推しのために死に続ける話。   作:三つ首黒虎

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あんまり今回文字数ないす。
いつもの半分くらい……申し訳ないす。
なんか原作ないところの方が書きやすいような

とりあえず、どぞ!


27話 平和な日常

 

 

 

 僕の職場体験も終わり翌日。オールマイトの受け持つヒーロー基礎学の実技を行うため運動場γにA組の皆は集まっていた。

 

 「ハイ、私が来た。ってな感じでやっていくわけだけどもね。ハイ、ヒーロー基礎学ね!久しぶりだ、少年少女!元気か!?」

 

「ヌルッと入ったな」

「久々なのにな」

「パターン尽きたのかしら」

 とみんなの反応を聞きながら僕は昨日のことを思い出していた。

 

 ♦︎♦︎♦︎

 

 落ちていく太陽に照らされたミッドナイトの顔。その目は一瞬大きく見開かれたように見えた。

「鬼瓦くん……は」

 

 ミッドナイトは言いづらそうに視線を逸らす。しかし、何かを決意したかのようにこちらに向き直ると告げた。

「鬼瓦くんは……今は別のところにいるわ。身体が元に戻らないからどうにか元に戻そうって。ほら、あの見た目じゃ日常生活に戻れないじゃない?」

 

 いつもの笑顔と違い、ぎこちない笑顔を浮かべこちらにそう告げるミッドナイトは辛そうに見える。僕は察してしまった。多分鬼人はあの状態から戻れてきていない。仮に戻れたとしても……

 

「そう、ですね。うん。ありがとうございます」

 これ以上ミッドナイトに負担をかけたくない、極力落胆を表に出さないよう僕はいつものように笑顔を浮かべた。

 

 そうだ、お礼、しなきゃ。気分を変えるように少し大きな声を出す。

「ミッドナイト先生、改めて短い間でしたがお世話になりました!先生と社長のおかげで少しは成長……できだと思います。本当にありがとうございます」

 

「こちらこそ、よ。学びがあったのなら嬉しいわ。それじゃあ、また明日学校でね」

 

「はい。また明日」

 

 大丈夫だろうか。おかしなところはなかっただろうか。優しいあの人にこれ以上負担をかけないようにできただろうか。そんなことを考えながら僕は事務所を後にした。

 

 

 ♦︎♦︎♦︎

 

「……くん!……置換くん!ミッドナイトから話はきている。昨日まで職場体験やってたみたいだからね!怪我もしてるみたいだし今日は見学で!」

 

「え……?あ、はい。ご配慮……ありがとうございます」

 やる気はあったし身体を動かしたかったんだけど……ミッドナイトとオールマイトの気遣いを無下にするのも良くないだろう。身体も治り切ってはいなかったのもあって、僕は素直に休むことにした。

 

「じゃあ初めの組みは位置について!」

 オールマイトの合図とともに五人のメンバーがスタート位置に向かう。

 尾白くん、緑谷くん、飯田くん、芦戸さん、瀬呂くんの五人だ。

 

「START」の合図とともに皆勢いよく飛び出した。先頭を行くのは個性のテープで空を跳べる瀬呂くん――かと思たけど緑谷くんが跳ね先へ行く。他のみんなもそれぞれ個性を使い救助に向かうが、結果は――

 

「フィニーーシュ!」

 終了の合図。勝者は、瀬呂くんだった。

 緑谷くんもいいところまで入っていたんだけど足を滑らせ落ちて盛大なタイムロス。よって勝者は順当に空を跳べた瀬呂くんとなった。

 

 

 他のメンバーも続々と訓練を終えていく。

 皆、今までよりも個性の幅だったり身体能力が増していた。やっぱり僕だけじゃない、皆成長してるんだ。

 

 

 ♦︎♦︎♦︎

 

 その日の授業の最後、相澤先生が少し早めに授業を切り上げ気怠げに告げた。

「えー……そろそろ夏休みも近いが。もちろん君らが三十日間一ヶ月休める道理はない」

 

 生徒の間に緊張が走る。

「まさか……」

 

 えっと、なんだろう。また実習ってことかな。

 

 相澤先生は生徒を見渡した。僕はごくりと唾を飲み込む。

「夏休み、林間合宿やるぞ」

 

 一瞬の間の後、クラス中に歓喜の声が響いた。

 

 ………………え?

 

「知ってたよーーー、やったーー!!!」

 

「肝試そーー!!」

「風呂!!」

「花火」

「風呂!!」

「カレーだな……」

「行水!!」

 

「自然環境ですとまた活動条件が変わってきますわね」

「いかなる環境でも正しい選択を……か。面白い」

「湯浴み!!」

「寝食みんなと!!ワクワクしてきたぁあ!!」

 

 でも、泊まりかぁ。それは楽しそうだ。やったことないしみんなでワイワイできるもんね。

 

 

「ただし」

 相澤先生のその一言で皆が静まり返った。

 

「その前の期末テストで合格点に満たなかった奴は……学校で補充地獄だ」

 

「みんな頑張ろーぜ!!」

 

 テスト……頑張らないとだね。死ぬ気で……

 

 

 

 ♦︎♦︎♦︎

 

 

 とあるビルの下層。研究室にて二人の男が話していた。

 一人は顔が潰れ、身体の様々な部位に管が繋がれてスーツを着た男。

 もう一人は身長の低い白い髭を生やした白衣を着た高齢の男だ。

 

 

「ヒーロー殺し。捕まるとは思わなかったが、概ね想定通りだ」

「暴れたい奴、共感した奴……様々な人間が衝動を解放する場として敵連合を求める。死柄木弔はそんな奴らを統括しなければならない立場となる!」

 

「出来るかねあの子どもに。ワシは先生が前に出た方がことが進むと思うが……」

 

「ハハ……では早く体を治してくれよドクター」

 

「超再生を手に入れるのがあと五年早ければなぁ……!傷が癒えてからでは意味のない期待はずれの個性だった」

 

「いいのさ!彼には苦労してもらう!次の僕となる為に」

 

「あの子はそう成り得る。歪みを持った男だよ」

「それに、今回は珍しい子も手に入れたんだ。あの個性はアメリカの"新秩序"に近いものもある」

 

「今のうちに謳歌するといいさ、オールマイト。"仮初の平和"をね」

 




早めに次話をがんばります
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