忌憚なき意見ってやつっス
前回までのあらすじ
堀北をデュエルで説得するのよ!
合流したオレ達は遊城達と共に図書館に入っていく
席には先刻と同じ場所で座ったまま佇んでいる堀北を見つける
「よっす堀北、ずっとここにいたのか?」
そいつに果敢にも挑むのは我らが遊城十代。
「遊城君、悪いけれど今日は……」
どことなく沈んだ様子に堀北が気だるそうに答える
「早速だけど堀北、お前にデュエルを申し込むぜ!」
「……いきなり何かしら?」
「ちょっと息抜きしようぜ? それくらい良いだろ?」
そんな様子を知ってか知らずか単刀直入に宣言する遊城
まあ堀北が簡単に乗るわけが……
「それとも、俺に負けそうだからやめとくか?」
「……良いわ、そのデュエル受けて立つわ」
すんなり受け入れられた。
堀北よ、お前も生粋のデュエリストなんだな……
「丁度私もデュエルで誰かを叩きのめしたいと思っていた所よ」
違った、何か物騒なことを言っている
「そうこなくっちゃな、良い場所があるぜ!」
「良い場所?」
「ああ! そこなら気兼ねなく全力全開でぶつかれる!」
遊城の言う場所と言ったら……
まあ、あの場所しかないだろうな。
堀北は立ち上がり遊城の後に続いていく
着いたのは何時ぞやのアリーナ
テスト期間中だからか、中には誰もいない
「ここは……」
物珍しそうに周囲を見渡す堀北に櫛田が声をかける
「堀北さん、アリーナに来るの始めて?」
「ええ、こんな施設があったのね」
さっきの事もあってかなんとも気まずそうな空気が流れているが、
「じゃあ早速やるか堀北!」
そんなことを知ってか知らずかデュエルディスクを構える遊城
「あはは……遊城くん、凄いやる気だね」
「櫛田、待っている間俺達も一戦やらないか?」
オレの隣の小波が櫛田に話しかける
「え、えぇっと……私はその……」
「良いだろ? さっきのリベンジもしたい」
リベンジ?
「何かあったのか?」
「ああ、実はな……」
「わー! わー! わかったよ小波くん! 私たちも一戦やりに行こうか!」
「よしきた」
話を中断して急いで隣のステージに上がる二人
オレは大人しく観戦しておくか……
「全てをぶつけ合おうぜ堀北! 勝ち負けはその後だ!」
「御託はいいわ遊城君。始めましょう」
「「デュエル!」」
遊城十代 LP 4000
VS
堀北鈴音 LP 4000
「それじゃあ俺達も始めるか櫛田」
「う、うん」
小波代栖 LP 4000
VS
櫛田桔梗 LP 4000
「行くよ、私のターン!」
櫛田の先行から始まる
「私は手札から永続魔法、《トイポット》を発動!」
早速出現したのは大きな機械
中には大量のカプセルが確認できる
「手札を一枚捨ててトイポットの効果発動。デッキから一枚ドローしてお互いにそれを確認するよ」
トイポットが動きだし中のカプセルが飛び出して中からカードが飛び出す
櫛田が引いたのはファンシーな見た目のモンスター。
「やった! 引いたのはファーニマル・ドッグ! そのまま手札に加えるね。
更にドローしたのがファーニマルモンスターだったから、手札からモンスターを特殊召喚できるよ。
おいで、ファーニマル・ドッグ!」
ファーニマルドッグ ATK 1700
『ワンッ!』
ポンと飛び出してきたのは犬を模したぬいぐるみのモンスター。
背中には小さな天使の翼がくっ付いており、なんとも愛らしい
「ファーニマル・ドッグの効果発動、デッキからドッグ以外のファーニマルを手札に加えるよ」
『わふっ』
ドッグが櫛田のデッキからカードを一枚咥え、そのまま渡す。
「よーしよし、良い子~。
この効果でファーニマル・ライオを手札に加えるね」
「カードを一枚伏せて、私はこれでターンエンド」
櫛田の場には攻撃力1700のファーニマル・ドッグと伏せカードが一枚、
伏せカード以外には警戒の必要は無さそうな盤面だがさて、どうなるか
「俺のターン、ドロー」
「お手柔らかにね? 小波くん」
「ああ、もちろん全力で行かせてもらうさ」
「小波、会話になっていないぞ」
ツッコミを入れたがオレ自身としては小波がどんなデッキなのか気になるところだ。
さて、どんなカードが出てくるのか拝見させてもらおう。
「手札からジェネクス・ウンディーネを召喚」
ジェネクス・ウンディーネ ATK 1200
召喚されたのは青い機械のモンスター、半透明の体のパーツに水のような流体が流れている。
「ウンディーネの効果発動、デッキから水属性のレアル・ジェネクス・ウンディーネを墓地に送って、ジェネクス・コントローラーを手札に加える」
どうやら小波のデッキは『ジェネクス』というモンスターを主体としたデッキの様だ。
「更に魔法カード、《二重召喚》を発動。このターンもう一度通常召喚を行える。
来い……チューナーモンスター、ジェネクス・コントローラー」
ジェネクス・コントローラー ATK 1400
『ガガ……ピピ』
現れたのは二頭身ほどの黒い機械のモンスター。
カードの枠の色から見て効果を持たない、所謂通常モンスターと分類されるカード
攻撃力も櫛田のモンスターには及ばない一見すると意味のないモンスター
だが、さっき小波は気になる単語を口にしていた。
「チューナーと非チューナーのモンスター……ってことは、アレが来るね」
何が来るんだ櫛田、デュエル初心者にもやさしく頼む。
「俺はレベル3のジェネクス・ウンディーネに、レベル3のチューナーモンスター、ジェネクス・コントローラーをチューニング」
小波の宣言と共にジェネクス二体が飛び出す
コントローラーが光の輪となり、ウンディーネがその輪を潜って光に包まれる。
「シンクロ召喚! 来い、ハイドロ・ジェネクス!」
ハイドロ・ジェネクス ATK 2300
光と共に現れたのはジェネクス・ウンディーネに装甲と武器パーツが付け足されパワーアップしたモンスター。
レベルも攻撃力も大幅にアップしている
……がそんなことよりも。
「これがシンクロ召喚か……融合のように魔法を使わないでいいのは便利だな」
「あれ? 綾小路くんもしかしてシンクロ召喚初めて見るの?」
「ああ、知識としては知っていたが実際に目にするのは初めてだ」
そうなんだ、と櫛田は半信半疑の様だったが今はデュエル中、
オレ個人の事情よりもデュエルの続きが見たいので小波に目配せをする。
「バトルフェイズ、ハイドロ・ジェネクスでファーニマル・ドッグを攻撃」
ハイドロ・ジェネクス ATK 2300
VS
ファーニマル・ドッグ ATK 1700
ハイドロ・ジェネクスの持つ大型の槍がファーニマル・ドッグを貫く
「きゃっ」
櫛田桔梗 LP 4000→3400
「ハイドロ・ジェネクスの効果発動、バトルによって破壊したモンスターの元々の攻撃力分ライフを回復する」
小波代栖 LP 4000→5700
なるほど。
下級モンスターを並べシンクロ召喚を行い強力なシンクロモンスターで相手モンスターを破壊し
効果でLPを回復する。なかなか無駄のない戦術だ
「俺はこれでターンエンド」
「う~ん、1ターン目からシンクロ召喚なんて、小波くんってもしかして強い?」
「さあ? どうだろうな」
「むむ、イジワル……私も負けないよっ。私のターン! ドロー!」
返す櫛田のターン、結局発動しなかった伏せカードも含め、ここからどうするのか気になるところだ。
「来た! 逆転のカード! 手札から永続魔法《神の居城ーヴァルハラ》を発動!」
フィールドに赤いカーテンで包まれた白い聖域が出現する
「ヴァルハラの効果で私の場にモンスターがいない時、手札から天使族を特殊召喚できる! 来て! ファーニマル・マウス!」
『チュチュッ』
ファーニマル・マウス DEF 100
現れたのはハムスターのぬいぐるみ、手にはなぜかドーナツを抱えている
「更に手札からファーニマル・ライオを通常召喚!」
『ガウッ』
ファーニマル・ライオ ATK 1600
続けて召喚されたのはライオンを模したぬいぐるみのモンスター、
ドッグ達と同じく天使の翼がくっ付いており前足と後ろ足の両方に包帯が巻かれている
「ファーニマル・マウスの効果発動! デッキからマウスを2体まで特殊召喚!」
ファーニマル・マウス×2 DEF 100
「そしてリバースカード《縫合蘇生》! 墓地からファーニマル・ドッグを復活させるよ!」
ファーニマル・ドッグ ATK 1700
あっという間に5体のぬいぐるみ達が櫛田のフィールドに揃った。
しかし、攻撃力はどのモンスターもハイドロ・ジェネクスには及ばない
「いくよ! 装備魔法《団結の力》をライオに発動!」
櫛田の宣言と共にファーニマル・ライオの背中に他のファーニマル達がライド・オンしていく。
「団結の力の効果でライオの攻撃力は
私の場のモンスターの数×800アップ!」
『がお~~~』
ライオがドンドンと体積を増していき、アリーナの天井に届きそうなほど巨大化する。
ファーニマル・ライオ ATK 1600→5600
……でっか。
8~10メートル程はあるぞ……
攻撃力も下級モンスターとは思えない程桁違いに膨れ上がっている
なるほど確かに逆転の一手のカードだ。
「準備オッケー! ファーニマル・ライオでハイドロ・ジェネクスに攻撃!」
『がお~~~……!』
「ライオの効果で攻撃力が更に500アップ!」
ファーニマル・ライオ ATK 5600→6100
VS
ハイドロ・ジェネクス ATK 2300
ライオが片足をあげてハイドロ・ジェネクスに真っ直ぐ降ろす
たったそれだけでも圧倒的な巨体さが合わさって凄まじい迫力を出している
ハイドロ・ジェネクスはなす術もなく、ぷちっと音を立てて爆散、衝撃が小波を襲う
小波代栖 LP 5700→1900
「ぐぅっ……!」
「ファーニマル・ドッグでダイレクトアタック!」
ファーニマル・ドッグ ATK 1700
「ぐはっ……!」
小波代栖 LP 1900→200
ギリギリ耐えたか、前のターンにライフを回復していなければこのターンで終わっていたな
「あとちょっと! 私はこれでターンエンドだよ」
「俺の……ターン!」
追い詰められた小波のターン
ここで決めないとヤバそうだ
「ジェネクス・パワー・プランナーを召喚!」
ジェネクス・パワー・プランナー ATK 100
新たなるジェネクス、だがこいつ一体でどうにかなる状況ではない。
「パワー・プランナーの効果発動、デッキからレベル3のレアル・ジェネクス・マグナを手札に」
さっきのジェネクスと同じく手札を補充する効果、ジェネクス達は傾向としてサーチ効果に長けている様だ。
「やっぱり強いな櫛田」
「へ? えへへ、それほどでもないよ」
「だから……ここからはホントの全力全開で行かせてもらう。
現れろ、リンクサーキット!」
小波の宣言と共に空中に八つの矢印が現れる。
「サーキットって、まさか……!」
「召喚条件はレベル4以下のジェネクス一体! 俺はパワー・プランナーをリンクマーカーにセット!」
パワー・プランナーが矢印の左側に吸い込まれていき矢印が赤く光る
「サーキットコンバイン! リンク召喚!
来い、リペア・ジェネクス・コントローラー!」
リペア・ジェネクス・コントローラー ATK 1200
又も新たな召喚方、しかも今度はモンスター一体で召喚か。
「リンク召喚まで使うなんて……!」
「リペアの効果発動、墓地からジェネクスを手札に回収する。墓地のパワー・プランナーを回収。
この瞬間リペアの効果発動、ドロー以外でジェネクスが手札に加わった場合、手札からジェネクスを召喚できる。
よってもう一度ジェネクス・パワー・プランナーを召喚!」
ジェネクス・パワー・プランナー ATK 100
「再びパワー・プランナーの効果発動、Aジェネクス・バードマンを手札に、そしてリペアの効果により、手札からマグナを召喚」
これは……ジェネクスのサーチ効果とリペアの効果が連動し続けることにより、実質無限に召喚が可能な状況になっているのか。
「そんなのアリ……?」
「さあ、ガンガンいこうか」
「──シンクロ召喚、Aジェネクス・アクセル!」
あれから怒涛のサーチと召喚が続き、小波の場には新たに3体のシンクロモンスターが並んでいた。
Aジェネクス・アクセル ATK 2600
Aジェネクス・トライフォース ATK 2500
Aジェネクス・トライアーム ATK 2400
リペア・ジェネクス・コントローラー ATK 1200
「Aジェネクス・アクセルの効果、手札を一枚捨てて墓地からコントローラーを攻撃力を倍にして蘇生させる」
『ラディカル・グッドスピィィィドッ!』
ジェネクス・コントローラー ATK 1400→2800
「Aジェネクス・トライアームの効果発動、
水属性を素材にしている場合、相手の魔法・罠を破壊する。
撃ち抜け、トライアーム!」
『タッタイマカラオマエハオレノエモノダ!』
トライアームが左腕の銃器で櫛田の場の《団結の力》を撃ち抜く。
「きゃっ……!」
ファーニマル・ライオ ATK 5600→1600
『がう~……』
「バトル。アクセルでドッグを攻撃」
『ハヤサガタリナイッッ!』
Aジェネクス・アクセル ATK 2600
VS
ファーニマル・ドッグ ATK 1700
アクセルが知覚できない程のスピードでドッグに接近し目にも止まらぬ速さで目標を蹴り飛ばす。
「くぅ……っ!」
櫛田桔梗 LP 3400→2500
「コントローラーでライオに攻撃」
ジェネクス・コントローラー ATK 2800
VS
ファーニマル・ライオ ATK 1600
櫛田桔梗 LP 2500→1300
「うぅ……」
「ジェネクス三体で残りのマウスを攻撃……!」
Aジェネクス・トライフォース ATK 2500
Aジェネクス・トライアーム ATK 2400
リペア・ジェネクス・コントローラー ATK 1200
VS
ファーニマル・マウス×3 DEF 100
『『『ヂュ~……!』』』
あれだけの数をたった1ターンで全て片付けてしまった。
これがジェネクスの真価ということか……。
「俺はこれでターンエンド、エンドフェイズ時にコントローラーは除外される」
アクセルによって蘇生したコントローラーがフッと消えていく。
「わ、私のターン、ドロー……」
一転して追い詰められた櫛田のターン。
場にモンスターはゼロ、手札もこのドローの一枚のみ
どうする、櫛田。
「実力を隠しているな、そういう動きだ……。
屋上の時みたいにデストーイを使えば……」
小波が櫛田に話しかけた瞬間、ジェネクス達に巨大な雷が降り注ぐ
「《サンダーボルト》発動……何か言ったかな?」
「……何でもないです」
「あーあ。できること無くなっちゃった、ターンエンド」
……一瞬だが、何かおぞましいものを感じたぞ。
しかして、小波の場は一掃されたが手札は潤沢
勝負あったな
「……ドロー。ジェネクス・コントローラーを召喚、ダイレクトアタック」
ジェネクス・コントローラー ATK 1400
「あうっ」
櫛田桔梗 LP 1300→0
一進一退の勝負だったが決着はあっさりと着いた
「櫛田、大丈夫か?」
最後の攻撃で尻もちをついた櫛田に手を差し伸べる小波
「う、うん、ありがとう……」
櫛田が手を取り立ち上がると同時にアリーナ全体に突風が吹き荒れる。
「んっ……すごい風、飛ばされちゃいそう……」
「堀北達、すごいことになってるな」
風の元となる場所を見ると遊城と堀北のデュエルが繰り広げられていた。
すっかり観戦に集中していたがそういえば本命はあっちだったな。
堀北 後攻1ターン目
堀北鈴音 LP 4000
ダークシムルグ ATK 2700
烈風の覇者シムルグ ATK 2900
ダークネス・シムルグ ATK 2900
雛神鳥シムルグ DEF 1600
遊城十代 LP 4000
E・HERO ソリッドマン ATK 1300
E・HERO リキッドマン DEF 1300
伏せカード×3
「遊城君あなた、プロデュエリストになりたいって言っていたわね?」
「え? ああ、そうだけど?」
「プロになるための道がどれだけの狭き門か知っているの?
大勢のライバルたちの中から勝ち上がり、尋常じゃない努力を重ねて……それでも叶わない夢かもしれない」
「だから、この学校でAクラスを目指すんだろ?」
「そうね。そしてその為には彼らは足手まとい……早い内から消えてくれた方が良いと思わないかしら」
須藤達のことか
「そうかな、あいつらもやるだけやってみれば足手まといから変われるかもしれないだろ?」
「それでも変わらなかったとしたら? 今回は何とかなったとしても次もどうにかなるとは限らない」
「そん時はそん時だ。やるだけやって、それでもダメだったんならそいつの責任、だろ?」
「……意外とドライなのね」
「そうか?」
「バトルフェイズ。ダークネス・シムルグでソリッドマンを攻撃」
「おっと、トラップ発動! 《ヒーローバリア》!」
「無駄よ。ダークネス・シムルグの効果をチェーンして発動。
雛神鳥をリリースしてヒーローバリアを無効化する」
ダークネス・シムルグが巻き起こした風が遊城のカードを吹き飛ばす。
「くっ……!」
「その程度?」
「へっ、そんなわけないだろ、速攻魔法発動! 《瞬間融合》!
場のソリッドマンとリキッドマンで融合する!」
更なるカード、速攻魔法。
自分のターンは勿論、場に伏せた次の相手ターン中にも使用可能なカードタイプ。
「さあ、こいつはどうするんだ堀北?」
「……《瞬間融合》の効果で召喚されたモンスターはそのターンの終了時に破壊される。
私に烈風のシムルグの効果を使わせたいのが見え見えのブラフね」
「……」
「その効果はそのまま通すわ」
堀北の宣言に遊城はフッと笑みを浮かべる
「……その選択、後悔するなよ?
融合召喚! 現れろ、E・HERO アブソルートZero!」
E・HERO アブソルートZero ATK 2500
「融合素材になったヒーロー2体の効果を発動! リキッドマンの効果で2枚ドローして1枚捨て、
ソリッドマンの効果により墓地からリキッドマンを復活させる!」
E・HERO リキッドマン DEF 1300
「そしてアブソルートZeroの効果により自身の攻撃力が500アップ!」
E・HERO アブソルートZero ATK 2500→3000
「これでシムルグ達の攻撃力を上回ったぜ!」
堀北は遊城の最後の伏せカードを警戒して効果を温存した
その判断が吉と出るか凶と出るか。
「甘いわね。そのままダークネス・シムルグでリキッドマンを攻撃!」
ダークネス・シムルグ ATK 2900
VS
E・HERO リキッドマン DEF 1300
黒い巨鳥の強襲により、水のヒーローは成す術なく撃破される。
「これでアブソルートの攻撃力は元に戻る」
E・HERO アブソルートZero ATK 3000→2500
「くっ……」
「……あなた、本当にプロになる気があるの?」
「な、何だよ急に」
「あなたを見ていると腹が立つの。軽々しくプロになると言って、
お気楽にデュエルをするあなたと同じクラスになったのが許せない、そんな評価をした学校側の判断も許せない……!」
裏表のない堀北の本音。
ここまで色々あったがいまいち納得できなかったこと
堀北が何故あそこまで怒っていたのかが、ようやく理解できた気がする
「そしてなにより、あなたが兄さんと同じ夢を語るのが許せない……!」
それがお前の怒りの本当の理由か、堀北。
「……兄さん?」
「兄さんがくれたこのデッキで兄さんに追いつく。誰にも邪魔はさせない……!
烈風の覇者シムルグでアブソルートZeroに攻撃!」
烈風の覇者シムルグ ATK 2900
VS
E・HERO アブソルートZero ATK 2500
「うぉっ……!」
遊城十代 LP 4000→3600
「そしてダークシムルグでダイレクトアタック……っ⁉」
追撃しようとする堀北
だが、それが叶うことはなかった。
「ふぃーっ、あっぶねえ」
気付けば堀北の場の神鳥たちはその全てが氷像となり果てていた。
「アブソルートが場から離れたことにより、お前の場のモンスターは全て破壊されるぜ」
瞬間、氷像と化した神鳥たちは砕け散り
破片がキラキラと舞い散る。
「そんなことが……⁉」
「……なあ堀北、そんなんじゃお前の傍には誰も居なくなるぜ?」
遊城は堀北に語りかける
「このフィールドは今のお前と一緒だ。誰にも冷たいお前じゃ、気づけば一人になっちまう」
「別に構わないわね、これまでずっとそうだったから。それに場が空になったのはあなたも同じじゃない」
「確かにそうだな……けど、俺がここから逆転できるって言ったら滅茶苦茶ワクワクするだろ?」
「……やってみれば良いわ、出来るものなら。
カードを一枚伏せてターンエンド」
「やってやるさ! 俺のターン、ドローッ……!」
お互いにモンスターは無し、遊城の手札は一枚という状況
ここはまさしく運命のドロー、遊城の引いたカードは……。
「これだからデュエルはやめられないんだ……!
行くぜ堀北! E・HERO スパークマンを召喚!」
E・HERO スパークマン ATK 1600
「この瞬間、リバースカード、《次元障壁》発動!」
「次元障壁?」
「このカードはモンスターの種類を宣言することによりこのターン中、その種類のモンスターの特殊召喚、及び効果の発動を封じる。私が宣言するのは『融合モンスター』!」
ほう。
遊城の切り札である融合のカードを一切封じてきたか。
「残念ね、これで貴方の逆転の目は途切れたわ」
「いいや、俺の切り札は融合だけじゃないんだぜ!
リバースカードオープン! 《クリボーを呼ぶ笛》!」
カードが発動すると遊城の元に大きな笛が現れる。
「デッキからハネクリボーを特殊召喚する! 来い、相棒!」
『クリクリ~!』
ハネクリボー ATK 300
召喚された毛玉のモンスターに堀北は困惑する。
「低レベル低攻撃力のモンスター……それで何をするつもり?」
「まあ見てなって!
バトル! スパークマンでダイレクトアタック!」
E・HERO スパークマン ATK 1600
「スパークフラッシュ!」
堀北鈴音 LP 4000→2400
「くっ……!」
「そしてハネクリボーでダイレクトアタック!」
「そんなもので……!」
「知らないんだったら教えてやるぜ堀北!
どんなモンスターだって、たった1枚のカードで切り札に変えられるって事をな! 速攻魔法発動! 《バーサーカークラッシュ》!」
「それは……⁉」
「こいつは墓地のモンスターを除外することで
ハネクリボーの攻守を除外したモンスターと同じにするのさ!
俺はアブソルートZeroを選択!」
ハネクリボー ATK 300→2500
「攻撃力、2500……⁉」
「いっけぇ! ハネクリボー!」
『クリ~‼』
ヒーローの力を与えられたハネクリボーが突撃し、
もふり、と堀北の顔面にダイブする
堀北鈴音 LP 2400→0
「へへっ、ガッチャ! 良いデュエルだったぜ堀北!」
終わったか
ソリッドビジョンが解除されて遊城達に合流する
「……」
無言でディスクを閉じる堀北
「堀北さん……」
櫛田が堀北を心配し駆け寄ろうとする
……とその時オレ達の背後からパチパチと拍手の音が聞こえてくる
「いやー、本当に良いデュエルだったね! 特にヒーロー使いのキミ! あの土壇場での逆転はプロみたいだったよ」
やってきた女子生徒はこちらに近づいて遊城を称賛する
「え? あ、ああ。あんがと」
「……誰かしら、貴女」
突然の来訪者に堀北が冷たく尋ねる
「あ、自己紹介がまだだったね、私は一之瀬帆波。
一応Bクラスでリーダーやらせてもらってるよ」
逆に笑顔で返す一之瀬
この朗らかさが少しだけでも堀北に届けばいいのに
「他のクラスが何の用かしら? それに、遊城君は引き運が良かっただけ。次やれば必ず私が勝つわ」
全く届いていない……それどころか負けず嫌いが発揮されている
「でも負けは負けじゃん」
ぼそりと小波が呟く
聞こえないようにしたつもりのようだが地獄耳の堀北にギロリと睨まれる
「すみませんでした……」
「アハハ、Dクラスは仲良しなんだねー」
「本当にそう見えるか?」
ツッコミを入れつつ全員自己紹介を済ませる
「アリーナでデュエルやってるみたいだったからちょっと様子見をしに来ただけなんだけど、
これは思わぬ収穫だったかも! 強い人が各クラス何人いるかは把握しておきたいからね」
「偵察ということかしら?」
「偶然だけどね。それに、私以外にもいるみたいだよ?」
一之瀬はアリーナの観覧席を見る
いつの間にか席には複数の生徒が集まっていた。
「……いつの間に」
そのうちの一人がこちらを見下ろしながら語り掛ける
「気づいていたか、一之瀬」
「まあ普通に座ってただけだし」
「フッ、まあな。少しの間見ていたが、どいつもこいつも大したことねえ。俺様の敵じゃねえな」
一之瀬と話すこの男にオレ達は見覚えがあった。
「そんなの、やってみなくちゃわからないぜ? 龍園」
真っ先に反応したのは因縁のある遊城。
「やらなくてもわかる。
どいつもこいつも雑魚ばかりだ。お前もな遊城」
「フ、Cクラスのお前が言っても大口を叩いているようにしか聞こえんな」
龍園の煽りに答えた人物が観戦席から現れる
「あ? 言ってくれるじゃねえか葛城。まずAクラスのテメエから今ここで潰してやっても良いんだぜ?」
葛城……あれが1年の最上位クラスの生徒か
それぞれのクラスの人間が集う一触即発の空気の中、
葛城と呼ばれた生徒が切り出す
「それは歓迎だが、今この場では遠慮させて貰おう。Aクラスとしては焦って勝負する理由はない。
それに、お前が無様を晒すならもっと大舞台の方が良い」
「ハッ、ほざけ」
「ん~、私もパスかな? 私の勝手でそこまで好き勝手出来ないし、クラスのみんなに相談しとかないとね。
あ、フリーデュエルならいつでも歓迎だよ!」
上位クラスとしてはわざわざ余計な勝負をする必要はないということか
「ハン、そうかい。なら俺は帰る。せいぜい俺にぶっ潰される日を楽しみにしてな」
龍園は立ち上がりアリーナの出口に向かう
それに続き葛城と一之瀬も戻っていく。
残ったのは俺達Dクラスの生徒だけとなった。
「……オレたちも戻るか」
外はもう暗くなる時間だ
それにみんなデュエルをして疲弊しているだろう
「俺はもうちょっとここに残るぜ。今日の夜ここで上級生とデュエルする約束してたんだ」
まだデュエルする元気が残っているのか。
とんだデュエル馬鹿だな。
「おう! 俺は世界一のデュエル馬鹿だ!」
心を読むな
「なら、私は帰るわ。明日の準備も忙しいから」
「明日の準備? なんだよそれ?」
「……勉強会。複数人に教えるのには色々準備がいるの」
堀北のこの言葉に真っ先に反応したのは櫛田だった。
「堀北さん、それって……!」
「勘違いしないで。私は私のためにやるべきことをやるだけ」
「ううん。それでもいいよ! ありがとう!」
「……そのために、櫛田さん。またあなたに三人に来てもらうようお願いしてもらっていいかしら。
私が言ってもきっと素直に来てくれないと思うから」
「うん! もちろんだよ! ……初めてお願いしてくれて私、嬉しい……!」
「ありがとう……それと、あの時邪魔と言ったことを謝るわ。
……その、ごめんなさい」
女子2人で盛り上がっている。
堀北の説得も何とかなったが
依然として課題は山のように立ちはだかっている
……が、今は解決の目途が立った事を喜ぶとしよう。
オレ達は遊城を残してアリーナを出て寮に戻っていく
「Dクラスとはな……」
綾小路たちがアリーナから出る頃
二人の生徒が観戦席の陰から堀北を見下ろしていた。
「あれがお前の妹か、結構似ているな」
「……あいつは俺の幻影ばかりを追いかけている。
今のままではこの学園ではやっていけないだろう」
「厳しいな。それにしても、お前がプロを夢見ていたとはな」
「昔の話だ。忘れろ」
「フ……さて、そろそろ待たせるのも悪い、俺は行くとしよう」
「……お前が新入生に興味を持つとはな、カイザー亮」
「やめろ、お前にそう呼ばれるとむず痒い」
遊城十代
デッキ E・HERO
アニメ準拠なのに早々に漫画版とOCGオリジナルカードに頼ることになった主人公。
口調が難しい
堀北鈴音
デッキ シムルグ
よう実キャラはアニメテーマをなるべく使わないようにしたかったのと後々に使わせたいテーマから逆算した結果、鈴音という名前から何となく風をイメージしてシムルグを使う事となった
櫛田桔梗
デッキ ファーニマル
アニメテーマはなるべく使わないと言ったな、あれは嘘だ
あまりにも似合いすぎるのが悪い
口調がとても難しい