レミリア・スカーレット(仮)は現代で生きていく   作:ネコら

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投稿が遅くなって、ごめんなさい(ToT)

本当は1話で咲夜視点は終わるつもりだったのですが、想像以上に長くなり前半後半と別ける事になりました。
早く投稿が出来るようにが頑張ります(^ρ^)

評価☆10(゜o゜;




裏話 十六夜咲夜は変態という名のメイドである?(前編)

 

 

 

 私、十六夜 咲夜は最近……いや、ずっと前から自分の生きている意味が分からなかった。

 

 私の家は母子家庭で、いつも家にはお母さんの姿は無く、お金だけが置いてある。

 とはいえ、鍵っ子だからと言っても、会えば、ある程度の我儘は聞いてくれるし、私の為に必死に働いているのだ知っているから、愛されてい無いとは思わない。

 

 学校に行けばイジメられるけど。

 それで苦しいとか、辛いとか、死にたいとかは思わない。

 イジメだって暴力を振るわれる訳では無く、無視されたり、他の女子から睨まれるぐらい。

 

 

 そんな日常を過ごす中、私は何時も疑問に思っていた。

 

 

 本当に、この世界は私が『生きる』べき場所なのだろうか?

 もしかしたら、もっと私が私らしく居られる場所が、此処では無い何処かに有るのではないか?……と。

 

 別に生きるのが辛いとか生活が苦しいとか、そんなのでは無い。

 

 ただ単に『生きる』という行為に活力が見出だせなかった。 

 

 だから私は、自分が此処で『生きたい』と思える様な場所を探そうと思った。

 

 そこから私は、猛烈に勉強をしたり、不慣れな友達作りも頑張ったし、塾に通ったり、意味の分からないゲームで遊んだり、色んな武術も習った。

 

 だが、結果はどれも私を『生きたい』を思わせる物は無かった。

 

 どれもコレも直ぐに『違う』と感じてしまって、途中で投げ出してしまう。

 クラスメイトとも結局、話が合わず、真の友達はできなかった。

 

 私は何も得る事も知ることが出来ずに、無駄な時間を過ごしただけだった。

 

 

 ………違う

 

 

 私は、最初っから知っている、生きる理由も意味も全てこの手に有ったはずなんだ。

 

 ずっと………ずっと、生まれた時から何かが欠けている様な『生きる』意味を何処かに忘れて来てしまったような、そんな喪失感に似た何かが、私を縛り付けているのだと。

 

 探すとか、見付けるとかでは無い、私は、思い出したいのだ。

 

 その、きっかけを見付けようとして、それが何なのかを知りたくて、考えて、探して。考えるほど辛くなって、苦しくて、最後には虚しくなって。

 

 結局、分からないまま私は

 

 

 考えるのを辞めた。

 

 

 これ以上、この事を考えていても、きっと知る事が出来ないと思ったから。

 

 

 だから私は、この苦しみに蓋をして、この灰色で埋め尽くされた世界で、人生を淡々と生きていこうとを決めた。

 

 

 

 

 そんな、ある日の事。

 

 

 何時もどおり退屈な学校が終わり、家に帰っている時の事。

 

 歩いているとコンビニの前で日傘をさして立っている少女が居た。

 

 普段だったら気にせず通り過ぎるところだった。だが、何故か私は異様に目が離せず、そのまま少女を観察するように少し遠くから眺めた。

 

 その少女は、中世ヨーロッパ風なピンク色の日傘を差しており、顔は日傘で隠れていたが、大きなバッグを背負っていて、この時季では有り得ないモコモコとしたコート着ていた。

 

 あんな格好では流石に暑いに決まっている。まだ、九月なのだから。

 

 その証拠に、暑さのせいでフラフラと千鳥足になっていて、今にも倒れそうだ。

 

 もう、見ていられなくなった私は、少女の近くまで行き声をかけた。

 

「ねぇ、大丈夫?」

 

 少女は私の声に気付いて、日傘がピクリと傾き、少女が顔を覗かせた。

 

 その瞬間

 

「ふふっ貴女、今の私を見て大丈夫に見える?」

 

 私の世界は止まった。

 

 日傘から覗かせたその顔からは、血のように紅い瞳に、フードから覗かせる水色がかった青髪。

 

 今にも死にそうな青ざめた顔色で、虚ろになっている。

 

 そんな危険な状態を忘れてしまうほど、私は少女の姿に見惚れてしまっていた。 

 

 あぁ、早く、早く言葉を返さなければ!

 

「……ううん、全然見えない」

 

「でしょうね………ねぇ、一つ聞きたい事があるのだけれど、良い?」

 

 質問されるの!?

 

 嬉しい!!!

 

 私の中では自分でも理解出来ないくらいの、嬉しさと興奮が襲いかかった。

 

 あぁ、駄目だ。この嬉しさを顔に出してはダメ!

 

 絶対に気持ち悪い顔になってしまう!

それで、嫌われたらどうするの、私!

 

 平常心、平常心を保って。私の中の私!!!

 

「何?」

 

「こっ、この近くにコンビニとか無いかしら?」

 

 コンビニね!分かったすぐに見つけにエベレストまで………コンビニ?

 

「ん」

 

 直に教えようと思い、咄嗟に言葉ではなくて指で差して場所を伝えてしまった。

 

 もっと教え方はいくらでも有っただろ、私のバカ!!

 

「え?いや私はコンビニのば……しょ」

 

 私が指した方向を見て、すぐそこにコンビニがある事に気が付いた少女は、目を見開いた。

 

「うっそぉ」

 

 疲れ切った声で、呟いた

 

 

 可愛い

 

 

 

 

 その後、少女はゾンビの様にフラフラとコンビニまで歩き出すと、いきなり振り返り、私を見る。

 

「貴女、少しの間だけ待っていてくれるかしら?」

 

「え?……うん」

 

 そう言って、そのままコンビニの中へ入って行った……それにしても

 

歩く姿も………可愛すぎる

 

 一歩一歩、小さな歩幅でフラつきながらも進む姿は正しくゾンビなのに。

 

 何だ、コレは?体も熱くなり、何度、深呼吸しても冷めてくれない!?心臓の動悸が治まらない!

 この場でコサックダンスを踊ってしまいそうな程だ!サンバでも可!!

 

 早く何とかして、この気持ちを落ち着かせねば、でないと...........いや、駄目だ。何をしても無意味だ。頭では無く心で理解できる。

 

 私は胸の苦しみに悶えながらも、少女が入って行ったコンビニに向かい、外から少女を眺めようと窓に近寄った。

 

 私はガラス壁に手を押し付け、窓越しに少女を凝視した。

 

 そして、今、私の目には少女が首を傾げながら両手に緑茶と紅茶を持ち、どちらを買おうか人間離れした可愛さで悩んでいる姿が映っていた。

 

 な、何であんなに可愛く飲み物を選べるんだ!?

 

 しかも緑茶か紅茶って、そんなに悩むなら、どっちも買えば良いのに、敢えて選ぶという、何か良く分からないけど、とにかく可愛い!

 

 ただ、飲み物を選んでいるだけなのに!

 

 選んでいるだけなのにぃぃぃ!!!

 

 

 あぁァァあァぁぁぁーーー!!!!

 

 

 

 

 

 

数分後

 

 

 あ、危なかった後もう少しでコンビニの中に入って彼女を……駄目だ想像しただけで、またさっきの発作が!

 

 そうして、己のはち切れん程の爆音を鳴らす心臓を耐えるように蹲りなから押さえていると

 

「貴女、何やっているの?」

 

 彼女がレジ袋を手に持ってコチラを見ていた。

 

 ヤバい!もし彼女を見ていて興奮したとか、淫らな想像をしていた、なんて知られたら………嫌われる、気持ち悪がられる!

 

 最悪、二度と会ってくれないかも知れない!!

 

 な、何とかして誤魔化さなくては!

 

「………ちょっと胸の辺りが痒くって」

 

「へぇ、あんまり掻き過ぎないようにね、肌が荒れたら大変よ?」

 

「う、うん。分かった」

 

 優しい!!

 

 てか、純粋過ぎる!!

 

 こんなに怪しい行動をしているのに、一切疑う事などせず!

 それどころか、私の心配までしてくれるなんてーーー!!

 

 貴女は天使か!? 

 

 いいえ、女神様です!!!

 

「まぁ、取り敢えず、そこの日陰で話しましょう? 私って、日向が苦手なのよ」

 

「うん、良いよ」

ハイ!! 

仰せのままにぃ!!

 

 

 

 

移動中〜

 

 

 

 

「ぷはぁー!生き返るわー!!」

 

 ………エロい

 

 汗を流し濡れた髪が頬に張り付き、元々持ち合わせていたであろう神々しさと、そのエr……美しさが、より引き出され無意識に目線を向けてしまう。

 

 あぁ!駄目だ。そんなふしだらな気持ちで彼女見ては……いや、無理ぃぃ!

 

 だって、何をしていても、どんな事をしていても、美しく、尊く、輝いて見えてしまうんだから!

 まぁ、実際、美しいし輝いてるけどね!(咲夜加工)

 

 それに、何だぁ、その飲み方は。私を誘っているのか!?(至って普通の飲み方です)

 

「こんな美味しいお茶を飲めるなんて、全ては貴女のおかげよ?感謝するわ!」

 

 キャーー!!

 

 こっち向いてくれたーー!!(厄介ファン)

 

 しかも、こんな私に感謝まで!!

 

「感謝の印にコレをどうぞ」

 

 彼女はそう言うと、袋の中から一本のお茶を私に渡そうとして来た。

 

 いや、受け取れない!

 

 受け取れないよぉ〜!!

 

 だって!さっきまで、あんなふしだらな目で見ていた私が彼女が買った!

 

 彼女が買った!!!

 

 お茶を受け取って良い筈が無い!!

 

「ううん、気にしないで。それに私、何もやってないし」

 

 ……はぁ……はぁ……たった一言喋るだけでも、相当の精神力を持って行かれた。

 だって、どんな理由であれ、彼女からの贈り物を断ると言う事だから。

 でも、何とか受け取らずに済んだ。もし私みたいな汚い女が、そんな神聖な物を受け取ってしまったら、汚れてしまうだけでは済まない!

 

「そんな事無いわ!貴女がちゃんと教えてくれなかったら、私はあのままコンビニの前で倒れていたかも知れないんだから」

 

「………」

 

 惚れてまうやろぉぉぉぉーーーー!!!!

 

「それに、人からの感謝は素直に受け取るものよ?」

 

「……分かった」

 

「うん、よろしい!」

 

 私は太陽の様な笑顔をする彼女からお茶を受け取り、手に持ちながらその他お茶をじっくりと見る。

 

 さっきまで、こんな私が受け取って良いものかと思っていたが、そんな事など、どうでも良くなるぐらい、今の私は高揚している。

 

 あぁ、コレが彼女が買って来たお茶……私の為に買って来てくれたお茶………家宝にしなくちゃ。(興奮し過ぎてIQ3)

 

 そして、こんな素晴らしい物をくれた彼女には、それ相応な物を返さなくては。

 

 

 その時、私の脳に電流が走る。

 

 

 これは、もしかして……告白なのでは?(IQ3の末路)

 

 遠回しに、コレを上げたんだから私の物になって、って言う意思表示なのでは?

 

 

 つまり、彼女が欲しいのは……私自身!

 

 

 ふっ、そうと決まれば早速、彼女に私の全てを捧げなけれ……ば。

 

 イヤ本当に良いのか?

 

 だって、こんなコンビニ脇の日陰で。

 

『お返しに私を貰って下さい!』

 

 なんて言っても、全然ロマンチックじゃ無い。

 

 そこはもっと、心に残る様な渡し方をしたい。

 

 ……あっ、そういば、何処かで女の子はサプライズが好きだと聞いたことがある......つまり。

 

 彼女の家に突撃して、そのまま私自身をプレゼント!

 もちろんラッピング付きで!

 

 いける!

 

 いける気しかしない!

 

 成功の可能性しか見えない!

 

 何だったら、もう、彼女が喜んでいる姿が目に浮かぶ!

 

 その為には、まず彼女の家を知らなければ。

 

「そういえば貴女なま「私もう行くね?」え……え?」

 

 何をやっているんだ私はーーーー!!!

 

 彼女がせっかく喋ろうとしたのに、緊張のあまり、つい話を遮ってしまったぁぁぁーーー!!

 

 けど!

 ここで、このまま喋り続けると、ボロが出てしまいそうで怖い!

 

 けど、喋りたい!!

 

 クソ!こんな苦渋な決断を強いられるなんてーーー!!!

 ……うぅ、もっと会話したかったな。

 

「見た感じ、もう大丈夫そうだし」

 

「そっ、そうね。お陰様で」

 

「お茶ありがとう、さようなら」

 

 そうして、私は彼女の話を遮り、強引に別れを告げ、来た道を引き返した………あアあァアぁぁあぁァーーーー!!!!

 

 ごめんなさい!ごめんなさい!!こんな愚かな私を、許してーー!!

 

 いや、今なら引き返せば、ワンチャンもう一度喋れるのでは?……いや駄目だ! ここで引き返したら、せっかくの決断が無駄になるし、絶対に気持ち悪がられる!!

 

 だって自分から、さようならって言っといて、もっと喋りたいから話そ?

 なんて言ったら、確実に変人扱いされる!

 

 それに私には、彼女の家の場所を特定する義務がある!(無いです)

 

 え? 聞けば良いだって?

 

 サプライズにならないでしょ!

 

 そうして硬く熱い意志を燃やしながら歩き続ける私は、ある程度彼女から離れると、直ぐ様物陰に隠れ、彼女が帰る為に歩き出すのを待った。

 

 そして、見つめ続けること数秒で、彼女は歩き出してしまった。

 

 ……もう少し見つめていたかった。

 

 私は少しガッカリしながらも、彼女を見守り物陰に隠れながらストーk……歩き出す。

 

 さぁ、教えて!

 

 貴女のお家を!

 

 将来、私達のマイホームに成る我が家を!

 

 

 

 ……あっ

 

 彼女の名前……聞くの忘れてた

 

 

 あぁアァぁあァぁァあぁーーー!!

 

 私のバカヤロぉぉーーーーー!!!!

 

 

 

 

数分後

 

 

 

 私は現在、名前を聞きそびれたことを思い出し意気消沈状態だったが、そんな自分を忘れる程の興奮をしていた。

 

 何故なら今、目の前には彼女の家が有るのだから。

 

 彼女の家は、私の家から5分程度で辿り着ける場所に有り、一軒家の2階建てで、少し古びた外壁をしており木材がそのまま使われている、一昔前のおばあちゃんおじいちゃん家を思い出させる様な家だった。

 

 ………良き

 

「ヤバい、今直ぐにでも突撃して、あの子に会いたい」

 

 いざ、彼女の家に着くと、物っ凄く彼女に会いたいという欲求が溢れ出て来る。

 

 何だったら、もう体が自然と彼女の家にぃ。

 

「ふんっ!」ガンッ!

 

 その直後、私は側に有った電柱に自身の頭を叩き付けて本能を押さえ込んだ。

 

 はぁ……はぁ……はぁ

 

 危なかった、つい本来の目的を忘れて本能をさらけ出す所だった。(手遅れじゃね?)

 

 ここは一旦帰って、どうやって彼女に私をプレゼントするか考えるとしよう、これ以上、此処に居たら、またさっきの発作が出てしまいかねない。

 

 そう決断した私は、家へ帰るのであった。

 

 

 そして

 

 その日から私は、彼女の家に通う日が続いた。

 

 ソレは晴れの日も

 

 風の日も

 

 雨の日も

 

 温暖化で異常に暑い日も

 

 家の表札を、チラッと見ようとした日も。(咲夜は本人から名前を聞きたい派)

 

 私はどんな時でも、電柱や他所の家の物陰から、彼女のお家に張り付いて見張っていた。

 

 私の計画としては。

 

 1、彼女が何時どんな時に外出するのかを把握する。

 

 2、把握したら、その日に合わせて私を渡す準備(良い服を買ったり、髪を整えたり)をする。

 

 3、彼女が外出した後、彼女の家に忍び込み(犯罪です)『お帰り』って言いながら私をプレゼント!

 

 勝ったな、風呂に入って浄めてこなきゃ!……そう思っていた。

 

 思ってたんだよ〜!……でも!

 

 この間に私は、ある事が分かってしまった。

 

「全然家から出て来ない!!!」

 

 彼女が全く外出をしないと言う事が!!

 

 私の計画が初手から詰んじゃってるじゃん!

 

「何で? 何でずっと外に出て来ないの? 引き籠もりなの? 恥ずかしがり屋なの? 出不精なの? 友達いないの? ニートなの? 学校は? 家族は?……それとも」

 

 私の存在がバレ……て……る?

 

 そんな考えが頭に思い浮かんだ、その時。

 

 彼女の家から視線を感じ、2階の窓に目線を移すと。

 

「!?」  

 

「はっ!?」

 

 彼女と目が合った。

 

「ヤバい!ヤバい!ヤバい!!ヤバい!!!」

 

 次の瞬間には、私は自身が出せる限界を超える勢いで走り逃げていた。

 

 な、何であんな最悪なタイミングで見付かるの!?

 あんな風に見付かっちゃったら、私が不審者だと思われるじゃん!

 

 ……けど

 

「美しかった」

 

 一瞬だったとはいえ、彼女の顔を見れただけでも、今日も来た甲斐はあったな………へへへ

 

 

 

次の日

 

 

 

 よし。今日は彼女の家に突撃して、そのまま私をプレゼントしよう。

本当はサプライズで驚かしたかったけど、昨日バレちゃったし。これじゃあ、計画もクソも無い……それに、いい加減私の理性も限界だ。

 

 そうして何時もより早く家を出て、彼女の家にルンルン気分で向かっていた……そう、向っていたのだ。

 

 

「はぁ、本当、最悪」

 

 何時も通り彼女の家に向っている途中であったのだが、家から出て直に気持ち悪い視線を感じていた。

 

 そして、私は、この気持ち悪い視線を知っている。

 私が彼女の存在を知る少し前から感じていたもの。

 

 最初は、お母さんに相談しようかと思ったが証拠も無いし、視線自体、私が気付けば直に消える。相談しても、ただ困らせるだけだと思い、黙っていることにしていた。

 

 それに、このぐらいだったら、人目の多い道を通って歩いたり

 学校以外は外に出ない様にするなどして、対策をすれば良い。

 

 更に、ここ最近は彼女の事で頭が埋め尽くされていたお陰で、そんなに気にならなかった。

 

 けど

 

「何時まで追ってくるの?」

 

 今日に限っては、そうでは無かった。

 

 何時もだったら彼女の家に辿り着いている頃には、あの気持ち悪い視線は消えている筈なのだが、今日は一向に消えず、私を追うように、近寄って来る感じがする。

 

 これでは彼女の家に行けない

 

 もし、この視線を向けられたまま彼女の家に行ってしまえば、確実に彼女に迷惑を掛けるし、ソレだけは駄目だ………なら。

 

「此処で撒くしかない」

 

 今から、どうにかして振り切って、そのまま彼女の家に向かおう。

 

 ん?何で帰らないかって?

 

 私、家から出た瞬間から、彼女に会いたい気持ちが溢れて出ていて、頭の中がパティーピーポー状態だから。彼女に会わずに帰るとか無理、考えられない。

 

 あぁ、今頃彼女は、私が来るのを待ち遠しくてソワソワしているに違いない……いや、もしかして、既に私を食べる準備をしているかも。

 

 

『ねぇ咲夜?』

 

『は、はいぃ』

 

『貴女、私の家の中を覗いていたでしょ?』

 

『そんな事してな『嘘』ひぃ!』顎クイ

 

『嘘付きには、お仕置きしなくちゃね?』

 

『お、お仕置きって?』

 

『フフッ、そんなの決まっているでしょう?』

 

『だ、駄目だよ。わ、私達女の子同士なの『関係ないわ』ひゃうっ!』ベットに押し倒される咲夜

 

『それとも、私とじゃ………イヤ?』

 

『嫌じゃないです』

 

『フフッ、それじゃあ、夜の運動会を始めましょう? 私の……さ、く、や』

 

『イエェェェェーーース!!!!』

 

 

 なんて事が………グへへへへ

 

「ゔぐっ!」

 

「よ、よし捕まえた!」

 

「おい!あんまデケェ声出すな!」

 

 そんな妄想を膨らませている時、突然、知らない男達が私の腰に気持ち悪い腕を巻き付け口を布で塞いできた。

 

 し、しまった!

 

 つい妄想に浸り過ぎて、警戒を疎かにしてしまった!!(アホか)

 

 それに一瞬見えたけど、私を捕まえに来た男二人の横に黒い車が見えた。流石にあの中に入れられたら、助かる見込みは無い!

 

 けど、布で口を塞がれて声が出せない。

 

 ヤバい!本当にヤバい!!

 

 何とかして抜け出さなければ!!

 

「ゔぅー!!」

 

「ちっ!おい!クソガキ暴れんな!」

 

「とっとと車に入れろ!」

 

「分かってるっての!」

 

 だ、駄目だ。どんなに力一杯暴れても、私の力では、大の大人には勝てない……ん?

 

 ……勝てないから……なんだ?

 

 何も出来ずに、このままこいつ等に捕まって、私の人生終了?

 

 まだ、今日の彼女に会えていないのに?

 

 やだ

 

 イヤだ

 

 嫌だ!

 

 

 絶対に嫌だ!!!

 

 

「ゔぅーー!」

 

「あ!おい!また暴れ出したぞ!」

 

「良いからさっさと車に入れろ!そうすりゃ暴れても意味ねーんだからよ」

 

初めてだったんだ。こんなに幸せな気持ちに成れたのは!

 

「おい、黙れ!!」

 

「暴れてんじゃねー!!」

 

「ゔぅーー!!」

 

 初めてだったんだ。こんなに嬉しく成れたのは!!

 

「ゔぅーーー!!!」

 

 初めてだったんだ。こんなにも会いたいと思える人が出来たのは!!!

 

 会いたい

 

 あの子に会いたい!

 

 だから、お願い!

 

 お願いします神様!!

 

 どうか!どうか、助けて下さい!!

 

 願う、願う、願う

 

 私はこの人生で一番と言っていい程、強く……強く願う……なのに。

 

 そんな私の想いを、嘲笑うかのように現実は、絶望を私の目に映してくる。

 

「よし、やっと入りやがった!」

 

「手間かけさせやがって!」

 

「そんな事いいから早くドアを閉めろ!」

 

 決死の願いは呆気なく絶たれ、私の足は地面から離れていき、離れていった分、体は車の中にへと入って行く。

 

 あぁ、結局、私の人生は何も得るものも無く終るのだろう。

 

 思えば、最初っから間違っていたんだ。

 

 初めから、あの子の事を忘れて、何時も通り灰色の世界で生きていけば良かったのだ。

 

 そしたら、こんな事に生らずにすんだ。こんなに絶望する事はなかった。

 

 それでも、どうか

 

 どうか、この目の前のドアが閉まり切るまでで良いから、祈らせて。

 

 仏に?…………知らない

 

 奇跡に?…………要らない

 

 神様に?……………信じない

 

 私が祈り、信じる人は、もう、決まっている。

 

 こんな状況でも頭から少しも消えない離れないあの子の顔、根拠も無いし、祈った所で本当に意味の無いことだと分かっている……けど。

 

 救けて!

 

咲夜!!!」

 

 ……え?

 

「は?」

 

「何だ!?」

 

「ゔぅ!?」

 

 有り得ない

 

 聞き覚えの有る声

 

 聞きたかったあの子の声

 

 薄いピンク色の装いに背中に蝙蝠の様な羽根を生やた彼女が降って来たのだ。

 

「退きなさい!!!」

 

「ぶへっ!」ドンッ!!

 

 そんな彼女は一瞬で、私を掴んでいた男の一人を地面に叩き付けていた。

 

 そこからは、先程までの自分の絶望的状況が嘘の様に、彼女は一瞬で男達を蹴散らしていった。

 

 そして、そんな彼女の姿を見て私は思うのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 結婚しよう

 

 

 

 

 

 

 






僕の作品の咲夜は変態です

完全で瀟洒な従者?………知らね(´・ω・`)

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