リリカル・ストラトス~黒き帝王は魔導師~ (一時更新停止) 作:妖精絶対許さんマン
「秋、食堂行こうぜ」
セシリア・オルコットを三時間目に気絶させる以外は順調に授業も進んで行き、今は昼休み。
「俺は行くところがあるから後で行く」
「どこに行くんだ?」
しつこいなー。俺を誘うより箒を誘ってやれよ。こっちをじーと見てるぞ。
一夏をどうあしらうかを考えていると・・・
ピンポンパーンポーン。
『一年一組、織斑秋。今すぐ会議室に来なさい。繰り返します。
一年一組、織斑秋。今すぐ会議室に来なさい』
放送の声は姉さんだ。
天の助けと言うのか姉さんからの死刑宣告と言うのか・・・
「はぁ。会議室に行ってくる。一夏、箒を食堂に誘ってやれよ?」
俺は一夏にそう言うと席を立ち会議室に向かう。
「アッキー・・・」
ドアを開けると後ろから本音が名前を呼んできた。
「ん?どうした、本音?」
「だいじょうぶ~?」
心配してくれてるのか。かわいいな、本音は。
「だいじょうぶだ。先に食堂に行っておいてくれ」
俺はそう言い、本音の頭を撫でる。
「~~~~~!!うん!!」
本音は元気に返事をしてくれた。何故か顔が赤いけど。
俺は本音の頭を撫でるのを止めて会議室に向かう。
~秋sideend~
~本音side~
「~~~~~!!」
今の私の顔は絶対に真っ赤だよ~。
アッキーの手って暖かいから気持ち良いんだよ~
アッキーに言われたし先に食堂に行っておこ~
~本音sideend~
~秋side~
「ここか・・・」
本音と別れて俺は今、会議室の前にいる。
「さて、行くか」
トントン
部屋に入るときにノックするのは常識だ。
『誰だ』
会議室の中から姉さんの声が聞こえてきた。
「一年一組の織斑秋です」
『入れ』
「失礼します」
会議室に入ると革張りのソファーに姉さんが座っていた。
「そこに座れ」
姉さんは自分の前のソファーを指さした。
「失礼します」
俺はソファーに座り姉さんを見る。
「話はなんでしょう?」
「その前に昼はまだ食べてないだろ?パンを買っておいてやったぞ、秋」
姉さんが懐からメロンパンを取り出した。てか、今俺のことを秋って呼んだな。
「ああ、ありがとう。姉さん」
俺は姉さんからメロンパンを受け取り食べ始める。
「食べながらで良いから私が聞くことに答えてくれ」
なんとなく聞きたいことはわかるな。
とりあえず俺はメロンパンを食べながら頷く。
「早速聞くが、更識姉とはどういう関係だ?」
核心を突いてくるな。
「たっちゃん先輩との関係ね・・・まあ、仲のいい先輩と後輩って感じかな」
「本当か?長い付き合いのようだが?」
「本当だよ。俺が小学六年の時にたっちゃん先輩の妹の更識簪と偶然会ったんだよ。で、簪に会いに行く内にたっちゃん先輩や本音、本音のお姉さんの虚さんと仲良くなったんだ」
初めて簪の家に行ったときは驚いた。屋敷だもん。目を疑ったぜ。
「そうか・・・。なら、更識の家のことは知っているのか?」
たっちゃん先輩達の家のことね。
「ああ、知ってる。更識家は日本の『暗部』なんだろ?」
「知っていたのか」
「ああ。いつだったか、簪と遊ぶために簪の家に行ったら先代の楯無さんに聞かされたよ。そしてこんなことも聞かれたよ「この子達もいつかは人を殺めるかもしれない。それでも、この子達と友達でいてくれるか?」ってね」
「なんて答えたんだ?」
「「彼女達が何をしようが俺は彼女達とずっと友達でいるつもりです」って」
いま考えると俺、ものすごく恥ずかしいこと言ってるよな?
でも、それ以降、たっちゃん先輩はやたらと腕に抱きついてきては胸を押し付けるし、簪は俺が座ってると俺の足の上に座るし、本音は俺にもたれ掛かってくるし、虚さんも俺の腕に抱きついてくるようになった。
「その時ぐらいから俺は週末にたっちゃん先輩の泊まりに行くようになったんだよ」
先代の楯無さんにそう答えたら「毎週、土日に泊まりに来なさい」って言われて特に断る理由も無いから毎週泊まりに行かせてもらっていた。
「そう言えばこんな事も言われたな。「娘のどちらかを嫁にどうだ?」って」
「は?」
俺がそう言うと姉さんの動きを止まった。
「ん?どうかした?」
「お、お前はなんて言ったんだ?」
「そう言うのはやっぱり、本人達の意思の問題だから俺は断ったよ。でも、それを聞いたたっちゃん先輩と簪はなんか落ち込んでたな」
「そ、そうか・・・」
でも、それから毎週泊まりに行くと更識家の歴史や武術の練習をさせられるようになった。
まるで外堀を埋められてるみたいで怖い。
「そろそろ時間だな。織斑弟、授業に遅れるなよ?」
「わかってます。それでは失礼します。織斑先生」
俺はそう言うと立ち上がり会議室から出ていった。
~秋sideend~
~千冬side~
秋が会議室から出ていった。
「出てこい、更識」
この会議室に最初からいた人物を呼ぶ。
「バレてましたか、織斑先生?」
「ああ。最初から聞いてたんだろ?」
私がそう言うと更識の顔が赤くなっていった。
「うっ」
「更識、一つ聞きたい事がある」
「何ですか、織斑先生?」
「お前は秋の事をどう思っている?」
「好きですよ。だって、私の初恋ですもの」
更識は扇子で赤くなった顔を隠した。
「そうか・・・」
一夏といい秋といい鈍感だな。
こんなに自分を想ってもらっている相手に気づかないなんて。
~千冬sideend~
第5話でした。