Blue Archive 〜藍の外典〜 作:roimi_mark2
カットした間にあったこと
不良s 「なんか静かですね〜」
セツナ「かかったなアホめが!!」(待ち伏せ)
不良s 「アバ────ッ!!」(
ユウカ「大人の戦い方じゃない……」
アロナ「先生はキヴォトスの支配者同然です!!」
セツナ「ならキヴォトス中の甘いものを買い占めてくれ。手始めにいちごミルクをお願い」
アロナ「やです! それはアロナのものですから」
セツナ「なら1本はアロナにあげよう。だから買い占めてくれないかな?」
アロナ「や────!!!」(威嚇)
セツナ「ギュア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」(咆哮)
天守刹那の日記 〜1部抜粋〜
○月✕日:今日は快晴
本日より正式に先生として着任することが決定したので、記念と記録を兼ねて日記をつける。と言っても、今日は激動の1日だった。絶対ここ1ページでは書ききれないから、今日あったことの要点だけ書いておく。いつかこの日記を見返す時は、頑張って思い出しながら読んで欲しい。
まず、俺の目的は連邦捜査部「
次に『シッテムの箱』について。正直、なんなのかわからん。失踪した連邦生徒会長が"先生"のために残したらしい。一応、俺でも使える。ただのタブレット端末かとも思ったが、普通のタブレット端末は中に教室のような隔離空間を持っちゃいないし、妙に子供っぽい人間味のあるAIがいるのも変だ。そのAIの子供は自身をアロナと名乗っていたため、俺もアロナと呼ぶようにしている。曰く、俺を銃撃等から守ってくれるらしく、このクソ心臓に悪いキヴォトスの治安のことを考えると、常に持っていた方が身のためだろう。
要点はこんなものだ。他にも多くの生徒や情報と接したが、面倒臭いのでこれ以上は書かない。散見された要素に関する考察と推測は、また後日に回すこととする。
○月△△日:晴のち曇
今日からシャーレ周辺の安全確保を始める。手始めにシャーレの部室があるD.Uシラトリ区の安定化を開始した。今日のところはミレニアムからユウカに応援に来てもらい、周辺の不良生徒たちの説得及び鎮圧を行った。基本的にはシャーレの設備利用等の条件を出すことで交渉成立していたが、中には普通に撃ってくる娘もいたので、そこはユウカに対処してもらった。
こう書くと、やはり現状では戦闘時の生徒と先生の負担が違いすぎる。私は後方から戦況を見て指示を出すだけだが、生徒は実際に撃ち合いをし、相手を倒さなければならない。身体的なハンデがあるとはいえ、これでは初日に言ったおんぶにだっこな状態とそう大差ない。何か別の支援方法を身につけなければ……。
それと、身体の調子が少し変だ。悪い意味では無いのだが、なんだか"眼"が冴えたように、色んな情報が読み取れる。だがこのレベルになると、もはや
○月□△日:雨のち晴れ
今日は雨だ。シャーレへ就任してから1ヶ月とちょっとが経ったが、依頼は日に日に増していて、知名度は徐々に上がりつつあるようだ。だが、今現在シャーレの部員数は初日に関わったユウカ・ハスミ・スズミ・チナツの4名だけで、その中でも頻繁に動けるのはユウカやスズミくらいだ。このままでは私や他の4人だけでは抱えきれなくなる。そろそろ部員募集をするべきだろうか。
いや、その前に自分の家をみつけよう。このままシャーレに泊まりっぱなしというのは、何だがメリハリがつかない。シラトリ区も少し安定してきたし、ここらで少しお出かけしよう。
○月□□日:曇り
本日は比較的仕事が少なく、なおかつ直ぐに終了した。思ったより自由時間が確保できたので、今日は後回しにしていたキヴォトスやそこに住まう生徒たちに関する考察を進めていく。
まず、キヴォトスは銃社会だ。ユウカたち学生は当然として、聞けばそこらを歩くアンドロイドや獣人たちも、護身用として手榴弾を携帯してるらしい。更には戦車やヘリなどの軍事兵器も出回ってるようで、聞けばハスミやスズミの母校では1クラスに1台、備品として戦車が配備されてるらしい。本当に、心臓に悪い。アロナによる保護がなければ、俺はとっくに死んでいたことだろう。そうならない為にも、早くシラトリ区の安定化を勧めければならない。
次に、生徒たちの身体について。見た目は俺の知る人間と酷似しているが、大きく異なる点が2つ存在する。1つ目は、彼女たちの体の頑丈さだ。どうやら彼女たちは銃弾を受けても致命傷にならないらしく、ユウカ曰く、弾の種類によっては痣になる程度だという。つまり、キヴォトスの生徒たちにとって銃弾はBB弾程度の認識。喧嘩した時には罵声の代わりに銃弾が飛び交っているに違いない。ある意味、銃社会というのも納得できる。
2つ目の異なる点は、彼女たちの頭上に浮かぶ円環。曰く、それはヘイローと呼ばれるらしい。何か本体と接続されている様子はないが、本人に追従し、物理的干渉も受けていない様子。ただ、初日やシラトリ区安定化の際に交戦し鎮圧したスケバンやヘルメットを被った生徒たちは、気を失っている間にヘイローの消失が認められた。その後、ヘイローの出現と同時に動き出したので、恐らく自己意識と何らかの関係があると思われる。
備考として、キヴォトスに人間の大人は少ないようだ。一般的に大人と言われてる人々は、獣人かアンドロイド。逆に人間と言われているのは、ユウカを始めとした生徒たちだ。さらに、今のところではあるがこのキヴォトスに男子生徒というのは居ないらしい。念の為アロナにも確認を取ったが、それは事実だった。なんとも、肩身の狭い世界である。
△月○日:晴れ時々曇り
今日でシラトリ区の安定化は完了した。不良生徒たちも大人しくなったし、一部とは安定した交流が続いている。恐らく、これで街中で突然撃たれるなんてことは無いだろう。ここまで頑張って戦ってくれたユウカやスズミには頭が上がらない。もちろん、合間を縫って様々な相談に乗ってくれたハスミとチナツにも感謝を。
メモ:後日、ユウカが戦闘等で消費した弾薬費などの請求に来るらしいので、書類等の準備をしておくように。
「先生、失礼しますね」
「はいはい。いらっしゃいユウカ」
ある日の昼下がり。シャーレの執務室で仕事中の私の元に、1人の少女が書類を抱えてやって来た。彼女の名は
とりあえず必要な書類等は別の机の上に纏めて置いてあるので、ユウカにそれを伝えながら口にカロリーバーを詰め込んでいく。するとその様子に気がついたのか、ユウカが申し訳なさそうに声を上げた。
「あっ、食事中でしたか。お邪魔してしまいすみません」
「いや、すぐに済むからいいよ」
そう言って、私は2本目のカロリーバーを口の中に放り込む。若干口の中がパサパサするが、それはそれで水分補給が捗るので気にしない。手早く食べれて、あまり手を塞がない。こういう食事が、俺は好きだ。あくまで仕事中は……という条件付きだが。そんな私の食生活が気になったのか、再びユウカが声をかけてくる。
「でも先生、食事がカロリーバー2本だけというのは……。僭越ですが、もっと栄養のある食事を取った方が」
「ちょっとお昼は手早く済ませたくてさ。それに、今はちょっと金欠で、通帳の残高はほぼないからね」
「金欠なんですか? シャーレの仕事がそんな薄給だったなんて……ちょっと意外です」
その言葉に私は「まあね〜」と曖昧な返事をこぼす。実際に、今の私の通帳はとある理由によりほぼすっからかんとなっている。無論、最低限の生活費等は残してあるが、それ以外のお金はほとんど雀の涙と言ってもいい。
だがそれは、決してシャーレの給料が少ないことが原因では無い。むしろ程よい額だと感じていて、殺風景だったシャーレの部室に小物や家具などを置けるくらいにはお金に余裕かあった。ただ、今回はそれらが底をつきそうなレベルの買い物をしたのだ。だがそれは、私がどうしても手に入れなければいけなかったもの。私がキヴォトスで生きるための必需ひ────
「せ、先生!! 超合金アサルトコアに合計10万円って、なんなんですかこの領収書は!!」
──やべ、この前買ったやつの領収書をしまい忘れてた。過去の私よ、領収書はちゃんと財布に入れるなりして管理しないとダメだぞ。そのせいで、今私の趣味がしっかりとユウカにバレたからな。
説明不要だろうが、一応説明しよう。アサルトコアとは、ブランド内の商品間でパーツの組み替えが可能なロボットアクションフィギュアで、パーツの組み替えにより自分だけのロボットを作ることが出来るフィギュアブランドだ。その新作が最近発売されたので、新発売のもの含めて3機ほどまとめ買いをしたらこんな金額になったというわけだ。
「これだけあれば1ヶ月はちゃんとした食事ができるじゃないですか!! おもちゃのために食事を抜くなんて言語道断ですよ!!」
「ユウカ」
「なっ、なんですか」
まさに怒髪天といった様子のユウカに向き合い、私はジッと彼女の菫色の瞳を見つめる。声は務めて穏やかに、だけど瞳には明確な意思を宿して。そんな真剣な顔をユウカに向けると、ユウカは一瞬びっくりした様子だったが、すぐに顔を赤らめて私の声に答えた。
そんな彼女に向けて、私は私の想いを紡ぐ。それは私の信念であり、覚悟であり、希望だ。それをユウカに伝えるべく、私はにこやかな微笑みと共にゆっくりと口を開いた。
「ロマンはね、追い求めるために存在するんだよ。そのためであれば、例え3食カロリーバーになろうと──」
「ダメです!! 消費は計画的にしないと破産しますよ!! ちょっと家計簿を見せてください。先生の支出記録、私がこの目で直接確認します!!」
「うむむ……仕方ない……」
ダメだ。なんか届いてないっぽい。それにさっきと比べて、ユウカの纏うオーラが一段と濃くなった。これには私も思わず席をたち、彼女に言われた通り家計簿を手渡してしまう。これが早瀬ユウカという少女の怒り……。それは大人でさえすくみあがらせ、言う通りにしなければと思わせてしまうほどの気迫があった。なんてふざけたことを考えていれば、次の瞬間にはユウカの怒声が耳に飛び込んできた。
「せ、先生!! なんですかこれは!! 娯楽費に回しすぎて食費がカツカツじゃないですか!!」
そう言ってユウカが見せつけてきたのは、今月に入っての支出が記されたあるページ。そこには飲料水とカロリーバーを大量に箱買いした記録が記されていた。それ以外には漫画の購入やサブスク等の月額料金等、いわゆる娯楽費が記されている。
だがどれだけ見渡してみても、そのカロリーバー以外に食品を購入したという記録は後にも先にも記されていなかった。あるのはただただ娯楽費のみ。こんなの誰がどう見たっておかしいと思うだろう。つまりこの男、今月はカロリーバーを箱買いしただけで食料品を購入してないのである。
「まさかとは思いますが、今月に入ってからずっとカロリーバーしか食べてないんですか!? それにこれ、お水もそうですよね!?」
「実際それで動けちゃうんだから、人間の体ってよくできてると思うよね〜」
「思うよね〜じゃないですよ!! 本っ当に!! ちゃんとした食習慣をつけてください!!」
これには思わず私も苦笑いをうかべる。この数ヶ月で、シャーレは益々知名度を上げた。猫探しからちょっとした宅配まで、コツコツと頼ってくれる人々の願いを聞いてきた結果である。だがその結果は良いことだけではなく、悪いことも一緒に運んできたのだった。
それ即ち、書類仕事の増加である。元々私は書類仕事は嫌いではないが、いかんせん量がかなり多い。そこに変わらず支援要請が届くものだから、自ずと時間が足りなくなっていった。その解決策として、私は食事時間を短縮することで対応したのだった。その選択が今、自分自身の首を締めることになっているのだが。
それから、ユウカのお説教はしばらく続いた。と言うより、私の家計簿があまりにも杜撰すぎて、定期的にユウカの怒りが再燃してるのだろう。そのせいか、ユウカの怒りはまだまだ収まる気配は無い。
「そもそも、なんでこんなに娯楽費の出費がかさんでるんですか……っ!! というか先生! あの超合金ロボット、今回が2回目じゃないですか!!」
「私が最初に買ったのはスチールへイスだったか。あれも悪くは無かったが、今度の機体たちはそれ以上だ」
「そのせいで出費も酷いですけどね! というか、そのねっとりした喋り方やめてください」
「不憫なことだ……全く相手にされないとは」
渾身のモノマネを披露してもこのザマだ。まぁ、自分でもかなり無茶をしているという自覚はあったが、まさかそれを他人に指摘される日が来るとは思わなかった。だが、不思議と嫌な感じはしない。なんというか、ユウカの怒り方には悪い感情がないのだ。
本当に、心の底から、相手のことを心配してるからこそ怒れる。ユウカの怒り方というのは、そう言うものなのだ。それはまるで、子供を叱る母のよう────
「せ〜〜ん〜〜せ〜〜い!!! 『クラブふわりん』に2万円も課金なんて何してるんですか!!!!」
──なんて考えていると、ユウカから今日1番の怒声が飛んできた。思わずピンッと背筋を伸ばし、キュッと口元を結んで顔を上げれば、そこにはもう顔を真っ赤にして怒るユウカの姿があった。
「1回で課金する額が多すぎます! それに……! せ、生徒達の模範となるべき教育者が……こんないかがわしいゲームをするなんて……っ!!」
(……ん? いかがわしいゲームだと?)
大人しく話を聞こうと耳を傾けていたら、何故か変な単語が聞こえてくる。一応私は生徒に見せて恥ずかしいようなゲームはしてないはずだが、何かそれらしいものをやったことがあっただろうか。いや、やはりない。となると何らかの誤解が生じていそうだが……。
(……あ、まさか『クラブふわりん』のことか)
幸いにも心当たりはあったので、すぐに答えへとたどり着く。『クラブふわりん』。確かに私も最初はそういうゲームなのかと思っていたが、実際の所はそうでは無いのだ。原因に辿り着いたのであれば、すぐに誤解をとかなければ。ユウカの中の私の社会的地位が死ぬ前に、なんとしてでも誤解を解く!
「信じられません! 最低です!!」
「あの〜ユウカさん? 何か勘違いしてらっしゃいませんかね?」
「何がですか!!」
綺麗な顔を様々な赤で染めるユウカに対して、私は恐る恐るといった様子で釈明を開始する。
「その『クラブふわりん』は、クラブを運営するシミレーション系のゲームなんだ。その……、決していかがわしいものでは……」
「シミレーションゲーム……? じゃあ課金要素なんて一体何が……」
「そのゲーム。店員とか事務とか広報とか、そういう職業の人をガチャで手に入れなきゃいけなくてね。つい課金しちゃったんだ」
『クラブふわりん』、それは最近キヴォトスのゲーム界隈で地味に流行りつつある経営シミレーションゲームだ。主人公はクラブの経営者となり、広報や事務員等の従業員を集めながら地域No.1になるべく奔走する。ゲームとしては、売上高を競うスコアアタックがとても人気だ。
その中でガチャシステムに該当する人員募集では、時々超高性能なキャラをピックアップすることがある。中でも最高ランクのキャラは優秀なスキルを多く所持していて、スコアアタックには欠かせない存在だった。今回はそれを手に入れるために、少し多めの額を課金してしまったのが事の真相だ。
「……つまり、ガチャのために課金しただけ……だと」
ユウカのその言葉に、私はうんうんと首を縦に振る。それを見たユウカはだいぶ落ち着いてきたのか、小さくため息をつきながらやれやれと言った様子で話を続けた。
「……ふぅ。少し安心しました──じゃなくて!! それでも2万円はやりすぎです!! もうちょっと計画性を持って運用してください」
「え〜? ちゃんと計画は練ってたよ?」
「これのどこが"ちゃんと"してるんですか!! 娯楽費だけじゃなくて、もっと食費にお金を回してください!!」
ダメだ。また怒り再燃と言った感じだった。そこからは再びお説教。さらにその流れで、私はこの悪習慣を正すという名目の下、定期的にユウカに家計簿を見せることを約束したのだった。それからいくつかの小言が続き、最終的に私が開放されたのは、ユウカがやってきてから40分も経った頃だった。
「では先生。さっき言った約束、ちゃんと守ってくださいよね!! これは先生のためなんですから!!」
「わかったよ。……ごめんね? ユウカ」
「そう思うのであれば、ちゃんとした生活習慣を送ってください。不健康な生活は体に悪いですし、突然倒れられても困りますからね」
「以後気をつけます……」
完全に最初の方の私の雰囲気は消え去った。そんな私を見てか、ユウカもこれ以上怒ることはなく。先程自分が持ってきた書類に目を通しながら、何やらブツブツと呟いている。そんな様子を眺めること数分。ユウカが休憩を入れたタイミングで、今度はこちらから話を振る。
「そういえば、ユウカの学校って、確かミレニアムサイエンススクールだよね?」
「はい? えぇ、まぁそうですけど。それがどうかしましたか?」
怪訝そうな顔でそう返すユウカ。それを聞いた私は内心で少し喜びつつも、それを悟られぬように次の質問を投げかける。
「いや、例えばの話、工学……というか物作りに特化した学科とかないのかなって。これが
「そうですね……。学科はありませんが、部活ならありますよ。うちのエンジニア部であれば、外部への発注などで実績も出してますし」
「そっか、ありがとうユウカ。そのエンジニア部の外注っていうのは、いつでも受け付けてる?」
「はい。何か用事でもあるんですか?」
「まぁね。それに、1度くらいキヴォトスの子たちがどんな学園に通ってるのかを見て見たくてね」
「なら、ミレニアムに来た時は私に連絡をください。学園内は広いですしちょっと危険も多いですから、私が案内しますよ?」
「本当? じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな」
現役ミレニアムの生徒に案内して貰えるなんて、これ程ありがたいことは無い。更にはその生徒の一員であり、
早く会ってみたいと早る気持ちはあるが、今日のところは予定が立て込んでいるので、ミレニアムを訪れるのは、きっとまた今度になるだろう。
今日のところはユウカと談笑しながら請求書について纏めた後、彼女を最寄り駅まで送り届けてからシャーレに戻った。
……我々は望む、七つの嘆きを。
……我々は覚えている、ジェリコの古則を。
そう口に出して唱えれば、視界が青一色に染まっていく。そして一瞬の浮遊感の後、ちゃぽんという水音を合図に目を開けば、そこは先程までいたシャーレの執務室ではなく、ボロボロに崩れた水浸しの教室だった。
『
私がこの場所に着くや否や、背後から元気いっぱいの声で労われる。振り返ってみれば、そこには青と白のセーラー服を着て、頭に白いカチューシャリボンをつけた青髪の少女が立っていた。
天真爛漫といった表情でこちらを見つめ、『にへへ』と可愛らしい笑みを浮かべる少女。その後ろに回された手には傘が握られているが、よく見ればそれも傘の機能を備えた銃であり。彼女の頭上にもまた、キヴォトスの生徒を象徴するヘイローが浮かんでいた。
「アロナ。前言ってた話、進みそうだよ」
──
「ミレニアムサイエンススクールに、物作りが得意な子達がいるらしいんだ。今度その子たちに会いに行って、
私が近くの椅子に腰掛けながらそう言うと、アロナはとてとてと走ってきて、向かい側の机への座る。そしてキラキラと目を輝かせながら、私の話にワクワクしている様子だった。
『そうでしたか! ならもし完成したら、管制はこのスーパーアロナちゃんにお任せ下さい!!』
「うん。頼りにしてるよ」
『えへへへへ……』
ゆっくりと頭を撫でてやれば、ふにゃふにゃとした声とともに頭上のヘイローがハート型に変わる。本当に、感情豊かで見てて飽きない子だ。だがこんな無邪気な子供に頼らないと、私はこの世界で生きていくのもままならないのだ。子供が大人を頼る。それが世界の正しいあり方のはずなのに、世界はそれを許さない。
もどかしい……
もどかしい……
でもきっと、私に出来ることは他にもある。ただ今の私には、その方法をがむしゃらに探すことしかできないのだ。
▽セツナ先生
シラトリ区を安全にすることに成功するも、ユウカに財布の紐を握られてしまった。
▽早瀬ユウカ
先生のお金の運用方法にドン引きしてる。でもそれはそれとして、先生がミレニアムに来るのを心待ちにしている。
▽アロナ
シッテムの箱のメインOSにして、先生をサポートする超高性能秘書(自称)。初対面で先生といちごミルクを巡って熾烈な戦いを繰り広げた。
ーーーーーーーーーーーーー
あとがき
セイアァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!(成仏)
はい、これにてプロローグは終了です。
次回からはアビドス編に入っていきますが、恐らくまた1ヶ月くらい空くでしょう。許してくださいな
次回:Vol.1-1「流星の奇跡と対策委員会編」
第1章「手に入れたもの、手放したもの」
第1話「始まりのアビドスへ」
「流れ星の伝説って知ってる?」