レミリア・スカーレット(仮)は現代で生きていく   作:ネコら

11 / 12

お久し振りです
ネコらです
書き溜めようとしていましたけど全然出来なくて、泣きそうになってます。

後、咲夜の設定を母子家庭に変えました。



9話 勝利って何だけって?

 

 

 

競争

 

 それは生まれた時から無慈悲に課せられる宿命であり運命。

 

 母のお腹の中で生まれようと必死に生きる……始まりの闘い

 

 赤ん坊の時に必死に生へと未知の世界で藻掻く……生存戦略

 

 子供の頃に小さな小競り合い……喧嘩

 

 大人になれば大人げないものと緻密に練られた……蹴落とし合い

 

 生きてる間は必ず訪れるもので。闘う相手は概念まで及び、人は決して手と手を取り合って平和を掴む事は出来ない。

 

 そう

 

「何で貴方達は私を一位にさせてくれないのよ!」

 

 今の私のようにね!!

そして、早く私を勝たせてよ!!!

 

『レミリアちゃんが弱いだけだよ』

『強すぎてゴメンw』

『そうゆうルールだからでしょ?』 

『そら(ルール上)そうよ』

『自分で考えた企画を思い出してもろてw』

『逆に何故ここまで下手くそなんだレミリアちゃん!』

 

「下手って言うな!」

 

 私は下手じゃない!

 毎日咲夜と遊んで練習してるし!!

 ただ今日はちょっと調子が悪いだけよ!!!

 

「そもそも貴方達! たかだかゲーム如きで本気になってんじゃないわよ! もっと私に対して優しさを持ちなさいよ! ちょっとは八百長して、上手く私を勝たせようとは思わないの!?」

 

『思わん!』

『イカサマは駄目でしょw』

『負けようとしても勝ってしまうんだ!』

『冒頭でのカリスマ感は何処に行ってしまったんだ!』

『本気で演らねば無作法というもの』

『俺らは真剣にゲームをしているんだ!八百長なんて、笑止千万!』

『(八百長)しても意味が無いと思うぞ?』

 

「こんな時だけ本気にならなくて良いのよ! あと、カリスマはいつだって私の心の中に有るわ!」

 

『?』

『え??』

『カリ......スマ?』

『一度カリスマに謝ったほうが良いと思うよレミリアちゃん』

『カリスマの意味を辞書で調べたほうが良いよ?』

『ちょっと何言ってるか分からなくて草』

 

「ウガぁぁぁぁ!!!」

 

 何でこんな事になっちゃったのよ〜〜!!!

 

 パソコンの前でコメントを読みながら頭を抱える私は、怒りと悔しさを胸に配信開始時の事を思い出す。

 

 

 

〜数時間前〜

 

 

 朝、咲夜を家に帰してから数分後の事。

 

「眠い」

 

 私は目をしょぼくらせ、睡魔と戦いながらパソコンの前でこれから始める配信の準備をしていた。

 

 何で私が朝一から、寝ずにこんな面倒な事をしているかというと、ちゃんとした理由が2つ有るわ。

 

 それはつい数分前の事、咲夜が初めて私の家にお泊りをした日。

 

 ここ数日は、ずっと朝から寝ていた私も、咲夜に一緒に寝たいとせがまれて仕方なく一緒に寝る事を受け入れて寝る準備をしたわ……けど。

 

「さすがに一緒のベットで寝るのはキツイのよ! せめて違うベットで寝てよ! お陰で一睡も出来ないじゃない!!」

 

 まだ年端もいかない少女と一緒のベッドで寝るのは社会的にも精神的(男)にもヤバいのよ!

 

 せっかく咲夜用の布団を用意したのに!

 

 あの子ったら、いざ寝る時間になって部屋の灯りを消した途端、速攻私のベットの中にダイブしてきて!

 しかも、その後、咲夜の奴ずぅぅぅーーーーっと!目をかっぴらいて私の事を凝視してくるんだから、もう軽いホラーよアレは!てか、はよ寝なさいよ!!

 

 その凝視のせいで全然眠れなくて、配信前なのに滅茶苦茶寝不足なのよ!………はぁ……。

 

 まぁ、今更咲夜に常識を求めるのも間違いよね。

 

「ふぅ〜……ヨシ!!!」

 

 そんな事より今の私にはやるべき事がある。

 

 問題行動しかしない咲夜の事を一旦頭から吹き飛ばす為に、両頬を軽く叩き眠気を覚まして気合いを入れる。そして……

 

「配信開始よ!」

 

 スイッチ〜オン!!!

 

 あっ、ちなみに、朝から配信する理由の2つ目は、この時間帯だったらそんなに視聴者も集まらないだろうという安ちょk………賢明な理由よ!

 

 

配信タイトル:

【車に乗っても私、レミリア・スカーレットはカリスマ最強無敵な吸血鬼!】

 

「こんレミィ、こんな朝早くから良く来てくれたわね。貴方達の主人、運命を操る吸血鬼レミリア・スカーレットよ!」

 

『こんレミィ!』

『こんレミィ〜!』

『キチャーーー!!』

『レミリアちゃ〜ん!』

『コレで明日も生きていける』

『レミリアちゃんが朝一に配信とか初めてじゃない?』

『学校は?』

『この子がレミリアちゃんか!(ガチ恋した)』

『今日からロリコンになります』

 

 な、何か視聴者の数が予想より結構多いわね(特にチー牛……いえ、変態が)。

 

 まぁ、どうせ時間が経てば減るだろうし、今は気にしないで進めましょ。

 

「昨日から予告していたとはいえ平日の朝にこんなに集まるなんて、余程貴方達は暇人なのね」

 

『ブーメランで草』

『えへへ、それ程でもぉ(*゚∀゚)』

『今日の為に有休取ったんだよ!』

『レミリアちゃん程ではない』

『俺は仮病で休んだよ』

『学校行ってないレミリアちゃんに言われたくない』

『配信を観るのも仕事だから((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル』

 

「私は500歳だから学校も仕事もしないのが当たり前なのよ!」

 

 まぁ、しない、と言うより、出来ない、が正しいのだけれど。

 

『羨ましい!』

『はいはい分かってる分かってる』

『500歳の設定便利すぎだろw』

『この年でニートなのか…おじさん悲しいよ』

『お母ちゃん泣いてるで』

『500歳児の間違いでは?』

 

「勝手に悲しまないでくれる! 余計惨めになるから!……あと、500歳児って言った奴、今日中にドアに両手を挟んで骨折一歩手前の運命にしたからヨロシク」ニコリ

 

『(惨めになるぐらい)自覚は有るのかよw』

『両手は草過ぎるやろw』

『ヒェ〜』

『能力の使い方が悪魔的過ぎる!』

『レミリアちゃんの微笑み…………ちゅき(洗脳済み)』

 

「まぁ、こんな茶番はさておき……貴方達が楽しみで楽しみで仕方ない今日の企画を発表するわよ!」

 

『待ってましたー!』

『イエーーイ!!!』

『一万年と二千年前から準備してました!!』

『来いやーー!!』

『どゆこと?』

『何か有るの?』

 

 次々と流れるコメントを見ながら私はゲーム機のコントローラーを取り出し、画面の向こう側に居る眷属達にバッっと見せつける。

 

「今日の企画は〜! 

参加型マリ◯カートでレミリア・スカーレットが1位になるまで配信終われません!をやるわよ!」

 

『おおぉぉぉーーー!!!』

『勝つ(無慈悲の心)』

『準備しなきゃ!』

『マジか!?(初見だから知らんかった)』

『レミリアちゃんMPCにも負けてるのに大丈夫?』

『今日の配信は長くなりそうだな〜』

『レミリアちゃん(下手くそなのに)俺達に勝てるの?』

 

「ふふ、無駄な心配をしている眷属も居るようだけど心配は御無用よ。何たって私、今日の配信の為に咲夜とみっちり練習したからね! 因みに、今では咲夜相手だったら一度も負けること無く勝てるようになったわ!」

 

『それでも勝つ』

『練習してる時点で心配なのよ』

『練習風景も見たい』

『サクヤちゃんが負ける?妙だな』

『元々下手なのは認めるのね』

『レミリアがサクヤちゃんに勝てるわけ無いだろ、いい加減にしろ!(サクヤちゃん信者)』

『今日サクヤちゃんの出番ある?』

 

「咲夜の出番?……フッ、今日は咲夜の出番は無いわよ。だって……咲夜が学校から帰ってるく前に、この配信は終わっているのだからね!」

 

『www』

『草w』

『ぬかしおるw』

『冗談がお上手でwww』

『サクヤちゃんはちゃんと学校に行ってるんだ』

『MPCに勝ってから言ってもろて』

『今回の配信でサクヤちゃんが出るのにレミリアちゃんの魂を賭ける!』

 

「そんなに笑わなくてもいいでしょ!あと勝手に私の魂、賭けてるじゃないわよ!」

 

 すぐに一位になって笑った奴らを見返してやるんだから!!!(フラグ)

 

 

 1戦目

 

12人中12位

 

「あ…あり得ない……この私が!」

 

『キレーに2コマ落ちしとるやんけ!』

『どこの魔族だよw』

『ア〇ラになってて草』

『レミリアちゃんは〇ウラ様だった?』

『断頭台のレミリア』

『喋り方が似てるから余計にツモるw』

『分かりきってた結果』

『わからせがいがあるな』

 

「誰がクソ雑魚イキり魔族よ!! あんな無様な負け方はしてないわよ!!!」

 

『同等だよ』

『俺的には、あの死に様(アウ〇)はある意味、美しい思うけどな』

『自ら池ポチャしといて何言っての?』

『ア〇ラの事、滅茶苦茶言うなw』

『せめて、もう少し上手くなってから言ってくれ』

『ショートカットがクソ雑魚過ぎるw』

『せっかくレースに参加出来たのにレミリアちゃんと走れなくて残念でならない』

『3レース目なんて、1位と一周差が有ったからなw』

 

「まだ!まだ1試合目だから!!」

 

 

 5戦目

 

12人中8位

 

「……本気出してないだけだから」

 

『本気?』

『多分コレがレミリアちゃんの本気やで』

『何か子供みたいなこと言ってる………あ、子供だったわ(笑)』

『8位になれたのも最後にキラーが出たから、つまりレミリアちゃんの本気はキラーだった?』

『キラーを使っても8位は草』

 

「キラー無くても1位ぐらい余裕でなれるわよ!」

 

 

 10戦目

 

12人中12位

 

「あぁ………ちょっと途中で両手の全指が複雑骨折しちゃったから上手く操作出来なかったわ〜。 あ〜あ! あの瞬間こんな不運に見舞われなかったら、今頃バンッバンッ! ショートカットや被弾回避を決めて1位になってたのになー!!なーーー!!!」

 

『安定の最下位』

『滅茶苦茶な言い訳するじゃんw』

『もうショトカ諦めな?』

『言い訳の仕方、雑過ぎるだろw』

『両手の指どうなってんの?』

『現実から目を逸らさずに、いい加減、自分の下手さ加減を自覚してくれ、レミリアちゃん』

 

 

50戦目

 

12人中11位

 

「私って本当はレース系より、どっちかって言うと格闘系の方が上手いの。だから何度負け続けても仕方が無いし、何だったら、コレまでのレースも負けるのが当たり前で普通のことなのよ、うん」

 

『レミリアちゃんの言い訳のレパートリー多すぎ(笑)』

『何言ってるのさレミリアちゃん。前の配信で格闘ゲーのMPC相手にだって1勝も出来なかったっしょ?』

『マ〇カー練習したって言ってなかった?』

『いい加減休んだら?』

『まぁ〜、そう言われると(大人VS子供と言う意味では)レミリアちゃんじゃあ勝てないわな』

『ここまで負け続けても自分が下手なだけだと認めない精神力は凄い(煽り)』

 

「……ヨシ、次のレース行くわよ〜」

 

『無視!?』

『この娘、スルースキルを覚えやがった……』

『つよい!』

『コメントに目線すら移さない……だと!?』

『この配信でゲームの腕では無いく、精神面を鍛えていたとは!』

『コレが500歳児!』

 

「じゃあ次は、この虹色のステージに行くから準備しなさ〜い」

 

『お〜』

『今度こそ入ってやる!』

『ちょっと待って〜!』

『視聴者の数が増えたから入りづらい』

『次も真面なレース見れなさそうだな〜』

『皆、切り替え早いくない?』

 

「あ、後、次私に甲羅ぶつけた人はタンスの角に両足の小指をぶつける運命にするわ」

 

『!?』

『え!?』

『いきなりの暴論w』

『理不尽w』

『さよなら俺の小指』

『その運命操作(笑)1位になる為に使わんの?』

 

 

?戦目

 

「………………」カチャカチャキチャ

 

『と、とうとう無言になったぞ』

『コレ何の配信だったっけ?』

『お~いレミリアちゃ〜ん』

『責めて喋ってくれ〜』

『こんなに真剣にゲームするロリ初めて見た』

『それでも下手くそ加減は変わらない模様』

『次、どんな言い訳するんやろ』

 

「……………」

 

結果7位

 

 

 

 まぁ、そんな感じで

幾千の敗北を順調に積み重ねていって。

 

「今の私がいるって訳ね」(冒頭に戻る)

 

『なにが?』

『いきなり、どした?』

『なに悟った様な顔してんの?』

『叫んだと思ったらいきなり静かになるんだからビックリしたわ』

『レミリアちゃんがついに壊れた!』

『何か悩みがあるなら言ってみな?聞いてあげるから』

 

 コイツら言いたい放題過ぎない?

 元はと言えばコイツらが私を勝たせてくれないからこうなったっていうのに。

 

もう少し人の心とか持ったほうが良いと思うわよ?…………あ、人だからこんな事をするのか。(悟りレミリア)

 

「あ゙あぁぁ〜〜〜………もう疲れたから、この配信終わって良い?」

 

 カメラから目線を外し、椅子にもたれ掛かかりながら眷属達に聞いてみるが。

 

『駄目』

『ソレとコレとは話が違うよ』

『まだまだ、これからが本番っしょ!』

『幼女が出しちゃ駄目な声出てたぞw』

『諦めたらそこで試合終了ですよ?』

『まだワイがレースに参加出来てないからやめないで』

『悟れ、アナンダ!』

 

 案の定、否定の声が飛び交う…………はぁ、分かってはいたけど誰もやめさせてくれないわね…………それにしても。

 

「と言うか、配信が始まった時から思ったけど。何で平日なのに、こんなに視聴者の数が多いのよ! いつもの倍以上って可笑し過ぎるでしょ!! 何だったら配信開始時よりも人数が多くなってるし!!!」

 

 前まで同時視聴者、百人そこら行ってたら御の字だったのに、今の時点で一万人ってバグってるんじゃないの!?

 

『それは俺も思った』

『今日いきなり増えたよな?』

『視聴者が増えて怒る子、初めて見たわw』

『素直に喜ぼうよレミリアちゃんw』

『レミリアちゃんの知名度が上がるのは嬉しいけど、ちょっと複雑』

『レミリアちゃんあの噂知らないの?』

 

「噂?……何よそれ」

 

 私、何か噂になるような事したかしら?

 

 配信者になって、そんなに日は経ってないし。

 

 人を集めたいと本気で思ったら運命操作でどうにかしちゃうから、自分の事をネットや外で広めようと積極的に行動をした記憶もない。

 

 なのに、私のことが噂になってるって………っあ

 

 そういえば私、昨日、外で滅茶苦茶写真撮られてたわ………いや、けど、そんな一回外に出た程度で。

 

『俺も知らない』

『あ〜あの噂ね』 

『何かあったの?』 

『俺、生で見たけどアレは話題になっても仕方ないわ』

『コスプレしながら外出したらそりゃそうなる』

『通行人全員がモーゼの如くレミリアちゃんを避けて歩いとったからなw』

『ネットの掲示板だったりツ〇ッター、N〇Nとかで写真とかが拡散されとったよ』

 

「……マジ?」

 

予感的中

 

 あの一回の買い物でこんなことになるなんて……それに。

 

 私の写真がネットの海にバラ撒かれてるってどゆこと?

 

 個人情報保護法、仕事しなさいよ。

 

『マジマジ、レミリアちゃんが外で歩いてる姿の写真がネットで出回ってたよ』

『いろんな掲示板でレミリアちゃんのスレが出来たりしとる』

『拡散の勢いが止まらないのです!』

『スレ立てました、写真も撮りました(自白)』

『↑主犯おって草』

『自分その掲示板を見てここに来ました』

『今見たけどマジで写真あるやんw』

『突然だけど、レミリアちゃんのご両親について知りたいです』

『おい、やめろ』

『この調子だと更に視聴者の数が増えそうだね( ̄ー ̄)ニヤリ』

 

「あ〜」

 

 段々と増えていくコメントの列を眺めながら私はこの現状を深く考えることも無く、どこか他人事の様に眺めていた………が。

 

 さすがにこれ以上深掘りされても面倒ね。(両親についても)

 ここは全力で知らないフリをして、少し強引にだけど話を逸らしましょう。

 

「へ〜、そんな噂が立ってるのね〜、シラナカッタワー……そんな事より、ちょっぴり私もその噂気になるし今日の配信はこの辺で切り上げない?」

 

『まだ言うか!』

『駄目♡(本日2度目)』

『許さぬ』

『(自分が企画した)責任から逃げるな!』

『答えなんて分かっとるやろ』

『どんだけやりたくないんだよw』

 

「仕方ないでしょ勝てないんだから!……けど、良いわ、続けてあげる」

 

『お?』

『いきなりどした?』

『何故、上から目線?』

『メスガキ化か?』

『続けさせてください、の間違いでは?』

 

「ふふ、その威勢の良さもここまでよ、だって次のレースでは、私が直々に考えた秘策を使うからよ」

 

『?』

『どっから、その自信は出てくるだw』

『秘策とわ?』

『ショトカをやめるとか?』

『ついにあの秘策を使うのか……レミリア(謎の男風)』

『あまり強い言葉を使うなよ……弱く見えるよ(笑)』

『何で最初っから使わなかったのか』

 

「そうね特別に教えてあげても良いわよろ……だけど、その前に」

 

『誰も教えてなんて言ってない』

『聞こう』

『めちゃ自信満々やん』

『まだ何かあるの?』

『その前にって何?』

『秘策の準備でもすんの?』

 

「皆、トイレとか我慢……し、してないかしら?」

 

『?』

『はい?』

『どゆこと?』

『秘策は?』

『おいおいマジかよ』

『何故トイレ?』

 

「いや、この配信が始まって一度も休憩してないじゃない? だから、次のレースが始まる前に貴方達には10分間のトイレ休憩を挟んどこうと思ってね、大丈夫よ。何もしないから絶対に。だから早く早急に直ちに皆一斉にトイレに行って来なさい、いや、行ってください」

 

『え〜』

『必死過ぎw』

『レミリアちゃん流石にそれは無いよ』

『露骨すぎて草』

『漏らす気でいくから大丈夫』

『もう漏らしてるから平気』

『レミリアちゃんを勝たせないと言う黄金の意志が宿ってるから無理(全員)』

 

「…………ッチ!!!!」

 

『!?』

『!?』

『!?』

『!?』

『!??』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ー咲夜ー

 

 学校からの帰り道、数ヶ月前は特に何も感じずに歩いていた通学路。

 

 そんな道も、今の私にとってはかけがえのない幸せな時間。

 

 私のレミリア……あ、間違えた

 

 私が大好きなレミリアの事を考えながら下校できるからだ。

 

 家事もろくにできないのに必死に出来るとアピールをし続けるレミリア。

 

 出来ると思ってやってみたら失敗して凹むレミリア。

 

 結局何も出来なくて私に頼るしかなくなって負い目を感じてシュンとしているレミリア。

 

 そんな色んなレミリアを思い出す事が出来る時間。

いや、それだけではない。

 

 このまま家に帰った時のレミリアからの出迎えの仕方も妄想も出来る。

 

 学校と言う牢獄からレミリアに会いに行くと言うシチュエーションも良いし。

 

 私の帰りを待って色んな準備(意味深)をしている良妻なレミリアの姿も捨て難い。

 

 そんなレミリアの姿を想像するだけで幸福感がべらぼうに出る。

 

 まぁ、もうすぐ、きっと、いつかは、その全てが現実になるかもしれないけどね………へへ。

 

「ふへへ」

 

 それにしても、最近のレミリアは随分と私に対して積極的になったと思う。

 

 始めの頃は全然家事もさせてくれなかったし。

 抱きつこうとしても避けるし。

 布団の中やお風呂の中に潜り込もうとしても、抵抗されるしで、どこか避けられているような気がしていたけど。(咲夜基準)

 

それもコレも全部私の勘違いだった。

 

昨日のお泊まり会で確信したよ。

 

レミリアはただの恥ずかしがり屋だってことがさ!

 

 だって昨日の夜なんて、プレゼントをくれたり、いきなり泊まっていってもいいなんて言ってくれたり、最後には一緒のベットで寝るのも許してくれたもん!(もうこれは実質夫婦と言っても過言ではないのでは!?)

 

 ………まぁ、さすがに一緒にお風呂に入る事は出来なかったという不満はあるけど。

 

 レミリアの必死に可愛く抵抗する姿を見れただけでも良しとしましょう………って、あ!

 

 そんな未来の空想に浸っていると、いつの間にかレミリアの家(私の家でもある)に着いている事に気が付いた。

 

 そのまま、いつもの様に自分で作っゲフン!ゲフン!……レミリアから貰った合鍵を使ってドアを開けて入る。

 

「レミリアただいまーーー!!........?」

 

 ………あれ、おかしいな?

いつもだったら直にリビングから『お帰り咲夜〜』って声がするはずなんだけどなぁ?

 

「レミリアーーー!!!たーーだーーいーーまーーー!!!」

 

 再度レミリアを呼んでみる……が

 

「………」

 

 それでもレミリアの声は返ってこず。

 

 唯一、聞こえるのは私が開けたドアから出ていく、そよ風のみ。

 

 その時、私の中に有り得ない、だが、限りなく、いや、絶対ゼロだったはずの可能性が頭を過った。

 

 

…もんかして私、レミリアに……

 

 

嫌われちゃった?

 

 

「レミリア! ねぇえレミリア! 私、帰って来たよ!!」

 

 そう頭に過った瞬間、私は家の中に入り、レミリアが居るであろうリビングに声を荒げながら走り出していた。

 

 何で返事をしてくれないの!?

 

 どうして、無視するの!?

 

 私、レミリアに何かしちゃった!?

 

 

 

………嫌だ

 

嫌だ嫌だイヤだ嫌だ嫌だイヤだ嫌だ嫌だ!!

 

レミリアに嫌われるのだけは嫌だ!!!

 

 そのままリビングにたどり着いた私は一切足を止めること無く力一杯『バッン!』っとドアを開けた

 

「レミリ………ア?」

 

そこには

 

「…………」(⁻₋⁻)チーン

 

 体が灰色の様になり、上からライトに照らされながらパソコンの前でダランっと脱力状態で前かがみになり、虚ろな目をしているレミリアが居た。

 その姿は正しく、あしたのジョーの燃え尽きた時の様に。

 

 私は、そんなレミリアの姿を見て、先程までの動揺はスゥーっとなくなり、ある事に思い出す。

 

 あれ? あの顔って、よく私とゲームしてる時に出てくる顔だ……と。

 

「ねぇ、咲夜」

 

あ、喋った

 

「ど、どうしたのレミリア」

 

「わ......私って..........ゲーム下手かしら?」

 

「あ、うん、下手だよ、それがどう「グハッ!」レミリア!?」

 

 レミリアの当たり前すぎる質問に反射的に答えると、バタンッといきなり椅子から崩れ落ちて、倒れた。

 

「だ、大丈夫レミリア!?」

 

 すぐ様レミリアに駆け寄り、レミリアを抱える。

 

だ、誰がこんな事をしたんだ!

 

 私の大切で大事で愛おしくて尊いレミリアをこんな萎れたイカみたいな顔になるまで!

 

「ック!」

 

 私がもっと早く帰ってくれれば、こんな事態にはならずに済んだかもしれないのに!

 

 自分の愚かさに吐き気が出る!!!

 

 いや、それよりも早くレミリアをこんな姿にした犯人をみつけっ!………そういう事か。

 

 誰がレミリアをこんな風にしたのか、考えるまでもなかった。

 

だって

 

 その答えがすぐ目の前にあるゲーム画面と文字列が流れるパソコンに映し出されていたから。

 

 そして画面の隅には倒れるレミリアと、そのレミリアを抱き抱えている私の姿が映っていた。

 

『う、美しい』

『顔出し感謝』

『放送事故?』

『サクヤちゃん(多分)顔出しNGじゃなかったっけ?』

『惚れました』

『レミリア推し辞めます』

『最押し変更のお知らせ待ったナシ』

『馬鹿野郎お前俺は両方イくぞお前!』

 

 画面に映る私の容姿を見てとんでもない量のコメントが流れて来るのが見える。

 

お母さんとの約束破っちゃった………けど。

 

 今は、そんな事

 

 どうでもいい!

 

「お前達か」

 

『ヒッ!』

『え?』

『さ、サクヤちゃん?』

『何か背後にゴゴゴッ!って見てるんだけど………気のせいだよね?』

『終わった……何もかも』

『もうダメだ、おしまいだ……』

 

「お前達がレミリアをこんな風にしたのか!」

 

「さ、咲夜ぁ」(私の為にこんなに怒りを露わにするなんて)プルプル

 

こんなにプルプル震えるまでレミリアを虐めるなんて!

 

「信っじられない!」

 

『ビクッ!』

『スミマッセン!』

『調子なりましたー!』

『許してください!』

『悪意はな………ないんです!』

『美人が怒ると怖いって本当だったんだブルブル』

 

「レミリアがゲームがド下手だって皆知ってるでしょ! 何でレミリアに勝たせてあげないの!?」

 

「咲夜?」

 

『ん?』

『あれ?』

『これは?』

『ド下手w』

『流れ変わった?』

『勝ったな、風呂入ってくる』

 

「わざと負けてあげないと誰にも勝てないんだから! 皆が上手にレミリアを勝たせてあげないとダメでしょ!!!」

 

「ブハッ!」(((⁰Д⁰).∴ガハッ

 

『レミリアが(見えない血を)吐いた!?』

『大丈夫か?!』

『れ、レミリアちゃーん!?』

『致命傷回避不可避』

『とんでもない急カーブ、俺でなきゃ見逃しちゃうね』

『きゅーきゅーしゃー!!』

 

「何でそういうところを察して上げられないの!?」

 

『俺達のセリフだよサクヤちゃん』

『(後ろの異常事態に)気付いて!』

『俺達が悪かったから、もうやめてあげて!』

『鏡見て!(切実に!)』

 

「こんな干乾びたイカみたいになるまで勝たせてあげないなんて………レミリアが可哀想だよ!」

 

「」ピクッ………ピクッ……

 

『もうやめるんだサクヤちゃん!レミリアちゃんが死んじゃう!』

『現在進行で可哀想な事になってるよ!』

『コレが悪意の無い悪意……か』

『見てられねぇよ!』

『もうやめて! レミリアちゃんのライフはゼロよ!』

『冒頭で、サクヤちゃんに連勝してるって誇ってたレミリアちゃんが可哀想だよ!』

 

「もっとレミリアの事を考えて!!!」

 

『考えます!考えます!』

『毎日考えます!』

『考えまくります!』

『気づいて咲夜ちゃん、凄いブーメランだから!』

『咲夜ちゃんは今考えたほうがいいかも………』

 

 私はいつもレミリアで頭の中埋め尽くされてるから大丈夫!

 

「これからはタイミングを見計らってレミリアを勝たせるんだよ!分かった!?」

 

『ハイ!!』

『了解です!』

『YES!YES!!YES!!!』

『ウッス!!!』

『心に刻みこみます!!!』

 

「ならば良し!」

 

『あ、良いんだ』

『ふぅ〜』

『やったぜ』

『優しい世界』

『チョロカワイイ!』

 

 よし! 皆も分かってくれたようだし!

 

「はい、レミリア! コントローラー!」

 

「………え?」

 

「早くしないとレース始まっちゃうよ?」

 

「いや、その...」

 

「次はきっと、必ず、絶対に勝てるから、もう1回ゲームしよ?」

 

「…………」

 

…………あれ?

 

 反応が無いや

 

「レミリア? レミリアどうかしたのっ!?」

 

「」チーン(⁻ཫ⁻)

し、死んでる

 

って、ああ!?

 

「こんな茶番してる場合じゃないよ。ほら早く立ってレミリア! もうすぐレースが始まるよ!?」

 

 そうして私はレミリアを持ち上げて無理矢理椅子に座らせる。

 

 図らずもレミリアを抱っこ出来たのは今日一番幸せな瞬間だったのは内緒。

 

『鬼かな?』

『いや、天使(悪魔)やろ』

『心配してると思ったらこれよw』

『人の心とかないんかぁ?』

『強く生きろよレミリアちゃん』

『愛ですよ(ボン◯ルド)』

『サクヤちゃんの、こういう所ちゅき♡』

『何かサクヤちゃん笑ってない?』

 

「ほら、始まるよ?」

 

「...........はい」

 

 レミリアは力が上手く入らないのかプルプルの両手を震わせながらコントローラーを握る。

 

 その姿は、日頃からは想像できないほど弱々しく今にもコントローラーを落としてしまいそうな姿だけど………それでも私はレミリアを信じて応援するよ!

 

 頑張れ私のレミリア!………あ、また間違えた。

 

 

 

 ー咲夜ー

 

 

 

 

 その後のレースは、レースとはとても言えるものではなかった。

 

 一人はカーブや曲がる場所でもないのに勝手に場外へ突っ込んで行ったり。

 

 一人は少し気にすれば当たるわけがない障害物に追突したり。

 

 一人は自らレミリアのアイテムにツッコミ、横転したり。

 

 終いにはゴール前で止まる従者の姿。

 

 そして、そんな誰から見ても八百長にしか見えないレースでついにレミリア・スカーレットは

 

 

『うおぉぉーーー!!!』

『やった~!!!』

『ついに……ついに成し遂げたんだな!』

『ガンバッタナー』

『っふ……やったな』

『俺は信じてたぞー!!』

『イヤー、レミリアチャンツヨカッタナ~』

 

1位へと成り上がった

 

 

「凄いよレミリア、たった1回で1位になれるなんて!」

 

 ゲーム機を握るレミリアの後ろから抱き締め、これでもかと笑顔に花を咲かせながら目一杯、彼女の頭をよしよしと褒めちぎる咲夜。

 

 

 そしてそんな咲夜を横目にレミリア・スカーレットは決意するのだ。

 

 

 

 

 

 

次は(実力で)完膚なきまでに叩きのめしてやる……と。

 

 

 

 

 余談だが、レミリアはこの日を境に咲夜とゲームをする時間が格段に減ったのは言うまでも無いだろう。

 

 

 

 

 





次回は予告通り掲示板式をやります。

後、この掲示板式を投稿したら、またしばらく消えます。

だた、このレミリアの話を書くのを辞めたわけではないので、気長に待ってくれると嬉しいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。