お嬢様はカリスマブレイクしたくない   作:セレシア

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フラン視点で初投稿です。
レミリアとフラン(偽)のダブル主人公。
日記形式はレミリアのみです。


第二話 目が覚めたら母親が爆散しました

 いつものようにバイトを終えてクタクタになって家に帰った後、お布団に飛び込んで眠った......はずだった。

 

 起きたら目の前に知らない女性が居て、綺麗な人だと思って見惚れてたら虫見たいなのが見えたから握って潰そうとした。

 そしたら突然女性が爆散した。イミガワカラナイ。

 

 思わず泣いちゃった私は悪くないよね? ドッキリにしても悪趣味が過ぎると思う。

 

 そう思っていたら目を真っ赤に腫らしながらも気丈に振る舞う幼女が私を覗き込んだ。幼女の目の前にも虫が出てきたからきっとこの虫が女性を爆発させたんだと思って”ギュッ”って握りつぶそうとしたら幼女が視界から消えた。

 

 ......アイエエ! ニンジャ!? ニンジャナンデ!??

 

 忍者(仮)の幼女を探して見回すと目に暖かなやわっこい感触が......。目の前が暗くなった私はそのまま眠ってしまった。

 

 

 

 目が覚めたら知らない天井でござる。どこか高級そうなお屋敷にふかふかなベッド。背中に少し違和感があるけどドッキリにしては手が込んでるな? と疑問が頭をもたげた。

 両手を見てみるとちっちゃなお手て。あんパンみたいに真ん丸で美味しそう......はっ! 気がついたら手を口に入れてしまっていた。これが催眠術......!?

 

 自分の行動にショックを受けつつも一周回って冷静になれた気がする。うん。これは夢だね! だって私は一般人だし、テレビにドッキリ仕掛けられる理由もない。そうなると誘拐された可能性もあるけど誘拐された先がこんなに良い環境だとは思えないし、何より体が小さくなってる理由がつかない。

 

 結論!! これは夢!!!

 

 夢から覚めるためにはもう一度寝れば良いはず!! じゃ、おやすみなさ~い。......そういえば忍者(仮)の幼女はどこかで見たような?

 


 

 【悲報】転生して母親殺しちゃったみたいなんだけどどこに出頭すれば良いですか?【夢じゃなかった】

 

 夢から抜け出せないと思いつつ数日、とうとうここが現実なんだって自覚しました。逃避しきれなくなったとも言う。

 きゅっとしてドカーンしちゃったと気付いた私は脳内でスレたてしちゃったけど仕方がないよね。

 

 うん。どうやら私は東方プロジェクトのExボス、フランドール・スカーレットに憑依? 転生? してしまったらしいのだ。なんで伝聞調なのかって? 未だに現実を受け止めきれてないんだよ! 言わせんなバカ!!

 

 なんで私がフランになっていると気付いたのかと言うとレミリアお姉様が毎日私の相手をしてくれているからだ。

 

 水色の髪に蝙蝠の羽根をした幼女。フランと呼ばれる金髪の私。虫......ちゃんと見ると目だった......を潰すとなんでも破壊される現象。

 

 はい。スリーアウトですね。これで私がフランじゃなかったらビックリする。狂気に侵されてないのは”私”という異物が入りこんだからかな? それとも私みたいに適当に目を潰していたら狂気判定を受けただけかな? ま、狂気に侵されてないのはよかったけどね。

 

 というかお姉様が良い人過ぎてツラい。最初に私が目を潰そうとしたときに危険を察知していたから問題ないのかもしれないけどいつでも自分を壊せる存在。しかも妹とはいえ実の母親を殺した相手に毎日話しかけてお世話をして頭を撫でてくれる。

 

 本当に純粋なフランちゃんじゃなくてゴメンナサイ。私じゃなくて本物のフランちゃんだったら母親は死ななかったかもしれないんです。罪悪感で心が痛い......。そんなに優しくしないで......。495年と言わず1000年でも引きこもるのでユルシテ......ユル......シテ。

 


 

 地下の部屋に引き込もって数十年が経った。優しいお姉様は毎日来てくれる。忙しくて時間は減っているけど一日も来なかったことはない。おねしょならぬ”おね破壊”*1が無くなってからは地下から出ることを提案してくれたけど住み心地がよくなりすぎて断った。それでも私が外に出たくなるようにいろんな外の話をしてくれるお姉様はとても健気で愛おしい。

 

 そういえばふにゃふにゃになった顔やデレデレな顔を見れてないな......。今でも愛情をもって接してくれているのは分かるけどあの可愛い顔をまた見たいと思うのは我儘だろうか。キラキラしたお目目も綺麗で好きなんだけどな。

 いや、そもそも、大好きなお姉様の時間を母親を殺してしまった私なんかに使わせている時点で我儘だったね。

 

 一時期罪悪感に負けてお姉様が私の部屋に来ないように......私なんかに時間を使わせないようにするために手を打とうとした時期がある。

 寝た振りはあっさりとバレて頭を撫でられ続けた。

 狂気に侵された演技を邪険に扱えば一目で見抜かれてごっこ遊びだと判断された。

 バリケードを作ってみた時は腕力で普通に突破された。

 

 大っ嫌いって邪険にするのは......ごめんなさい。嘘でもそんなこと言えません。そんなこと言ったらお姉様は顔を出さなくなるかも知れないけど絶対に泣く。お姉様を泣かせるなんて大罪を犯した人はすべからく死ぬべきゆえに私が本気で破壊することになる。私が私を破壊したらそれで心優しきお姉様は泣いてしまうから......死罪のループができあがってしまう。

 

 私にできる贖罪はお姉様にバレるまで全力でフランドール・スカーレットを装うことだと思う。495年間引き込もって、幻想郷へ行き、紅霧異変が起きたら外界と関係を持つ。私の存在すべては尽くお姉様のために......!

 これがお姉様から家族(両親と妹)を奪った私の罰。最愛のお姉様を死ぬまで騙し通す!!

 

 そのはずだったのに!!!

 

「フラン。あなたはあなたよ。どんな過去を持っていようとも、どんな運命を背負っていようとも......あなたは私の妹なの」

「でも......私は......」

「あなたの名前は何? 誇り高きスカーレット家の次女。フランドール・スカーレットよ! それ以上でもそれ以下でもない!!」

 

 私は今、お姉様に抱き締められながら泣いている。卑怯で臆病な私を......偽物の私をそれでも本物なんだと。そんな私でも誇り高く生きていけるのだとお姉様が言っている。

 

 言葉で、目で、表情で、私がフランドール・スカーレットだと言っている。前世を持っていようが母親を殺していようが今ここにいる私こそが今目の前にいるレミリアお姉様にとって唯一の妹なんだって痛いほど叫んでくる。

 

 なら、私は誇り高く生きなければならない。俯きそうになったときは歯をくいしばって前を向かなくてはならない。フランドールの偽物ではなく、お姉様の妹として。

 

「なら宣言しなさい! 貴様の名前はなんだ!」

「私は......私の名前はフランドール・スカーレット!! 誇り高き吸血鬼、レミリア・スカーレットの一番の妹だ!!!

 

 私が隠していた全てを吐き出し、大好きなお姉様の胸に飛び込んだ私は最後までお姉様の目が揺れていることに気付くことはなかった。

*1
寝ぼけてなにかを破壊すること




転生と憑依のタグはフランちゃん用のタグでした。
私はお姉さまよりも妹様が好き。
異論は認める。

シリアスは苦手なのですぐシリアルにします。許せ。
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