お嬢様はカリスマブレイクしたくない   作:セレシア

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(前話で)紅魔館メンバーが揃いました!
(小悪魔以外)全員の視点もコンプリート!

誤字報告ありがとうございます!
投稿前に確認はしてるけど見落としが多い…
ルーキー5位!!
総合187位!!!


第十四話 お姉さまがモテ過ぎて困っています

 お姉さまが咲夜を拾うことでとうとう紅魔館のメンバーが揃った。それは良いことなんだけど......お姉さまのカリスマが凄すぎる。

 私がお姉さまの一番なのに! 一番最初に襲ったのも私なのに!

 

 紅魔館組全員の矢印がお姉さまを向いてるんだよね。お姉さまはそこら辺に鈍いから私がガードしてあげないとすぐに食べられちゃう。

 

 パチュリーは不器用で分かりやすい......お姉さまには伝わってないけど......から妨害は簡単。美鈴は大人の余裕? なのか一歩後ろに下がってるから良いとこ取りしようとしている時だけ気を付ければ大丈夫。

 小悪魔は......良く分かんない。どちらかと言うと母親? 主? に向ける感情が大きい気がするから大丈夫だと思う......きっと。

 

 そして新入りの咲夜だけど......。時を止めて悪戯()をしたり必要以上にお姉さまにくっついたりと凄く危険。お仕事は完璧だけどおねだりまで完璧になるなんて! お姉さまも子供だと思って対応が甘いから只でさえ緩いガードがガッバガバに......。

 

 お姉さまに言っても意味がないから他のメンバーに釘を指しておこう! お姉さまは私の者だ!!

 

「というわけでセクハラはいけないと思います!!」

「せくはら......とは何でしょうか妹様」

 

 首を傾げる咲夜にセクハラについての説明をする。咲夜! わかったか!?

 

「ではお嬢様は嫌がっていないのでセーフですね」

「アウトだが!?」

 

 思わず頭を抱えてしまう。お姉さまの優しさに漬け込むなんて......咲夜、おそろしい子!

 

「フランの言うことは一理あるわね。レミィは子供(・・)には甘いし嫌だと思っていても言わない可能性があるわ」

「レミリア様ははっきり言うと思いますけどねぇ」

「美鈴は黙ってなさい」

 

 せっかくパチュリーが私の援護をしてくれたのに! 咲夜は余裕の表情のままか。確かにここにいる(・・・・・)誰一人として(・・・・・・)咲夜には逆らえないけど......!

 

「では妹様とパチュリー様は今日の戦利品はいらないということで......」

「「そんなわけない(じゃない)!!」」

 

 ぐぬぬ。この最終兵器があるせいで強くは言えないんだよね。でも牽制はしておかないと暴走を誰一人止められなくなっちゃうし......。ただしこれは負けが確定してる勝負。勝負は始まる前から決まってやがる......!

 

「私が先輩達をリスペクトして機会を与えているだけだということを忘れないように」

 

 私たちは誠心誠意平服するしかない。主従逆転してる気がしないでもないけど全力で目を逸らした。

 浮気じゃないから許してねお姉さま!

 

「では始めましょう。今宵も血沸き、肉踊るサバトを!」

 

 咲夜の掛け声と共に今朝もお姉さまに内緒の集まりが始まった。

 

 


 

 蝋燭のぼんやりとした灯りで照らされた部屋で私とパチュリー、美鈴、そして咲夜の四人は丸テーブルを囲んでいた。

 私たち三人が見守る中、咲夜は懐からとあるブツ(・・)をテーブルに並べ始める。

 

「今日のラインナップはお嬢様が使ったストロー、お嬢様のお手手を拭いたハンカチ、そして......」

 

 部屋の中が静まりかえる。あぁ、初っぱなからなんて贅沢な品々なんだろう。最後に提示される大物に期待が高まるのを感じる。

 

 

 

「......お嬢様が履いていたのパンティの切れはしです」

「「なっ!!」」

 

 最後に出てきた逸品に驚愕した声が上がる。これは事件だ!!

 震える声でパチュリーが確認する。

 

「が、贋作じゃないわよね?」

「当然です。正真正銘先程までお嬢様が履いていたパンティですよ。私の能力で時を止めて履いていた時の状態で固定しています」

 

 誰かが喉を鳴らす音が部屋に響いた。

 大真面目な顔をして咲夜が頷く。やっぱり咲夜は天才かもしれない。妖力で出来ている洋服は切れはしなんてできないはずなのに、無理矢理作り出すなんて!! そんな素晴らしい能力の使い方にとっても痺れる憧れる!! 私も見習わないと。

 

「今日は記念すべき五百回目の開催ですからね。奮発してみました」

「咲夜! でかしたわ」

 

 パチュリーの激励に仰々に頷く咲夜。こんな危険人物をお姉さまの近くに置きたくないのと、この有能さのお陰で髪の毛や爪だけで我慢するしかなかった日々から解放されたことへの感謝で頭がぐちゃぐちゃになりそうだ。

 

「では今日の勝負はお嬢様の素晴らしいところをお題にして俳句を詠んで頂きます。採点方法はいつもの通りにしましょう」

「分かりました」

 

 はっ! 頭を切り替えないと!

 

 ちなみに採点方法は十点満点で発表者以外の三人が提示するってことだね。故意に低い点を提示したら失格で賞品は無しになるからみんなしっかりと採点できるんだよね。というか素晴らしい発表があったときに態と低い点数にしたらお姉さまを貶しめるのと同義だから誰もしないんだ。

 

「じゃあ私からね」

 


 


 

 こうして今日も紅魔館には平和な朝が過ぎていく。なんてね。

 

 誰がパンツをゲットしたかって? ふふん! 秘密だよ!!

 

 


 

 各々が戦利品を持って帰る姿を見送ってから部屋の片付けを行う。やはりお嬢様と一緒にいる期間が長いヒト達はお嬢様のことを良く知っているわね。

 

 私はみんなと違って只の人だから悠長にしているとお嬢様との時間はすぐに無くなってしまう。だからこそ私の知らないお嬢様を知るためにこういった機会を用意している。

 

 初めて見た時はずいぶんとヒトの良さそうな妖怪だと思った。次の瞬間には驚愕したけど......。まさか時間を操る私を捕まえられるヒトがいるとは思ってもみなかった。その事に興味をもってカルガモの子供のようにずっと後ろについていった。その時はどうやって捕まえたのか秘密が知りたかっただけなのだけどね。

 

 そうしてお嬢様を知っていくうちに段々と惹かれていった。私の歩幅に合わせて移動するところ。顔を合わせると微笑んで頭を撫でてくれるところ。軽く裾を摘まむとぎゅっと抱き締めてくれるところ。いたずらをした時は最初は叱って、最後は笑って許してくれるところ。弾幕ごっこや本気の戦闘が強くて格好良いところ。ボードゲームや勉強で誰よりも強くて頭が良いところ。言うことを聞かない妖精メイド達が率先して役に立ちたいと動くほどカリスマに溢れているところ。

 

 まだまだ沢山の理由があるけどお嬢様のことが大好きになるまで時間はかからなかった。

 

 とても小さなコミュニティなのに全員がライバルだからお嬢様の側にいるのはとても大変なの。特に美鈴とのお仕事争奪戦はとても苛烈だった。

 元々美鈴がついていた役職は門番、庭師、料理人、そしてメイド。働きすぎだと思うけどお嬢様の反対を押しきって自ら役職についたというのだから救えない(ずるい)。私もお嬢様に管理されたい!!

 

 当然私も美鈴もお嬢様の近くにいれるメイドが一番やりたかったし、お嬢様の体を作る料理を自分で作れる、もしくはお嬢様と一緒に(夫婦のように!!)料理を作れる料理人もやりたがった。

 

 そこで料理対決、掃除対決、お世話対決、洗濯対決を行ったの。ま、当然ながら全部私が勝ったんだけどね。

 特に料理は私の血を入れることができるし、掃除洗濯は時を止めれば一瞬で終わらせることができる。ええ、適切な振り分けだったわね。

 

 今でも美鈴が役職を取り替えそうと勝負を挑んでくるのだけど全て返り討ちにしているわ。ええ、二時間前に出直してきなさい。

 

 そうそう、いつの間にか館の中が広くなっていたのよね。全く、どんどん掃除が大変になるじゃない。魔法使いのパチュリー様か、空間を破壊して広くできそうなフラン様が犯人だと睨んでいるから今度掃除を手伝わせようと思っているの。

 

 まあ、普段お嬢様と一緒に廊下を歩くときにはもっとこの時間が続いて欲しいと考えているから悪いことばかりじゃないし、罰は軽くで済ませてあげるつもりよ。

 

 ......あら、犯人は私じゃないわよね?




いくら従者であっても主人の物を盗むのは犯罪だし主人のモノ(・・)を集めるのは変態です。やめましょう。
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