アレ、なろう掲載の本編とは別世界線と思ってよさそうですね。
この小説では基本、本編準拠でやろうと思います。
と意思表示をしたところで本編どうぞ。
結論から言えば。
マルメロの戦闘能力はそこまで高くはなかった。
「と、言っているが」
「それは貴方が主だから、彼女の能力が腐っているだけでは?」
トバリに振られたヘンリエッタがやれやれと首を横に振る。
マルメロのステータスはHPと防御力の高い、典型的なタンクタイプだった。レベルの高さもあって、素のステータスはレベル90の〈
スキル…もとい
まず、独立に伴って旧版でマロン/メロンのものだった
4段階目は少し威力が上がり、短時間ながら連射できるようになるメロンストライクのような性能になる。この時点では、旧版のような自爆技ではないようだった。
5段階目では威力が4段階目より10倍ほどになり、爆風範囲も大幅に増大。更に旧版のような自爆技になり、マルメロは60秒くらい戦闘不能状態に陥った。
これ使ったときのみんなの責めるような視線は超痛かった。僕だって積極的には使わないと心に決めた。
っていうか、別にマルメロに無理させなくてもいいしね。瞬間火力は高いが、継続火力という視点で見れば大したものでもない。残念ながら。
そして何より。
「防御性能は僕単体で割と完結しとるからなぁ」
「そこだな」
MMOにあるまじきオールラウンダーな状態の僕だけど、何が一番強いって敵の攻撃に対する無効化能力の高さだ。
「マルメロは
そして守るべき主である僕が、よりにもよってその守りを必要としていない。
寧ろ自力で対処してからの反撃が強力なこと、そして最近とみに感知能力が上がっていることで、ノーモーションで使える『マルメロホットパリィ』ですら使わなくなってんだからお察しである。
「………マルメロ、役立たずですか?」
「いや、そういうわけや………ない、って言ってもなぁ…」
また耳をべしょっとして、しょぼくれるマルメロの頭を撫でる。
代替反撃型
っていうか、そもそもマルメロに指示を出す余裕は――――
「……あ」
指を弾く。そういや、そもそも今のマルメロは自分で考えながら動けるじゃないか。
「なぁ、マルメロ。お前、
「む…やってみるです」
むむ、と眉間にしわを寄せた顔がかき消える。
頭を振れば、アカツキの目の前で両手を広げ、庇う体勢のマルメロ。
「失礼」
適当に小石を拾って投げれば、アカツキに当たる直前で紫の障壁に弾き返された。
「む、なるほど」
「これなら『
僕以外のカバーができるというだけで、マルメロの仕事はだいぶ広がる。
ついでにさっきの挙動からして、眼前に転移するみたいだし…
「あれ?確か
「ママ、それは違うです」
曰く。
マルメロ
「だが、問題もあるぞ」
アカツキが指摘したのは、純粋な問題だった。
視界の邪魔。確かに、ゲーム画面の三人称視点なら問題にならないマルメロの存在も、強制的に一人称視点となるこの世界では―――人間体になったことで多少は大きくなったのも要因だが―――かなり視界を遮ってしまう。
特に攻撃を受けやすい前衛職にとっては大きな問題だ。風の噂では、どこぞの妖怪眼鏡の口伝はそれを解決できたらしいが、彼は今遥かな海の向こう側だ。
「まぁでも、そこはある意味問題ない」
僕が自信ありげに口角を上げると、みんなが首を傾げた。
「マルメロ、お前をシア譲の護衛に任ずる」
「シア様のですか?」
「応。お前が一番適任や」
「確かに間違ってはいませんが」
レイネシアのレベルは一桁で、更に言えばそもそも戦闘用のジョブについていない。
その耐久は大地人の中でも下から数えた方が早いほどで、筆頭メイドのエリッサの方が上―――と言っても〈冒険者〉からすれば誤差レベルだが―――というぐらいである。
これでは、如何に高レベルな戦士職が護衛についても万が一ということがある。
だが、
「しかし、マルメロちゃんは
「大丈夫です!マルメロ、時々ママのお部屋でお留守番とかしてたです!」
ドヤ、と胸を張るマルメロ。何してんの?という視線が刺さる僕。
どうやら、母親というのは中々難しいらしい、と僕はため息を吐いた。