リリカル・ストラトス~黒き帝王は魔導師~ (一時更新停止) 作:妖精絶対許さんマン
「またあとで来ますわ!逃げないことね!よくって!?」
教室に駆け込むと同時にヒステリックな叫び声が聞こえた。
叫び声の方を向くと金髪のくるくるロールの女子が一夏に向かって叫んでいた。一夏は何か言いたそうな顔をしたが我慢して頷いていた。
まあ、気にしてもしょうがないし座るか。
俺が座ると同時に姉さんと山田先生が入ってきた。
「それではこの時間は実践で使用する各種装備の特性について説明する」
この時間の授業は山田先生ではなく姉さんが担当するようだ。
山田先生までノートを書く準備をしている。
「ああ、その前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな」
姉さん、そういうのは早めに決めとけよ。
「クラス代表者とはそのままの意味だ。対抗戦だけではなく、生徒会の開く会議や委員会への出席・・・・・まあ、クラス長だな。ちなみにクラス対抗戦は、入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。今の時点でたいした差はないが、競争は向上心を生む。一度決まると一年間変更はないからそのつもりで」
俺は生徒会の副会長をやるから無理だな。
一夏に押し付けるか。
「はいっ。一夏くんを推薦します!」
「私もそれが良いと思いますー」
一夏が推薦されていくな。そのまま一夏を代表にしてしまえ。
「はいっ!私は秋君を推薦します!」
「賛成!」
そう上手くいくとは思ってなかったよ。
「では候補者は織斑一夏と織斑秋・・・・・他にいないか?自薦他薦は問わないぞ」
一夏がこのクラスにもうひとり織斑一夏がいると考えてるな。
「お、俺!?」
一夏は立ち上がった。
「織斑。邪魔だ。さて、他にはいないのか?いないなら投票で決めるぞ」
「ちょっ、ちょっと待った!俺はそんなのやらなーーー」
「時薦他薦は問わないと言った。他薦されたものに拒否権はない。選ばれた以上は覚悟をしろ」
「織斑先生」
早めに言っとくか。
「なんだ、織斑弟」
「俺、生徒会の副会長を頼まれたので辞退します」
「何?」
「さっきの放送のたっちゃん先輩・・・更識楯無先輩に頼まれたんです」
「ふむ・・・。なら、織斑弟の辞退は認める」
「そんな!?なら、俺も辞退します!」
一夏も俺に合わせるかのように辞退を申告した。バカだな、一夏。俺は生徒会副会長をやるから辞退できたんだ。何もないお前は辞退できんよ。
「却下だ。織斑弟は生徒会に入ったのでクラス代表はできん」
「い、いやでもーーー」
一夏が何か言おうとした瞬間、教室に入ってきた時に聞こえたヒステリックな声が遮った。
「待ってください!納得いきませんわ!」
金髪ぐるぐるロールが一夏の言葉を遮った。
パンッ!と机を叩いて立ち上がる、金髪ぐるぐるロール。
「そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ!わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」
へ~。金髪ぐるぐるロールの名前はセシリア・オルコットって言うのか。
面白そうだし録音しとくか。俺はポケットに手を突っ込みスマホの録音機能をONにした。
「実力から行けばわたくしがクラス代表に代表になるのは必然。それを、物珍しからという理由で極東の猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」
極東の猿・・・ねぇ。コイツ気づいてるのか?このクラスのほとんどが日本人で担任、副担任共に日本人なのを。それが分かってないようならお前の方がよっぽど猿だな。姉さんなんか無表情だけど指が出席簿に食い込んでるぞ。山田先生はニコニコ笑ってるけど青筋立ててるし。
でも、気になる発言があったな。実力から行けば自分がクラス代表になるはずだ。そう言う意味合いからとるにセシリア・オルコットはどこかの代表候補生。問題はどこの国の代表候補生かだ。
「いいですか!?クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれはわたくしですわ!」
おうおう、ヒートアップしてるな。こりゃ日本政府に渡したら面白いことになるかもな。
「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛でーーーーーー」
カチン。
あ、なんか切れる音がした。
「イギリスだって大したお国自慢ないだろ。世界一まずい料理で何年覇者だよ」
短気だな一夏。
「なっ・・・・・!?」
一夏の言葉を聴いた瞬間セシリア・オルコットの顔が真っ赤になった。
「あっ、あっ、あなたねえ!わたくしの祖国を侮辱しますの!?」
「なんだよ、先にバカにしたのはそっちだろう!?」
一夏とセシリア・オルコットの言い争いはヒートアップしていく。
「おい、秋もなんとか言えよ!!」
この愚兄・・・俺を巻き込みやがったな・・・
「はぁ・・・」
俺はため息を吐きながら立ち上がる。
「あのな、一夏。イギリスにも良いところはあるぞ?例えば紅茶とか」
「秋!お前どっちの味方だよ!!」
「あら、弟さんの方は分かっていらっしゃるようですね」
俺の言葉に気をよくしたのか笑っている、セシリア・オルコット。その笑いを奈落の底に叩き落としてやるよ。
「俺の話はまだ終わっていない。イギリスの良いところなんて紅茶ぐらいだ。それ以外は全部ダメだ。こんな奴をイギリス代表候補生にしてるぐらいなんだから」
「どういう意味かしら?」
セシリア・オルコットは俺を睨んできた。全然怖くないな。
「言葉の意味そのままだ。イギリス代表候補生セシリア・オルコット。
お前、自分の発言をよく思い出してみろ。お前、なんて言った?
『実力から行けばわたくしがクラス代表に代表になるのは必然。それを、物珍しからという理由で極東の猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!』に『大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛でーーーーーー』って言ってたよな?」
俺は喋りながらポケットからスマホを取りだし再生させた。
「ここで問題です。セシリア・オルコット、お前がバカにした極東の猿に『世界最強』《ブリュンヒルデ》も含まれます。さあ、それは誰でしょうか?」
俺は姉さんの方を少し見る。心なしか姉さんの口元が少し笑っている。
「そんなの分かるに決まってますわ!織斑ち・・・ふゆ・・・」
セシリア・オルコットはそこまで言って気がついたのか顔色が段々と青くなっていく。
「そ、織斑千冬。俺と一夏の実姉にしてこのクラスの担任だ。そして、また問題。お前がイギリス代表候補生でいられるISを造ったのは誰でしょう?」
「日本人の篠ノ之束博士・・・」
セシリア・オルコットの顔色は青を通り越して白くなってきた。
「またまた正解。そ、日本人の篠ノ之束博士がISのコアを造りました。
すごいな、セシリア・オルコット。『世界最強』に『ISの生みの親』を『極東の猿』とバカにしたんだから」
「そ、そんなつもりじゃ・・・」
「そんなつもりじゃない。なんて言わせないからな。イギリス代表候補生セシリア・オルコット、お前の言葉はイギリスの言葉になるぞ?自分の言葉に責任を持て」
「・・・・・・・・」
セシリア・オルコットは黙ってしまった。
「それにお前、『文化として後進的な国』って言ったよな?その『後進的な国』の『極東の猿』が造った物に乗ってるお前はなんだ?」
ありゃ?セシリア・オルコットの顔が白から赤になってきた。
「け、決闘ですわ!!!!!」
そんなヒステリックな声をよく出せるな。
「なんだ?口で敵わないからお前がバカにした『極東の猿』が造った物に頼るのか、セシリア・オルコット?」
「だ、黙りなさい!!!!!」
「そう言えばお前こんな事も言ってたな。『文化として後進的な国に暮らすのは耐え難い苦痛』と。なら、今すぐイギリスに帰国させてやろうか?」
「どうやってですの!?」
スマホの電話帳を起動させてある名前の前で止める。
「自分で言うのもなんだが俺は交友関係が広くてな。日本政府に、1人知り合いがいるんだよ」
「う、嘘をおっしゃらないで!!」
「嘘じゃない。高山裕一。織斑先生と山田先生は知ってますよね?」
姉さんと山田先生に話を振る。
「私はちょっと知りませんね・・・織斑先生は知ってますか?」
山田先生は知らないようだ。
「・・・知っている。日本政府の役人で外交担当の人物だ」
姉さんは知ってたみたいだな。
「ここで最後の問題だ。高山さんにお前の日本をバカにする発言を録音した音声データを送ったらどうなるだろうな?」
セシリア・オルコットの顔が真っ白になってきている。
「時間切れだ。答えは、イギリスに強制送還され、代表候補生の資格を剥奪されるでした」
あれ?セシリア・オルコットの反応がないな。
姉さんがセシリア・オルコットの前で行き手を顔の前で振る。
「・・・・・気絶している」
やり過ぎたかな?
「山田先生、私はオルコットを保健室に連れて行ってきます」
「わ、わかりました!」
姉さんはセシリア・オルコットを担ぎながら山田先生に言う。
「クラス代表は一週間後の月曜。放課後、第三アリーナで行う。織斑兄と織斑弟、オルコットの総当たり戦を行う。各自、準備をしておくこと」
姉さんはそれだけ言うとセシリア・オルコットを担ぎ教室を出ていく。
あれ?俺も巻き込まれた?
なお、秋とセシリア・オルコットのやり取りを見ていた兄の一夏と幼なじみの箒、付き合いが長い本音以外はこう思った。
ーーーーーーーーーーーーこのクラスで本当に怖いのは織斑千冬ではなく織斑秋が一番怖いーーーーーーーーーーーー
第4話でした。
思ったことを書いていたらいつの間にかセシリアをディスってました。
ごめんなさい。