Blue Archive 〜藍の外典〜 作:roimi_mark2
本編アビドス編のネタバレ注意
復帰がてら友人の小説に触発されたので、少しオリキャラ紹介でも。
今回の先生はアイでもセツナでも、あるいは新しい先生でも。アナタのお好きなイメージでお楽しみください
あとメモロビは4話あたりをイメージしてます
第1話「ようこそ、シャーレ江」
「ふ〜ん♪ ふんふふ〜ん♪」
廊下の向こうから、ゴキゲンな鼻歌が聞こえてくる。時刻は朝の9時手前。間もなくシャーレの業務開始時間だ。
「おはようございます!先生──」
パパパンッ!!!
ようこそ!! シャーレへ!!
「ひえっ!?」
扉が開くと同時に、クラッカーを炸裂させる。宙に舞った紙吹雪の雨が、扉を開けたポーズのまま固まっているセキの頭に降り注いた。
「せ、先生ぇ……。もう〜!びっくりしたじゃないですか〜!!」
自分にまとわりつく紙吹雪を取りながら、セキは可愛らしく文句を言う。
ごめんね。そういえばセキの歓迎会をしてなかったなって思って。
「……まぁ、確かにそうですけど……。でも別にわざわざしなくても……?これからシャーレの業務なんですよね?」
そう言いながら、セキの視線が壁掛け時計に向けられる。確かに、もう数分もすればシャーレの仕事が始まる。もっと言えば、そろそろ今日の当番の子が来る頃合だ。
そう!だから今日の業務が終わったら、改めてやろう!!
私がそう言うと、セキはわかりやすいくらい目を輝かせた。
「わ〜い!なら今日はぱぱっと仕事を終わらせないとですね!!」
よし、それじゃ今日も頑張ろう!!
「おーーー!!!!」
そうして今日もシャーレの業務が始まった。
仕事が終わってから、みんなで盛大にお祝いした。
歓迎会の間、セキはすっごく楽しそうだった。
第2話「元守り人のルーティン」
……うーん。終わらないな。
その日は、普段と比べて書類仕事が多い日だった。当番の生徒に手伝ってもらったりとやれる手は尽くしたものの、時刻は間もなく日付を回りそうになっていた。
これは一旦、休憩するべきかな。
椅子から立ち上がり、インスタントコーヒーの入った戸棚へと足を運ぶ。ゴソゴソとコーヒーを入れる準備をしていると──
「何してるんですか?」
うわあああああ!?
突然背後から声をかけられた。さっと振り返ってみると、そこにはもう寝ているはずのセキの姿があった。
びっくりした……!?まだ起きてたの!?
「ごめんなさい、先生。寝なきゃダメなのはわかってるんですけど、どうしても習慣が抜けなくて…………」
そう言ってセキは申し訳なさそうに頬をかく。その姿をよく見ると、ところどころ服が汚れているのが分かった。
……もしかして。夜のパトロールしてた?
「…………………………………………」
沈黙は肯定として受け取るよ。
「ごめんなさいしてました」
はい、正直でよろしい。
セキの過去……カタカタヘルメット団時代のことは知っている。セキはよく夜の見張りをしていて、この時間
も起きてることが多かったそうだ。
ヘルメット団の守り人。それがセキの役割。でももう、セキはヘルメット団じゃない。夜の見張りの仕事も無いし、子供がこんな時間まで起きてる必要はないだから。
「それはそうなんですけど……。やっぱりどうしても寝付けなくて……」
そう言ってスっと視線を逸らすセキ。ただちょうどその視線が向かう先には──机の上に積まれた資料の山があった。
「あ」
……何か嫌な予感がする。それを裏付けるように、こちらに視線を戻すセキの顔には、いたずらっ子のような笑みが浮かんでいた。
「……先生? あのお仕事、まだ終わってないですよね?」
………………………………………………。
「沈黙は肯定として受け取りますよ?」
はい、まだ終わってません。
「はい。正直で偉いですね」
してやったりと言った様子でセキは笑っていた。
「じゃあこうしましょう!私が眠くなるまで、先生のお仕事を手伝います!」
………………良いの?
「はい!私は眠くなるまでの時間を潰せますし、先生は仕事が早く片付く。お互いwin-winでお得ですね♪」
確かに、こんな時間とは言え猫の手も借りたいのは事実……。それに書類仕事は割と眠気を誘ってくる。もしかしたらセキも途中で眠くなってくるかもしれない。
……じゃあ、ちょっとだけ手伝ってもらおうかな。
「はーい!」
それから私たちは、雑談しながら仕事を片付けた。そのおかげで、仕事は思ったより早く終わった。
「……むにゃ……むにゃ…………」
机の上を片付けていると、視界の端から可愛らしい寝息が聞こえてくる。
……手伝ってくれてありがとう。
予想通り途中で寝てしまったセキにお礼を言ってから、起こさないように仮眠室へと運んだ。
第3話「騎士様の幸せ」
今日はセキと一緒にシラトリ区のパトロールに来ていた。定期的にセキがパトロールをしてくれているおかげで、今のシラトリ区はとても平和だった。
ただ……。
「おう!セキちゃん!今日は先生とパトロールかい?精が出るね〜。良かったらこいつを貰ってってくれよ!」
「ひえっ?こんな可愛い押し花、貰えませんよ……!」
「なぁに、この前手伝ってくれたお礼だよ!」
通りすがりの花屋の人から押し花を貰ったり……。
「あら、今日の騎士様は先生も同伴なのねぇ?良かったらこのクッキー、試食していかない?今度の新商品なの!」
「いいんですか?」
「もちろんよ!騎士様にはいっつも元気を貰ってるからねぇ。先生もお1つどうぞ? 是非感想を聞かせてくださいな」
パン屋の女将から味見を任されたり……。
「うっす!!お疲れ様です!!姉御!!」
「姉御って、私は君たちのお姉ちゃんじゃないんだけど……」
「……確かに。じゃあなんて呼ぶ?」
「騎士様?天使?シャーレの懐刀?」
「普通にセキでいいんだけどなぁ……」
不良たちから変に慕われていたりと……。
その後、セキはすれ違う人たちから声をかけられ、時々お礼の品を貰いながらパトロールを続けていた。
数時間後……。
パトロールが終わる頃。貰ったお礼の品を抱えながら、私たちはシャーレへの帰り道を歩いていた。
今日一日だけで、セキがどれだけシラトリ区の人達に親しまれているかがよくわかった。老若男女、男女問わず。市民や不良も関係なく、みんなセキのことを慕っているようだった。
セキはみんなに愛されてるね。
「えへへ……そうだったら嬉しいですね」
そう言って照れくさそうに笑うセキ。
「見返りが欲しくはないんですけど。でもこうして、お礼の品を貰えるのは嬉しいです!」
そう言うセキの表情は、どこか満ち足りたように見えた。
第4話「傷跡の価値は」
『──────ということなんで、先生も注意をお願いします』
うん、わかったよ。連絡ありがとう。
そう言って私はヴァルキューレの子からの通話を切った。
どうやらココ最近、シラトリ区内の不良生徒の動きがきな臭いみたいだ。もしかしたら大規模な戦闘が起きるかもしれないから注意して欲しいと、わざわざ連絡を入れてくれた。
(一応、セキにも連絡しておこう)
そう思って彼女のスマホに電話をかける。しかしいつまで経っても、セキが電話に出ることはなかった。
確かこの時間はパトロールに出ていたはずだ。もしかしたら誰かの手伝いをしていて、今は電話に出れないのかもしれない。
……大丈夫かな。
一抹の不安を抱えながらも、私は目の前の書類に取り掛かった。
数時間後……。
「ただいま戻りました……!!」
執務室に茜色が指す頃になって、セキはようやく帰ってきた。随分と遅くなったなと思いながら振り返った私は、彼女の姿を見て目を見開いた。
セキ!その怪我どうしたの!?
あちこちが煤けたシャーレの制服に、傷だらけの脚。右手は青く腫れていて、上の方から赤い筋が流れている。
間違いなく何かあった。そう察すると同時に、セキが申し訳なさそうに口を開く。
「すみません先生。ちょっとスケバンの子とヘルメット団の子が喧嘩をしてたので、その仲裁に…………」
話を聞くに、どうやら不良生徒同士の抗争を1人で鎮圧していたらしい。ただ人数が多かったみたいで、セキも無傷とはいかなかったようだ。
……とりあえず。一旦手当しよう。救急セットを持ってくるから、そこのソファーに座ってて。
「……はい。お願いします」
そう言うと、セキは大人しくソファーに座った。
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ソファーに座る彼女の隣に腰掛け、救急セットの中から消毒液とガーゼを取り出す。腫れていてるセキの右手を慎重にとりながら、まずは二の腕の傷を確認する。
どうやらもう、血は止まってるみたいだ。それを確認してから消毒液をガーゼに染み込ませ、それを優しく傷口に当てる。
「…………っ」
ガーゼが触れた瞬間、小さく悲鳴が漏れた。
「大丈夫です。ちょっと染みただけですから」
私の心配そうな視線に、セキはそう答える。その姿を見て、私はふとあることを尋ねてみた。
「毎回こんなに怪我して痛くないのか……ですか?それはもちろん、痛いですよ」
彼女の返答に、私は意外だな……と、率直な感想を告げる。
「ひえ……先生は私をなんだと思ってるんですか? 私だって痛いものは痛いんですよ?」
心外だと言わんばかりのセキ。その間にも処置は進み、傷口の消毒を終えてたガーゼを置いて、救急セットから大きめの絆創膏を取り出す。
「はい……痛いんです。銃弾が当たると痛いですし、血が出ると痛いですし、骨が折れたって痛いんです」
ぽつぽつと、自分の想いを吐露していくセキ。その姿はいつも誰かの前に立ち、率先して攻撃を受ける"シャーレの騎士様"とは違うものだった。
「でも嫌じゃないです。私が痛い間は、きっと他の子は痛い思いをしなくてすみますから」
そう言うセキの視線は、自身の二の腕を見つめている。そこには処置が終わり、絆創膏の貼られた傷跡があった。
「この傷もそうです。とっても小さな、すぐ治っちゃう傷ですけど。私にとっては、誰かを守れたっていう小さな勲章なんです」
そっと、優しく、絆創膏に触れるセキ。
「誰かを傷つけるはずだった痛みを、誰かが苦しむはずだった痛みを。私が引き受けられたらって。……それができたなら、この傷にも、痛みにも、価値があったと思います」
優しく絆創膏を撫でる彼女の目には、騎士のような、あるいは天使のような慈愛の情が籠っていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ありがとうございます。こうやって手当されたの、すごく久しぶりな気がします」
全ての手当を終えた後、セキはそう言ってソファーをたった。腕の傷も脚の傷も、全て消毒して絆創膏を貼っている。でもセキのことだから、明日にはもう治ってるかもしれない。
……セキは他の子に比べて傷の治りが早い。そのせいか、彼女は傷を追うことを躊躇わない。さっきの話を踏まえたとしても、私は少しセキが心配だった。
「先生は、私が"前"みたいになるのが心配なんですよね?」
私の思考を読んだみたいに、セキがそう尋ねてくる。
「大丈夫ですよ。もう、全部投げ出したりはしません。守りたいものが、たくさん増えましたから」
「もちろん、先生のことも!」
そう言ってセキはいつものようにカラッと笑うのだった。
愛用品エピソード「キセキの軌跡」
その日は用事があったので、私はセキと一緒にアビドスを訪れていた。
「先生!少し良いですか?」
すると私が用事を終えたのを見計らって、セキが尋ねてくる。
「少し行きたい場所があるんです。ちょっと寄っても良いですか?」
うん、良いよ。用事ももう終わったし、時間もあるからね。
「ありがとうございます!ほんとにすぐそこなんで!」
そう言ってセキはどこかへと歩き始めた。心做しかどこか大人びた様子のセキの背中を、私は黙って追いかける。
「はい!ここです!」
セキが行きたかった場所。そこはアビドス市街から少し離れた場所。ちょうどアビドス砂漠との境目に、彼女は立っていた。
目の前に広がる一面の砂。地平線の彼方まで続くその景色を見つめながら、セキはポケットからあるものを取り出す。
それは……何かの袋?
彼女の手に乗っているもの。それは麻で出来た小さな袋みたいなものだった。まるで植物の種袋のようなそれを、セキはじっと見つめている。
「……これは私がヘルメット団を去る時に、リーダー先輩が預けてくれたものなんです」
セキにしては珍しい、どこか感傷的な声。それが少し気になった。
これを植えたかったの?
そう問いかけると、セキはフルフルと首を振った。
「私はまだ、植え方を知りません。育てるのに何が必要なのかも、この過酷な砂漠で育てる方法も」
その言葉を最後に、セキは口を噤む。私たちの間に流れる沈黙を、どのからか吹いてきた風が吹き消した。
「でもいつかは、この砂漠が緑でいっぱいになればいいなって。そう思うんです」
そう言うセキの声色は決意に満ちていて、以前までの明るさが戻っていた。今のセキの原点、新しい夢。シャーレで活動している原動力のようなものを垣間見た気がした。
……じゃあ、もっとシャーレの活動を頑張らないとね。
「はい!そのためにもよろしくお願いします!先生!!」
セキも、そして私も。互いに決意を新たにしながら、私たちはシャーレへと帰っていった。
生徒情報
門守セキ(かどもり せき)
レアリティ:☆☆☆
所属:カタカタヘルメット団→シャーレ
年齢:2年生・17歳
身長:163cm
趣味:運動・奉仕活動
記憶喪失の元カタカタヘルメット団員で、仲間思いの心優しい少女。アビドスでの一件の後、所属をシャーレに移して活動している。常に先生のそばにおり、凛とした佇まいから『シャーレの騎士様』と呼ばれている。
性格は温厚で天然気味。あるいは世間知らずなだけかもしれない。基本的に争いごとを好まず、言葉を素直に受け取りがち。またヘルメット団での立場もあってか、姉のような包容力もある。
しかし相手に少しでも害意を感じると、途端に態度が露悪的になる。特に戦闘中は、極めて暴力的な言動が目立つようになる。また時折皮肉を言うなど、善意だけを持ち合わせているわけではない。
ヘルメット団に拾われるまでの記憶はない。そのため出身地・誕生日・血縁関係等、不明な点が多い。ただ彼女は自分の過去に興味は無いようで、今の記憶を大切にしているようだ。
しかしふとした時に、誰かに会いたいという衝動に駆られるようだ。それが喪われた記憶に起因するものなのかは、現在まで不明である。
ゲーム内性能
ピックアップタイトル[b:「大翼が守るは絆の軌跡」《/b》
役割:ストライカー
クラス:タンク
ポジション:フロント
武器種:HG
攻撃タイプ:爆発
防御タイプ:特殊装甲
戦地適正
屋内戦:B
屋外戦:S→SS(固有3解放時)
市街地戦:S
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EXスキル
選択式スキルで以下の2つから選択する。
EX①:Buße Zur Befreiung(コスト4)
自身を選択することで発動。自身の最大体力の20%分の自傷ダメージ。(このスキルのダメージでHPが0になる場合、この生徒は撤退します)
「神秘解放」を1つ獲得。「神秘解放」を3つ所持している場合、このスキルを「Ein Wunder zeigen」に変更。
EX②:Ein Wunder zeigen(コスト4)
指定した位置に移動後、自身に防御力の580%分の値を持つ戦術シールドを展開。
戦術シールドが維持されている間、自身に集中砲火状態を付与。さらに自身を遮蔽物として扱う。その後、自身を起点として背後の扇形範囲内の味方に遮蔽状態を付与。自身が受けるダメージを80%カットする。(30秒)
Nスキル:一対多数制圧戦術
→一対多数制圧戦術+
30秒ごとに自身に最も近い敵4体に、攻撃力の480%分のダメージを与える。
(愛用品T2解放時、以下の効果を追加)
さらに自身から最も遠い敵2体に攻撃力の512%分のダメージを与える。
Pスキル:守るための力
→守るための力+
攻撃力を64%アップする
さらに攻撃力を1500加算する(固有2解放時)
Sスキル:Der Tod als Ende
自身のHPが低下するのに比例して、攻撃速度と攻撃力を58%増加
「神秘解放」1つにつき、自身のコスト回復力を150増加・命中率を20%・回避率を10%増加。被ダメージが10%増加する。
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固有武器: ヴィダーシュプールフ
セキが愛用するニコイチの武器。HGの「テーゼ(モデル:P226)」とARの「アンチテーゼ(モデル:SIG510)」の2つで1つ。砂漠での活動を主としているため、防砂用の布や溶け込みやすい肌色の迷彩が施されている。
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愛用品:小さな種袋
T1・防御力を1000加算
T2・Nスキル「一対多数制圧戦術」が「一対多数制圧戦術+」強化
セキが常にポケットの中に入れている植物の種が入った市販の袋。いつかこの砂漠が緑に覆われることを夢みて、彼女は植える時をずっと待ち続けている。
■■のメモ
彼女の神聖については、非常に謎が多い。
現状判明しているものでも、『喪われし神々』の1柱と、『忘れられた神々』の1柱の2つの本質を有していることが判明している。
しかし、『忘れられた神々』の本質は大元の一部のようで、"そのもの"ではないようだ。その証拠に、彼女の在り方はおおよそ『AAA ヴンダー』を元としているように見える。また、大元たる『ハルポクラテス』も、『正典』より弱体化せども健在である。
だがしかし、彼女の動きには一部『AAA ヴンダー』だけでは説明できない部分も見られる。仮説ではあるが、最低でももう1つ、あるいは2つ以上の神聖を取り込んでいる可能性がある。
『習合神聖』……そうだ、そう呼ぶのがふさわしい。
しかし、『喪われし神々』もまた謎が多い。世界から喪われ、信仰すらされなかった神に、神秘は宿るのだろうか。そもそも彼女以外の『喪われし神々』は存在するのだろうか?
そもそも、何故かの神々がこのキヴォトスに現れたのだろうか。事故か、あるいは