推しのために死に続ける話。   作:三つ首黒虎

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本日…2本目…?
お待たせしました!
この次の話からヴィランサイドも登場ですね!


8話 反省会

「あ……」

 僕が目を開けると白い天井が視界に入った。

 保健室だろうか。

 

「あ、尾白くん、置換くん起きた!」

「お疲れ、置換。大丈夫か……?」

 葉隠さんと尾白くんの声が聞こえる。

 

「あれ……二人ともどうしたの……?」

 僕は寝ぼけ眼のまま目をこすりながら尋ねる。

 

「あれ?もしかして覚えてない?ほら、戦闘訓練!」

「訓練の後、置換気絶したから授業終わったし……お見舞いに来たんだ」

 葉隠さんは明るく、尾白くんは少し申し訳なさそうにそう言った。

 

「あー……、そっかそうだったね。二人も大丈夫だった……?」

 僕が尋ねると二人は

 

「うん、私は怪我は特に……障子くんに捕獲テープ巻かれちゃったから……」

「俺も怪我はしてないけど……油断して捕獲テープを巻かれちゃったわ……ごめん……」

 

「いやいやいや、何言ってるのさ。二人がいなかったらもっと早く負けてたよ!感謝することはあっても謝ることなんてないよ。むしろ僕の方こそ不甲斐ない負け方してごめん……」

 

「えっと、訓練結果は負け……たんだよね」

 僕かそう二人に問いかけると

 

「うん……」

「そうだね、そうなる」

 二人は申し訳なさそうだ。

 

「僕の方精一杯でそっちのことわからなかったから……聞かせてもらってもいい?どうやって戦ったのか。その後に僕もどう戦ったか話すからさ。えっと、反省会しよう!」

 

「反省会。そうだね、やろうか」

「うん!いつまでもクヨクヨしてられないし反省大事だもんね」

 

「まずは俺たちから――」

 そう言って尾白くんと葉隠さんは障子くんとの戦いについて話してくれた。

 最初に無事分断が成功したこと、その後二人で戦っていたのに押されていたこと、二人の機転で障子くんに大ダメージを与えることに成功したこと。

 その後葉隠さんが油断して捕獲されたこと、尾白くんもその後さらに一撃入れたが捕獲されたこと。

 とても悔しそうに話していた。

 

「ほんと、ごめん。勝利条件を忘れてた。試合じゃないんだ。相手を倒せばいいってわけじゃなかった」

「そんなこと言ったら私なんてほとんど戦えてないよ……」

 

「えっと、二人とも凄いや。障子くん気絶まで追いやったんでしょ?つまり相打ちってことじゃん!!」

 僕がそう言うと尾白くんは目を見開いて

「そっか、そう言う考え方もあるか……」

 

 葉隠さんは見えないけど……

「そうだね!相打ちだ‼︎凄いじゃん私たち。最初負けてたのに相打ちまで持って行ったんだもん。ヒーローみたい」

 そう言う視点もあったんだ‼︎と気づいたような反応だ。

 

 ヒーロー側みたいと言った葉隠さんに対し

「いや、今回ヴィラン側だったんだけどね……」

 苦笑しながら尾白くんがツッコむ。

 

「それにだよ、僕なんて……負けちゃったし……負け方が負け方だからね……」

「あ、聞いたよ〜?なんだっけ、拍手とは――」

「ははっ……そうだね。魂の喝采――だっけ?」

 二人がそう言ったのと同時に僕は、その時のことを思い出し僕は顔をまるでりんごのように朱に染める。

「あ、えっと……それは……はっっっず……」

 恥ずかしすぎて顔を両手で覆い隠す。顔が熱い。

 

「あれれ〜?どうしたの置換くん?」

 心なしか煽りを感じる。

「いやいや、葉隠さん、あんまり言っちゃ可哀想だよ」

「ん?何が〜?」

 

「えっと……あの時はテンションが天元突破してまして……」

「あ、さては厨二病?常闇と仲良くなれそうだね」

「訓練後常闇くん、言ってたよ。あいつとは似た波動を感じる。さては同志やもしれんって」

 

「…………」

 さらに顔を赤くした僕は恥ずかしさのあまり横になり布団を被る。

 

「ごめん、ごめんって置換くん。面白くてさ」

 葉隠さんはてへっとウインクしているように感じる。

「そうそう、それに置換は俺たちと違って時間稼ぎ頑張ってくれたのに……」

 尾白くんは責任感があるのだろう。やはり申し訳なさそうだ。

 

 僕は布団に篭ったまま返事を返す。

「でも、二人のおかげで僕は時間が稼げたんだよ。そこは本当。僕たち三人対あの二人だったら連携取られたらすぐ負けてたと思う。だからそれは忘れないでほしい」

 

「「ありがとう」」

 二人はしみじみとそう返した。

 

 

 そんな話をしているとガラガラと保健室のドアが開く音がした。

「ここよ、鬼瓦くん、物間くん。そろそろ起きてるんじゃないかしら」

 ッ、この声……布団をばっと剥がしドアを見る。

 

 そこには求めた人影はなく、鬼瓦一人が立っていた。

「お、どした。つか、また気絶したのかよ。本当お前毎回気絶してんなぁ」

 

 今の声……多分ミッドナイト先生だ。姿は見えなかったけどやっぱり雄英にいたんだ……

 同じ学校にいるなら何処かで会えることを期待することにした。今は鬼人だ。わざわざ会いに来てくれたんだから。

 

「鬼人……来てくれたんだ」

「そりゃダチが保健室行ったって聞いたら様子くらいみにくるさ」

 鬼人はわはははと笑いながら保健室の中に入ってくる。

 

「わひゃ、おっきいねぇ……」

「……ども」

 

「あ、そうだね。僕と同中の鬼瓦鬼人って言うんだ」

 僕が鬼人を葉隠さんと尾白くんに紹介する。

「おう、隷のダチやってる鬼瓦鬼人だ。好きに呼んでくれや」

 

「えっと、じゃあ鬼瓦くん!私葉隠透‼︎好きに呼んでいいよ〜」

「俺は尾白猿尾。鬼瓦、俺も好きに呼んでくれていいよ」

 

「おう、よろしくな。葉隠に尾白」

 鬼人はそう言い二人に握手を求めるように手を前に出す。

 

「よろしく〜‼︎手おっきいね!」

 葉隠さんは握手すると手をブンブン振りそう話しかける。

「わはははは、なんだ。見えないのに触れるって不思議な感じだな」

 鬼人は何か楽しそうにしている。

 

「改めてよろしく、鬼瓦」

 今度は尾白と握手する。二人はハッとしたように目を合わせ

「やるな――お前」

「鬼瓦、君も――かなりやるね」

 

「おうなんだよ、A組にもいい感じのやついるじゃねぇか。仲良く出来そうだ」

 

 やっぱり二人は相性がいいと思った。

 尾白くんは格闘家だ。鬼人は格闘技をやっているわけではないけど確かな強さがある。

 多分、切島くんとも鬼人は相性がいいんだろうなぁ……

 

「むー……、男同士ズルい」

 葉隠さんがムッとしている。自分の時より反応がいいのを見てなんとも複雑な気持ちなのだろう。

「あ、そうだ。もう一人連れがいるんだよ。おーい物間。なんだ、入ってこねぇの?」

 

「ん?物間くん?」

 葉隠さんが反応する。

「物間くん?だれ?」

 僕がそう聞くと葉隠さんは

「アレだよあれ!入学試験の時の!もう一人の男の子‼︎」

 

「アレ扱いとは本当、A組は酷いなぁ」

 なんだろう……この懐かしい感じ。まさにあの時の皮肉気だったもう一人だ。

「ねぇねぇ、なんか毎回気絶してる人がいるんだってぇ?しかもここにいないだけでもう一人も‼︎そんなんでヒーロー科やっていけるのぉ?」

「あー……あはは……」

 なんともいえない気持ちになって苦笑いするしかない。

 

 

「おいコラ、物間。俺のダチにあんまひでぇこと言ってんじゃねぇよ」

「あいた…鬼瓦くん〜?君A組の味方するの?Bクラスの仲間なのに⁉︎」

「そもそもお前が気になるって言ったから連れてきたんだろうが」

「なななっ、そ、そんなこと僕が言うわけないじゃないか!何を言ってるんだ鬼瓦くん!!」

 先ほどまでニヒルに笑っていた物間くんは顔を赤くしてずざざっと後ずさった。

 

「へぇ〜、ふぅーん、ほぅ〜」

 葉隠さんは心なしかニヤニヤと笑っている気がする。

「あ、そうだった。尾白くん!この人ね。入学試験の時に0Pの仮想敵倒すのに協力してくれたんだ」

「え、嘘。人は見かけによら――あ、ごめん。失礼だった」

 尾白くんが訂正するも物間くんが上から言葉を重ねる。

 

「ほらぁ、やっぱりA組は失礼なやつばっかりだ‼︎全く、早く行こう鬼瓦くん。こんなところいたら頭がおかしくなっちゃうよ」

 そう言うや否や物間くんは保健室から出て行った。

 

 

「あ〜、わりぃ、なんかよくわかんねぇけどA組に敵愾心抱いてるっぽくてさ……あんなんでも心配してたのは本当っぽいぜ?あんま悪く思わねぇでやってくれ。んじゃ、隷また今度飯でもいこーぜ」

 そう言って鬼人も保健室を去っていった。

「あ、うん。またね鬼人」

 

「なんか……台風みたいだったね」

 そう言った尾白くんに対して僕は返事を返す。

「アレでも入学試験の0Pに立ち向かってくれたから正義感はある……と思うんだけど……」

 

 葉隠さんも続いて

「いい……人の……はずなんだけどなぁ……」

 少し不安そうだ。正直僕も不安だ。

 

「さて、そろそろ頭もはっきりしてきたし教室戻ろうかな」

 僕がそう言うと二人は

「あ、一緒にいくよ!ちょっと心配だし」

「そだね、もう放課後だし、駅までは一緒に行こうか」

 

 …………放課後……?

 え?

「え?また僕そんなに寝てたの⁉︎」

「あ、気づいてなかったんだ。うん、もう放課後だよ」

「まぁ、置換は頭打ってたからなぁ、仕方ないかも」

 

「じゃあ、日が暮れる前に帰ろ!明日も早いし……保健室の外でちょっと待ってて〜」

 そう言って僕は準備を始めた。

 

 準備を終え二人と共に荷物を取りに教室に向かう。

 教室のドアを開けるとまだかなりの数のクラスメイトが残っていた。

 一瞬の空白の後一斉に話しかけられる。

「おぉ!!お前大丈夫だったか⁉︎頭打ってたけど」

「ケロ……置換くん大丈夫?怪我とかは……」

「轟くんとあんなに戦えるなんて凄いね‼︎」

 

「……へ?」

「あ、忘れてた。みんな話たがってたんだよ〜」

 驚く僕に対して葉隠さんが思い出したように言った。

 続けて尾白くんが話す。

「最後はアレだったけど轟相手にあれだけど戦ってたからね」

 

「あ、俺ぁ、切島鋭児郎。今皆で訓練の反省会してたんだ!」

「私 芦戸三奈!すごかったよ――!」

「私は知ってるわね、ケロケロ」

「俺!砂藤!」

 

「わわっ……」

 あまりの勢いに少し後ずさる。

 

「あ、すまねぇ!今日は疲れてるよな」

「ごめんね!さっきまで保健室いたもんね」

「ケロ……置換くん今日は早く帰って休んだほうがいいわ」

「だな!きぃつけて帰れよ〜!」

 

「う、うん、みんな、また明日ね」

「大人気だったじゃん〜このこのぉ」

 葉隠さんが茶化すように脇腹をつつきながら言囃す。

 

「いいよね、あのクラス仲良くやっていけそうだし」

 尾白くんが続けて言う。

 

「だね、いい人ばっかりだ」

 僕は二人とそんな話をしながら帰路についた。

 

 

 

 [そしてこの数日後、僕らは知ることになる。オールマイトの言っていた。真に賢しい敵の恐怖を]

 

「見たかコレ?教師だってさ……」

「なァ、どうなると思う?平和の象徴が……敵に殺されたら……」

 

 

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