リリカル・ストラトス~黒き帝王は魔導師~ (一時更新停止)   作:妖精絶対許さんマン

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「で、これをどう説明してくれるんだ?」

俺の目の前に一夏と箒、オルコットが正座している。ことの発端は第一アリーナの前を通りかかったときだ。いきなり爆発音が響いて急いで爆発音がした場所に行くとISに殴られたとおぼしき自動ドアと愚兄含む三人が居たので事情聴取しているところだ。

「じ、実は・・・」

一夏が事情を説明してきた。何でも鈴と口喧嘩になり鈴の禁句の「貧乳」と言ったそうだ。

「そうか・・・とりあえず一夏」

「な、なんだよ」

何をこの三人は怯えているんだろうか。

「お前は・・・死ね」

「えっーーーーーー」

一夏が何か言う前に顎を蹴り上げ、落下してきた一夏の鳩尾に蹴りを喰らわせた。一夏は綺麗に飛んでいった。

「い、一夏!?」

「一夏さん!?」

箒とオルコットは飛んでいった一夏を追いかけていった。

「愚兄が起きたら自動ドアの修理届けを出させとけ。良いな」

俺はそれだけ言うとピットから出ていった。


第28話 クラス対抗戦の招かれざる客

そんなことがあった翌日。刀奈の頼み通り俺は観客席の警備をしている。一回戦が注目の男性操縦者と言うこともあり、観客席も賑わっている。順調に行けば鈴が勝つだろう。それこそ、奇跡や緊急事態が起きない限り勝率は0だ。

 

「秋から見て織斑一夏に勝ち目はある?」

 

隣に座っている簪が刀奈と同じ質問をしてきた。

 

「勝ち目は無いな。鈴が油断するか、奇跡が起きない限り愚兄に勝ち目は無い」

 

「辛口だね」

 

「アイツらの練習風景を見てたら熟練者じゃなくてもそう思うさ」

 

ブッーーーーーーーーー!!!!

 

試合開始のブザーが鳴り、試合が開始される。一夏が先手を取るが何かに弾き返された。鈴の手には二本の青竜刀が握られていた。恐らく柄の部分で連結できるのだろう。するといきなり一夏が吹き飛んだ。

 

「なんだ?あれは・・・」

 

「『衝撃砲』・・・空間自体に圧力をかけて砲身を生成、余剰で生じる衝撃それ自体を砲弾として撃ちだす、中国の第三世代兵器だね」

 

「ようするに不可視の弾丸って訳ね」

 

「うん。秋なら、避けられるでしょ?」

 

「初見では無理だな。まあ、この模擬戦で見たから避けれるはずだ」

 

しかし、厄介だな。不可視の弾丸なら『ヴァイロン』を使った『ヴァーミリオン』でも出来るが砲身が不可視なのはキツい。まあ、相手の目を見れば何処に撃つかわかるがな。

 

「アイツ・・・ハイパーセンサーの性能と勘で避けてるな」

 

俺は衝撃砲を避けている一夏の動きを見ながらそう判断する。一夏は加速姿勢に入った。

 

「あれって・・・『瞬時加速』《イグニッション・ブースト》?」

 

「『瞬時加速』って瞬間的な加速力をだす高等技術のことか?」

 

「うん。でも・・・急激なGが掛かるから使うのには注意が必要だね」

 

「へぇ・・・」

 

一夏がそんな高等技術を使えるようになってたとわな・・・少し一夏に対する評価を改めないとな。一夏が雪片弐型を構えて突撃する。

 

ズドォォォォォン!!!!

 

突如、アリーナの天井を覆う遮断シールドを何かが貫通して土煙が立ち上がる。

 

「たっちゃん先輩、非常事態発生。俺の判断で行動する」

 

『わかったわ。私も状況確認してから避難誘導に移るわ』

 

「わかりました」

 

たっちゃん先輩とプライベート・チャンネルでお互いの行動を確認する。

 

「秋・・・あ、あれ・・・」

 

「完全装甲だと?」

 

簪が指を指した方を見ると俺の黒帝と同じ完全装甲が機体いた。侵入者は腕に四門の砲口と腕の長さをあわせて二メートルを越えるISだ。不味いな・・・一部の生徒は冷静に状況を確認しているがそれ以外の・・・一般生徒が動揺し始めている。

 

「簪、ここに居てくれ」

 

「秋は・・・秋はどうするの!?」

 

「俺は他の生徒を避難させる」

 

「ダメ!行っちゃダメ!!」

 

簪は俺の制服の裾を掴み、刀奈と同じ色の瞳に涙を溜めて俺を見上げてくる。

 

「先生たちに任せようよ!」

 

「時間がない。教師が来た頃には遮断シールドが破られている可能性だってある」

 

「でも・・・!!」

 

「大丈夫だ」

 

簪の頭を撫でて落ち着かせる。

 

「必ず戻ってくるさ。だから、待っていてくれ」

 

「うん・・・」

 

簪は裾を掴むのをやめてくれた。

 

「行ってくる」

 

俺はアリーナのドアを確認するために簪から離れていく。

 

「秋!!」

 

簪に呼ばれて振り返る。

 

「が、頑張ってね!!」

 

「ああ!!」

 

どんな事があっても護って見せるさ。生徒会副会長として、時空管理局武装隊研修生として、何より簪の“幼馴染み"として。

 

 

 

 

自動ドアの前に行くとドアが開かないのか、上級生が騒いでいる。近くにいた谷本さんに話しかける。

 

「谷本さん。あの上級生達は何してるんだ?」

 

「あ、秋くん。自動ドアが開かなくて、さっきからあんな感じなんだ」

 

「わかった。俺の方で見てくる」

 

谷本さんにそう言い自動ドアの前で騒いでいる上級生達のところに行った。

 

「失礼しますよ、先輩がた」

 

醜いい争いをしている上級生達の間に入り、ドアの近くにあるコンソールの電源を起動する。

 

「ちょっと!何よ、アンタ!!」

 

「男の分際で私達より先に逃げるき!?」

 

ああ、コイツら女尊男卑主義者か。女尊男卑主義者が何か言っているが無視して、クラッキングを始める。

 

「この・・・!!男の分際で何、私達を無視してるのよ!!」

 

女尊男卑主義者の一人が掴み掛かってくるが横から延びてきた手に止められた。

 

「はいはい、ストップすっよ。後輩が頑張ってるんだから先輩が邪魔しちゃダメっす」

 

横目で見ると金髪の上級生がいた。それでもクラッキングをしている指は止めない。セキリティが次々に書き換えられていくな。いっそのことドアをぶち抜くか?

 

「ちょっと!何よ、アンタ!!離しなさいよ!!」

 

「五月蝿いッス。ちょっとこっちに来るッスよ」

 

そうしていると女尊男卑主義者を金髪の上級生が引っ張って行った。

 

「どお?このドア開きそう?」

 

次は紫色の髪の上級生が声をかけてきた。

 

「無理ですね。ドアを壊した方が早いです。ところで貴女は?」

 

「あ、私はイギリス代表候補生のサラ・ウェルキンよ。よろしくね、織斑秋くん?」

 

イギリス代表候補生・・・オルコットと同じか。何でこの人をブルー・ティアーズの操縦者にしなかったんだ?

 

「よろしくお願いします、ウェルキン先輩。早速で悪いんですがこのドアを壊すので他の生徒を待避させて、姿勢を低くするように言ってくれませんか?」

 

「わかったわ」

 

ウェルキン先輩が拡声器を取りに行くのを確認してコンソールの電源を切る。

 

「織斑先生」

 

プライベート・チャンネルで姉さんに通信する。

 

『何だ織斑弟。今は非常事態だ。切るぞ』

 

「今からアリーナのドアを破壊します」

 

『何!?待て、織斑弟!!そんなことは認めない!!』

 

何を悠長なことを言っているんだ。

 

「俺は“許可"を求めてるんじゃないんです。これは“報告"です。それでは」

 

『待て!織斑ーーーーー』

 

姉さんが何か言おうとしたのが無視する。俺はすぐに黒帝を展開する。するとハイパーセンサーに通知画面が現れた。

 

ーーー新システムの構築完了。『不滅の刃』を破棄。『カートリッジシステム』を起動ーーー

 

カートリッジシステムだと?

 

ーーー右腕部スピードロータ六発・・・問題なしーーー

 

ーーー左腕部スピードロータ六発・・・問題なしーーー

 

ーーー両脚部スピードロータ合計十二発・・・問題なしーーー

 

ーーーデュランダルスピードロータ六発・・・問題なしーーー

 

ーーー合計三十発。システムオールグリーンーーー

 

ーーーデュランダルはカートリッジシステムを使用することで形体変化が可能ーーー

 

何で黒帝がカートリッジシステムを知っているのかは疑問だが今は後回しだ。俺はデュランダルを展開する。

 

「デュランダル!ロード・カートリッジ!」

 

ーーーロード・カートリッジーーー

 

デュランダルはカートリッジを使い、ブレッシングハートのカノンモードになった。

 

「ウェルキン先輩、大丈夫ですか?」

 

「ええ、いつでもやってちょうだい!」

 

ハイパーセンサーで確認すると全ての生徒が姿勢を低くしていた。

 

『(マスター。通路及び外に熱源反応なし。いつでも行けます)』

 

「(わかった)」

 

首から掛けているブレッシングハートが教えてくれた。

 

「いきます!」

 

デュランダルのカノンモード・・・『デュランダル・カノン』と呼ぼう。

『デュランダル・カノン』を構えて、エネルギーをチャージする。ハイパーセンサーにエネルギーが溜まった事を告げる通知を確認して発射する。

 

「ハイペリオン・・・バスターァァァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

蒼色のエネルギー砲が爆音を響かせながらドアを破壊していった。バスターで壁を破壊したのが確認できた。

 

「ウェルキン先輩!俺は二人の援護に行きます!避難誘導の方をお願いします!!」

 

「わかったわ!!」

 

俺はウェルキン先輩に避難誘導を任せて、黒帝の両肩についているスラスター(イメージはガンダムOOのダブルオーライザーの両肩のオーライザ)を全力で吹かせて、一夏達の援護に向かった。目指すはあの侵入者がぶち破って来た、遮断シールドだ。




「一夏ぁっ!!」

一夏と鈴がアリーナで侵入者と戦っている最中、突然アリーナのスピーカーから大声が響いた。

「な、なにしてるんだ、お前・・・・・」

一夏は中継室の方を見ると審判とナレーターが倒れていた。恐らく中継室に侵入したさいに木刀か何かで気絶させたのだろう。

「男なら・・・・・男なら、そのくらいの敵に勝てなくてなんとするか!!」

箒の無謀な行動に侵入者ーーーゴーレムⅠはじっと箒がいる中継室を見る。

「箒、逃げーーー」

間に合わない、と一夏瞬時に理解する。

「鈴、やれ!」

「わ、わかったわよ!」

鈴は肩を押し出すように構える。

「ちょっ、ちょっと馬鹿!何してんのよ!?どきなさいよ!」

「いいから撃て!」

「ああもうっ・・・・・!!どうなっても知らないわよ!!」

一夏の考えはこうだ。『瞬時加速』は一度放出したエネルギーを再度取り込み、圧縮して放出することで爆発的な加速を生み出す。『瞬時加速』は使用したエネルギー量により速度が変わる。しかし、一夏は先の鈴との試合での単一使用能力『零落白夜』の使用に補給なしでのゴーレムⅠとの連戦。一夏と鈴のエネルギーは残り少なく、『零落白夜』どころか『瞬時加速』も使えない。なら、どこから足りないエネルギーを持ってくるか?答えは簡単。衝撃砲のエネルギーを利用すればいい。しかし、世界は一人だけに優しくない。

「嘘っ!?」

「どうしたんだ、鈴!!衝撃砲はまだか!?」

「撃てない・・・撃てないのよ!!」

「どういうことだよ!?エネルギーはまだ残ってるんだろ!?」

「エネルギーは残ってるのよ!!ただ!!衝撃砲の砲身が“凍って"作れないのよ!!」

「なぁ!?」

衝撃砲はその特性上、空間自体に圧縮してその衝撃を撃ち出す。空間自体に圧縮を掛けると言うことはその空間自体に“何かしら特別な要因"が有れば衝撃砲の砲弾どころか砲身さえ形成できない。今回のように“凍る"等の要因がより顕著に現れる。衝撃砲のエネルギーを利用しようとした一夏の考えはこの時点で破綻した。

「逃げろ!箒ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」

一夏は大声で逃げるように言うが、ゴーレムⅠは中継室の方ではなくアリーナの上空。ゴーレムⅠが破壊した遮断シールドの方を見ていた。一夏と鈴、中継室の箒も遮断シールドの方を見た。そこには四機の浮遊ユニットと杖を持って冷気を纏う秋がいた。



「男なら・・・男なら、そのくらいの敵に勝てなくてなんとするか!!」

あの・・・バカ!何てことしてくれるんだ!!

『マスター!中継室に彼女以外の熱源反応を確認!どうやら、気絶しているみたいです!!』

「はぁ!?」

あの掃除道具(箒)、いったいなにしやがった!?

「デュランダル!ロード・カートリッジ!!」

ーーーロード・カートリッジーーー

デュランダルはカートリッジを一発使い、形を変える。形は杖と回りに浮かぶ四機の浮遊ユニット。ナハトヴァールを凍りつかせるために使ったクロノのストレージデバイス。正式名称『氷結の杖・デュランダル』だ。俺の武装のデュランダルと名前が被るな。『氷結剣デュランダル』と呼ぼう。剣の要素はないけど。

『秋くん。あの機体の正体がわかったわ。あれは無人機。遠隔操作と独立稼働の無人機よ!』

無人機・・・なら、遠慮する必要はないな!

「わかった!」

『全力全開!手加減なし!!あの無人機を壊しちゃいなさい、秋くん!コアの方は破壊しないでね?』

「わかってます!!」

コアを破壊せずに機体の完全停止・・・中々、難しい事を言ってくれる。だが、やってやるさ!!

「一夏、鈴!一回しか言わないからよく聞いとけ!!今すぐそこから離れろ!!」

プライベート・チャンネルで二人に退避するように告げる。二人が退避するのを確認せずに無人機に方に杖先を向けて砲撃準備に入る。

「悠久なる凍土。凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ、凍てつけ!!」

ーーーエターナルコフィンーーー

杖先から圧倒的な質量のエネルギーが放たれた。無人機も遮断シールドを破壊したビーム兵器を最大出力にして応戦するが、次第に無人機の攻撃は押されていった。エネルギーは無人機にぶつかり、凍りつかせていく。回りの浮遊ユニットも反射して、四方から無人機を凍りつかせた。

「任務・・・完了」

機体をコアを破壊せず、なおかつ、無人機の制圧もできた。あとは、事後処理・・・か。









~あとがき~
第28話でした。衝撃砲の砲身云々は作者の考えです。
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