Blue Archive 〜藍の外典〜 作:roimi_mark2
ユウカ「こんにちは。貴方がアリスちゃんね?」
ユウカ「こんな可愛い子を私が知らなかったなんて……。正直、信じられないわね」
アリス「…よ、妖怪が現れました!!!!」
ユウカ「よっ!?妖怪ですって!!?」
セキ「…………フフッ」
ユウカ「セキさん?」
はい「セキ」
アリスちゃんが光の剣を引き抜いてから一夜明けた今日。時刻はのどかな昼下がり。青空から程よく差してくる陽の光はポカポカで、気を抜けばすっと眠ってしまいそうだ。
そんなお昼寝日和の中、私はセキちゃんやゲーム開発部の子たちと一緒にまた廃墟を訪れていた。その目的はもちろん、誰でも神ゲーを作れると噂の『G-Bible』を手に入れるため。
前回は途中でアリスちゃんを見つけたから予定を変更したけど、今回は逸れることはないはず。それにアリスちゃんが仲間になったおかげで、ゲーム開発部の部員問題はちゃんと解決したしね。
『アリスちゃんを新たなゲーム開発部のメンバーとして認めるわ。正直言って少し怪しいけど。それでもゲームが大好きだってことは伝わってきたから』
つい数時間前、アリスちゃんの査定に来たユウカちゃんのことを思い出す。色々とツッコミどころはあったけど、ユウカちゃんはちゃんとアリスちゃんの瞳の奥を……そこで燃える
『ただし!あくまで条件を満たせただけよ!ちゃんとミレニアムプライスで成果を出さないと、部室は返してもらうわ!』
そう言って部屋を出ていくユウカちゃん。その姿を見送った部室では、アリスちゃんの加入を喜ぶ歓声が響き渡る。でもそれも束の間のことで、私たちは次の目標に進むことになった。
『G-Bible』の確保。もう1つの目標である『
“モモイちゃん、ミドリちゃん。準備は良い?”
『はい!もう配置に着きました!』
『こっちもオッケーだよ〜』
“わかった!2人はそのまま待機!セキちゃん!そのままこっちに誘導してきて!”
『了解です!』
みんなにぱっぱと指示を飛ばしながら、私は前方の広場を睨む。するとちょうど誘導を終えたセキちゃんが現れて、一瞬視線を合わせてから別の方向へと飛び去っていく。
そして消えたセキちゃんを追うように、ガチャガチャと足音が聞こえてきた。それをしっかり聞いてから、私は傍の赤毛の子に声をかける。
“ユズちゃん、マーカーポイントに向けて発射!弾道は山なり、5秒後に着弾させて!”
「は、はい!レトロよ、永遠であれ!!」
その言葉と共に愛銃『にゃん's ダッシュ』をぶっぱなしたのは、ゲーム開発部部長の1年生、
ちょうどその時、マーカーポイントに目標が接近してきた。現れたのは前回来た時も戦った黒のオートマタ。彼らは消えたセキちゃんを探しているのか、キョロキョロと周囲を見渡している。そんな彼らのど真ん中に、さっきユズちゃんがぶっぱなした榴弾が落ちてくる。
ドゴォォォォォォォン!!!
着弾と同時に炸裂する榴弾。その爆風で吹っ飛ばされたオートマタたちは、勢いそのまま周囲の瓦礫に叩きつけられて動かなくなる。
3体とも綺麗にノックアウト。ここまで何回か同じ作戦で進んできたこともあって、ユズちゃんの精度はまさに完璧の一言だ。おかげで周りに伏せていたモモイちゃんたちの出番はなかった。
“はいお終い!ユズちゃんのおかげで、今日はトントン拍子で進んでるよ”
「あ、ありがとう…ござい…ます。えへへ……」
そう言って頭を撫でると、ユズちゃんはへにゃっとした表情ではにかんだ。その表情を見て、私の内にはさっき聞いたユズちゃんの過去が蘇る。
昔、ユズちゃんが初めてゲームを作った時のこと。そのゲームはかなりの低評価を受けたみたいで、しかもそれが学校中に知れ渡ったらしい。それが原因でユズちゃんは人目を避け、ロッカーに引きこもるようになってしまったんだとか。
『でも、悪いことばかりじゃないんです。あのゲームのお陰で、モモイやミドリと会えましたから』
そう言って笑うユズちゃんの顔は、私には少し眩しく見える。そして今も、合流してきたモモイちゃんたちに向けて、満面の笑顔を浮かべていた。
それからも私たちは『廃墟』を進み、目的の『G-Bible』を探し続けた。でも元が超広い廃墟で、しかも詳しい場所がわからないんだから、いくら探しても見つかる気配すらなかった。
でも、ただ悪いことばかりじゃない。この前よりも長く『廃墟』に留まったおかげで、前回と比べてすこし違和感があることに気がついた。
「……なんか静かですねぇ。廃墟中にはオートマタも居ないし、この前とはえらい違いだ」
「お姉ちゃん、不吉な詠唱を始めないで」
「アリス知ってます!いわゆるフラグですね!この後モモイは突然現れたヒットマンに撃たれます!」
「その……モモイ、なるべく私たちの先を歩いてね……」
「ちょっ!ユズ!?というかアリスも!なんで私が撃たれる前提なのさ!」
わいわい、ガヤガヤと談笑する4人。それを微笑ましく眺める私とセキちゃん。一見すれば本当にのどかな光景なんだけど、私の思考の片隅にはある違和感が漂っていた。
「……にしても、アリスちゃんやユズちゃんが居てくれるのもあるけど。……何だかこの前より、ロボットの数が少ないような?」
そうボヤくセキちゃんに同意して、私もコクコクと頷いた。前来た時は騒げばすぐにオートマタたちが飛んできていたのに、今日に限ってはいくら待っても敵は現れなかった。
それだけじゃない。以前と比べて接敵する回数も少なく、1グループあたりのオートマタも2~3体程度。前と同じやつを相手しているにしては、まるで別物のような感じだった。
私たちがここに来るのは2度目だけど、それでも今日の『廃墟』の様子がおかしいとわかる。それになんでこんなに数が少ないのか、心当たりが無いわけではなかつた。
「あれじゃない?前来た時にセキがいっぱい倒したから」
“ あ〜確かに。あの時は行きだけでも結構な数を倒してたもんね”
その通り。前回はセキちゃん渾身の砲撃によって大量のオートマタが殲滅された。あの時殲滅された量からして、おそらく2~3日では以前の数まで戻せないじゃないかな。
まぁ敵が少ないこと自体、私たちにとって悪い話じゃない。ただ流石に事が上手く進みすぎて、無意識に警戒してしまうのだった。
「……アリスちゃん?どうしたの?」
その時、周囲を警戒していたセキちゃんから心配そうな声が聞こえてくる。彼女が見つめる先──交差点の中央では、アリスちゃんが1人でポツンと立っていた。
“ アリスちゃん、どうした──”
そう声をかけたものの、その声は途中で途切れてしまった。セキちゃんが声をかけた理由。一人立ち尽くすアリスちゃんは、どこでもない"どこか"を見つめていた。
一体どこを──何を見つめているのか。まるで突然名前を呼ばれたような、心ここに在らずといった様子だ。
あるいは何かの"声"を聞いてるような……。
今のアリスちゃんが纏う雰囲気に、私の中で暗雲が立ち込めていく。
──────さぁ、こちらへ。
どこからか、そんな声が聞こえた気がした。
そしてしばらくその場に立ち尽くしていたアリスちゃんだったけど、突然何かを確信したような表情を浮かべると、肩に下げた光の剣のスリングを握りしめた。
「…………はい!」
そしてその言葉と共に、彼女はどこかへと駆け出した。
「ちょ!?アリスちゃん!?」
「アリス!急にどこ行くの!!?」
モモイちゃんやミドリちゃんが呼びかけても、アリスちゃんは何も応えない。ただどこかを目指して、彼女は足を早めている。
アリスちゃんの身に何が起きたのか。何故かは分からないけど、さっきの様子からして、決して良い理由ではないことがすぐに分かった。
“ わ、分からないけど、とりあえず追いかけよう!”
急に走り出したアリスちゃんの背中を急いで追いかける。さっきの様子といい、私の中で暗雲が立ち込めてる。だから早く追いついて、ちゃんと確認したいんだけど……。
「あぁもう!瓦礫多すぎー!!」
モモイちゃんの言う通り、奥に進めば進むほど瓦礫が増えてきて追いかけにくい。しかも大中小色んな瓦礫があるせいで、躓きかけたり通せんぼされたり、なかなか思うように進めなかった。
「やっ!!」
だけど1人だけ──シャーレの騎士様だけは例外だ。セキちゃんは翼をはためかせて宙に浮くと、そのまま大きな瓦礫を足場にして踊るようにアリスちゃんとの距離を詰めていく。その姿はさながら、昔歴史の教科書に出ていた八艘飛びみたいだ。
“ セキちゃん!私たちのことはいいからそのまアリスちゃんを!!”
「わかりました!!!」
そう言って追うスピードを上げていくセキちゃん。きっとあのスピードなら必ず追いつける。アリスちゃんの追跡は一旦セキちゃんに任せて、私は『シッテムの箱』を起動する。
そもそも私たちは、アリスちゃんがどこに行きたいのかを知らない。でもここまで進んできたなら、最初の視線とこれまでの動き、それらをマップに照らし合わせて大体の目星がつけれるはず。
“ アロナちゃん!少し仕事を頼める!?”
小さくなっていく2人の背中をみつめながら、私はもう1人の相棒に呼びかける。だけどアロナちゃんから返ってきたのは、悲鳴のような警告だった。
《先生!未確認のオートマタが複数接近中です!》
その言葉に顔を上げると同時に、目の前に白いオートマタが躍り出てきた。
ひょいひょいと瓦礫を足場に、私は前を走る小さな背中を追いかける。突然走り出したアリスちゃんを追いかけ始めてしばらく経つけど、私たちの距離は思っていたほど縮まってる感じはしなかった。
(こっちは最短距離で詰めてるはずなのに………)
瓦礫を無視して最短距離を進む私。そんな私とほぼ同じ速度で、ジグザグに瓦礫を避けていくアリスちゃん。しかもただ避けてるんじゃなくて、最低限・最小限の動きでどこかへと突き進んでいた。
その無駄のない動きを私は知っている。あれはアビドスでセツナ先生が指揮してたシロコちゃんたちと同じ。アリスちゃんじゃない、他の
(………一体、誰が……?)
そう考えていた矢先、突然アリスちゃんの背中を遮るように白い影が飛び出してきた。
「────────!!!」
「………ッ!!!」
ダダダダダダダダダッ!!!!
私が反射で体を捻ると同時に、白い影から放たれた弾丸が頬を掠める。その弾丸には明確な敵意が籠っていて、気を取られた私は受け身も取れずに地面に転がった。
「い……ってててて………。こんな時に誰!?」
砂まみれの体を起こしながら、私は撃ってきた相手を睨む。そこに居たのは廃墟に居たものとは違う、真っ白いボディに身を包んだ2体のオートマタだった。
そいつらは私に近づきながらアイコンタクトを取ると、そのまま銃口をこちらに向けてくる。どうも話し合いって雰囲気じゃないみたい。まぁ私にも話し合う余裕なんてないけどね。
「………邪魔!!」
それだけ言ってから、私は太腿のハンドガンを抜いて即座に撃つ。私の早撃ちに対応できなかった2体はそのまま眉間を撃ち抜かれて、ガシャンと音を立ててから崩れ落ちた。
それを最後まで見届けず、すぐさまアリスちゃんの後を追う。オートマタに気を取られたせいで、アリスちゃんとの距離はさらに広がった。まだギリギリ見える距離なのは、不幸中の幸いってやつかな。
「待って!アリスちゃん!!」
遠ざかる背中に呼びかけても、アリスちゃんは何も返事をしてくれない。その代わりに周りの物陰から次々と白いオートマタやドローンが姿を表して、こっちのことを執拗に狙ってくる。
本当に何なの、こいつら。明らかに廃墟のオートマタとは違う。さっきから明確な"目的"があるみたいな、そんな動きをしてる。しかも妙に連携が取れてるみたい。
「あぁもう!!君たちに構ってる余裕は無いんだって!!」
鬱陶しい。こうなったらもう、片っ端からぶっ飛ばした方が早いかな。仕方ない。この前使ったばっかだから、あんまり使いたくないけど────
「神秘解放、第1段階!」
⟬──────────────!!!!!⟭
私の声に呼応するように、どこからか鯨の唄声が聞こえてくる。それを聴きながら私は神秘を前方に放ち、こっちを狙ってる敵の位置と、ついでにアリスちゃんとの距離を確認する。
いつもならもっと乱発できる衝撃波だけど、一昨日の砲撃のせいで今は余裕が無い。だからこの1発でわかった敵の位置を全部頭に叩き込んでから、私はしっかりと地を蹴った。
「そこ、そこと、そこも!!」
ダダンッ!! ダダンッ!!
ダダダダダダダダダッ!!
追いかける足を速めながら、前方の敵に制圧射撃。オートマタたちは瓦礫が邪魔して撃てないみたいだけど、私はそんなの無視して上空から容赦なく弾丸を叩き込む。
バタバタと倒れていくオートマタたち。そんな彼らの脇を颯爽と抜ける。後ろから無視した奴らが追いかけてくる音が聞こえてくるけど、今は意識を前にだけ向ける。
「………!アリスちゃん!!」
もう一度呼びかけても、やっぱりアリスちゃんは何も答えてくれない。その代わりに急に立ち止まると、すぐ側の廃墟へと吸い込まれるように消えていった。もしかしたら、あそこがアリスちゃんの目的地なのかも。
「待って!アリスちゃ────っ!!」
あと少し。そう思ったのもつかの間、私の目の前に黒い影が落ちる。反射で後ろに飛び退くと、さっきまで私がいた場所に白い腕が叩きつけられた。
金属のぶつかる重い音に、ギャリギャリと嫌な音が響く。何事かと見上げてみると、そこにはどこか見覚えのある姿が鎮座していた。
「──────」
「……ん?君、どっかで見たことあるね」
私を叩き潰そうとしてたのは、アビドスで見た事のあるおっきなロボットだった。あの時とは違って色は真っ白だけど、腕のガトリング砲とか背中のキャノン砲とか、見覚えのある装備が冷たく煌めいている。
そういえばコイツ、ブラックマーケットとかPMC基地とかでもいっぱい居たっけ。もしかしたらキヴォトスじゃ結構人気なロボットなのかな?
「ならいくら壊してもいっか」
兎にも角にも、こいつをぶっ倒さないと先へ進めない。それにあのロボットも
ズガガガガガガガガッ!!!!
ロボットから放たれた弾がすごい勢いで私へと飛んで来る。でも人が乗ってないせいか狙いは単調だね。瓦礫や廃ビルを伝っていって、私は難なくロボットの懐に潜り込んだ。
狙うはアビドス市街地の戦いの時と同じ、脚同士を繋ぐ股関節部。スライディングで滑り込みながら、私は擲弾発射器の狙いを目標に定める。そして躊躇いなく引き金を引けば、擲弾発射器からシュポンと間の抜けた音が鳴った。
ドゴオォォォォォォン!!!
私が股下をくぐり抜けると同時に、背後から轟音が轟いた。チリチリとした熱風を背中に感じつつ振り返れば、そこには体勢を崩して膝をつくロボットの姿が。
よし、上手くいったみたい。でもまだ動けはするみたいで、火花の散る躯体を無理やり動かしてこちらを狙っている。まぁここまで来たら、あとはトドメを刺すだけだね。
「それじゃ、じっとしててね!!」
そう声をかけてみたものの、ロボットは両腕のガトリングをぶっぱなして来た。正面から飛んでくる弾丸をジグザグに避けて接近。そのまま腕に取り付いてから、前にカイザー理事が乗ってた辺りまで駆け上がる。
辿り着いてみると、案の定そこには誰も居なかった。まぁそんなことだろうとは思ったけどね。人が乗ってるにしては、つまんない動きだったし。そのお陰で、こっちは遠慮なくぶっ飛ばせる。
「それじゃ、ぶっ飛べ!!」
ガラ空きになったキャノンの基部に向けて、ピンを抜いたグレネードを叩きつける。ついでのダメ押しで擲弾発射器もぶっぱなしてやれば、ロボットの躯体を凄い勢いの爆炎が飲み込んだ。
「よっと」
爆風を利用しながら、私はロボットと距離をとる。あのグレネードは前までの
「──────…………」
うん、予報通り。爆炎が晴れたそこには、黒焦げのスクラップになったロボットが佇んでいた。さっきみたいに動く気配もないし、確認のために近づいても腕1つ動かない。
状況終了。みたところコイツ以外にオートマタは居ないっぽいし、これで全部片付いたかな。気になるのは、私が置いてきたオートマタやドローンだけど……。
「……まっ、先生たちなら何とかなるよね」
後のことは私を追いかけてるはずの先生たちに任せて、私は廃墟に入っていったアリスちゃんを追いかけた。
廃墟の中には、地下に続く通路があった。そこから漏れ出てくる空気は澱んでいて、なんだか少し気持ち悪い感じがする……。それを我慢して降りてみると、通路の先はいくつも枝分かれしてるみたいだった。
これじゃ、アリスちゃんがどこに行った分からないや。先生みたいに常に居場所がわかる手段があれば良いんだけど。今の私には、これくらいしかできない。
「……あと1回だけなら……ふっ!!」
意識を集中させて神秘を集めてから、それをスキャンするみたいに放つ。すると何回か曲がっていった先の空間で、アリスちゃんの気配を感じ取った。同時にこの通路の構造と道のりを把握してから、私はアリスちゃんの元へと向かう。
にしてもこの衝撃波、意識して使ってみると結構便利だ。第2段階の『
「……あ、アリスちゃん!」
気配のした場所に向かってみると、アリスちゃんは変わらずそこに居た。ただ、彼女の目の前ではおっきなモニターが光っていて、耳障りなノイズを放ちながら光っている。
「………あなたは、誰なんですか?」
ぽつりと、アリスちゃんはそう呟く。するとその声に反応するようにチカチカと画面が明滅した後、ブツンとスピーカーの電源が入ったような音が聞こえてきた。
『────繧医¥縺樊綾繧峨l縺セ縺励◆』
そして聞こえてきたのは、人の言葉じゃない歪な音。嫌な予感に私が警戒する中、やがてその音は徐々に"人間らしさ"を取り戻していく。
『繧キ繧ケ繝?Β繝ェ繝悶?繝?險?ェ樣㍽縺ョ菫ョ蠕ゥ繧呈怙蜆ェ蜈医↓』
『シス繝?Β蜀崎オキ動。プログラムの邊セ譟サが完了。全て蝠城。?なし。言語野能力の再取得を確認。対話機能、完全復旧』
その音からノイズは消え、音はいつの間にか意味のある言葉になっていた。音──いや、声は自身の宣言通り、対話する準備が整ったみたいだった。
……にしても、何かが引っかかる。ここに来るのは初めての筈なのに、まるで初めてじゃない感覚がする。まるで前にどこかで、似たような状況にあったような……。
“ ……居た!セキちゃん!!”
「アリス!!」
「やっと追いついた!!」
その時、廊下の方から先生たちの声が聞こえてきた。多分先生のタブレットを使って、私たちの位置を特定したのかな。少なくとも、いざと言う時はこれで戦える。
そんな中、まるでみんなの到着を待っていたようなタイミングで。沈黙していたスピーカーから、先程より流暢な声が聞こえてきた。
『あなたは、AL-1Sですか?』
その声は、どこか聞き覚えのある声だった。
▽門守セキ
足場の多い場所は彼女の得意な地形。
自分の
▽天童アリス
見習い勇者の初冒険。
ユウカのチェックはギリギリ合格だった。
▽天守アイ
声の主の正体に心当たりがある。
この後、この出来事をセツナと共有した。
▽ゲーム開発部
この後の展開は
モモイのセーブデータは消される運命なのだ。
あとがき
お久しぶりです
2ヶ月近い空白期間の間に色々ありましたね。ハフバの水着パンデモニウム。メインストーリーゲヘナ編・オデュッセイア編。それに伴うダイビング部イベント。私も彼ヶ津村でほの暮ししながら楽しませて頂きました。
P.S サミー、俺ぁ涙出そうだよ(ああいうストーリーに弱い)
次回 第8話「イレギュラーと厄ネタ」
『バタフライエフェクトをご存知ですか?』