ありふれた職業と死を運ぶ暗殺者   作:雪とk

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手助け

〜灯火Side〜

 

視界が暗転する。気がつけば私はたくさんの料理とクリスマスケーキが並んだテーブルの前に座っていた。向かいには5歳くらいの子どもが、隣には二十代後半くらいに見える女性が座っていた。

どうやらクリスマスパーティーをしているようだ。娘や奥さんと楽しいひとときを過ごし片付けたあと自らの自室に戻る。布団に入り目を閉じた瞬間強烈な痛みを感じた。

私は痛みで目を見開き自分の体に突き刺さった短剣に気がついた。しかし、そこで意識は途切れた。

 

再び暗転する。

 

気がつけば私はレストランにいた。目の前には学生時代からの友人。今日は一緒に立ち上げた会社が軌道に乗ったことのお祝いだった。終わったあとこ人のいない住宅地を歩くすると、背中に痛みが走る。痛みでその場に倒れたあと最後の力で顔を上げる。そこにはフード付きの外套を羽織、黒い目がこちらを覗いていた。

 

再び暗転する。何度も何度も様々な光景が私の目に映る。そして気がついたこれは私が殺してきた人々の記憶だと。

 

しかし、止まらない何度も何度も殺される場面の記憶を追体験する。

その度に私の中の何かが壊れていく。

気がつけば両手が真っ赤になった私は一人で暗闇の中にいた。

そして周りには血まみれになった人々が周りに立って私を責め立てた。体が冷えていく感覚を覚えた。

 

(ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…殺してごめんなさい。)

 

そうやって謝罪していると急に手に温かさを感じた。そして辺りを見渡すと先程まで私を責めていた人々は誰もいなかった。

 

 

〜恵里Side〜

私の前には謝罪を続ける灯火がいた。彼女は吹きとばされたときのダメージで手や胸、足の骨が折れていた。

 

いったいどうしたんだ。まさかデバフ?…あの黒頭か!やられた役割不明なのに不用意に近づかせるべきじゃなかった!

 

彼女は揺すっても魔法でも目が覚めない。

 

全身ボロボロだったヒュドラもすでにほぼ回復が終わっていた。どうすればいいんだ!考えろ!魔石爆弾は使い切った。私の魔法だけじゃアイツを殺すには届かない。

 

恵里本人には他にできることはなくただ手を強く握った。

灯火は口を閉ざした。

 

「ごめん僕じゃ無理だ」

 

そう言って恵里は叫んだ。

 

「初代様お願いします。どうか助けてください」

 

その瞬間

 

     

      ゴーン

 

 

と鐘の音が聞こえキング・ハサンの声が響く。

 

「承知した。契約に従い汝らを助けよう」

 

すると灯火が立ち上がり黒い霧が現れ辺りに広がる。

霧が灯火に纏わりついていきその姿は隠れ別の姿を象る。

そこに立っていたのは初代山の翁、キング・ハサンであった。

 

「初代様あの、灯火はどうなったのですか?」

 

恵里が驚きながら聞いた。

 

「案ずるな、我はこの者の縁を利用し一時的に顕現しているのみ。この者が目覚めれば私は帰還する。この者が目覚めるまで我が七首の蛇の相手をしよう」

「目覚めるまでですか…」

「そうだ。これは汝らの試練。我が力を貸すことはあっても最後は汝らの力のみで乗り越えなければならない」

 

それだけ口にするとキング・ハサンは大剣を手にヒュドラと向かい合った。

 

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