日間ルーキー10位載りました!!
評価お気に入りありかとナス
○月△日
可愛い可愛い娘ができた。
娘の名前は十六夜咲夜。満月の次の日、十六夜に出会ったから十六夜。星が咲く夜に家族になったから咲夜。名前の由来はそのまま過ぎたけど本人も気に入ってくれた。まだ歳は五歳程度、博霊の巫女と同年代だ。
この子にもよき運命が巡りますように。
○月△日
昨日の日記では咲夜のことしか書いていなかったからピクニックであった出来事を書いておこう。
早晩に外に出た私たちは月が良く見える場所で月味酒と洒落混んでいた。美鈴が作ったつまみと、各自の戦いの話を肴にして。
一部魔道具を使って見ていた場面もあったけど本人達の口から何があったのか聞くことができて良かった。ご褒美という名のお礼は済ませていたけど改めて互いに誉めたり励ましたりとより深い絆で結ばれた。
ちょっとした異変に気付いたのは一人目の話が終わったとき。つまみが一つ減っていた。
次の異変は二人目の話が終わったとき。ワインの量が減っていた。
そして三人目の話の途中で一人の少女を捕まえた。
フランだけは納得した表情をしていたけど他の三人はかなり驚いていた。私は運命を見ていたから、フランは前世の知識で知っていたから分かっていたけど”時間を操る程度の能力”はとても強力だ。知っていれさえすれば対処方法などいくらでもあるがそうでなければ強力な初見殺しの能力だと言える。
妖怪相手に肝が座っている。よほど自信があったみたいでかなり驚いていたようだ。だがそのまま首を差し出すのはどうかと思うぞ? 諦めが良すぎて私は心配だ。
○月△日
どうしよう。咲夜が可愛い。
昼に寝ているといつのまにか布団に潜り込んでいるし、夜中はずっと私の後ろを付いてくる。
おじょーさま。なんて舌ったらずの言葉が愛らしい。
そうだ。そうだったな。
私がママだ!!
異論は認めない。絶対にだ。
○月△日
どうしよう。フランが拗ねた。
咲夜のことを構っていたらフランが地下に引きこもってしまった。お風呂も一緒に入らなくなったし嫌われたかも......。
咲夜はパチェや美鈴にも懐いているけど私が離れたら死にそうな表情で黙ったまま涙を目に溜めるし......頑張って我慢します!! って顔をされると弱い。これが母性か......。
でもフランの引きこもっている部屋の前に行っても咲夜と一緒だと扉を開けてくれない......。
○月△日
昨日、咲夜が寝ている間にフランの所に行ったら扉を開けてくれた......どころか部屋に引きずり込まれた。
......その後の事はあまり覚えていない。めちゃくちゃ気持ち良かったような?
今夜目が覚めた時には腰が痛かったんだが......。私とは反対にフランはやけにテンションが高かったし肌がツヤツヤしていた。
何があったんだ? なんとなく怖いから
○月△日
ご飯に赤飯が出てきた。小悪魔の目がなにか生暖かいのだが......。なんとなくムカついたから館の外にすんでいる妖精達を捕まえてくるように指示を出した。
館の管理を誰かに任せるつもりだったから丁度良い。罰にもなってこれからの役に立つ。これぞ一石二鳥だな。
○月△日
最近パチェから妙な薬を渡されるようになった。美鈴もマッサージを良くしにくるような?
パチェにはヒトを実験台にするなと文句を言いたくなるが悪いことはないから大丈夫とのこと。
結局私の胃に入る前にフランの手によって毎回破壊されるのだが......。パチェは問題ないと言うしフランは毒だと言う。どちらも嘘はついていないのは分かるんだがな。時々二人の間に火花が散っているのは気のせいだろうか。
美鈴のマッサージはとても気持ちが良い。......気持ち良いのは気持ち良いのだがなぜ胸を揉む必要があるんだ? 最初はリンパマッサージだから普通とか言っていたけど咲夜がマッサージを出きるようになりたいと乗り込んでくるようになってからはそれが無くなった。本当に普通のことだったのか?
そんなことよりも私たちのために頑張ろうとしてる咲夜が尊いからどうでも良いな!!
○月△日
私の咲夜は天才だな! たった数年で掃除洗濯料理に弾幕、ナイフ投げに手品とメイドに必須な技能を完璧に習得したぞ!
今では完全で瀟洒な従者と呼べるほどのメイドになった。いつのまにか紅魔館が広くなっていたのには驚いたが......大分自由なメイドに成長したな。
ナイフ投げは頭上にリンゴを乗せた妖精の額に当てる程度の腕前......そこはリンゴじゃないのかと思ったのは私だけじゃないはず。
右手に咲夜、左手......左腕にフランが捕まっている。これが両手に花というものだな。
ちなみにパチェはお留守番、美鈴は門番をしている。......隔離中なのに門番が必要なのか?
咲夜が娘になってから数年。家事全般を習得し始めた咲夜はメイド服を着るようになった。小悪魔に捕まえさせた妖精達も妖精メイドとして一緒に勉強をしている。すぐに集中力が切れて遊びに回るけど問題あるまい。咲夜ならうまく使いこなせるはずだからな。
今日はメイドとして頑張り始めた咲夜を労るために二人で散歩に出ることにしたんだが、どこからか聞き付けたフランが乱入してきて三人でのデートになった。パチェや美鈴には悋気を起こすのに咲夜には構いすぎると拗ねはするもののそこまで抵抗がなさそうだから聞いてみたら私が父親、フランが母親、咲夜は娘だから問題ないとのこと。
......問題しかないが!?
私は咲夜のママだからな? パパじゃないからな? せめてフランが父親で私が母親だろうが!
全く、フランも困ったやつだ。大体いつもいつも張り切って次の日に動けなくなるのはなんで私だけなんだ。不公平だろう。ナニに張り切っているのかって? ......黙秘させて貰おう。ただ前世の知識から再現したおもちゃは妖怪よりもよほど凶悪だったとだけ言っておこう。
咲夜のお願いを聞いて付いてきたら空間の裂け目を見つけた。
「これは隙間......ではないな。なんだか知っているのか?」
「いえ、ただ私はここを通ってこの地へと降り立った気がします」
もうあまり覚えていませんが。という前置きをして咲夜は語りだす。
「私は月の都に産まれました。穢れが存在してはいけない生や死の概念が存在しない世界です」
「しかし私は生まれつき時間を操る程度の能力を持っていたのです」
「生と死がないということは不朽であると言うこと、物は壊れることはあっても寿命で故障することはありません」
「そんな世界で穢れの象徴ともある時間の概念を操る能力をもって生まれた私に生きていく場所はありませんでした」
「最初こそ、能力を扱えず、時間を操ることができることを知られる前まではなんとなく幸せだった気がします」
「しかし、時間を操る程度の能力が開花した瞬間私の家庭は一変しました」
「月の世界に穢れをもたらした。そういった言いがかりを付けられて私は地球へと捨てられました」
「月の追っ手が来ないように......月のヒトに私が処分されないように......」
「わざと時間を操る程度の能力を暴走させて、気がついたらこの地に立っていました」
「月を追放されてから数日なのか数十年なのか、はたまた数千年なのかは分かりません」
ここに来るまでの話を終えた咲夜はそれっきり黙ってしまった。
あまり覚えてないとはなんだったんだ? とか、思っていたよりも重い過去を背負ってたんだな。とか思うことはあれど、今確認すべきことは一つだな。
「月に帰りたいのか?」
少し不安になってきた......これが親離れってやつ? フランの手を握りつつ咲夜の答えを待つ。
「いえ、これからお嬢様に仕えるに当たって私のことを少しでも知っていて欲しかったのです」
「じゃあ!」
フランが喜色の籠った声をあげると咲夜は微笑む。
「実は最初、日々の食事にありつくためだけに働こうと考えていたんです。ですがお嬢様と過ごす間にお嬢様の為に働きたいと思うようになりました」
咲夜がナイフを振るうと空間の裂け目が消滅する。
「十六夜咲夜。これからお嬢様のメイドとして働かさせていただきます。不束者ですがよろしくさせて頂けますか?」
「ぷっ。ふはははは。断定するのか伺うのかどっちだ。悪いが咲夜には選択肢などない。悪魔に貰った名を名乗ったんだ。すでに咲夜は私のものだ。嫌だと言っても私に逃がすつもりなどないわ!」
私の言葉に咲夜は恭順を示す。私が手を差し出すと頬を染めながら頬擦りし始めた。......おい。
永琳や輝夜と咲夜が親子(親族)だった?みたいな考察を見かけたので月生まれだとぱkオマージュで独自設定をさせて貰いました。
同じ白髪(銀髪?)から永琳との親族説、同じ時、空間を操る能力だから輝夜との親族説が出てるみたいですね。
親族までいかずとも月出身はありそう!!と思ったので採用しました。裂け目は......紫が作ったんじゃないですかね?(適当)
フランがとうとう食べました()。日記に書かれてるときは初めてだったから記憶から抹消していましたがそれに怒ったフランが何度も襲った結果レミリアの記憶に残るようになりました。