ひろがるスカイ!プリキュア Imaginary Episodes   作:パイシー

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epilogue「真っ白なわたしのお話」

 私の名前は虹ヶ丘ましろ、らしい。

 らしいって言うのは、まだ実感がないから。

 大好きな親友のソラちゃんは、私は事故で記憶が無くなったって言ってた。

 でもそのソラちゃんとどうやって出会ったのか、前の私はどうやって暮らしてたのかはハッキリとは思い出せない。

 プリキュア?っていうのをやってたらしいけど、イマイチ実感が無くて、SNSの写真とか見せられても、私と同じ顔をした誰かが写っているだけ。

 画面越しにお父さんやお母さんだっていう人と話もしたけど、やっぱり私にとっては初めましての人。何となく私似てるかな。って思ったぐらい。私の名前入りのTシャツも作ってくれたみたいだし、大事にされてたんだろうな。

 あげは()()やツバサ君は優しくしてくれるし、何かあるとソラちゃんが飛んできて助けてくれる。

 家を管理してくれているヨヨさんも何か悩み事があれば相談に乗ってくれるし、欲しいものは揃えてくれる。

 前の私は絵本が好きだったみたいで、何冊も絵本を作ってたらしい。

 私の周りの人はみんな優しくて、私が不自由しないように色々としてくれる。記憶が早く戻るようにって、色んな場所へ連れて行ってくれたり、思い出話を聞かせてくれる。

 いくつか思い出せたこともあるけど、でも何も思い出せないことの方が多くて、その度にごめんなさい。って何度も謝った。

 通ってた学校の場所、名前、クラス、そんな当たり障りのない記憶ばっかりで、ソラちゃん達のと記憶は殆ど戻らない。

 いいよ、ゆっくり思い出していこうよ、そう言ってくれるけど、皆どこか焦ってるようにも見えて、もしかすると、みんな今の私が嫌いなのかな?とか考えちゃう。

 みんなが会いたいのはプリキュアだった頃の虹ヶ丘ましろちゃんで、今の私はお邪魔虫。だから早く記憶を戻そうとしている。そんな訳ない、って否定したかったけど、だからって私から皆に何かをしてあげられるわけでも無くて……。

 記憶を取り戻したいのは私も同じだけど、なんとなく家にいるのが息苦しくて、こっそり家を抜け出すことにして、自分なりのやり方で思い出そうと考えた。

 今日はソラちゃんが故郷にお出かけをする日で、あげはさんも実習でいない。後はツバサ君の目を盗んで家を抜け出すだけ。

 前はエルちゃんって子もいたけど、今は親御さんの所で暮らしてる。よく家に遊びに来てるけど、今日は来てない。遠い国のお姫様らしいけど、むしろなんで今まで私みたいな何もない子と一緒に暮らしてたのかな。

 ツバサ君はお友達に自分が勉強してることを教えてるみたいで、私にまで気が回ってない。

 そのお友達は……女の子?やっぱり、プリキュアって女の子の方が多いのかな。ツバサ君の勉強してることに興味津々みたいで、そのお友達はすごい聞き入ってる。ツバサ君もすごい熱心に説明してるし、ちょっとくらい音を立てても多分わからない。

 前は2階の窓から飛び降りようとしたところをソラちゃんに見つかって、ものすごい怒られた。ソラちゃんを悲しませちゃったのは少し残念だけど、大事にされてるんだなって気がして、ちょっとだけ嬉しかったっけ。

 でも今回はちゃんと書き置きを残したし、晩ごはんまでに帰ってくれば怒られないよね。

 玄関の扉を開け閉めする音でバレちゃうかもしれないから、今回も私の部屋の窓から飛び降りる。

 ソラちゃん達には教えてないけど、私が覚えてた特技がある。私の影を操って、何かを作る力。今回みたいに影を膨らませてトランポリンみたいにすれば痛くも無いし音も出ない。

 でもこの力を使う時は私の中を何かが通り抜けるような感覚があって、それがちょっと気持ち悪い。あんまり使いたくはないけど、今回は仕方ない。

 持ち物はスケッチブックと鉛筆だけ。あげはさんがくれたスマホは書き置きが風で飛ばされないようにって押さえとして置いてきた。

 今日の行き先は、図書館の近くの公園にあるブランコ。前、私が読み聞かせのボランティアをしてたって連れてってもらった帰りにちょっとだけ見えた公園。

 何となく見覚えがある気がして、あの日の思い出を頼りにまずは図書館に向かう。

 前の私もそうだったらしいけど、今の私も絵を描くのが好き。体が何となく絵の描き方を覚えてて、前の私とのつながりを感じられる。私も虹ヶ丘ましろなんだって実感できるから。

 少し遠回りになったけど、何とか目的地にたどり着いた。木の下に下げられたちっちゃいブランコ。

 やっぱり私、ここに来たことがあるような気がする。

 でもその時は私一人じゃなくて、誰かいたような……。やっぱり全部は思い出せないけど、こうやって『手掛かり』を集めて行けば、何かを思い出せるはず。焦らないで、じっくり集めて行こう。

 そうやっていったら、きっといつかはソラちゃんとの思い出も全部思い出せるかな。

「絵を描くの、好きなのね。そういえば前もスケッチブックを持ってたものね」

 いきなり声をかけられて、スケッチブックから顔を上げると、目に入ってきたのは綺麗な長い髪を後ろで結った女の人。あげはさんと同じぐらいの大人の人。どこかでお仕事してそうな格好だけど、図書館の人かな?

「久しぶりね。ちょっと付き合ってほしいの。あなたに聞きたいことがあって……」

 その人は悪い人には見えなくて、優しく私に話しかけてくる。ソラちゃん達と同じ、私の中を探るような、私を刺激しないように一歩引いた場所から私を見ているような、そんな目で私を見ていた。

 でもそんな目をしてるってことは、前の私の知り合いって言うのは本当みたい。帰りが遅くなったら心配かけちゃうかもしれないけど、もうちょっと何かを思い出せたら、ソラちゃんも喜んでくれるかな。

『いいですかましろさん!今のましろさんが知らない人に一人でついてっちゃダメですよ!噓を教えて連れてこうとする悪い人かもしれませんから!』

 ふと、そんなソラちゃんの言葉を思い出した。

 色々と思い出したいのは私も同じ。でもソラちゃんを悲しませてまで思い出さなきゃいけないのかな。

 私の事を知ってるっぽい目の前の誰かと、大好きなソラちゃんの言葉。どっちを信じるかなんて、考えるまでも無かった。

「えっと、一人でついてったら、ダメって言われてるので……。また後で、その、丘の上にある家に、来てくれませんか……?」

 頭を下げて、その場から走り去ろうとすると、物陰に隠れてた誰かが飛び出してきて、腕を掴まれる。

 振りほどこうとしたけど、向こうの人の方が力が強くて、逆にバランスを崩したところを抱きかかえられて今度こそ身動きが取れなくなった。

「ごめんね!あなた一人じゃないとダメなの。ソラちゃんには話せないこともあるから!」

 この人、ソラちゃんの知り合いなの?だったら、この人達は信用していいのかな……。何とかこの人から離れようとしたけど、ソラちゃんの知り合いなら、信じても良いかも。

「ねえリコ、やっぱりこのやり方は良くないんじゃないかな。傍から見たら私たちの方が悪者だよ」

「しょうがないでしょ、また暴れ出したら私もみらいも危ないんだから」

 暴れる……?もしかして前の私って悪い人だったのかな……。写真とか動画からはそんな様子は無かったけど。

 リコさんは私の落としたスケッチブックが気になったみたいで、すぐに拾い上げてパラパラと中身を見る。恥ずかしいモノを描いてるわけじゃないけど、やっぱり恥ずかしいなぁ。

「よかった、普通の絵だわ」

 むしろスケッチブックに普通じゃない絵を描く方が難しいんじゃないかな?河童とか天狗みたいなお化けの絵だったら普通じゃない絵ってことになるのかな。

「そのままじっとしてて。すぐ終わるから」

 リコさんは大人しくなった私の手に細い針みたいなものを私に刺した。不思議と痛くは無くて、リコさんが私の手をじっと眺めてる。少し遅れて影を操ってる時みたいな私の中を何かが走ってくような感覚がやってきて、ちょっとくすぐったい。

「これは私が働いてる学校で使われてる道具。とある力を流して、あなたの体を一周して戻ってくれば光るの。ほら」

 リコさんの手元の針の付け根のところランプが弱く光った。それを見て何かわかったのか、リコさんは持っていた針をしまった。

「なんか電気の点検に使う奴みたいだね」

「だってそれを真似てできたものだもの。気持ちにセーブをかけてると魔法が上手く使えないから、どこかでブレーキかけちゃってないか確認する道具よ」

 魔法……?確かに私の力って魔法みたいだなって思ったけど、私みたいな人っていっぱいいるのかな。

「前みたいにどこかで不安とかの感情が止まってるとかはないわね。次は目も見せてもらうわ。それでハッキリするから」

 今度は虫眼鏡見たいな道具を出して、私の目をじっとのぞき込む。ちょっと恥ずかしいけど、この人たちに私を傷つけようって感じはしないし、我慢してみよう。

「闇の魔法を使った跡はあるけど、心が磨り減ったりはしてない。制御も一応はできてる。とりあえずは大丈夫みたいね」

 リコさんが私に聞きたいこと、ってこれの事だったのかな。あの影を使う力、いっぱい使ったら無くなるかなって思ってたけど、私の外から呼んでる力なら無くなるわけないよね。ジャンケンができるようになった辺りからなんかおかしいなって思ってたんだけど。

「ありがとうみらい。もう放していいわ」

 みらいさんも安心したようで、動かないように押さえてた私の体を話してくれた。リコさんも脇に抱えてたスケッチブックを私に返してくれた。

「怖がらせちゃって悪かったわね。あなたのその力、とても不安定なものだったから、今どうなってるのか知りたかったのよ。また暴れ出したら今度は抑えられないし」

 この力の事、この人達は知ってるみたいだけど、ソラちゃんからは詳しくは聞いてない。前に暴れ出したことがあるってことは、私の記憶がない事と関係あるのかな。ソラちゃんが教えてくれなかったってことは、それだけの事情があるんだと思うけど。

 私が記憶を失くしたっていう事故の事について、ソラちゃんはあんまり教えてくれない。それとなく話は聞いてるけど、どこか嘘っぽかった。多分この力が関係してるから、話しづらかったのかも。

 きっと時間が来れば教えてくれる。だから、私もできるだけ思い出せるように頑張らないと。

「そこで何をしてるんですか!」

 私の体に問題ないことが分かって一安心していると、遠くからソラちゃんの声が聞こえた。私がいなくなったから、探しに来てくれたのかな。書き置きは残してきたはずだけど……。

「ゆっくりましろさんから離れて、こっちを向いてください!」

 みらいさんとリコさんはバツが悪そうにゆっくりと私から離れる。この人達は悪い人じゃないって言いたいけど、大きな声って出したこと無いし、もうちょっと近くに来てもらわないと私の声は聞こえないかも。

「ずっとおかしいって思ってました。ましろさんがいきなり家出するなんて。あなた達が隠れて何か吹き込んでたんですね!」

 すっかり頭に血が上っちゃって2人が知り合いだって気付いてないみたい。何とかして落ち着かせないと……。一時停止の標識を出したら驚いて止まってくれるかな。

「ましろさんは誰にも渡しません!」

 少し遠くの方にいたソラちゃんがこっちに向かって走ってくる。ソラちゃん足が速いし、多分標識を出しても無視されるかも。

 足元から影をうすーく伸ばして、公園にあって変じゃないものを作って出そう。

 確かリコさん達曰く、この力は魔法ってことになるらしいけど……。魔法、マジック……鳩なんか出したらビックリするかな。

 あれ、でも確か影から出したものって黒くなるから、鳩じゃなくてカラスだと思われちゃうかな。

 でも鳩とカラスのシルエットなんて一々考えてる時間は無いし、この際なんでもいいから、鳥っぽいものを出そう!出てきて!

 そう思って影から飛び出した鳥っぽいものは、よくウチの屋根とかに止まってるプニプニした鳥さん。何の鳥なのかは知らないけど、フォルムがかわいくて妙に記憶に残ってる。

「うぇっっ!?ツバサ君!?」

 ソラちゃんはいきなり出てきたモノにビックリして足を止めてくれたけど、ちょっと遅かったみたいで、私が出した鳥さんはソラちゃんの顔に弾かれて、ゴムボールみたいに跳ねてどっかに行っちゃった。

 あの鳥さん、ツバサ君って名前なんだ。私の家にいるツバサ君と同じ名前だから紛らわしいよね。代わりのあだ名とか考えてる最中だったのかな。プニプニしてる鳥さんだから、プニ鳥、プニバード……はちょっと違うかな。

 なんでかみらいさん達も良くないものを見られたときみたいな反応をしていて、その場にいた皆が固まってる。

 とりあえず、丸く収まった……みたい。

 

 

 ソラシド市の図書館の一角にあるカフェスペース。

 平日の昼間という時間故に誰もいないスペースで、ソラとみらい、リコの3人で1つのテーブルを囲んでいた。ソラからのお願いでましろは席を外している。

「それで、ましろさんに何をしてたんですか?」

 注文したジュースを飲みながら、2人を睨みつけるソラ。完全に警戒されており、みらい達の笑顔も引きつってしまう。

「別に悪いことをしにきたわけじゃないのよ?ただ、あれからましろさんの体に異変が起きてないかって見に来たの。その、また黒いプリキュアに変身してたら大変だし」

 事情を話してもソラの警戒が解ける様子はなかった。ただリコ達に悪意はないと分かったからか、一触即発の空気が少しだけ緩んだようにも感じた。

「本当ですか?記憶が無いのをいいことに、あることない事を教えて連れ去ろうとしたんじゃ……」

「私たちは本当に調べに来ただけなの!ましろちゃんが闇の魔法使いになってたことしか分かってなかったし……」

「みらいの言う通りよ。発端は私だけど、浄化されてあの力は無くなったと思ってたもの」

 実はましろが表向きだけ元に戻って、裏でこっそりプリキュアを倒す計画を進めている可能性も考えていた。だからましろがどんな絵を描いているのか気になって、すぐにスケッチブックを確認したのだが、実態は違った。

 描かれていたのはこの街の景色だけで、プリキュアを倒す怪物の絵のようなものは1枚も存在しなかったのだ。

 今のましろが力を使い続けても、特に悪影響が無い事は分かったが、今度はソラとの関係が悪化してしまった。

(なんだか、ご主人様を必死に守ろうとするワンちゃんみたいだなぁ)

 今にもワン!とでも吠えそうな形相でこちらを睨みつけるソラ。

 リコは引きつった笑顔で場を和ませようとはしてるものの、すっかり警戒しきったソラには効果が無い。

「今のましろちゃん、私たちが戦った方と、ソラちゃんが助けた方が混ざったみたい感じだよね。白と黒が混ざって、どっちでもないグレーになっちゃった感じ」

「それだわ!」

 外でスケッチに夢中になっているましろを見て、何となく呟いたみらいの一言にリコが大きな声で反応した。

 だが図書館という場所故に、周囲の痛い視線がリコの下へ集まい、慌てて謝罪して場を収める。

「あのましろさん、なんて言ったらいいのか分からなかったんだけど、そうよ、混ざってるのよ。元のましろさんと、闇の魔法使いとしてのましろさん。両方とも消えずに残ってて、どっちでもない状態なのよ」

「じゃあましろさんはもう元に戻らないってことですか!?」

 リコの推測を聞いて、今度はソラが勢いよく立ち上がった。どれだけ頑張っても、ましろの記憶は戻らない。そう言われたような気がして、いても立ってもいられなくなった。

 だが勢いよく立ち上がったせいで椅子も倒してしまい、またしても痛い視線がソラ達に集まる。

 ソラがなんとか取り繕って場を収めたが、リコはソラを落ち着かせるために一度深呼吸して考えをまとめる。

「……ま、まあ、まだ分からない、としか言えないわ。全部の記憶を取り戻した時に、元のましろさんに戻ればいいけど、この前の事を受け入れられずに、私たちの前からいなくなるかもしれない」

 スケッチブックに描かれたましろの絵。とても優しいタッチで描かれた絵を見れば、彼女の性格が分かる。

 きっと自分のように、ソラに迷惑をかけられないといなくなるのかもしれない。

 大事に思う相手がいるからこそ、ましろがどういう行動を取るのか簡単に想像できてしまった。

「構いませんよ」

 リコが悲観的になっている反面、ソラは何かの決意を固めたようだった。

「ましろさんが元に戻る可能性があるなら、私たちはそれ信じます。苦しい思いをしてるなら何度だって助けに行きますし、誰かがましろさんを苦しめるなら、誰とだって戦います」

 正義の味方ではなく、ましろの味方になる。

 それは大事にしてきた夢を捨て、これまでの自分を裏切る事だったのかもしれない。それでもソラは正しさよりも繋がりを選んだ。

 ましろと2人でもう一度ヒーローを目指したい。それがソラの新しい夢だった。

「ソラちゃん、お話、終わった……?」

 スケッチを終えたましろがソラ達の所に顔を見せた。ソラは席を立ってましろを連れて出ようとしたが、リコ達を無視して帰るつもりはなかったようで、目線をリコ達に戻す。

「私たちはしばらくこの街に残るわ。今日の所はお開きにしましょう」

「そうですか、では、また」

 ソラとましろは手をつないで歩き出す。歩調こそバラバラだったが進む方向は同じ。きっといい未来が待っていると信じて、みらいとリコは2人を見送った。

 

 

「はぁ~。報告書、どう書けばいいのよ……これ」

「辞表も受け取ってもらえなかったしねー。でもリコが先生を続けられてよかったと思うな」

 図書館を出て、手配したホテルに帰る道中で、リコはやっと弱音を吐けた。

 あの後魔法学校に戻り、またこっそりこっちに戻ってこようとしたのだが、校長先生には最初から最後まで見られており、リコはこってりと叱られた。

 ましろの体を調べる道具を貸してくれたのは嬉しい誤算だったのだが、代わりにしばらくソラシド市に滞在して、ましろについて経過報告をするように命じられた。

 一人で逃げることは許さないと辞めさせてもらえず、定期的な報告を聞きに魔法界から来る使者に報告書の提出をするとのこと。

「本当憂鬱だわ……。はーちゃんも友達に会ってくるって言ったままどっか行っちゃったし、やることは山積みよ」

「私も頑張るよ!大学のレポートとかいっぱい書いてるから、報告書書くの手伝えるかもしれないし!」

「ありがとう。みらいが居てくれて本当心強いわ」

 頭上に広がる真っ白な雲が浮かんだ、キレイに晴れ渡った空を見上げ、みらいは杖を取り出す。

「久しぶりね。私もやっていいかしら」

 みらいがやろうとしていることを察し、リコも杖を取り出してみらいの杖の先に合わせて空に掲げる。

 本当はすべてが終わったとは言い切れないのかもしれない。ましろの事や、魔法界の事、不安に思うことはいっぱいあった。

 だけども、みらい達はこれから先も明るい日々が待っていると信じて、空におまじないをかける。

 

 キュアップ・ラパパ、明日も素敵な日になあれ!

 





虹ヶ丘ましろ(After)
戦いの果てにすべての記憶を失ったましろ。
心優しい少女であることに変わりはないが、人見知りが激しかった頃に逆戻りしてしまい、口数も非常に少ない。
黒いプリズムが浄化される際、ましろは決別せずに自分の一側面として受け入れたため、闇の魔法使いとしての側面も備えてしまった。
彼女がもう一度ヒーローガールになるのは、もう少し先のお話。
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