―Best For Answer― 作:何かを極めようとした者
投稿が遅れてしまいすみませんでした。
今回から本格的にストーリーやキャラが動くのでそれで許してください。
鉄と火薬とコジマ粒子に塗れた醜く、汚染された世界を、お楽しみください。
企業における軍事力は、コントロールをその第一要件とし
代替不能な個人にこれを委ねることは、厳に慎まれるべきである
リンクス戦争以降これは企業の共通認識となった。
連邦解体戦争及びリンクス戦争にて圧倒的な力を見せつけたネクストだったが、才覚に依存する性質上『個人に戦力を委ねる』ことになってしまうという、兵器として見過ごすことのできない欠陥があった。
企業は恐怖していた。
リンクス個人の力が支配者たる企業すら滅ぼしうるという事実に。
ネクストに対抗できる戦力を持ち、かつ安定して運用できる兵器を求めて企業群が出した答え、それこそがアームズ・フォートである。
代替可能な多数の凡人によって制御され
ハードウェアとして安定した戦力を約束する
アームズ・フォートはまさに企業が望むソリューションである
事実としてもその戦力は平均的なネクストを遥かに凌いでいた
アームズ・フォートの製造には余りにも高いコストを必要とする。
しかし、制御にはAMS適正を必要とせず、多数の凡人によって制御できるようになり、量産されるようになった。
その火力と装甲の前にはネクストすら簡単に落ちる。
結果、ネクストに取って代わりアームズ・フォートが各企業の主戦力となった。
大多数のリンクスにとって、ジャイアント・キリングはその名の通り奇跡の親戚にすぎなかったのである
しかし、この時空においてジャイアント・キリングはとある個人の功績を称える称号であり、その個人を表す言葉となっている。
『ミッション開始』
『敵アームズ・フォート「ランドクラブ」を撃破しろ』
『敵はアームズ・フォートだ。量産型とは言え、気を抜くなど論外だからな』
『わかってるって』
『てことでよろしく』
「はい」
「今回は、よろしくおn」
『あぁそういうのいいから』
『もっと気楽にいこうぜ』
初めて会ったときの印象は、いい加減で、不真面目で、そこまで強くはなさそうな感じだった。
まぁこのときは私のほうが圧倒的に弱かったのだけど。
実際このミッションに参加できたのだって私の能力が評価されたのではなく、彼の肉壁になってくれれば。というものだったのだろう。
あのときの私は、身の丈にあっていない依頼ばかりやって、いつも満身創痍でやり遂げていた。
いや、何回か失敗したっけ。兎にも角にも無理をしていたのは確かだ。
何故こんなことをしているのかと言う前に言わなければならないことがある。
私は"キヴォトス人"だ。
だから何だ。って話かもしれないがこの都市、学園都市キヴォトスではキヴォトス人に対して"軽い差別"的なものが行われている。と同時に恐れられている。
私はこれが不思議で、憎くて、恐ろしくてたまらなかった。
だから、周りに舐められないように振る舞った。力をつけようと努力していた。
そんなある日のこと、私は何を思ったのかAMS適正テストを受けた。
結果はお察しの通り。
私は「リンクス」になった。
キヴォトス人はコジマ粒子に高い耐性を持っていて、戦場において重宝されていた。
しかし、高い耐性を持っているからなのか、キヴォトス人にはAMS適正がほとんどなかった。
だが、私はあった。
あのとき、私は喜んだ。人生で一番喜んでいたかもしれない。
けど、それから先は凄惨なことが続く日々だった。
もはや、地獄と言って差し支えない。
人材が不足しているとは聞いていたが、軽い操作の確認の後、テストをやって即戦場へ。
今思えばこれもいい思い出…………にはならないか。
日々、鉄と火薬とコジマ粒子に囲まれながら過ごす生活は到底普通の高校生活ではなかった。充実もしていなかった。
けど、乗り続けた。駆け続けた。闘い続けた。
一つの目標、夢の為に。
こんなことになってたけど。
肉壁、肉壁かぁ〜。今の私からは想像できないな〜。
そういえば、あの人元気にしてるかな〜。
さてと、始めますか。
『ミッション開始』
『敵アームズ・フォート「ランドクラブ」を撃破しろ』
『敵はアームズ・フォートだ。量産型とは言え、気を抜くなど論外だからな』
「わかってるって」
いつもの業務チックな会話に対して適当な返事を返す。
アームズ・フォートと言っても所詮は量産型。
これに撃破されるのは先ずないだろう。
寧ろ、気に掛けておくべきなのはこっちのキヴォトス人の方だな。
駄目だな。戦場の空気に飲まれちっまてる。その上元々の技量もたかが知れてるな。
こんな技量でも戦場に出てくるってことは無理やりにでも言い聞かせるほどの"何か"があるのか、或いはただの馬鹿か。
どちらにせよ。俺より圧倒的に弱いことは確かだ。
俺より圧倒的に弱い奴に死なれるのは困る。
何故なら。寝付きと寝起きが悪くなる。
罪悪感ではないにしろ、それに近しい何かのせいで一ヶ月以上は確定で悪くなる。
こんな性格だからか、時々何でこの仕事やってんだろって思う。
まぁそんかことはどうでもいい。
とりあえず適当に
それなら死ぬことはないだろうし。
ほとんどダメージがないとは言え横から攻撃されるのは精神衛生上よろしくない。正味苛つく。
さてと、役割分断も"俺の中"で決まったことだし。
「てことでよろしく」
『はい』
『今回は、よろしくおn』
「あぁそういうのいいから」
「もっと気楽にいこうぜ」
「どうせただの
『ランドクラブ』。GAの量産型アームズ・フォートであり主砲塔を四機装備した最も普及しているアームズ・フォート。
量産型とは言えアームズ・フォートの名は伊達ではない。下位ランカーのネクスト程度ならば苦戦はあれど、屠ることなど容易である。
コジマ粒子を収束させ、前方に巨大な推進力を発生させ、砲弾を紙一重で回避しつつ確実に距離を詰めていく。
アームズ・フォートの攻撃はネクストからすれば文字通り砲弾そのものであり、数発当たればネクストはスクラップへと帰す。
しかし、その圧倒的な攻撃力の代償ゆえ、"大体"のアームズ・フォートは機動力に難点がある。
幸い、ランドクラブはその"大体"の中に入るので砲塔にだけ注意しておけばさしたる問題はない。
ランドクラブは量産型とは言えどもアームズ・フォート。その装甲は非常に硬く破るのは非効率的にも程がある。
故に動力部を直接狙う。単純明快な答えである。
だが、言うは易し。
どのような馬鹿であれ動力部を攻撃されるのは最も避けるべき事態であることを理解しており、無論その問題に対する対策を考え、実行している。
最悪な事態を防ぐための対策。それはこちらも単純明快であった。
動力部を守る装甲を厚くする。
シンプルでありながら最も効果的な対策の一つである。
そして残念なことに、有効な一撃を与えることができる武器を彼は持ち合わせていない。
だが、そう悲観するような出来事でないこともまた事実。
装甲は厚い。しかしながら、破ること自体は不可能ではない。
この世に完璧な兵器など存在しないように、必ず破ることのできない装甲など存在しないのだ。
クイックブーストでランドクラブの右側に回り込み攻撃を叩き込む。
ランドクラブの構造上一つ、二つ脚を破壊すれば体勢が崩れる。
またランドクラブの脚自体はそこまで硬くないためすぐに一つ目の破壊に成功。
それから同じようなことを繰り返し二つ目を破壊した瞬間に轟音と、砂嵐を立てながら右側に倒れ込み始めた。
後は前述した通り装甲を剥がし、動力部を破壊するだけである。
ほぼゼロ距離まで近づき、全てを放つ。
『右残弾数残り50%』
『左残弾数残り50%』
『右肩残弾数残り50%』
『左肩残弾数残り50%』
無機質で聞き慣れた"音"が残リ弾数について知らせる。
しかし装甲が剥がれる方が速かった。
殆ど剥がれかった装甲と剥き出しとなった動力部。この両方を効率的に吹き飛ばす為に再びコジマ粒子を圧縮。しかし動力部へは送らずエネルギーはそのまま放出させる。
アサルト・アーマー。
コジマ粒子を圧縮させ一気に放出することで的に大ダメージを与えるある意味ではネクストの切り札的技である。
『アームズ・フォート「ランドクラブ」の撃破を確認。ミッション完了だ』
『流石だな。何時も通りの仕事振りだ』
「そりゃどうもありがとさん」
『嘘でしょ。あんなあっさりと』
『これが
ジャイアント・キリング、それは確かに奇跡の親戚に過ぎない。
しかし、彼にとっての奇跡は偶然に過ぎず。彼にとっての偶然は必然に過ぎなかった。
彼の名は【
彼こそがこの先の戦争の当事者にして、後に英雄として称えられる凡夫である。
未来にネクストを出すべきか
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お~い、コジマ汚染しようぜ〜。
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お前は何を言ってるんだ?