ありふれた職業と死を運ぶ暗殺者   作:雪とk

11 / 28






決意

灯火達が奈落に落ちてから5日ほどの経った日。

鈴が目を覚ますとすでに日が昇っていた。目を見ると目が真っ赤に充血し、目の周りも炎症を起こしていた。

 

「…喉乾いた」

 

鈴はそうつぶやき食堂へ向かって歩く。あの出来事は結局事故だったということになった。しかし、あの三人が奈落へ落ちたあの日から誰もそれを口にしない。

 

確かに落下は橋が崩落したことが原因であのとき灯火達にあたった魔法は直接の原因ではない。しかし、あれがなければ3人が奈落へ落ちることもなかっただろうというのも確かなことだ。

 

だからこそクラスメイト全員が恐れた"自分の魔法だったらどうしよう"と、だから誰も口に出さず。事故として処理されることをよしとした。

 

王国や教会も一人は無能と呼ばれていたハジメだから良かったがほか二人はレベルさえ上がれば即戦力だと言われていた二人だった。

 

その上、死を目にしたクラスメイト達の中からすでに戦線離脱者がで始めていた。これ以上戦力が減ること恐れた上層部がメルド団長の調査をしっかりしてそれぞれにあったケアを行うべきという進言を却下。光輝の一言も加わり全員があれは事故だったと扱うことにしたのだ。

 

それを聞いた、鈴や雫、と言った面々はハジメを無能扱いしたことなどに腹を立てた。

 

しかし、何もできず5日もの時間が経過してしまった。

 

鈴が食堂につくと中には雫がいた。先程まで自主練をしていたのか少し息があがっているようだった。

 

「あら…おはよう鈴」

「おはようシズシズ…」

「その様子だと水かしら?ちょっと待ってなさい今もらってくるから」

 

目を真っ赤にした鈴を見て雫は水を取りにいった。

 

「そんな、いいよ自分で行く…いっちゃった」

 

しばらくすると水の入ったコップを持ってきた雫が鈴の隣に座る。その水を受け取った鈴は一気に飲み干す。

 

「ぷは〜」

「鈴ちゃんはそれは流石におっさんみたいだからやめなさいよ」

「ふ〜ん?シズシズだって鈴の事見ただけで水を取ってくるなんてお母さんみたいだよ?」

「やめて、流石に恥ずかしいわ」

「ごめん、ごめん」

 

「「……」」

 

少しの間静寂が場を支配する。しばらくすると雫が切り出した

 

「実はさっき香織が目を覚ましたの」

「えっ!本当?良かった〜あっでも、あの、その、様子ってどうなの?」

「最初は取り乱してたけど立ち直ったみたいね。なんでも奈落へ落ちたみんなが無事だって信じるらしいわ」

「そっそれは…」

「大丈夫よ本人も可能性が低いことは理解してるわ。でも自分の目で確かめるまでは諦めないそうよ。…これがよく聞く恋の力ってやつなのかしらね?とにかく私も諦めないことにしたわ、鈴も諦めないで信じてみたらどうかしら?」

「…そうだよね、そうだよ!ありがとうシズシズ!」

「ええ、いいのよ。じゃあ私は香織のところに行ってくるわ」

 

顔に色が戻った鈴は雫を見送り自室に戻る最中にある決心をした。

 

(私は二人のことあきらめない。エリリンもトウちゃんのこともあきらめない。再会して二人のこともっとちゃんと知るんだ!)

 

そう心の中で叫び決意を固めるのだった。

 

 

 







  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。