東方烈風録~Phantasm Storm Savior~ 作:フウ@東方二次創作
早朝、博麗神社。
―博麗神社の巫女、博麗霊夢。
彼女はいつものように縁側でお茶を飲みながらまったりしていた。
「…はあ…平和ねぇ最近。」
「よー霊夢~♪」
そこに魔理沙も乱入する。
「あら魔理沙。また遊びに来たのね。」
「まあな。異変も最近は無さそうだしな…」
魔理沙がのん気にそう言った瞬間ー
ズシン…ズシン…ズシン…
―地面が揺れている。
「あら…地震?」
「いや…霊夢、何か来るぞ…!」
「何かしら…」
二人は空へと浮き上がった。
地鳴らしのような音が鳴る方向へと向く二人。そこに居たのは…
「…嘘…でしょ?」
「おいおい…!アレ…!」
「「大き(デカ)過ぎる…!!」」
そこには、全長20mはあろうかという、巨大な赤黒い影があった。
それはまるで"獣"とも"恐竜"とも言えるような存在。
巨大な尾、赤黒く強き身体、口に並んだ鋭利な牙。そして血のように紅き眼―
外の世界では"怪獣"と呼ぶべきその姿と大きさに、霊夢が、魔理沙が、幻想郷の強 者達が、その姿に恐怖した。
―そして、その存在は天を眺め、咆哮する。
幻想郷の全てに響き渡るような巨大な咆哮を轟かせた。
"GUOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!"
―幻想を揺るがす巨大な怪獣、"ゼノラス"がこの幻想の大地に爆誕したのである。
「…魔理沙、行くわよ。」
「ああ!」
ゼノラスの方向へと飛び立つ2人。
―後の幻想郷の歴史に言う、巨大怪生物襲来異変が、始まったのである。
――――――――
―怪獣"ゼノラス"の姿は、当然太陽の畑からも見えていた。
「…これは…。」
「なあ…アイツ…こっちの方向に向かってきてないか?」
「そうみたいね…。」
怪獣はこちらに向かって進撃して来ている。
既に数人が怪獣へと攻撃を開始しているが、効いている様子が無い。
「…仕方ないわね。私も行くわよ。」
そうして幽香がドアの方向へと歩き出すと、
「俺も行く!」
剣城が幽香の後ろから真剣な表情で言う。
―だが、
「アンタは待ってていなさい。」
「…え…?」
「貴方はまだ幻想郷に来て一週間の人間…思い上がりも大概にしてくれるかしら?」
「なっ…!!」
厳しい表情で言う幽香。
「思い上がりって…俺はただ…」
「とにかくここに居なさい!死ぬわよ!?」
幽香は叫ぶかのように言い放つ。
―そして、幽香は家を飛び出し外へと飛んで行った。
「…幽香…」
―――――
「はあ…」
ここ数日間で何度目かも分からないため息をつく幽香。
―剣城は幻想郷に来て一週間も経っていない…そんな彼が来ても足手纏いとなる。だから剣城を置いてきた…。
違う…。
それは剣城が戦いに出てほしくないがために言ったただの建前。
剣城の強さは、昨日戦って知った通りである。
なら何故剣城を突き放したのか…
「分からない…。」
自分は一体どうしたいのだろう?
彼は人間。
自分は妖怪…
人間は嫌い。
でも、彼だけは特別…。
何故だろう…?
分からない…
「何でなの…。」
どうして私は…
分からない…。
分からない…。
分からない…。
「…分からない。」
―だが、一つだけ分かる事はある。
「―私は、あの子を死なせたくないと思っているのね…」
…それだけは、彼女には分かっていた。
―だけど…
「…剣城…。」
ただ一人、家の中からその様子を見ている少年の名を小さく口にした。
「―『マスタースパーク』。」
幽香の傘から放たれる極光。
それは怪獣へと吸い込まれるように直撃し、怪獣は後退りした。
「この攻撃は…!」
「幽香!」
思わぬ増援に喜ぶ魔理沙。
「どうしてここに?」
「進行方向が丁度太陽の畑なのよ。」
霊夢たちを横目に怪獣に傘を構え続ける幽香。
その傘の先端にはエネルギーが迸っていた。
「さて…私の領域に入り込もうとしているのなら…。
覚悟は出来ているのでしょうね…?」
再び放たれる極光。
怪獣は体制を整える暇もなく直撃を食らう。
「終わりよ。」
第三撃。
直撃した怪獣を中心に大爆発が起こった。
「え…えげつねえ…」
若干ひきつった笑顔で言う魔理沙。
「相変わらずね、幽香。」
霊夢は若干呆れ気味なようだ。
着弾地点を中心に巻き起こる煙。
「あの怪獣…どうなりましたか?」
「あの幽香さんの全力の攻撃ですよ…?タダでは済まないかと…」
「…いや…これは…!」
―晴れ始める煙。
そこには…
「そんな…!」
ほとんど無傷の怪獣、"ゼノラス"の姿がそこにあった。
―直後…ゼノラスの口から蒼く巨大な閃光が放たれた。
「はっ…!」
突然の攻撃に反応が遅れる幽香。幽香は放たれた極光を傘で受け止める。
―が、
「く…このパワーは…!」
受けきれない。思わずその場から離れレーザーを回避する幽香。
「何という力だというの…!」
「耐久力も攻撃力も途轍もない…こんな妖怪が居たとはね…!」
攻撃態勢に入りながら言う霊夢。
同時に早苗、咲夜が攻撃を開始した。
「奇術『エターナルミーク』!!」
「秘術『グレイソーマタージ』!」
幾本ものナイフによる弾幕を形成する咲夜。
星型の弾幕を放つ早苗。
「大結界『
それと併せて放射状の弾幕を放つ霊夢。
それを掻い潜りながら妖夢はゼノラスへと突撃した。
「行きます!断命剣『冥想斬』!」
刀身を輝かせゼノラスへと斬りかかる妖夢―が、
"GAAAAAAAAAAAA!"
咆哮と同時に、ゼノラスの全身から幾つもの細い閃光が放たれた。
「なっ…!」
弾幕を次々と打ち消していき、妖夢の動きが止まる。
そこに接近してくるゼノラスの丸太のような尻尾―
「『ブレイジングスター』!!!」
その尻尾にブレイジングスターで突撃する魔理沙。
尻尾が弾かれ、そこに妖夢が渾身の力で二本の刀を突き刺す―
だが、まるで効いている様子が無い。
「堅い…!」
その厚過ぎる皮膚と筋肉の壁に阻まれ、楼観剣も白楼剣も通らない。
「『マスタースパーク』!!」
魔理沙の努力の結晶、マスタースパークが放たれる―
が、ゼノラスはこれを口から放たれた極光で呑み込んだ。
「マジかよ…!」
驚愕の表情を浮かべながら回避する魔理沙。
ゼノラスは腹に刀を突きさしている妖夢を爪で薙ぎ払い、弾幕を放っている3人に照準を合わせる。
「く…!霊符『
7つの虹弾を放つ霊夢―
ゼノラスに全弾直撃して爆発―
「どうかしら…?」
立ち込める爆煙を睨む霊夢―
晴れていく爆煙の中、無傷のゼノラスが姿を現した。
「く…私の夢想封印も効いていないの…!」
そして、再び放たれる蒼い閃光。
「く…!夢境『
バリアを展開し防御態勢に入る霊夢。
―が、レーザーはバリアをいとも容易く突き破る。
「嘘っ…!」
避け切れずレーザーに被弾する霊夢。
咲夜と早苗はそれぞれ弾幕を放つも、全く微動だにしない。
ゼノラスは全身から幾本ものレーザーを放つ。
弾幕と呼べるそれに咲夜と早苗は被弾し墜落する。
「人鬼『未来永劫斬』!」
妖夢はレーザーを切り払いながら二本の刀を手にもう一度突撃―
だが、その突撃も尻尾により薙ぎ払われ落下する。
その遥か後ろから、幽香が傘にエネルギーを溜めていた。
それを見るやゼノラスは口にエネルギーをチャージし始める。
「『マスター…スパーク』!!」
"GAAAAAAAAAAAA!"
放たれた2つの極光は中央で衝突し押し合い―爆発。
「私のマスタースパークまで…!」
―と、爆煙の中帯のような蒼い光が幽香に迫る。
「えっ…!」
奇襲に対応できずまともに被弾する幽香。
「…このぉっ…!」
何とか体勢を整え反撃しようとするが、そこにゼノラスが突っ込んでくる。
ゼノラスは光を纏った尻尾を横に薙ぐ。
―避けられない。
幽香は傘でガードしようとしたが、
「…あうっ…!」
そのまま弾き飛ばされ幽香は地面に叩きつけられた。
「く…何てパワーなの…!」
「強い…!」
全員が満身創痍直前の状態。
ゼノラスは再び口の中に力を溜め始めた。
「まずい…!」
「ハア…ハア…!」
迫るその時に全員が被弾を覚悟しようとしていたその時―
―射撃音。
―走る一筋の閃光。
それは開かれたゼノラスの口に吸い込まれるように命中し爆発した。
「!?」
「えっ!?」
「今のは一体…!?」
正体不明の攻撃に戸惑う一同…だが、幽香だけは撃った人物が誰か分かっていた。
「まさか…。」
そう…あれは。
それを放ったのはー
「…剣城!!」
そう…彼はー
緑色に輝く翼を背に、幻想郷の空にその姿を現わした。
「悪いな…幽香…。俺にも、守らせてくれよ!」
決意の籠った少年の声が響き渡った。
オリジナル妖怪解説
名称:ゼノラス
全長:20m
体重:8000t
見た目:赤黒い二足歩行の獣のような見た目。外の世界では"怪獣"と呼ばれるような見た目をしている。
能力:身体の中でエネルギーを生み出すことが出来、それを利用して全身からレーザーを放つことが出来る。特に強力なのが口からのレーザー。
モチーフ:ゴジラ、セルマックス