〜10年以上前〜
「あたし......あたしなんて」
小さい頃のあたしはバレエに打ち込んでいた。
だけどいつも良い結果にならず、あたしは誰かと比べられながら生きていた。
「あたしなんて......さいのうなんてないんだ......だからみんなあたしをみとめてくれないんだ......ならあたしなんて......」
あたしは橋の上から飛び降りようとしていた。
その時、
「なにをしてるの?」
「だれ?」
一人の男の子があたしに話しかけて来た。
「もしかして、とびおりようとしてる?」
「きみにはかんけいないでしょ!?」
「とびおりたらしんじゃうよ!」
「......なんで......なんでとめるの?」
「きみをほっとけないから!」
「えっ?」
「ぼくはいつか、アイドルをプロデュースするプロデューサーになりたいんだ!きみはいま、じぶんにはさいのうがないっていってたよね?でも、そんなことだれがきめたんだい?」
「そ、それはみんなが......」
「よのなかには、さいのうがないひとなんていっぱいいる!ぼくは、そんなこたちにゆめをもたせることができるプロデューサーになりたい!きみみたいなこには、かがやけるようなぶたいにたってほしいから!もしきみがこのさきアイドルのみちにすすむなら、ぼくがきみをプロデュースするよ!やくそくする!」
あたしは、その男の子の真っ直ぐな眼差しを忘れた事はなかった。
あたしとは全く違う、未来を見据えた真っ直ぐな眼差し。
それからだった、あたしがアイドルを目指したいと思ったのは・・・
また、あの男の子に会えると思ったから・・・
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あたしは橋の上にいた。
あの時と一緒だ、だけど、今は止めてくれる人はいない。
「Pっち......あの時の男の子......Pっちだったんだよね......あたしは気付いていたよ......だけど......Pっちは覚えてなかったんだね......でもいいよ......あたしはまた......Pっちに会えたから......Pっち......あたしは母親失格だね......白夜にずっと辛い思いをさせてた......だからあの子の為にと思ってあの子を手放した......あたしって無責任だよね......もうあたしには何も残ってない......だから......Pっちの所に行っちゃ駄目かな?......」
あたしは橋の欄干に足をかけた。
もう白夜に会う事は出来ない。
いや、会う資格がない。
ならいっそのこと、◯◯の所へ・・・
その時、
「おかあさん!!」
「えっ?......白夜?」
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「はぁ、はぁ、おかあさん、なにしてるの!?」
あたしの目の前に白夜がいた。
此処からお義母さんの家は少し遠い。
子供にとってはそれなりの距離である。
「白夜......どうして?」
「おかあさん......あぶないよ......もしかして......とびおりようとしてるの?......」
「白夜......あんたは此処に来ちゃ駄目!!お婆ちゃんの所に帰りなさい!!」
すると、白夜があたしに抱きついて来た。
「いかないで!!......おとうさんのところにいかないでよ!!......おかあさん!!」
「白夜......」
「ぼく......かならずおとうさんみたいなプロデューサーになるよ!!......そんなぼくをみてくれないの?......ぼくはどんなにばかにされたっていい!!......おかあさんがばかにされたときはぼくがまもるから!!......だから......どこにもいかないでよ!!......おかあさん!!!!」
泣きながらあたしに抱き付く白夜。
そんな白夜を見たあたしは、涙を流しながら白夜を抱き締めて謝った。
「ごめん......ごめんね!!......白夜......駄目なお母さんだったね......」
あたしは過ちを犯すところだった。
もう少しで、この子を一人にする所だった。
あたしは今までなぜ気付かなかったのだろう。
この子は、◯◯なんだ。
「白夜......こんなお母さんでも......一緒にいてくれる?......」
「うん!!......もちろんだよ......おかあさん!!」
あたしは白夜と一緒に泣いた。
あれだけ泣いたのは、◯◯が亡くなって以来だ。
でも、今回は違う。
Pっち、ごめんね。
あたしはまだそっちには行けないみたい。
あたしは、小さなあなたといつまでも一緒にいるから・・・
「ふぅ・・・間に合って良かった。清夏ちゃん・・・白夜くんとこれからも幸せにね」
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あれから10年以上経ち、
「清夏ちゃん・・・明日は白夜くんがプロデューサーとして羽ばたく日だね」
「うん。あの子もすっかり大人になったよ」
「白夜くんなら旦那さんのようなプロデューサーさんになれるよ。そう言えば・・・白夜くんは?」
「ああ、あの子は多分あそこじゃないかな?」
あたしはとある場所に向かった。
明日は白夜がプロデューサーとして羽ばたく日だ。
きっとあそこにいる筈だから・・・
「お父さん、僕は絶対お父さんみたいな立派なプロデューサーになるよ。だから見ていてね」
「白夜?」
◯◯のお墓の前で手を合わせる白夜。
あたしはそんな白夜の背中を見て驚いた。
「Pっち?」
「ああ、お母さん来てたんだね。どうしたの?」
「ううん、なんでもないよ。ただ、白夜の背中がお父さんそっくりだったから」
「そっか。お母さん、僕もお父さんみたいになれるかな?」
「どした?怖くなった?」
「正直言うと、少しだけね」
「全く、あんたもお父さんと一緒だね」
あたしは白夜の背中を軽く叩いた。
「あんたなら大丈夫だよ。だってあんたは、お父さんの生まれ変わりみたいな子なんだから。だから、自信持ってやるんだよ。あんたなら、立派なプロデューサーになれる!」
「ありがとう、お母さん」
「今日はあんたの好きなものを作るよ。何がいい?」
「やっぱり、お母さんの作るハンバーグかな」
「あんた、小さい頃から好きだね。いいよ、今日はハンバーグにしよっか!」
この後、白夜は立派なプロデューサーとなり、彼がプロデュースしたアイドルが一番星になるのだが、それはまた違う物語だ。
どうも、DAISAKUです。
いかがだったでしょうか?
これにて「小さなあなたといつまでも・・・」は完結となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回は誰を主人公にするかはまだ未定ですし、オリジナル作品も書いていこうかと考えています。
もし学園アイドルマスターの二次小説でこのキャラクターの物語を書いて欲しいというのがあれば、コメント等でリクエストしていただけると幸いです。