Blue Archive 〜藍の外典〜   作:roimi_mark2

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 huh. always wondered(ハハ……いつも思ってたんだ……)
 why people(なんでみんな) never use their strongest attack first(最初に必殺技を使わないんだろうって).

『UNDERTALE』から サンズ(sans)のセリフ







第5話 「世界の法則(ゲームルール)

 

 

 

 

 

 why people(なんでみんな) never use their strongest attack first(最初に必殺技を使わないんだろうって).

 

「先生!!モモイちゃん!!ミドリちゃん!!」

 

 

 ドンドン!と、硬いものを叩く音が辺りに響く。何度も、何度も。何十回、何百回と叩いても、扉はビクともしなかった。

 先生たちが暗闇に吸い込まれて数分。私はこうして扉を叩きながら、何度もみんなのことを呼んだ。でも声が返ってくることはなかったし、扉が開くこともなかった。

 

 まただ……また守り損ねた。突然聞こえてきた声に気を取られて……いや、そんなの言い訳だ。私が先生たちの手を取れなかったのは、私の行動が遅かったせいなんだから。

 

 

「……もう、こうなったら"主砲"で!!」

 

 

 背中に背負うガンケースに手を伸ばして、中の武器を取り出す。黒いおじさんに貰ったレールガン。これならこの硬い扉だって、確実にぶっ壊せる。

 ちゃんと撃てるか分からないのがネックだけど、四の五の言ってられない。落ちた先が安全とは限らないし、モモイちゃんやミドリちゃん、それに先生の命がかかってるんだから。多少の無茶だって押し通してやる。

 

 

『その行動は推奨しません』

 

 

 その時、また不思議な声が辺りに木霊する。しかもさっきとは違って、明らかに誰か──少なくとも人が喋ってるみたいだ。

 

 

『確かにその扉は頑丈ですが、あなたの力を最大限使えば、確実に破れるでしょう。しかしそれを実行した場合、先に落ちていったモノの無事は保証できません』

 

「……よく言うね。貴方が落としたくせに」

 

 

 淡々と、無感情なまでにそう告げる声に、苛立ちをぶつけるように言葉を返す。実際、この声が3人を落としたんだ。そのくせに先生たちの心配をするなんておかしい。

 

 

「開けて、今、すぐに。それとも……ぶっ壊されるのがお望み?」

 

 

『Unser Wille』の引き金(トリガー)に指をかけながら、周囲を私の神秘で満たす。私が臨戦態勢に入ってるのを知ってか知らずか、声は相変わらず無機質に告げた。

 

 

『要請を拒否します。誰も「王女」に近づいてはならない。特に貴方だけは、絶対に』

 

 

 ぶっ壊すか。すぐにそう決めると、周囲に撒いた神秘に意識を集中する。前と比べて少し勘が戻ってきたけれど、やっぱり周りに私以外は誰もいないみたいだった。

 となると、相手はもっと遠くに居るのか。ならこいつの相手よりも、先に先生たちの救助の方が最優先。そう考えていた私の耳に、「ザザザ……」と不快なノイズ音が飛び込んできた。

 

 

『……接続の維持に問題が発生。やはり廃工場内のハード間を無理やり移動するのは、本体に致命的な負荷が発生しますか……』

 

 

 ノイズの正体は、先程の声だった。どうももう会話することもままならないようで、まるで砂嵐に巻き込まれたみたいにノイズが酷くなっていく。

 

 

『その扉は間もなく開きます。ので、最後に1つだけ忠告を』

 

 

 そんな中、声は最後に何かを伝えてきた。その時だけはノイズも、風の音も、何もかも消えて。声の言うことだけが、私の耳を貫いた。

 

 

『誰も本質には抗えない。如何なる神であろうと、何人たりとも』

 

アナタ(・・・)も私や「王女」と同じ、然るべき「終わり」のために創られた』

 

『どれだけ人を救おうと、どれだけ命を守ろうと。それだけは避けられない運命(さだめ)なのです』

 

努々(ゆめゆめ)、それを忘れぬよう……』

 

 ブツリ……と。乱雑にコードを抜いたような音を最後に、声は二度と聞こえてこなかった。それからしばらくすると先生たちを飲み込んだ床が開き、底知れない暗闇が私の目の前に現れる。

 これで、先生たちを助けに行ける。そう思うのに、私の足は動かない。今の私の頭の中では、さっきの声が残したセリフがずっと反響していた。

 

 

「………………終わりのために、創られた」

 

 

「王女」、そして私。

 終わりのために、創られた。

 

 その言葉だけが、ずっと私の中で反響してる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あぁ、これは夢だ。でも全部が空想(ユメ)じゃない。私があの時に体験した出来事。それが夢にまで出てきてる。それを頭で理解すると同時に、私の意識が現実へと引き戻されていく。

 何とも最悪な寝覚めだ。どうも自分が思ってたより、よっぽどあの一言が堪えてたみたい。まぁそれは置いといて。寝る前は……何してたんだっけ?

 ……あぁそういえば、オートマタの群れに"主砲"をぶっ放したんだった。アレを撃つ度に気絶してる気がするし、あの武器ってもしかして使い勝手が悪いのかな?

 

 

「────────!!──!!」

 

「──。──!?────、────!!」

 

 

 何か、誰かのくぐもった声が聞が聞こえる。まるではしゃぐような、絶望するような。危険地帯とは思えない、そんな騒がしい声。

 そういえば何か柔らかいも物の上に寝かされてるみたいだし、もしかしてここは『廃墟』じゃないのかな?

 

 

「…………むぅ……。ん〜〜〜〜〜」

 

 

 少しダルい身体を起こして、辺りを見渡す。散乱したゲーム機に、お菓子のゴミ。ここは確か……ゲーム開発部の部室だっけ?窓から見える外はすっかり日が落ちてるみたいで、もう真っ暗になっていた。

 そして次に視線を落とせば、私の寝かされていたソファーにもたれかかるように眠るモモイちゃんとミドリちゃんの姿が。肩を寄せあって眠るその様子に、思わず姉妹だなぁとほっこりする。

 ただ、気絶する前まで一緒にいたアイ先生は、どこにも居ないみたいだった。一瞬攫われたのかと心配したけど、モモイちゃんたちはリラックスして眠ってるし、たぶん杞憂で済みそう。

 

 

「……もしかして、結構寝てたのかな?」

 

 

 そう呟きながら壁の時計を見てみると、時刻は夜中の3時過ぎ。アビドスに居た頃は夜哨でこの時間まで起きることもあったけど、シャーレになってからは初めてかもしれない。

 何だか懐かしいなぁ……。非番の日に「良い子はもう寝る時間だよ」と、優しく微笑むリーダー先輩を思い出す。当時の私は悪い子にはなりたくなかったから、すぐにお布団に入って目をつぶってたなぁ……。

 

 ……そう。良い子(・・・)は、もう眠る時間。そう心の中で呟きながら、私はチカチカと光るテレビの方を向いた。

 

 

「ぐぬぬ……はっ!ここです!!光よ!!」

 

 

 そこにはテレビに釘付けになりながら、何か呟く女の子が居た。暗がりの中でもわかる長い黒髪に、はつらつとした声。表情(かお)なんか見なくても、きっとニコニコしてるんだろうと予想がつく。

 その子が何者なのか、私は知らない。落ちていったみんなを追いかけていった先で、その子は当たり前のようにみんなと居た。最初は迷子なのかなと思ったけど、私の脳裏には、さっきの"声"が蘇っていた。

 

 

『要請を拒否します。誰も「王女」に近づいてはならない。特に貴方だけは、絶対に』

 

アナタ(・・・)も私や「王女」と同じ、然るべき「終わり」のために創られた』

 

 

 終わりのために作られた「王女」。それがあの子だという確信はない。見たところただの女の子だし、ずっと先生たちと居たのに、攻撃する様子もなかったし。今のところは、かなり大人しいって印象だった。

 ただ、モモイちゃんや先生の話を聞く限り、100%信用できるとも言い難いと私は思ってる。あの"声"が守っていたのもそうだし、見つけた時の状況も普通じゃない。これも確証は無いけど、ただの女の子じゃないと思う。

 

 私には、先生たちを……みんなを守る存在理由(やくめ)がある。みんながやりたいことをするために、危険を排除するのが私の仕事。そのためにも、私はあの子を見定めなくちゃいけない。

 

 だから、私はまだ信用しない。そう決意して、彼女のことを見つめていた、その時だった。

 

 

「よしっ!ステージクリア────あっ!」

 

「あっ…………」

 

 

 いきなり振り返った女の子と、私の視線がピタリと合う。女の子の表情はテレビの逆光でよく見えないけど、その瞳は私の顔を食い入るように見つめていた。

 今の私は、どんな表情(かお)をしているんだろ。疑ってるみたいな表情なのか、それともびっくりして気の抜けた表情になってるのか。

 そう心配したのもつかの間、目の前の女の子の表情が、暗闇でもわかるくらいパッと明るくなった。

 

 

「おはようございます!!聖騎士様(・・・・)!!」

 

「ひえっ?!」

 

 

 満面の笑みでそう挨拶してくる女の子。突然大声で喋られたのもあって、私の声が変な裏返り方をした。聖騎士様か……。シャーレの騎士に続いてまた変なあだ名が増えちゃったな……。

 ……それにしてもこの子、最初の印象とかなり違う。初めて見た時はもっと冷たい印象だったのに、言っちゃえば、かなり人間っぽくなった感じがする。今はまるで、小さな子供みたいだ。

 この数時間で、この子に何があったのか。そんな私の事なんてお構い無しに、女の子はうーんと小さく唸っている。

 

 

「困惑反応を検知……。あ、こっちの方が良かったですかね?……いいですか、落ち着いて聞いてください。あなたが寝ている間に────」

 

「あ、いや!ちょっと待って!落ち着いては居るから。そもそも君は誰なの?」

 

 

 ……とりあえず。この子のことを知らなくちゃ。何があったか、どうしてそうなったかは後でもいい。今大事なのは、この子が危害を加えるような子なのかどうか……だ。

 

 

「本機……いえ、アリスは『アリス』です!」

 

「アリス……。アリスちゃんでいいのかな?」

 

「はい!この名前はモモイが付けてくれました!」

 

 

 そう言って満面の笑みを浮かべる女の子──アリスちゃん。その表情はまるで大切なものを貰った子供みたいに無邪気で、悪い感じはあまり感じれなかった。

 敵意も、悪意もない。感じられるのは、混じり気のない純粋な喜びと嬉しさ。終わりのために創られたモノにしては、とてもキレイだと思う。

 ……やっぱり、アリスちゃんは普通の女の子なのかな。それにしては、何だか幼すぎる気もするんだけど。でもまぁ、悪い子じゃないのは確かなのかもしれない。

 

 そう考えていると、急にアリスちゃんが「あっ」と声を漏らし、何かを思い出したように手を叩いた。

 

 

「そういえば!聖騎士様が目覚めたら伝えるようにと、先生から伝言を預かっています!」

 

「先生……アイ先生から?」

 

「はい!『私は一旦シャーレに戻ります。セキはゲーム開発部の子たちと遊んでゆっくり休んでね』……との事です!」

 

 

 ……なるほど、私を気遣ってくれて、そのまま寝かせてくれてたんだ。そのお陰で、少しだけ体調も良くなった。お気遣いありがとうございます、先生。

 でもやっぱり、身体の中の神秘がまたごっそり減った感じがする。この感じなら、もう少し不調が続くかもしれない。でもまぁ今は先生の言う通り、ゲーム開発部のみんなと遊んで紛らわせようかな。

 

 

「聖騎士様!遊ぶのであればアリスと一緒にゲームをしましょう!」

 

「でも私、ゲームはしたことが無いんだけど……」

 

「問題ありません!アリスも今日、初めてゲームに触れました。アリスのプレイを見れば、聖騎士様もできるようになります!」

 

 

 そう言うアリスちゃんに手を引かれ、私もテレビの前に陣取った。テレビの画面にはカクカクした人のようなキャラクターが居て、手には盾と鉄の棒のようなもの──剣って言うみたい──を持っていた。

 アリスちゃん曰く、このゲームの主人公らしい。主人公は攫われたお姫様を助けるために、悪い魔王の居るお城に乗り込んでいくそうだ。

 

 

「アリスの役職は『勇者』!このゲームの勇者は、盾役(タンク)魔術師(メイジ)のハイブリットです!」

 

「……タンク?メイジ?なにそれ……?」

 

「つまり、とても硬くて、強くて、魔法も使える万能系アタッカーです!つまり聖騎士様と一緒です!」

 

「私と……一緒……?」

 

 

 そうして初めて聞く言葉に戸惑っていると、テレビ画面の方に変化があった。

 

 

悪魔の群れが現れた!!

 

「あ、エンカウントです!よかろう!これから勇者の力を見せてしんぜよう!!」

 

 

 やる気満々のアリスちゃん。画面の方では4体の人みたいなキャラクターが登場して、主人公が盾と剣を構える。どうもこれから、この4体と戦うことになるみたい。

 

 

1ターン目。行動を選択してください

 

「まずは攻撃です!えいや!!」

 

 

 アリスちゃんはコントローラーを操作すると、主人公が剣を振りかざして、1番右に居た敵キャラに振り下ろす。

 

 

勇者の攻撃、悪魔Dに1536ダメージ!

悪魔Dを倒した!

 

 

 なるほど……今ので敵を1体倒したみたい。残った敵キャラたちは仲間がやられたというのにケタケタと笑いながら、次々と主人公に攻撃を加えていく。

 

 

悪魔Aの攻撃、勇者に232ダメージ!

悪魔Bの攻撃、勇者に232ダメージ!

悪魔Cの攻撃、クリティカル!勇者に464ダメージ!

 

 

 そう表示される度に、画面下の数値が減っていく。ただ元の量が多いみたいで、アリスちゃんは対して心配してないみたいだった。

 そして敵キャラの攻撃が終わると同時に、画面右の青いゲージが1マス進んだ。

 

 

2ターン目。行動を選択してください

 

「ダメージはかすり傷、HPはまだあります!ならここはエナジーブーストです!」

 

 

 そう言って再びアリスちゃんが操作すると、主人公のの周りを青い光が包んだ。それと同時に青いゲージが一気に4つも進み、「MAX」の文字がチカチカと点滅する。

 そしてそんなのお構いなしに、敵キャラは次々と攻撃してくる。その度に画面下のHP?がたくさん減っていくけど、やっぱりアリスちゃんは気にならないみたい。

 

 

3ターン目。行動を選択してください

 

「ここです!光よ!!」

 

 

 アリスちゃんのその言葉と共に、右側の青いゲージが一気にゼロになる。何をしたのかと思ったのもつかの間、ゲームの画面から凄まじい音が聞こえてきた。

 

 

勇者の攻撃、「メガサンダー」!

悪魔Aに2860ダメージ!悪魔Aは倒れた!

悪魔Bに2860ダメージ!悪魔Bは倒れた!

悪魔Cに2860ダメージ!悪魔Cは倒れた!

 

 

 次々と叩き出される桁違い数字に、バタバタと倒れていく敵キャラ。ゲームが何か分からない私でも、今のが強力な一撃だってことはよくわかった。

 

 

勝利!10116EXPを獲得!

Lvが99に上昇しました!

 

「クリアです!」

 

「……すごい。一瞬でやっつけちゃった」

 

「はい!今のアリスはまさに、伝説の勇者です!」

 

 

 そう言ってアリスちゃんは得意げな笑みを浮かべている。あっという間に着いた決着に少し呆然とする私だったけど、ふと、あることが気になった。

 

 

「でも、何で最初っからその技を使わなかったの?1回でいっぱい倒せるなら、最初に撃てばいいのに」

 

 

 アリスちゃんのプレイを見ていたおかげで、何となくあのゲームの仕組みはわかった。敵も味方もお互い1回しか行動できなくて、その中で攻撃や魔法といった選択をして戦闘を進めていくって流れのはず。

 そして攻撃するとなれば、1回の攻撃で1人の敵しか攻撃出来ない。でもあの魔法は、一気に3体の敵を倒してた。しかも漏れなく全員一撃で……だ。

 そんな技があるなら、最初から使って早く戦闘を終わらせれば良いんじゃないの……?そう思う私の質問の意図を理解してくれたのか、アリスちゃんは立ち上がってえっへん!と胸を張って説明してくれた。

 

 

「残念ながらこのゲーム戦闘序盤はMPが全く足りません!!へなちょこです!!ですがMPはターン経過やさっきのオーバードライブのようなブースト魔法を使うことで増やすことができます!なので基本的に魔法を使うためには数ターン待ってMPを貯める必要があるんです!あでもマンドラゴラの根やファイナルエリクサーを使えばMPを一気にMAXに────」

 

「う、う〜ん?うーん……?」

 

 

 ……ダメだ。アリスちゃんの言ってる意味がさっぱりわかんないや。MP?とかブースト魔法?とか、初めて聞く単語がまるでマシンガンの弾みたいに飛んでくる。

 でも全部が分からない訳じゃない。細かい用語はちんぷんかんぷんだったけど、でも、何となく言いたいことはわかった。

 

 

(つまり力を貯めて、準備して、撃つってことなんだね)

 

 

 この世界(ゲーム)では魔法を打つのにタメが必要で、強力な魔法ほどいっぱいタメが必要になる。だからどうしても時間が必要になって、中々大技を撃てないってことに──────

 

 

「────ん?」

 

 

 なんだろ。何かこんな状況、前にもあったような……。そう思ってどうにか記憶を掘り返していると、その出来事はすぐに思い出せた。

 ちょっと前に、シャーレでワカモちゃんと戦った時だ。あの時私は神秘解放の第三段階を使おうとしたけど、何故か発動しなくてピンチになった。

 あの時期はちょうど少し前にカイザーとの決戦で"主砲"を使ったばっかりだった。その時も今回みたいに気絶したし、それに加えて怪我してたから丸2日くらい寝込んだのを覚えてる。

 

 "主砲"、そして神秘解放。どっちとも、私の神秘を使うもの。その仕組みは、目の前のゲームの仕組みとよく似ていた。

 

 

「…………もしかして、私の神秘も?」

 

 

 神秘をタメて、タメた神秘を使って"主砲"を撃ったり、神秘解放を発動したり。それが私の神秘の仕組みだとしたら……。アリスちゃんの言葉を借りるなら、今の私はMP切れを起こしてるってことなのかも。

 ……もしそうなら、今までの不調も納得できる。"主砲"が安定しないのも、"神秘解放"が発動しないのも、その"魔法"を撃てるだけの神秘がタメれてないからだったのかもしれない。

 

 なるほど……これは大発見なんじゃないかな!?

 

 

『“ ……だったら、きっと面白い体験になると思うよ”』

 

『そうだな。個人的持論だが、ゲームは考える力を養えるから、1回くらいは触れて欲しいくらいだ』

 

 

 はい、先生。先生たちが言ってた通りでした。本当に、こんなことに気づけるだなんて思わなかった。

 

 きっとゲームに触れてなければ、私は仕組み(コレ)に気づかずにいたかもしれない。もしかしたらゲームっていうのは、この世界の仕組みを知る教科書みたいなものなのかも。

 

 

「ねぇ、アリスちゃん」

 

「……?どうしましたか?」

 

 

 だから、私は知りたい。

 

 もっと、もっともっと。

 

 ゲームのことを、世界のことを。

 

 色んなことを知って、もっと沢山の人を守れるように。そのために私は、シャーレに入ったんだから。

 

 

「私にもっと、世界(ゲーム)を教えてもらえるかな?」

 

 

 隣でぽかんと口を開けるアリスちゃんに、私は静かに問いかける。『王女』だとかあの"声"の言ってたこととか、この子に対するそういった悪い感情は、もう私の中からは消えていた。

 

 

「はい!!もちろんです!!聖騎士様!」

 

 

 だってゲームについて語るアリスちゃんは、とっても素敵な笑顔だったから。世界を壊す存在だって言うなら、こんなにも無邪気に、嬉しそうにしてるのはおかしな話だもん。

 

 

「あー、そういえば名前を教えてなかったね。私はセキ、門守セキだよ」

 

「パンパカパーン!聖騎士、セキがパーティーに加わりました!!」

 

 

 そう言って嬉しそうに笑うアリスちゃんに、私の口元も自然と緩んじゃうのだった。

 

 

 

 

 









 ▽門守セキ
 人生規模のゲーム初心者。
 この後朝までアリスとゲームをしていた。

 ▽天童アリス
 ゲームによる脳破壊(きょういく)進行度80%。
 この後セキにT・S・G(テイルズサガクロニクル)をプレイさせた。





あとがき
前半部を作り置きにしてたおかげで、想定より早く描き上がりましたわ。次の話も作り置きがあるので、もしかしたら早く上がるかも……?

まぁ、気長に待っていただけると。
少なくとも、近日Deltaruneが控えているので……!!





 次回 第6話 「新たなる箱と、新たなる剣」

「アリスもセキみたいになれますか?」




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