レミリア・スカーレット(仮)は現代で生きていく   作:ネコら

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1話 レミリアに成っちまった

 

 

 

 朝、鳥のさえずりを聞き俺は眼の前にある紅茶を、ちびちびと飲みながら、窓から見える青空を見る。

 

 

 あぁなんと良い朝なんだろう、窓から差し込む温かい日差しが俺の体を照らしてくれる。

 社会人に成ってから、こんなに清々しい気持ちで朝を迎えるなんて何時以来だろうか。

 

 思い返せば最近、心の余裕が無い毎日が続いていたから、余計にこういった小さな幸せがしみじみと感じ取れる。

 

 本当に、本当にこんな毎日が続いてくれたらと思う限りだ。

 

 ふぅ……さてと、いい加減。

 

 

 現実逃避は止めようか。

 

 手に持っていた紅茶を机に置き、そのまま椅子から立ち上る。

 重い足取りで洗面台まで行き、鏡を見る。

 

 俺が手を振れば眼の前の彼女も手を振ってくれて、俺が首を傾げれば彼女も首を傾げてくれて、俺が笑えば彼女も笑ってくれる。

 

 そんな彼女の背は低く大体6〜7歳位の身長で。(もう幼女で良くない?)

 

 耳は少し尖っていて。

 

 目を見れば血の様に紅い真紅の目。

 

 髪は水色がかった青髪で少しだけウェーブのかかったミディアムからセミロング程度の髪。

 

 全体的に薄いピンク色で、周囲を赤いリボンで締めてあるシルクナイトキャップの様な帽子。

 

 そして一番、目に入るのは、この背中に在る、パタパタと忙しなく動いている大きなコウモリの翼

 

「やっぱりこの顔……レミリア・スカーレット……だよな?」

 

 レミリア・スカーレット、東方Projectで東方紅魔郷の6面ボスで吸血鬼姉妹の姉。

 そして500年生きたカリチュマな幼女。

 

 俺は改めて鏡を見ながら自分の顔をペチペチ触り再確認した。

 

……うん可愛い(確信)

 

 いや、可愛い、じゃないだろ!?

 

 何、落ち着いてレミリアの顔を堪能してんだ俺!

 

 見ろよ!この服装をよぉ!!

 

 全体的に薄いピンク色のドレスの様な服で、短い袖口には赤いリボンが蝶々結びで結んであり。

 細い腰には白いレースのついた赤いリボンが結ばれていて。

 スカートは、くるぶし辺りまで届く長さのフリフリとしたピンクのロングスカート。

 って、完全にレミリアの服装じゃねーか!!!

 ありがとうございます!!!

 

 ……え?マジで何だコレ?どうゆう事?

 

 アレだよな小説で言う所の、憑依転生とかTS転生とかそんな感じのやつだろコレ?……いや死んでないし転生ではないのか?。

 

 そもそも体がレミリアに成っただけで、家とか私物はそのま……ま?

 

 改めて家の中を見渡すと何かスッキリしてる気が………まぁいっか(寝間着は確実に無くなっていることには目を逸らし)

 

 てっ違う!そうじゃない!

 

 何で俺なんだよって事!

 こういうのって大体、親友とか幼馴染が居るであろう高校生とか大学生が成るもんじゃねーのかよ!!

 

 俺もうすぐアラサーだよ!?大して親しい友達も居なければ幼馴染も居ない、悲しい一般男性なんだよ!?

 

 それに今日だって普通に会社があるんだよ!?

 何時鳴るか分からない上司からの電話が目茶苦茶怖ーよ!!

 

 そりゃレミリアに成った瞬間は困惑と次に興奮だったよ?

 

 レミリアに言ってもらいたい台詞を自分で言って録音しちゃうぐらい、舞い上がったさ!!

 

 けどな!!!

 

 こんな身体じゃ働けないし、貯金だってたかが知れてる。

 

 俺はこれから、どうやって生活していけば良いんだよ!!

 

 

 

 

 ……いや、生活よりも、もっと大事な事が有った。

 

 俺まだ童貞ってこと!!!

 

 20年以上共にした相棒を一回も[エクスカリバーーー!!!]せずに消すとか、なに考えてんだ!!あんまり過ぎるだろ!!!

 責任者出てこいや!!!

 

 はぁ、はぁ、はぁ………よし、一旦落ち着け俺。

 

 こんな状況でもやらなきゃいけない事があるだろ?

 

 俺は軽い足取りで洗面台からリビングに戻り1,2回深呼吸をする。

 

はい。

 

「お楽しみの能力確認といきますか!」

 

 

数分後

 

 

ダイジェストで、どうぞ

 

 空を飛ぶ

 

『とうっ!』ジャンプ!

………スタ………

『飛べない』

 

 空を飛ぶ…失敗

 

 

 弾幕

 

『はっ!』手を前に突き出す

………シーン

 

『駄目だこりゃ』

 

 弾幕.....失敗

 

 

 能力

 

『………』

 

『……いや、全然分からんわ』

 

 能力発動……失敗

 

 と、言う事で〜

 

 

「何の結果も得られませんでした!」

 

 

 はぁ~仕方ない(そっとベットに入り)

 

 ゲームでもするか(現実逃避、続行)

 

 大体こう非現実的みたいな事が起きて、真面目に今の状況を対処しろってのが無理な話だわ。

 

 俺、本当にそこら辺に居る唯のオッサン一歩手前の成人男性だからね?(何時までも自分がおっさんである事を認めない意思)

 いくら、この状況を考えたところで分かるわけ無いし精々分かるとしたら、やっぱりレミリアは……

 

 目茶苦茶!

 

 飛んでもなく!

 

 女神様(吸血鬼)のように!!

 

 可愛い!!!

って事くらいだよ?

 

 そんな事しか頭に浮かばない俺が何時までも考えてたってしょうがないだろ?

 

 と、言う事でこの非現実的な状況での最善策は更に非現実的(ゲーム)な世界に入り込むってわけよ?分かった?

 

 じゃっまずはログインボーナスを頂きにまいりますかぁ!

 

 

 

数分後

 

 

 

 ………東方のアプリ無くなってね?

 

 いやいやいや!え?そういうパターンな感じ?

 

 俺は、そのままスマホの検索機能で東方について調べるが。

 

[東方で該当する情報は見つかりませんでした]

 

 あぁ、そうゆう事ね完全に理解した。

 

 コレ、東方の存在そのものが無くなっているパターンね。

 

 えぇ、マジかぁ、俺、相当東方に課金してたんだけどなぁ………え?本当?

 

 フィギアやゲーム、小物や大きい物まで全て消えたって事?

 

 そう言えば、さっき家の中がスッキリしたと思ったけど。

 

 東方のグッツが全部無くなってるからかぁ……納得。

 

 てっ事は俺の努力が全て消えたって事だよなぁ。

 

…………ふっ。

 

「ぬかしおる」(涙)

 

 あれ?目から汗が止まらない……止まらねぇよぉ〜。

 

 

 

更に数分後

 

 

 

 ある程度泣き終えた俺は、未だに寝転がりながら東方について調べていた。

 

「マジで東方の存在消えちまってるな〜」

 

 ……いや、逆にこっちの方が良かったかもしれんな。

 

 後々、今の俺の姿を誰かに見られて「あ!アレって東方のレミリアじゃない!?」みたいな事が起きるかもしれんからな。

 

 だって今の俺めっちゃレミリアだし。

 

 直ぐにバレる自信だけはある!

 

 少なくてもコスプレの度は超えて……いやギリいけるか?

 

 そう自分の羽や髪の毛をイジっている時ふとある事を疑問に思った。

 

 俺の存在ってどうなってるの?っと

 

 もしかしたら俺の存在も、既に消えていて、ココにある私物だけが俺の存在していた証拠で。

 

 外にはもう俺の居場所は無く、一生誰からも俺の名前は呼ばれなくなって、もう会社にも

 

プルルル!プルルル!プルルル!

 

ピッ

 

『おい◯◯!!お前今日大事な会議があるってのに!こんな時間まで出勤しねぇとはどういうk』ピッ

 

 俺は無言でスマホをマナーモードにして、布団に包まり目を閉じて眠りについた。

 

 

 ……いや、俺の存在は消えて無いんかい。

 

 

 

・zzz

 

 

 

 始めまして私はレミリア・スカーレット

 

 子供っぽい姿だけど一応貴方よりも何倍も生きてる吸血鬼なのよ?

 

ーーーーーー

 

 クククッ、分かっているわ

貴方が私の事を知っている事ぐらい

 

 けど、どんな時でもどんな場所でも自己紹介というものは大切なものよ?

 

さぁ貴方の名前を教えてちょうだい?

 

 

 

 私の居た幻想郷は少しばかり殺伐としててね?

 

 皆亡くなった

 

 

 

 本当は私がそのまま貴方して、この世界に来れたっていうのに

 

 流石に世界超える何て、無茶をするもんじゃ無いわね

 

 コレは自業自得よ、だから気にしないで?

 

 

 

ーーーーー

 

 

 そんな事を言われても仕方ないわ

 

 私の運命はもう決まっているの

 

 ねぇ?少し我儘を言ってもいいかしら?

 

ーーーーーー

 

 ふふっ貴方なら、そう言うと思ったわ。

 

 

 もう一度家族過ごしたい………ただそれだけよ

 

ーーーーーー

 

 ふふっ、ありがとう

 

 

 貴方はきっとこの事を忘れてしまうでしょうけど。

 

 

 コレだけは忘れないで?

 

 

 運命は何時だって貴方の手の中にあるわ

 

 

 

 

 

 さようなら

 

 

 

 

 

「………」

 

 ゆっくりと目を覚ました私は、ベットからムクリと起き上がるが、一向に動く事ができなかった。

 

「すっごく大事な事を忘れてしまった様な気がするわ」

 

 何かを忘れている、ソレだけは何故か確信できた。

 

 そして

 

 私は何時の間にか涙を流しながら無意識に胸に手を添え。

 

「さようならレミリア・スカーレット」

 

 別れを告げた。

 

 

 

 

 

 それで、こんなしんみりとした空気で言うのも何だけど。

 

      

「私の名前はレミリアよ………よし、決まりね」

 

 これはぁ……口調が強制的にレミリアに成ってるし、心の声までレミリア口調だし。

 けど、無理矢理、男の時の様に喋ったりすると、違和感を覚えてしまうと思う位には自然とレミリアの様に喋ってしまう………はぁ〜。

 

  悲報

 

 寝て起きたらレミリア化が進んでいた件について。

 

 

 

 

 

 やってくれたわね!レミリア・スカーレット!(感)

 

 

 

 

 

 

 

 






読んでくれて感謝です

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