リリカル・ストラトス~黒き帝王は魔導師~ (一時更新停止)   作:妖精絶対許さんマン

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第32話はです。


金と銀の転校生 織斑家に生まれる溝
第32話 転校生。それは波乱の予感


聖祥大付属小学校の運動会はなのは達四年一組が優勝した。特になのはとフェイト、はやての働きは目覚ましかった。運動音痴のなのははリレーを一番始めに走って抜かれることなくフェイトにバトンを繋げた。フェイトはソニックムーブを使ったような速さではやてにバトンを繋げて、はやても今まで歩けなかったのが嘘のように元気に走っていた。そんな楽しい運動会から時間がたち六月になった。篠ノ之箒は戻ってきた。・・・あのまま、軟禁しとけばよかったな。

 

「やっぱりハズキ社製のがいいなぁ」

 

「え?そう?ハズキのってデザインだけって感じしない?」

 

「私は性能的に見てミューレイのがいいかなぁ。特にスムーズモデル」

 

クラスでは女子の皆がカタログ片手に賑やかに談笑していた。

 

「そういえば一夏くんと秋くんのISスーツってどこのやつなの?見たことない型だけど」

 

「あー。特注品だって。男のスーツがないから、どっかのラボが作ったらしいよ。え~と、もとはイングリッド社のストレートモデルって聞いてる」

 

「俺のはバニングス社が俺専用に作ってくれた制服型のスーツだ」

 

現に今も着ている。レオンさんには感謝だ。一々着替えるのが面倒だからな。制服型にしてくれたから実戦がない時は洗濯できる。

 

「ISスーツは肌表面の微弱な電位差を検知することによって、操縦者の動きをダイレクトに各部位へと伝達、ISはそこで必要な動きを行います。また、このスーツは耐久性にも優れ、一般的な小口径拳銃の銃弾程度なら完全に受け止めることができます。あ、衝撃は消えませんのであしからず」

 

山田先生は説明しながら教室に入ってきた。さすが、山田先生。織斑先生よりわかりやすい。

 

「山ちゃん詳しい!」

 

「一応先生ですから。・・・・・って、や、山ちゃん?」

 

「山ぴー見直した!」

 

「今日は皆さんのスーツ申し込み開始日ですからね。ちゃんと予習してきてあるんです。えへん。・・・・・って、や、山ぴー?」

 

山田先生の場合、織斑先生と違って親しみやすさがある。織斑先生が独裁者なら、山田先生は善政者。時に厳しく、されど優しくすることで民衆(生徒)から人気を得ている。なんで、山田先生が担任じゃないのか甚だ疑問だ。

 

「あのー、教師をあだ名で呼ぶのはちょっと・・・・・」

 

「えー、いいじゃんいいじゃん」

 

「まーやんは真面目っ子だなぁ」

 

「ま、まーやんって・・・・・」

 

「あれ?マヤマヤの方が良かった?マヤマヤ」

 

「そ、それもちょっと・・・・・」

 

「もー、じゃあ前のヤマヤに戻す?」

 

「あ、あれはやめてください!」

 

山田先生は拒絶の意思を示した。何かトラウマでもあるのか?

 

「と、とにかくですね。ちゃんと先生とつけてください。わかりましたか?わかりましたね?」

 

山田先生は念を押すように言う。山田先生、優しいから許すんだろうな。

 

「諸君、おはよう」

 

「お、おはようございます!」

 

独裁者、織斑千冬の登場だ。あんなのが姉と思うと恥ずかしい。それに、織斑先生って教員免許持ってたっけ?家で一度も見たことないだけど。

 

「今日からは本格的に実戦訓練を開始する。訓練機ではあるがISを使用しての授業になるので各人機を引き締めるように。各人のISスーツが届くまでは学園指定の物を使うので忘れないようにな。忘れたものは代わりに学校指定の水着で訓練を受けてもらう。それもないものは、まあ下着で構わんだろう」

 

問題発言だな。教師としての適正を疑うわ。

 

「では山田先生、ホームルームを」

 

「は、はいっ!」

 

山田先生、子犬みたいだな。

 

「ええとですね、今日はなんと転校生を紹介します!しかも二名です!」

 

「え・・・・・」

 

「えええええっ!?」

 

最近、鈴が転校してきたばかりなのにか?それに、同じクラスにだと。普通は分散させないか?何考えてるんだこの学園の上層部は。

 

「失礼します」

 

「・・・・・」

 

俺が学園上層部の愚痴を心の中で言っていたらドアが開いたのに気づいて顔を向ける。転校生はなんと、俺と愚兄と同じ男だった。

 

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不馴れなことも多いかと思いますが、みなさんよろしくお願いします」

 

えーと、耳栓と耳当ては・・・

 

「お、男・・・・・」

 

お、あった。

 

「はい。こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国より転入をーーーーー」

 

耳栓を着けて耳当てを被せる。

 

「(ブレッシングハート、防音の結界を頼む)」

 

『(わかりました)』

 

流石に結界までは抜かれることはないだろ。

 

「きゃ・・・・・」

 

「はい?」

 

「きゃあああああーーーーーっ!」

 

嘘だろ!?結界を抜いてきたぞ!?

 

「男子!三人目の男子!」

 

「しかもうちのクラス!」

 

「美形!守ってあげたくなる系の!」

 

「地球に生まれて良かったーーーーー!」

 

変なところで感謝するな。

 

「あー、騒ぐな。静かにしろ」

 

織斑先生は面倒くさそうに言う。

 

「み、皆さんお静かに。まだ自己紹介が終わってませんから~!」

 

もう一人の転校生はまだ自己紹介をしていない。

 

「・・・・・」

 

あの、銀髪強いな。発しているオーラが他の生徒と比べて強い。

 

「・・・・・挨拶しろ、ラウラ」

 

「はい、教官」

 

教官・・・織斑先生がドイツで教官をしてるときの生徒の一人か。

 

「ここではそう呼ぶな。もう私は教官ではないし、ここではお前も一般生徒だ。私のことは織斑先生と呼べ」

 

「了解しました」

 

完全に軍人だな。武装隊でも敬礼から立ち方まで一から十まで言われたからわかる。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

「・・・・・」

 

名前を言うとまた、口を閉ざした。

 

「あ、あの、以上・・・ですか?」

 

「以上だ」

 

山田先生の助け船を出すが拒否した。

 

「!貴様がーーーーー」

 

ボーデヴィッヒは俺を見るとこっちにやって来て。そしてーーーーー

 

「ッ!?」

 

「初対面の相手に殴られる事をしたような覚えはないだがな」

 

平手打ちしようとしたボーデヴィッヒの手首を俺は掴んだ。

 

「貴様・・・本当に織斑一夏か?」

 

ん?かなり失礼な勘違いをしてるな。

 

「ボーデヴィッヒ。俺は織斑秋だ。織斑一夏は俺の前のアホだ」

 

「む・・・それは失礼な事をしたな。すまない」

 

「気にするな。人間誰しも間違えはする」

 

「ああ、すまなかったな」

 

ボーデヴィッヒはそう言うと愚兄の前に行った。そしてーーーーー

 

パシンッ!

 

「・・・・・」

 

「う?」

 

愚兄をひっぱたいた。いい音なったな。てか、う?ってなんだよ。う?って。

 

「私は認めない。貴様があの人の弟であるなど、認めるものか」

 

はぁ・・・次は織斑先生関連の面倒ごとか。

 

「いきなり何しやがる!」

 

「ふん・・・・・」

 

ボーデヴィッヒは空いている席に座ると腕を組んで目を閉じた。

 

「あー・・・・・ゴホンゴホン!ではHRを終わる。各人はすぐに着替えて第二グラウンドに集合。今日は二組と合同でIS模擬戦を行う。解散!」

 

さて、デュノアの案内なんて面倒くさそうな事は愚兄に任せて着替えにいくか。俺は認識阻害の魔法を使って教室から出た。

 

 

 

「遅い!」

 

愚兄とデュノアが遅れてやって来た。おおかた、転校生の噂を聞きつけて他学年他クラスの生徒に追われていたんだろ。

 

「ーーーーー安心しろ。バカは私の目の前にも二名いる」

 

いつの間にか織斑先生がオルコットと鈴を叩いていた。教育委員会に言ったらどうなるだろ?

 

「では、本日から格闘及び射撃を含む実戦訓練を開始する」

 

「はい!」

 

皆、気合いが入ってるな。

 

「今日は戦闘を実演してもらおう。ちょうど活力が溢れんばかりの十代女子もいることだしな。ーーーーー凰!オルコット!」

 

「な、なぜわたくしまで!?」

 

独裁者に理屈は通用しない。

 

「専用機持ちはすぐにはじめられるからだ。いいから前に出ろ」

 

「だからってどうしてわたくしが・・・・・」

 

「一夏のせいなのになんでアタシが・・・」

 

独裁者の前で大声で話をするからだ。

 

「お前ら少しはやる気を出せ。ーーーーーアイツにいいところを見せられるぞ?」

 

愚兄を餌にして二人のやる気をだすきだな。

 

「やはりここはイギリス代表候補生、わたくしセシリア・オルコットの出番ですわね」

 

「まあ、実力の違いを見せるいい機会よね!専用機持ちの!」

 

餌に釣られたな。

 

「それで、相手はどちらに?わたくしは鈴さんとの勝負でも構いませんが」

 

「ふふん。こっちの台詞。返り討ちよ」

 

「慌てるなバカども。対戦相手はーーーーー」

 

キィィィン・・・・・

 

「ああああーっ!ど、どいてください~っ!」

 

ISを纏った山田先生が愚兄目掛けて突撃した。すぐに白式を纏った愚兄が山田先生を押し倒す形で倒れた。愚兄が山田先生の胸を鷲掴みしていた。愚兄は何かを感じ取ったのか、すぐに山田先生から離れた。すると、愚兄の頭があった場所をレーザーが通りすぎた。

 

「ホホホホホ・・・・・。残念です。外してしまいましたわ・・・・・」

 

恋する乙女は怖いね。続くように鈴は愚兄に連結した双天牙月を投げた。

 

「うおおおっ!?」

 

愚兄は避けるが後ろに倒れた。双天牙月は形状からブーメランのように戻ってきた。あれは避けられないな。

 

「はっ!」

 

普段の山田先生からは想像できないが、上体を少し起こして双天牙月の両端を的確に撃ち抜いた。

 

「山田先生はああ見えて元代表候補生だからな。今くらいの射撃は造作もない」

 

「む、昔のことですよ。それに候補生止まりでしたし・・・・・」

 

それでも凄い。

 

「さて小娘どもいつまで惚けている。さっさとはじめるぞ」

 

「え?あの、ニ対一で・・・・・?」

 

「いや、さすがにそれは・・・・・」

 

「安心しろ。今のお前たちならすぐに負ける」

 

専用機を持っているからと言って必ず勝てるとは限らない。それに山田先生のようにISに何年も関わってる人とたった数年程度ISに関わってるだけじゃ、年期の差で山田先生で勝ちだ。・・・刀奈みたいな例外もいるがな。刀奈はIS学園で織斑先生の次に強いらしい。

 

「では、はじめろ!」

 

号令と同時にオルコットと鈴が飛翔した。山田先生もそれを確認すると飛翔した。

 

「手加減はしませんわ!」

 

「さっきのは本気じゃなかったしね!」

 

「い、行きます!」

 

オルコットと鈴の即興ペアと山田先生の模擬戦がはじまった。

 

「さて、今の間に・・・・・そうだな。ちょうどいい。デュノア、山田先生が使っているISの解説をしてみろ」

 

「あっ、はい」

 

織斑先生がデュノアに山田先生が使っているISの解説させているが、俺は興味がないので即興ペアと山田先生の模擬戦を見る。山田先生はオルコットと鈴を上手く誘導して、ショットガンやアサルトライフルを連射してSEを減らしていく。そして、二人がぶつかったところでグレネードを投擲した。

 

「くっ、うう・・・・・。まさかこのわたくしが・・・・・」

 

「あ、アンタねえ・・・・・何面白いように回避先読まれてんのよ・・・・・」

 

「り、鈴さんこそ!無駄にばかすかと衝撃砲を撃つからいけないのですわ!」

 

「こっちの台詞よ!なんですぐにビットを出すのよ!しかもエネルギー切れるの早いし!」

 

「ぐぐぐぐっ・・・・・!」

 

「ぎぎぎぎっ・・・・・!」

 

オルコットと鈴は醜い責任の擦り付けあいをしながら落下してきた。

 

「ふむ・・・・・あんがい早く終わったな。織斑弟」

 

「なんですか?」

 

「まだ、時間に余裕がある。山田先生と模擬戦しろ」

 

へぇ・・・・・良いんだ。

 

「わかりました。喜んでやらせてもらいます」

 

認めよう。俺は戦闘狂だ。強い人と戦えることがものすごく楽しい。

 

「そ、そうか。山田先生、準備は・・・?」

 

「は、はいっ!いつでも出来ます!」

 

何で織斑先生や山田先生達は顔が青いんだ?

 

「アッキー、顔が怖いよ~」

 

「えっ?マジ?」

 

「マジマジ~」

 

しまった・・・。恐らくアルフと初めて戦った時と同じで元から鋭い目付きがもっと鋭くなって犬歯を見せた笑顔をしてるだろうな。・・・・・なのはにこの笑顔を見られた時は泣かれかけた。深呼吸しながら黒帝を展開する。

 

「織斑先生。いつでも出来ます」

 

俺は飛び上がり、山田先生と対面する形で織斑先生の号令を待つ。

 

「よし。はじめ!」

 

織斑先生の号令がかかる。俺はデュランダルを展開する。山田先生はアサルトライフルを展開した。

 

「行きますよ、秋くん!」

 

「いつでもどうぞ!」

 

そう言いながら山田先生はアサルトライフルを撃ってくる。左肩のスラスターを姿勢制御に回し、右肩のスラスターを使って左回転する。

 

「断空剣!」

 

アサルトライフルの弾丸を回転した勢いで叩き落とす。

 

「次は俺から行かせてもらいます!」

 

スラスターを使い、山田先生に接近する。

 

「くっ!」

 

山田先生は後方に後退するが今から使う技に対して距離は関係ない。

スラスターを最大出力にする。

 

「飛燕連脚!」

 

三連続の回し蹴りを山田先生の胴体目掛けて放つが山田先生が持っていた、アサルトライフルを破壊するだけに終わった。

 

「私も先生なので・・・負けられません!」

 

山田先生は右手にショットガンを展開する。

 

「ぐあっ!」

 

至近距離からの銃撃を俺は回避できなかった。SEを確認すると一〇〇〇から九〇〇まで減っていた。だけど、これで良い。

 

「山田先生。至近距離は俺の距離でもあるんです!」

 

「えっ!?」

 

山田先生は俺の言葉に驚く。確かにデュランダルはでかすぎて零距離には向いていない。“デュランダル"だったらの話だが。

 

ーーーロード・カートリッジーーー

 

デュランダルはカートリッジを使い形を変える。フェイトのデバイス、バルディシュのクレッセントフォーム『デュランダル・クレッセント』になった。

 

「これで・・・終わりです!!」

 

『デュランダル・クレッセント』のエネルギー刃がラファール・リヴァイブに命中した。

 

「うぅ・・・・・私の敗けです・・・・・」

 

山田先生のラファール・リヴァイブのSEが〇になり、俺の勝ちが決まった。




第32話でした。運動会午後の部の話は要望が多ければ番外編として書きます。
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