小さなあなたといつまでも・・・   作:DAISAKU

6 / 6


〜10年以上前〜

 

「あたし......あたしなんて」

 

小さい頃のあたしはバレエに打ち込んでいた。

だけどいつも良い結果にならず、あたしは誰かと比べられながら生きていた。

 

「あたしなんて......さいのうなんてないんだ......だからみんなあたしをみとめてくれないんだ......ならあたしなんて......」

 

あたしは橋の上から飛び降りようとしていた。

その時、

 

「なにをしてるの?」

 

「だれ?」

 

一人の男の子があたしに話しかけて来た。

 

「もしかして、とびおりようとしてる?」

 

「きみにはかんけいないでしょ!?」

 

「とびおりたらしんじゃうよ!」

 

「......なんで......なんでとめるの?」

 

「きみをほっとけないから!」

 

「えっ?」

 

「ぼくはいつか、アイドルをプロデュースするプロデューサーになりたいんだ!きみはいま、じぶんにはさいのうがないっていってたよね?でも、そんなことだれがきめたんだい?」

 

「そ、それはみんなが......」

 

「よのなかには、さいのうがないひとなんていっぱいいる!ぼくは、そんなこたちにゆめをもたせることができるプロデューサーになりたい!きみみたいなこには、かがやけるようなぶたいにたってほしいから!もしきみがこのさきアイドルのみちにすすむなら、ぼくがきみをプロデュースするよ!やくそくする!」

 

あたしは、その男の子の真っ直ぐな眼差しを忘れた事はなかった。

あたしとは全く違う、未来を見据えた真っ直ぐな眼差し。

それからだった、あたしがアイドルを目指したいと思ったのは・・・

また、あの男の子に会えると思ったから・・・

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

あたしは橋の上にいた。

あの時と一緒だ、だけど、今は止めてくれる人はいない。

 

「Pっち......あの時の男の子......Pっちだったんだよね......あたしは気付いていたよ......だけど......Pっちは覚えてなかったんだね......でもいいよ......あたしはまた......Pっちに会えたから......Pっち......あたしは母親失格だね......白夜にずっと辛い思いをさせてた......だからあの子の為にと思ってあの子を手放した......あたしって無責任だよね......もうあたしには何も残ってない......だから......Pっちの所に行っちゃ駄目かな?......」

 

あたしは橋の欄干に足をかけた。

もう白夜に会う事は出来ない。

いや、会う資格がない。

ならいっそのこと、◯◯の所へ・・・

その時、

 

「おかあさん!!」

 

「えっ?......白夜?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「はぁ、はぁ、おかあさん、なにしてるの!?」

 

あたしの目の前に白夜がいた。

此処からお義母さんの家は少し遠い。

子供にとってはそれなりの距離である。

 

「白夜......どうして?」

 

「おかあさん......あぶないよ......もしかして......とびおりようとしてるの?......」

 

「白夜......あんたは此処に来ちゃ駄目!!お婆ちゃんの所に帰りなさい!!」

 

すると、白夜があたしに抱きついて来た。

 

「いかないで!!......おとうさんのところにいかないでよ!!......おかあさん!!」

 

「白夜......」

 

「ぼく......かならずおとうさんみたいなプロデューサーになるよ!!......そんなぼくをみてくれないの?......ぼくはどんなにばかにされたっていい!!......おかあさんがばかにされたときはぼくがまもるから!!......だから......どこにもいかないでよ!!......おかあさん!!!!」

 

泣きながらあたしに抱き付く白夜。

そんな白夜を見たあたしは、涙を流しながら白夜を抱き締めて謝った。

 

「ごめん......ごめんね!!......白夜......駄目なお母さんだったね......」

 

あたしは過ちを犯すところだった。

もう少しで、この子を一人にする所だった。

あたしは今までなぜ気付かなかったのだろう。

この子は、◯◯なんだ。

 

「白夜......こんなお母さんでも......一緒にいてくれる?......」

 

「うん!!......もちろんだよ......おかあさん!!」

 

あたしは白夜と一緒に泣いた。

あれだけ泣いたのは、◯◯が亡くなって以来だ。

でも、今回は違う。

Pっち、ごめんね。

あたしはまだそっちには行けないみたい。

あたしは、小さなあなたといつまでも一緒にいるから・・・

 

「ふぅ・・・間に合って良かった。清夏ちゃん・・・白夜くんとこれからも幸せにね」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

あれから10年以上経ち、

 

「清夏ちゃん・・・明日は白夜くんがプロデューサーとして羽ばたく日だね」

 

「うん。あの子もすっかり大人になったよ」

 

「白夜くんなら旦那さんのようなプロデューサーさんになれるよ。そう言えば・・・白夜くんは?」

 

「ああ、あの子は多分あそこじゃないかな?」

 

あたしはとある場所に向かった。

明日は白夜がプロデューサーとして羽ばたく日だ。

きっとあそこにいる筈だから・・・

 

「お父さん、僕は絶対お父さんみたいな立派なプロデューサーになるよ。だから見ていてね」

 

「白夜?」

 

◯◯のお墓の前で手を合わせる白夜。

あたしはそんな白夜の背中を見て驚いた。

 

「Pっち?」

 

「ああ、お母さん来てたんだね。どうしたの?」

 

「ううん、なんでもないよ。ただ、白夜の背中がお父さんそっくりだったから」

 

「そっか。お母さん、僕もお父さんみたいになれるかな?」

 

「どした?怖くなった?」

 

「正直言うと、少しだけね」

 

「全く、あんたもお父さんと一緒だね」

 

あたしは白夜の背中を軽く叩いた。

 

「あんたなら大丈夫だよ。だってあんたは、お父さんの生まれ変わりみたいな子なんだから。だから、自信持ってやるんだよ。あんたなら、立派なプロデューサーになれる!」

 

「ありがとう、お母さん」

 

「今日はあんたの好きなものを作るよ。何がいい?」

 

「やっぱり、お母さんの作るハンバーグかな」

 

「あんた、小さい頃から好きだね。いいよ、今日はハンバーグにしよっか!」

 

この後、白夜は立派なプロデューサーとなり、彼がプロデュースしたアイドルが一番星になるのだが、それはまた違う物語だ。




どうも、DAISAKUです。
いかがだったでしょうか?
これにて「小さなあなたといつまでも・・・」は完結となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回は誰を主人公にするかはまだ未定ですし、オリジナル作品も書いていこうかと考えています。
もし学園アイドルマスターの二次小説でこのキャラクターの物語を書いて欲しいというのがあれば、コメント等でリクエストしていただけると幸いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。