推しのために死に続ける話。   作:三つ首黒虎

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と言うわけで本日2話目
むしろ、こっちが本番まだありますね!
いつもの3倍の分量でございます。

基本主人公は観戦サイドなので戦闘描写の練習回となりました。

緑谷vs爆豪、麗日vs飯田。
頑張って書ききりました!



6話 戦闘訓練2

 

 

 「Aチーム」VS「Dチーム」

 ――屋内戦闘訓練開始――

 

 モニターはヒーローであるAチームが窓から侵入するところを写していた。

『潜入成功!』

『死角が多いから気をつけよう……』

 緑谷、麗日がビル内を探索していると爆豪が横道から飛び出し奇襲を仕掛けていた。

 

「いきなり奇襲!」

 横で峰田が驚いている。

 

 爆豪は緑谷麗日に向かい個性を使用し右腕を振るう。

『うわ‼︎』

 緑谷は間一髪、顔のマスクを掠らせるだけで麗日を庇いながら攻撃をかわしていた。

 

 すごい!あの反応速度……ちゃんと警戒しながら進んでたんだ。

 爆豪と緑谷麗日の遭遇。ここから本格的な訓練が始まる。再びモニターに視線を戻す。

 

『かすった……!麗日さん大丈夫⁉︎』

『うん!ありがと』

『早速来た……』

 

 土煙の中から爆豪が姿を現した。本当にヴィランみたいだ…

『デクこら避けてんじゃねぇよ』

 

 緑谷が立ち上がり

 『かっちゃんが敵ならまず僕を殴りに来ると……思った!』

 

「爆豪ズッケぇ‼︎奇襲なんて男らしくねぇ‼︎」

 そんなことを言う切島に対しオールマイトは諭す。

「奇襲も戦略!彼らは今実戦の最中なんだぜ!」

「緑谷くんよく避けれたね!」

 

『中断されねぇ程度にブッ飛ばしたらぁ‼︎』

 爆豪が緑谷に殴りかかろうと右腕を振りかぶる。

 そんな爆豪に対し緑谷は振りかぶった右腕に近づき両腕で抱える。

『すごい‼︎達人みたい‼︎』

 そして爆豪をそのまま背負い――投げる。

『うぅ……あぁ‼︎‼︎‼︎』

 

『ガハッ……‼︎』

 爆豪は受け身を取れなかったのだろう、大きな音と共に背中から地面に打ち付けられる。

 

 モニタールームは皆手に汗を握りながらモニターを眺めている

「………………ッ!」

 爆豪にも油断はあったんだろうけど、あんな技をかけれるくらいに熟練していた緑谷くんがすごい‼︎

 

『かっちゃんは……大抵最初に右の大振りなんだ。どれだけ見て来たと思ってる……!』

 そんな緑谷の言葉を聞きながら爆豪は立ち上がる。

『凄いと思ったヒーローの分析は、全部ノートにまとめてるんだ!』

『君が爆破して捨てたノートに……!』

 その言葉と共に爆豪は鬼の形相で振り向く。

 

『いつまでも"雑魚"で出来損ないの"デク"じゃないぞ……かっちゃん、僕は……』

 

『"頑張れって感じのデクだ‼︎"』

 そう緑谷は宣言すると拳を構えた。

 

 震えてる、でも宣言してるんだ。君には負けないぞって……すごいや、緑谷くん。

 

『ビビりながらよぉ……そういうとこが――』

『ムカツクなぁ‼︎』

 

『オイ、爆豪くん‼︎状況を教えたまえ!どうなっている⁉︎』

『黙って守備してろ……!ムカツいてんだよ俺ぁ今ぁ……!』

 爆豪はインカムを抑えながら何か話しているようだ。

 

「アイツ何話してんだ?定点カメラで音声ないとわかんねぇな」

 という切島の疑問に対してオールマイトが返答を返す。

「小型無線でコンビと話しているのさ!」

 

 僕が質問をする。

「えっとヒーロー側の持ち物は何があるんでしたっけ……?」

「持ち物は小型無線と建物の見取り図。そしてこの確保テープ!コレを相手に巻きつけた時点で『捉えた』証明となる‼︎」

 

 続けて芦戸が質問をする。

「制限時間は十五分間で核の場所はヒーローには知らされてないんですよね?」

「YES!」

 

 芦戸がポツリと呟いた。

「ヒーロー側が圧倒的不利ですねコレ」

 

「相澤くんにも言われたろ?アレだよ。せーの!」

「「Plus Ul「あ、ムッシュ爆豪が!」」

 

 モニターに視線を戻すと、BOOOM!!という爆音と共に個性を使用した爆豪が蹴りかかろうと緑谷に襲いかかっていた。

『!、麗日さん行っ――』

 言い切る前に爆豪の蹴りが炸裂した。

『ぐ‼︎!』

 無事ガード出来てはいたが爆発の加速と蹴りの威力組み合わされば必然かなりの脅威だろう。

 

『余所見か、余裕だな‼︎』

 そう叫ぶ爆豪に対し緑谷はポケットから出した捕獲テープを取り出し巻こうとする。

『確保証明のっ!クソが!』

 焦った爆豪はまたまた右の大振りで攻撃。

 癖を見抜いているのだろう。緑谷は爆豪の動きを見るとほぼ同時に動き出し攻撃を躱していた。

 

 砂藤がモニターから視線を逸らさず呟く。

「すげぇな、あいつ‼︎“個性"使わずに渡り合ってるぞ」

 

 続けて瀬呂が驚きと興奮を露わに叫ぶ。

「入試一位の爆豪と!」

 

『――――‼︎』

 攻撃を躱した緑谷を振り返り、焦りの表情を浮かべている爆豪。

 

 緑谷は時間を稼ぐためかビルの脇道に逃げ出した。

『待てコラ!デク‼︎』

 

 爆豪は逃げた緑谷を追いながら叫ぶ。

『なァオイ‼︎俺を騙してたんだろォ⁉︎楽しかったかずっとぉ‼︎』

『…………!』

『あ⁉︎ずいぶんと派手な“個性"じゃねぇか⁉︎使ってこいや。俺の方が上だからよぉ‼︎』

 まるでヴィランのような表情で叫びながら緑谷を追い爆走している。

 

 みんなが思っているだろうことを上鳴が代弁する。

「なんな、すっげーイラついてる…こわっ」

 

 緑谷が壁の裏にしゃがんで息を整えている。爆豪との距離が開いたため何かしらの作戦を練っているのだろう。

「言い忘れてたけどかっちゃん……前言――撤回だ‼︎」

 そう言い目を見開いた緑谷の瞳には覚悟が宿っていた。

 

 爆豪が無言のままイラついた表情で歩いている。嵐の前の静けさと言わんばかり、まるで暴発前の爆弾のようだ。

 

 モニターは切り替わる。

 今度は麗日と飯田が映し出された。

 飯田を発見したのだろう。麗日は柱の後ろに身を潜めている。

 飯田が何かぶつぶつと言っている。なんだろう。

『爆豪くんはナチュラルに悪いが、今回の訓練に関しては的をいているわけだ……ふむ、ならば僕も敵に徹するべきなのだ……そうだ』

『これも飯田家の名に恥じぬ立派な人間となる為の試練!なりきれ‼︎』

『俺はぁ……至極わるいぞぉお』

 全力で悪そうな雰囲気を醸し出しているが……

 飯田の性格を知っている僕たちからすると真面目すぎてちょっと面白い。麗日もそうなのだろう。堪えきれずに吹き出してしまっている。

『ブフッ』

 

『!来たか、麗日くん……!君が一人で来ることは爆豪くんが飛び出した時点で判っていた!触れた対象を浮かしてしまう“個性"だから先程……』

『君対策でこのフロアの物は全て片付けておいたぞ!』

 フハハハハハハと笑いながらどうだ、凄いだろうと言いたげに表手を広げ飯田は笑っている。

 

『これで君は小細工できない!ぬかったなヒーロー‼︎フハハハハハハ』

『様に……!なってる……‼︎』

 

『デクくん‼︎』

『麗日さん!どう⁉︎』

『飯田くんに見つかっちゃった!ごめん!今ジリジリと……』

『場所は⁉︎』

『五階の真ん中フロア!』

『もう時間もそんなにないハズ!タイムアップは敵側の勝ちだ!』

 

『――溜まった……』

 そう言いながら爆豪は右腕あげる。

『なんで使わねぇ、舐めてんのか?デク……』

 爆豪と緑谷が再度遭遇した。

『かっちゃん!』

 唇を噛み締めていた緑谷は目を見開き覚悟を決めた表情で呟く。

『もう……君を怖がるもんか‼︎』

 

『てめぇのストーキングならもう知ってんだろうがよぉ』

『?』

『俺の爆破は掌の汗腺からニトロみてぇなもん出して爆発させてる』

『…………?』

『要望通りの設計ならこの籠手はそいつを内部に溜めて……』

 そう言いながら爆豪はその手榴弾とも言える籠手の持ち手部分を手前に引くすると、横から手榴弾のピンのようなものが出て来た。

 

 焦った表情で爆豪を止めようとするオールマイト。

「爆豪少年ストップだ!殺す気か‼︎」

 

 爆豪はピンに指をかけ――

『当たんなきゃ――死なねぇよ!』

 言葉を発すると同時にそのピンを引き抜いた。

 

 今までとは比較にならない爆発音と共に閃光が走り世界は一瞬、光に包まれた。

 

「授業だぞ、コレ!」

「大丈夫なの⁉︎」

「え……こんな……」

「緑谷少年‼︎」

モニタールーム内に皆の焦る声が響き渡る。

 

 煙が徐々に晴れていくとビルの壁面には大きな穴が空いていた――――

 

『ハッ、ハッ、……!そんなん……アリかよ。ハッ、ハッ』

 恐怖に染まった緑谷、それを口角をあげ笑ったように見つめる爆豪。

 

『“個性"使えよデク。全力のてめぇをねじふせる』

 

 [爆豪勝己 “個性"「爆破」掌の汗腺からニトロのような汗を出し爆発させる!溜まれば溜まる程、その威力は増していく!]

 

『何だ‼︎?爆豪くんか‼︎?何をしているんだ彼は‼︎』

 先程の爆音に気を取られてている飯田を見てチャンスと思ったのか麗日は自分に触れ個性を発動させると地面を強く蹴り浮かび上がった。

 進行方向は当然核本体だろう。

 

『ぬっ。させない』

 飯田が麗日の前に立つも麗日は無重力故の跳躍で頭上を軽く飛び越える。

『自身も浮かせられるのか‼︎!』

『解除‼︎負担の大きい超必で!』

 麗日はイタズラが成功したように、にししと笑いながら核に触れようとする――――

 

 飯田が後ろから走って来た。個性を使用した加速だ。そのまま核を抱え後方に下がる。

『なーーーーーー‼︎!』

 触れるものを失った麗日は驚きを表情に浮かべたまま、そのまま落ち前方へゴロンゴロンと回転しながら壁にぶつかる。

『ぎゃん‼︎』

 

 核を背に隠しながら飯田は叫ぶ。

『君の“個性"は触れられない限りは脅威ではない‼︎このまま時間いっぱい粘らせてもらうぜ!ぐへへへへへ!︎』

 

 麗日は身体を起こしながら呟く。

『ぬぅ……!デクくん頑張ってるのに……!』

 

 モニタールームのクラスメイトも手に汗握り観戦している。

「あぁ……惜しい!」

「おぉ!麗日も飯田もナイスな状況判断!」

 

『ハハ……すげぇ……なぁ?どうしたデク。こいよ、まだ動けんだろぉ⁉︎』

 腕を前方に伸ばしたまま爆豪は緑谷に話しかける。

 

 緑谷はそれを無視し小型無線を使用した。

『麗日さん状況は⁉︎』

『…………』

 

『無視かよ、すっげぇな‼︎』

 先ほどの攻撃をもう一度やろうというのだろうか。今度は左手の起動準備を始めた爆豪。

 

「先生、止めた方がいいって!爆豪あいつ、相当クレイジーだぜ。殺しちまうぜ⁉︎」

「いや……爆豪少年次それ撃ったら強制終了で君らの負けとする。屋内戦において大規模な攻撃は守るべき牙城の損壊を招く!ヒーローとしてはもちろん敵としても。愚策だ、それは!大幅減点だからな!」

 

 それを聞いたのだろう。両手で頭を抱え悩むような仕草をしている爆豪。

『〜〜〜〜ああ〜じゃあもう』

 

『窓側柱に!じゃあまた!』

 緑谷は麗日との通話を終えたと同時に

 

 結論に達したのだろう爆豪は、

『殴り合いだ!』

 そう言うや否や爆破で加速し緑谷に迫る。

 

 あのタイミング、あの位置……避けられないだろう。なら出来ることは――反撃……かな?

 

 緑谷は爆豪を迎え撃とうと手を伸ばした瞬間――

 

 BOM!と言う爆発音と共に爆豪は爆破を利用し軌道変更をした。

 

『⁉︎』

 

 緑谷は思わず目の前で起きた爆発に対し目をつぶってしまったのだろう。

 だけどそれは――致命的だ。

 戦場で目を瞑ることは好きに攻撃してくださいとら言っているようなもの。

 故にこうなるのは必然だった。

 

 爆破で軌道転換をした爆豪、彼は後ろに回るとそのまま両手を出した緑谷の背中に対し爆破をらお見舞いした。

 

 

 感心のあまり思わず口からこぼれてしまったのだろう轟が説明をしてくれた。

「目眩しを兼ねた爆破で軌道変更、そして即座にもう一回……考えるタイプには見えねぇが意外と繊細だな」

 

 補足するように八百万が続く。

「慣性を殺しつつ有効打を加えるには左右の爆発力を微調整しなきゃなりませんしね」

 

 爆豪のその才能を羨むように上鳴が呟く。

「才能マンだ才能マン、ヤダヤダ……」

 

 

『ガハ‼︎ハッ!っ〜〜〜〜‼︎!』

 うめく緑谷に対して追撃を仕掛ける爆豪。

『ホラ行くぞ、てめぇの大好きな右の大振り‼︎』

 緑谷はその声を聞き振り返るが避けきれず右腕に一撃を受ける。

『ア"……』

 

 一撃を加えた流れで緑谷の右腕を掴んだ爆豪は

『デク』

 爆破で加速しながら振り回し――

『てめぇは俺より下だ‼︎』

 最初の背負い投げの意趣返しでもするように地面に叩きつけた。

『う"っ‼︎』

 

 

「リンチだよコレ!テープを巻き付ければ捉えたことになるのに!」

「ヒーローの所業に非ず……」

「緑谷もすげぇって思ったけどよ……戦闘能力に於いて爆豪は間違いなく――センスの塊だぜ」

 

 

『ぐうぅ‼︎』

 と呻きながら逃げる緑谷、そして歩きながらそれを追う爆豪。

 

 

「逃げてる!」

「男のすることじゃねぇけど仕方ないぜ。しかし変だよな……」

 

 

 緑谷が先程穴を開けられた窓際に追い詰められた。

『何で“個性"使わねぇんだ。俺を舐めてんのか⁉︎ガキの頃からずっと‼︎そうやって‼︎!』

『違うよ』

 

 

『俺を舐めてたんかてめェはぁ‼︎!』

 右手を振りかぶり次の攻撃をしようとする爆豪。

 

 

 涙を浮かべながら恐怖を抑え言い返す緑谷。

『君が凄い人だから――勝ちたいんじゃないか‼︎』

『勝って‼︎超えたんじゃないか。バカヤロー‼︎!』

 

『その面やめろや、クソナード‼︎!』

 

 

 モニターに釘付けの中ふと誰かが呟いた。

「なんか……爆豪の方が余裕なくね?」

 

 

 お互いに右腕を引き――お互いの譲れぬもののために……

 個性発動の兆しを見せる緑谷。

『DETROIT……』

 

 掌に爆破の種火を抱えたまま殴りかかろうとする爆豪。

『ァァァァァアアアッ‼︎』

 

 

「先生‼︎やばそうだってコレ!」

「先生!」

 

「双方……中止……」

 

『――麗日さん行くぞ‼︎』

「!」

 

 核の置いてある部屋の柱に抱きつく麗日。

『はい!‼︎』

 疑問符を浮かべる飯田。

『?』

 

 緑谷を殴った爆豪、

 そして――何故か真上に振りかぶった緑谷。

 

 緑谷の一撃が上層を破壊していく。

 そして、その破壊が五階に達した時……

 麗日は先程抱きついた柱に個性を使い――

『飯田くん!ごめんね、即興必殺!』

 

 浮いた瓦礫を柱で打っていく。

『彗星ホームラン!』

 

 当然、飯田は両腕を前に翳し少しでもダメージを軽減しようとガードする。

『ホームランではなくないかーーーー‼︎?』

 

 その隙をつき跳んだ麗日。

『!』

 

『…………!』

『そういう……ハナっからてめェ……やっぱ舐めてんじゃねぇか……!‼︎』

 だんだんと土煙が晴れていく。

 

『使わない、つもりだったんだ……使えないから……体が衝撃に耐えられないから……相澤先生にも言われて……たん……だけど……これしか……思いつかなかった』

 完全に煙が晴れると左腕を犠牲に爆豪の爆破を防いだ緑谷がふらふらではあるものの確かにそこに立っていた。

 

 個性の連続使用および自身を浮かしたことによる顔色の悪い麗日が核に抱きつき宣言した。

『回収‼︎!』

 

『ああーーーー核ーーーー‼︎!』

 

「ヒーロー……」

 オールマイトのその声を聞くと同時に倒れ出す緑谷、そして歯を食いしばり絶望したような表情の爆豪。

 

 

「ヒーローチーム……WIiiiiiiN‼︎」

 オールマイトの勝利宣言と共に地面に倒れ伏した緑谷、口を開け放心している爆豪。奇しくも勝者と敗者の様子が逆なのである。

 

「負けた方がほぼ無傷で」

「勝った方が倒れてら……」

「勝負に負けて、試合に勝ったというところか」

「訓練だけど」

「どれだけ、全力なんだ……」

 




次回こそは主人公隷くんの戦闘回!書くんや!!
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