夜の戦いは終わった。
チョウシの町は、〈
「よっ、お疲れさん」
「そっちもな。結局メインは任せることんなったし」
手を振ってきた直継に振り返す。数値だけで測るのは危険と言ったのは自分だが、やはり数値という強さは絶対的にあるのだ。
それが少々悔しい。
「そんな顔すんなよ。大事なのは気概だぜ祭り」
「…そんな顔に出てた?」
「出てたぜ。どうした?不安ならお兄さんにドンと話してみろよ」
少し俯いてから、僕は視線を東―――海岸線の方に向けた。
「
守り切れるか、と続く言葉は言わずに切る。
それでも察したのか、直継は腕を組んで頷いた。
「ミノリもそうだが、聡すぎるのも考えもんだなぁ」
「…そういや直はんって、ミノリんらのとこのお人やったっけ」
「おう、俺と班長…お前が猫の先生って呼ぶのは同じギルドの仲間だぜ」
「…ええギルドに拾ってもろたなぁ」
そう呟くと、直継は目を瞬かせた。
「なんだ、お前ら知り合いだったのか?」
「いや、知り合いってほどやないんよ。一回、フィールドで戦ってる時に乱入して逃がしたくらいで」
「……あぁ、なるほど?」
察したらしく頷く直継。
「…今回の戦いは僕一人でどないかできるもんでもない。砂浜はさっき見てきたけど、死ぬほど無防備なアレにこの人数で防衛線張るのは厳しいやろ?その上、ここが騒ぎになったら
これは下見に誘ったミノリとも一致した意見だ。
そもそも、広範囲の大量の敵、というシチュエーションに対応する手段はないわけではない。だが、最も長い範囲を持つ
それ以前に、ここはPSO2ではなく『エルダーテイル』の世界であり、パーティー間の連携こそが重要な戦闘スタイルである。
仮に1人で好き勝手暴れたとして、それで他の5人のパフォーマンスが落ちたら本末転倒だろう。
「………大丈夫だ」
肩にぽんと手を置かれて、僕は隣を見上げた。
「俺たちもいる。マリエさんだって諦める気は毛頭ない。……大丈夫だ」
「……マリエさんて……あぁ、あのバカンスの姉さんか」
一瞬名前と顔が結びつかずにそう答えると、直継は吹き出しかけて口を押えた。
「ブフッ…そうか、バカンスのかぁ………」
「まぁ、いっちゃん気の毒なんはあん人かもやけどな。バカンス気分でこっち来たらこんな鉄火場叩き込まれてはるし」
やから、と隣の男を見上げる。
「ちゃんとケアしたりや?おにーさん」
「おう、任せとけ祭りだぜ」
ドンと胸を叩く直継に片笑いを向けて、僕は寝床に向かった。