ラグランダの社。
それが、僕らの挑むダンジョンの名前らしい。
「12人っちゅー事は…2パーティーに分かれて攻略ですか?」
「そうなりますにゃー」
引率の一人である猫の紳士にして料理人、にゃん太というひねりのない名の
見回せば、セララや昨日会ったミノリをはじめ、いつぞやの侍の少年など見知った顔がちらほらいる。
同じパーティーやとええなぁ、と僕はちょっと祈った。
祈りが通じたのかはさだかではないが、僕は侍の少年ことトウヤ含めた知り合い全員と同じチームになった。ありがたい。
ただ、前衛は彼一人しかいないのがネックか。これなら
他のメンバーは
レベル28の僕と29のトウヤはちょっと頭一つ抜けている様相だ。
「んじゃ、今から15分間で作戦会議をするにゃ」
にゃん太の号令で、僕たちは集まって面を突き合わせる事となった。
……見上げる体勢になるのは仕方ない。僕のアバターは140cmしか身長がないのである。
「えーっとなにを会議すりゃいいんだ?」
開口一番、そう言ったのは一番レベルの高いはずのトウヤだった。
「突然いわれても…」
そう言って困り顔になる五十鈴。あれ、もしかして誰も詳しくない?
「ふぅーん。つまりあれだ。諸君。気合を入れればいいんじゃないのかーい?」
「いやなんでやねん!」
思わず思いっきりツッコミの『
「ちょ、大丈夫ですか!?」
「安心せぇ、ダメージは入っとらん。それより」
ジロッと視線を向けると、完全に同意しようとしていたトウヤの顔に冷や汗が浮かんだ。
「こいつはまだええわ、どうせ僕と同じでずっと
えっ、と狼狽えた顔になるトウヤ。
「あの、チノモリさん、その辺で…」
「チノモリ"ちゃん"な、そこまで含めて名前やさかい。…ってそれはええねん」
止めに入ったミノリをやんわり押し返す。双子の姉らしい彼女を押しのけてでも、言わなければならないことがある。
「このパーティーの盾はあんた一人やねんぞトウヤん、つまりあんたが引き付け損ねたらイコール前線がなりたたんちゅーことや!」
「わかってるよ、だから―――」
「いーやわかっとらん、あんたがいくら頑張ってもな、
そこまで一息で言うと、『なんでそれを?』という視線が帰ってきた。あの時のが僕なのはどうやらバレていなかったらしい。
ぎゅっと左袖が掴まれる。見ると、ミノリが今や泣きそうな顔で首を横に振っていた。
………怒鳴ったのは悪かったかもしれない、と頭を掻く。
「つまりやな。
多分、本当はもっと色々あるんだろう。そこは詳しくない僕にはわからないことだ。
「ふふ……良い一撃だったよ、ミス・チノモリ…」
「………チノモリ"ちゃん"な」
背後でようやく立ち上がったルンデルハウスにそう言葉を投げる。もう一つのチームは、既に突入したようだ。
不安は残るが、仕方ない。
「ほな、行こか。遅れを取るわけにもいかんしな」
若干微妙な空気のまま、僕らのダンジョン探索は始まった。
ここまで主人公の名前出てきてなかったってマジ?マジですはい。
というわけで主人公の名前は『チノモリちゃん』。『ちゃん』まで含めて名前です。以後よろしく。