「ヒバリ、トバリを呼んで」
「ほいほい」
作戦は順調に推移して、これから第二フェーズに突入する。
とりあえず、囮扱いはこれっきりにしてほしい。
否、
そんときゃやるけどさ。そんな風に思いながら念話の要領でトバリに語り掛ける。
(こっちは終わった。
『わかった、待ってろ』
相変わらずの短い返事。頷いてシロエにアイサインを送ると、彼もまた頷いて指示を出し始める。
不思議と笑みが零れた。それはきっと、この作戦の要を、出会ってまだ時間の経っていない相棒に任せてくれたことへの喜びだ。
「招待状は受け取ってくれるかね」
「あの子なら叩きつけてきそうだけどな」
「直はん、うちの相棒をなんやと思ってるん」
軽口を叩き合いながら、息を整える。
―――さぁ、来い。
「向こうは終わったらしい。こっちも合流するぞ」
淡々と告げる少女に、ソウジロウが首を傾げる。
「合流する、ったって。先輩たちはまだ来てないみたいですが」
「
まるで既定事項のように言った少女が、屋上の端からひらりと姿を消す。
それを追って飛び降りていくタリクタンを寸の間、呆然と見送る
「……そういやシロエの作戦だったね、これ」
「ええ、久しぶりのシロ先輩の指揮です」
寸の間で済んだことを流石と言うべきか。すぐさま立ち直った二人を先頭に、笑いながらパーティーは駆け出していく。
目指すのは、皆が待つ決戦の場だ。
「待たせた」
窓を割って突入してきたトバリと、それを追ってきた
「お疲れ。報告は聞いてるよ」
シロエは穏やかにそれを迎える。戦闘を始めるメンバーを背にしながら、シロエはボスの巨躯を見上げた。
すぐあとを追ってソウジロウ率いる第二パーティーも合流する。
「眠りにつけ、すべてのもノよ」
「どうしてそんなことするんですか!この眠りは何なんですか!?」
シロエが問いかける。
事前に言っていた、しかしトバリが『無為』と断じた対話の試み。
「眠りにつけ、すべてのもノよ」
「話し合う余地はないのですか!」
「ないぞ」
事前と同じように、断じたのはやはりトバリだった。
「わ―――連中にはその選択がない。権限がない。発想が許されない。
とはいえ、と少女は上空で戦う
「全く元のまま―――というわけではないようだ。身体の影響を受けているんだろうな。あのロエ2のように」
「なら、もしかしたら」
「希望を抱かせたなら悪いが、ない。仮に判断がつくようになったとしても、連中がこの世界の住人を対話対象として認めることは、ない」
憮然とした顔で補助スキルを振りまくトバリの言葉に、シロエは息を吐いた。
そんな間にも戦闘は進む。上空から撃ちおろされるヒバリの驟雨の如き銃撃、地上からは各員が放つ色とりどりの光芒。
「…無駄話が過ぎた。行ってくる」
「ああ、頼んだよ」
その背中を見送って、シロエもまた呪文を紡いでいく。