今回は2人の強化パートです。
翌日から私は恵里とマーリン様に居住区を案内してもらった。キッチンや工房などざざまな部屋があった。風呂まであったのは驚きだったが。
最後に案内されたのは部屋の中央に魔法陣が設置され。その奥には白骨が座る椅子が置かれた部屋だった。
二人に勧められるままに魔法陣の上に立つとこの大迷宮の製作者オルクスのメッセージが再生された。
メッセージを頭の中で整理し今後のことを考える。
人間を駒にして戦争ゲーム興じている神か。今考えれば人類が滅ぼされるのが嫌なら直接介入するなり現地の人々に加護でも与えればいいはずだ。
もちろん、そういった方面に神エヒトが秀でていなかった。
という可能性もあるがカルデアが動いている以上地球にもまた何かしようとしている兆しがあるのだろう。
ならば神エヒトのことは敵として仮定して行動したほうがいいだろう。
メッセージの再生が終わったあと何かで頭の中を探られるような感覚がしたあと生成魔法という魔法が手に入った。
先に手に入れて調べていたマーリン様曰くこの魔法は鉱石などにスキルや魔法の能力を与えることができるというものだがその本質は無機物への干渉らしい。
ただ私にはあまり適性がなくほとんど使い物にならなかった。
例えば、短刀に炎魔法を付与することで魔力を通すと発熱する仕掛けを組み込もうとしたが付与しても5分と保たずに付与した効果が消えてしまうのだ。
だが
この纏わせる工程で使うことで対ヒュドラで使った数なら準備から発射までの時間を30秒から20秒、手に持った武器一つならほぼノータイムで付与できるようになった。
また、マーリン様の勧めで専用の詠唱を用意したことで即死効果も上昇した。
ちなみにステータスプレートを確認したところこの力は【境界にて】という名前のスキルとして登録されていた。
さらに、英霊の体と混ざりあったためかステータスの上昇した。
これはとてつもない強化だろう。
だが強化されたのは私だけじゃない恵里もまたマーリン様の修行によって魔法と武器を合わせて使うスタイルを確立させていた。
近接戦闘ではまだ私の方が強いが遠距離戦では殲滅力、手数に圧倒された正直用意どんで始まる戦いなら【境界にて】を使ったとしても防戦一方だろう。
当然私もより強くなるためマーリン様の指導を受けた。その結果魔力効率がすごくあがった。さらに、強化の魔術を少しだけ使えるようになった。
また調節ができなかったため使えなかった【千里眼】の使い方も教わった。
その時南雲の安否も聞いたのだがマーリン様の答えは
「それがこの大迷宮とやらはエヒト対策なのか僕の千里眼でもはっきり見えないんだよね。だからさすがの僕にもわからないかな」
とのことだった。
全ての階層で痕跡を探したが痕跡も何もなかった。唯一探していないのは何かを封印していた扉だけだ。封印された部屋に南雲が入っているとは考えにくい以上生存は絶望的だろう。
そもそもここから戻れないので探したくても探せないのだが。
なので私達は自分の修行に専念することにした。
私が目覚めてから4日後たった頃マーリン様に新しい訓連を伝えられた。
マーリン様監督の元、マーリン様の結界の中で様々な魔物と戦うというものだった。
「ルールは簡単。僕の張った結界の中で二人はそれぞれ僕が捕まえてきて魔術で強化した魔物と戦ってもらう。ただし【気配遮断】は使用禁止だ」
マーリン様は魔術で拘束された魔物六匹を指さしながら言った。
「ちなみにこの魔物が君たちのご飯になるから倒せるまでご飯はないよ。じゃあ頑張ってね」
それだけ言うとマーリン様は離れた建物の中へと戻っていった。
急すぎる展開に私と恵理は空いた口が塞がらなかった。
「「はぁー!?」」
正気に戻った瞬間二人は同時に叫んだ。
まるでその声が合図だとでも言うかのように私と恵理は結界によって分断されそれぞれ三匹の魔物と戦う羽目になった。
恵里はマーリン様の強化によって連携を取りながら音速レベルの速さで動き回る翼の生えたライオンのような魔物三匹。
私は上空から延々と刃物のような羽を飛ばし続ける魚型、不可視のスタン攻撃連打してくる蛇、体の表面を金属の装甲のようなもので守っている小型の恐竜の三匹が相手だった。
恵里は最初は速さに翻弄されていたものの、その後はしっかり立て直しカウンター主体で動くことで対処していた。
連携を取りながら高速で動き回るなるほどカウンター練習にはもってこいというわけだ。
私の方はこちらの遠距離攻撃は恐竜型に防がれ、私の攻撃が途切れたタイミングでスタン+羽のクソコンボが飛んでくる。
これのせいで私は全身切り傷だらけになった。
そして当たり前のように魔術で防御力が強化されている。
しかし、しばらく観察していると弱点も理解できた。
魚型は攻撃中滑空しかできないようだ。
蛇型はこちらを視界に収めることでスタンが発生するが対象を選べないようで味方が視界に入る状態では使ってこなかった。
恐竜型は装甲化した部分が動かせなくなる。
そこで私は魔物の弱点をついて突破する方法を考えた。
まず震脚で土煙を立てる。こちらの姿が見えなくなったことで恐竜型は全身装甲化して警戒していた。ステータスの上昇によって【千里眼】でそれを確認した私は全身装甲化して動けない恐竜型にマーリン様に教えていただいた強化の魔術と気功術、八極拳でふっとばし結界に叩きつけた。
その後、取り出した短刀に【境界にて】を発動し強化の魔術を重ねがけし蛇型に投擲した。
【射出】によって加速された短刀が突き刺さり【境界にて】の効果で即死した。どうやらこの程度の生命力の魔物なら私でも即死させられるらしい。新しい発見だった。生成魔法のお陰で即死効果も強化されたらしい。今思えばロスが少なくなったのか?まあどちらでもいいがともかく一番厄介だった蛇型を殺したあとは魚型には投擲、恐竜型は直接短刀で切り裂き殺した。
開始から10分ほど戦い続け私達はようやく倒すことができた。
【境界にて】
武器や攻撃に即死効果を付与する。相手の体力などが下がっている状態などでは効きやすい。
【千里眼】
遠視や透視タイプの千里眼