。
尾白くんがス……と手を上げるのが見えた。
「あの……!すみません」
「俺――辞退します」
そっか…………尾白くんはやっぱり、そうすることにしたんだね。
「尾白くん!何で……⁉︎」
「せっかくプロに見てもらえる場なのに‼︎」
険しい表情のまま尾白くんは話す。
「騎馬戦の記憶……終盤ギリギリまでほぼボンヤリとしかないんだり多分奴の個性で……」
「チャンスの場だってのはわかってる」
「それをフイにするなんて愚かな事だってのも……!」
「尾白くん……」
「でもさ!皆が力を出し合い争ってきた座なんだ。こんな……」
「こんな、わけわかんないままそこに並ぶなんて――俺は出来ない」
「気にしすぎだよ!本戦でちゃんと成果を出せばいいんだよ!」
「そんなん言ったら私だって全然だよ⁉︎」
「違うんだ……俺のプライドの話さ……」
僕は葉隠さんと芦戸さんに言った。
「やめようよ」
「なんで⁉︎置換くん、尾白くんと仲良いじゃん。止めたげようよ‼︎」
「仲が良いから……だからこそだよ。だから止められないんだ」
「っ……」
尾白くんは独白を続ける。
「俺が、嫌なんだ」
「それに、それだけじゃない。俺は――武道家だ。俺が俺である為に、これ以上恥を晒したくない」
「わりぃ、置換。色々考えたけどやっぱ無理だわ」
尾白くんはそう言って僕に歪な笑顔を見せるのだった。
「尾白くん……」
僕はまたしても彼に言葉をかけることができなかった。だって彼がどれだけの覚悟でこの体育祭に臨んでいたのか聞いていたし、騎馬戦後のあの話もある。そんな彼に同じ勝者であっても自分で勝ち取った僕がかけられる言葉があるはずがなかった。
B組の庄田二連撃くんからも声が上がる。
「僕も同様の理由から棄権したい!実力以前に……何もしていない者が上がるのはこの体育祭の趣旨と相反するのではないだろうか!」
鬼人が呟いた。
「庄田、おめぇも……」
『何か妙なことになってるが……』
表情に影を刺したミッドナイト先生がポツリと言った。
「そういう青臭い話はさァ……」
一拍おき満面の笑顔で鞭をしならせた。
「――好み‼︎‼︎」
「庄田、尾白の棄権を認めます!」
ミッドナイト先生、ありがとうございます。理由はなんであれ友達の信念を守ってくれて――
それならとミッドナイト先生は参加者に尋ねた。
「くり上がりは六位の拳藤チームだけど……」
拳藤さんは自分のチームを見ながら言った。
「そういう話で来るんなら……ほぼ動けなかった私らよりアレだよな?な?」
「最後まで頑張って上位キープしてた鉄哲チームじゃね?馴れ合いとかじゃなくさ。フツーに」
「お……おめェらァ‼︎」
B組に向かい鉄哲くんはビシッと敬礼を。塩崎さんはぺこりと一礼をした。
「というわけで鉄哲と塩崎が繰り上がって二十名――」
「――組はこうなりました!」
トーナメント表は下記の通りである。
えっと…僕は……最初シード枠なんだ。
これ、鬼人か上鳴くんと当たるんだ……
頑張るぞ……ただどうしよう、個性に使えるもの持ち込めないと思うし…
あ、皆挨拶してる……でも僕最初の相手わからないし……二人に挨拶行こうかな。ちょうど話してるし。
「鬼人!上鳴くん!えっと、僕シード枠みたいなんだ。どっちが勝つかわからないけど……よろしくね!」
「ん?おう、当然俺が勝つと思うけどな。隷の相手は俺がもらうぜ上鳴」
「いやいや、何言ってんのよ、おっさん。どう考えても俺の方が強いっしょ?」
「……オッサン?あ?誰に言ってんだこのチビ」
「チビィ?おいおい、お前がデカいだけだろ!」
あ、やば。挨拶こなければよかったかも……喧嘩始まっちゃった。この二人の間に見えないけど火花が散っているように感じる。
「えっと、じゃあ僕行くね……」
小声で僕はそういうと二人の元から立ち去っていった。
『よーし、それじゃあトーナメントはひとまず置いといてイッツ束の間、楽しく遊ぶぞ。レクリエーション!』
[といっても――神経を研ぎ澄ます人、緊張を解きほぐそうとする人、それぞれの思いを胸に――あっという間に時はきた]
セメントス先生が個性で舞台を作り――
「オッケーもうほぼ完成」
プレゼント・マイク先生が開始の宣言を――
『サンキュー、セメントス!』
『ヘイガイズアァユゥレディ⁉︎色々やってきましたが‼︎結局これだぜガチンコ勝負‼︎』
『頼れるのは己のみ!ヒーローでなくともそんな場面ばっかりだ!わかるよな‼︎心・技・体に知恵知識‼︎』
『――総動員して駆け上がれ‼︎』
なんか尾白くんの独白もうちょい深みを持たせられたような気がする……
尾白くん、結構好きなんですよね…だからもうちょい深掘りしようかなーと…
さてさて、本編読んでいただけたらわかると思いますが20人にしたせいでトーナメントがやばいす…
最低限置換くんの試合は全部書くとして……他の人はどうしようサラッとでいいかな…
置換くんと関係性深い人の戦闘描写を書くかどうか。
エグい量になりそうなのであまり書きたくは…早く先に進みたいところもあるので…
体育祭編はあと3〜5話以内に終わらせたいところ…
長文失礼しました!
本日も読んでくださりありがとうございます!
次回はちょっと誰がどこで勝つかをサラッとしか決めてないので時間かかる…かも?
週2更新は極力守るつもりなのでがんばります…