東方烈風録~Phantasm Storm Savior~   作:フウ@東方二次創作

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第3話 創造主、そして能力覚醒

拳を握り締め、そして開く剣城。

剣城は花の手入れを終わらせた後、霊力操作の練習をしていた。

 

「…よし、だいぶ慣れてきたな。」

「あら、それは良かったじゃない。」

 

後ろに居た幽香に声をかけられる剣城。

 

「お、幽香、終わったのか?」

「ええ。今日は妖怪居なかったしね。」

「そっか。良かった。」

 

二人は今、朝の花の手入れ中であった。

 

「それはそうと、結構良い感じになってきたな。」

「そうね。まあ、風呂の中でずっと練習してたらね。」

「なっ…バレてたのか!?」

「あんたが風呂に入る間、ずっと霊力を感じてたからね。」

「そんなことも出来んのか…。」

「まあでも、練習を欠かしていない事は感心できるわ。」

 

と言い、幽香は太陽の畑の方向へと歩いていった。

 

「んで、今日も特訓か?」

「そうね。今日は能力についてもう少し詳しく話していこうかしら。」

「OK。」

 

家へと戻る二人。今日も一日が始まるのであった。

 

―――――――――

 

 

「ところで幽香…能力について詳しく話すって…。」

「そうね。今のうちに話しておこうかしら。まず、能力は幻想郷の住人全てが持っているっていうことは覚えてるかしら?」

「ああ。そこまではOKだ。」

「…ここからなんだけど、能力は現世から此処に転移してきた者ーつまり外来人も持ってる可能性があるのよ。」

「えっ…どゆこと?」

 

混乱する剣城に、幽香は続ける。

 

「現世では霊力という概念が忘れ去られている。そして、異能という概念も忘れ去られているわ。」

「っつーことは、現世にいる人たちも元々は全員能力持ちって事か?」

「いえ、能力持ちは現世に居る一部の者よ。」

「そうなのか…んで、その能力ってのを俺も持ってる可能性があるって訳だな。」

「そうね。でも、その能力を解析できる者は幻想郷の住人でも一部のみ。私も解析は出来ないから、有るかどうかすらも分からないけどね。」

「なるほどな…。」

 

剣城は頭をかきながら言う。

 

「解析が出来る者としては、八雲紫が一番有名だけど彼女は…。」

「あらら、私を呼んだかしら~?」

 

とこの瞬間、金髪の美しい女性が何もない空間から現れた。

 

「…こういう感じに、神出鬼没だからね。」

「…大体理解った。」

 

あからさまにビックリしながら剣城は言ったのである。

 

「ということで、幻想郷の創造主、八雲紫よ。初めまして、外来人さん。」

「ああどうも…。風原剣城です。」

「あら、固くならなくて良いのよ。…ところで、私を呼んだ用件は?」

「どうせ分かってるんでしょう?」

「まあね。この剣城くんの、能力解析でしょう?」

「そうね。ほら、手を出しなさい。」

「ああ…。」

 

剣城は、恐る恐る紫に手を差し出す。

その手を握りしめる紫。

 

「…行くわよ。」

 

紫は眼を閉じる。

ー十数秒後、紫は眼を開けた。

 

「ほう…。どうやら、"当たり"のようね。」

「当たり…って事は?」

「ええ、能力持ちよ。」

「マジか…。」

 

剣城は、実感が沸かないという具合に自身の両手を見る。

 

「…実感が沸かないのなら、試してみれば?」

「試すつったって…。」

「問題ないわ。私の能力解析は、どういう能力かも大まかに分かるのよ。…そうね…。じゃあ、アンタの頭の中で、武器を持った自分を想像してみなさい。」

「武器を持った俺…?」

「ええ。種類は問わないわ。それと、霊力を使うときのように集中してみなさい。」

「よっし…。」

 

剣城は、眼を閉じ集中力を高める。

そして、自身の手に剣を持っている様を頭の中で想像した。

ーと、

 

「おお…」

「えっ…?」

 

何もない空間から、細身の長い刀身を持った両刃の剣が現れ、剣城の手に握られた。

 

「すげえ…剣だ!」

 

剣城は、道端に生えていた雑草に向かって剣を振る。

ーと、生えていた雑草は見事な切断面で斬られていた。

 

「すげえ…。本物の剣じゃねえかこれ…。」

「さしずめ、"武器を創造して操る程度の能力"かしら?様々な武器のイメージが映ったから武器関連かと思ったけど、ビンゴだったようね。」

「へえ…。」

「剣だけではないかもしれないし、色々試してみたら?」

「OK。」

 

幽香に言われるまま、剣城は自身の能力の更なる可能性を捜し、色々な事を試したのであった。

 

「よっし…こんなもんか…?」

 

その後も自身の能力を色々試した剣城。

 

「成る程、その能力、かなり強力そうね。」

 

幽香からの評価もかなり高い。

 

「…いける…この能力なら…妖怪とだって…!」

「…一つ言っておこうかしら?剣城。」

「んえ?」

 

分かりやすく興奮していた剣城に、紫は言う。

 

「たとえその能力がどれだけ強くても、それを活かせるかは使い手次第よ。」

「!!!」

 

紫の言葉にハッとした剣城。

 

「確かにな。悪い、ちょっと舞い上がっちまってたな。」

「あら、割と謙虚なのね。」

「いや~結局使い手次第っていう展開のアニメとかいっぱい見てきたからな。」

「あらそう。」

「よーっし、早速特訓といくか!」

 

剣城は幽香の家を飛び出した。

 

「全く…騒がしいんだから…。」

 

幽香はやれやれといった感じで立ち上がる。

 

「あら、それにしてはアンタ笑顔よ?」

「えっ…。」

「ふふふ…危険度極高に人間友好度最悪…孤高の花妖怪さんが、あの人間と暮らし始めてから良い顔するようになったじゃない?」

「それは…。」

「…まあ良いわ。じゃあ、また来るわね。」

 

紫はそう言い残しスキマ空間へと入っていった。

 

――――――――

 

(…風原…剣城…。か…。)

 

幽香は風呂の中で、現在ゲーム中の剣城のことを考えていた。

 

(ここに来てからの3日間…アイツと同じ釜の飯を食べて、一緒に遊んで…。)

 

幽香は、返事が返ってくる事の無い天井に向かいこう呟いた。

 

「…何故、妖怪の私が人間の子供と一緒に暮らせているのかしら…?」

 

普段人間のことが嫌いな幽香。

そんな幽香が剣城と暮らしていても何故嫌じゃないのかが自分でも不思議で仕方なかったのである。

ーそして、そんな自問自答のループは彼女が眠りにつく直前まで行われることとなった。

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