「なるほど、それでトバリ殿も群がられていたのか」
「そういうことだ」
「すごくない?モッテモテ!アイドル的には気になりますなぁ」
「虫にモテてもうれしゅうない」
涙目で毛布にくるまるヒバリが、てとらの言い草に涙目で反論する。
「で、モテモテの結果昼間はああなると」
「初日が一番ヤバかった……蛾に群がられる中アイザックはんに担がれて右へ左へぶん回されて……」
あれから数日。蛾の侵攻は毎夜続いている。
「でもでも」
「ん?」
「昼間こんなでも、夜になったらちゃんと戦いに行くガッツは認めてあげますよ?サインあげます」
「要らん」
「なんとぉ!?」
てとらのオーバーリアクションは一旦置くとして。
「トバリぃ、アレどないかならんの?」
「なるかならないか、で言えば、ならないこともない」
「マジ?」
ガバっと起き上がるヒバリ。
「ただしその場合、お前はMPを消費するアクションがすべて封印される」
「…どゆこと?」
「実のところ、今のお前でも出力を私の管理能力の許す限り絞っている状態なんだ。これ以上、となるともう全封印しかない」
「………」
ヒバリ/トバリの二人が〈常蛾〉の最優先目標になるのは、二人の持つ圧倒的な―――それこそ『数値化の意味がない』―――ほどのMP量が原因なのは、〈
限界まで絞ってその状態、ということに絶句されたのだ。
「因みにそれ、絞らなかった場合はどうなるんです……?」
「ヒバリの制御限界を超えて溢れかえり、このセルデシア亜世界の法則は混沌に帰すだろうな。〈
「つまり、僕がもっと強くなるにはその制御限界を上げるのが必須と…それってどないするん?」
「精神修養くらいしかないんじゃないか。……というかそれは本題じゃないだろう」
べし、とツッコミを入れられ「お前も慣れてきたなぁ」とヒバリは笑った。
「で、要はMP0/0の状態になるってことやろ。
「ああ。PPは云わば、周囲の環境に遍在する〈
「やったら、ええよ」
ケロリと宣うヒバリに、トバリ以外の全員が顔を引きつらせた。
「そんなに嫌だったのか。蛾」
「それもあるけど、どっちかっていうと…ちょっと日常的な出力としては現状、過剰に過ぎるきらいがあるから、そっちも一緒に解決できるしええかなって」
「つまり、自分で縛るってことか?」
「まぁ…うん。どうせならみんなで一緒に楽しみたいやん?」
ニコリと笑顔を振りまくヒバリ。
「しかしだな、ミス・ヒバリ」
「皆まで言うな、言いたいことはわかっとるよルデ公」
珍しく険しい顔で口を開いたルンデルハウスが機先を制させる。
「トバリ、この全封印状態って解除可能やんな?」
「…………ああ、できるが………」
「なら、合言葉的なの作っとこうや。そういうのあった方が楽しいし」
うきうき、という言葉が似合う態度のヒバリ。
「ミス・ヒバリ…」
「ルデ公、僕はな」
にこやかに、しかし真剣なまなざしで少女は友に向き直る。
「他人の命が関わる局面で、自分の縛りを優先するほど冷血でもなければ、手ぇ出さんほど殊勝でもないぞ」
「……そうだったな」
肩をすくめてルンデルハウスは苦笑した。
「…なぁ、ヒバリ」
「ん?何、トバリ」
今度はジト目で見てくるトバリに、ヒバリは首を傾げる。
「合言葉とか、必要なのか?お前が望めば、その瞬間に解除くらいは容易いが」
「わかっとらんな、トバリ」
チチチ、とヒバリは指を振る。
「必要不要やのーて、あったらカッコいいから設定するんやん」
New skill maked
ヒバリを縛る段階的な縛り。現在は
効果は以下の通り。