次回も不定期です
ブラックマーケットに着いた先生とヒフミ、アズサはヒフミを先頭にブラックマーケットを歩いていた。ペロロ様に関する情熱で比類する者はいない(先生調べ)が故にブラックマーケットにも出入りするヒフミの案内で、掲示板に貼られていた建物を探していくが思っているよりも広いこの場所でたったひとつの建物を探すというのは想像よりも労力がかかっていた。
「あはは・・・みつかりませんね」
「結構歩いているがなかなかないものだな」
「”そうだね、先生もちょっと疲れて来たよ”」
普段デスクワークで体を動かす機会の少ない先生はすでに疲れていた。
「これならいっそ誰かに聞いてみるのも・・・」
「だがそれは危険じゃないか?」
「でもこのままだと日が暮れちゃいますし・・・」
ヒフミが空を見やる。ブラックマーケットに来てからだいぶ時間が経ったのか太陽はすでに傾き、オレンジ色に染め上げていた。
「”夜になると危ないし、ヒフミのいう通り誰かに聞いてみよう”」
先生の提案に二人は頷き、キョロキョロと辺りを見渡す。そうしてアズサが周りのピリピリした雰囲気をもつブラックマーケットの住人の中でもマシな大人を見つけ話しかけに行く。
「すまない、そこの人」
「ああん?どうしたんだ嬢ちゃんたち」
「えっと・・・その・・・この場所を知っていますか?」
そう言ってヒフミは携帯の画面を見せる。画像を見た犬型の大人はしばらく画面を見た後はぁとひとつため息をつく。
「知っているよ、それで俺にどうしろと?」
「私たちをそこに連れて行ってほしい」
「・・・いいだろう。ただ、それなりに払ってもらうぞ」
「いいんですか!?ありがとうございます!」
ヒフミは慣れた手つきで財布からそれなりの金額を取り出し住人に渡す。先生はそれに微妙な顔をしつつ案内を始めた住人についていく。
「案内をするのはいいが、あんたらあのビルに何の用だ?」
住人は歩きながら3人に問いかける。
「それはですね、伝説のペロロ様のグッズがあるとの噂を聞きまして・・・」
「ネットの噂だが、確かめない理由にはならない」
「”とのことです”」
「そうかよ。けど気をつろよ、今あそこには嫌な噂が立っててな・・・今じゃ誰も寄り付かねえ、俺も元々そのビルの近くに住んでたんだがきな臭くなってきたから離れたんだ」
「ここでうまくやるなら鼻が効かないとな」といい住人は自身の鼻を指差す。それから4人はゆっくり歩き出す、目的地に近づくにつれ人の往来は減っていきビルの前に着く頃には人の姿は見当たらなかった。
「ほらよ。ここがあんたらの言っていたビルだ」
「ありがとうございます!ここが伝説のペロロ様がいる・・・!」
「ペロロ・・・?まあなんでもいいが気をつけろよ、じゃあな」
「ああ、ありがとう」
住人はそそくさと立ち去っていく。その背を先生は見送り、改めてビルの外観を眺める。廃ビルという割には想像よりも綺麗で誰かが購入すればこのまま工事の必要がないくらいには立派なものだった。だがなんとなく先生として数多の修羅場を乗り切り成長して来たもの、大人の勘がここは危険だと警鐘を鳴らしていた。
「”二人とも、目的の物が見つかったらすぐに帰ろうね”」
「ああ、もうすぐ日が暮れる。その前に撤退するべきだろう」
「わかりました先生、さあ伝説のペロロ様を探し出しますよ!」
▼▼▼
─廃ビル エントランス
ビルの内部は時間帯もあってか薄暗く、何者かによって様々な落書きがされていた。先生はなんとなく廃墟を探索する動画でこういうの見たなあと思いながら先導するヒフミとアズサについていく。
ほとんどのものはこのビルが閉鎖されるときにほとんどのものが持ち出されたのか、何もないビル内部の探索は意外とスムーズで1階部分はすぐに終えてしまった。
「うーん・・・1階にはありませんでしたね」
「諦めるにはまだ早い、このビルにはまだ上階がいくつか─」
アズサが何かを感じたのか不意にキョロキョロと辺りを見渡す。
「”どうかした?”」
「何者かの視線を感じた。けれど見当たらない・・・ヒフミ、先生、このビルには何かが潜んでいるのかもしれない」
「”何か・・・って、なに?”」
「わからない、だが用心するに越したことはない」
「はい・・・気をつけて進みましょう」
3人は二階へ上がる階段を見つけ登っていく。アズサが先導し、入念なクリアリングをしながら進んでいくがアズサが感じた視線の主は出てこなかった。
二階は一階とは違い荒れている様相を見せていた。オフィスや休憩室といった部屋は特に荒れていて、何者かが銃を乱射した跡がそこかしこで散見された。
「これは・・・ちょっと探すのに手間がかかりそうですね・・・」
「ああ、それに戦闘の痕跡もある。もしかしたら不良の溜まり場になっているかもしれない。用心しながら進もう」
3人はゆっくりと慎重に一部屋ずつ探索をしていく。とは言っても破壊の跡があるだけで二階も一階同様ものがあまり存在しないので探索自体はスムーズに進んでいく。
「二階にもありませんね・・・」
「”もしかしたらもう誰かが持って行ったのかもしれないね”」
「うぅ・・・せめていい人に拾われていてほしいです・・・」」
「いやヒフミ、諦めるにはまだ早い。まだ探してない部屋もあるし、上の階の探索も済んでいない。たとえ今見つからなくても、これ以上探さない理由にはならない」
「そう・・・ですね!アズサちゃんの言う通りです!」
「これまで以上に気合を入れてペロロ様をお迎えしましょう!」
そうヒフミが意気込みまだ探索していなかった部屋の扉を開ける。そこには頭から血を流して倒れる不良の姿があった。
「”!!─大丈夫!?”」
先生は急いで不良のそばに駆け寄り、遅れてヒフミとアズサが駆け寄る。先生はハンカチを取り出し集結している部位に押し当て止血をはかり、ヒフミはペロロ様のバックから救急セットを取り出し簡単な治療を行おうとする。
「どうやら気絶しているようだ」
「一体、誰がこんな・・・」
「わからない、だが警戒レベルをあげる必要がありそうだ。先生も用心してくれ」
そう言うとアズサは自身の武器を構え、入口あたりを警戒する。
それを最初に発見したのは不良の治療にあたっていたヒフミだった。頭に包帯を巻く為に体を持ち上げようとした時に手に妙な感覚。不良の背中に貼られていたそれはどうやら紙のようで、ヒフミはそれを剥がしてみる。あっさりと剥がれたそれはメモ用紙だった。
「な・・・何ですか・・・これ・・・」
それに書かれていたのはおそらくこの不良のデータ。おおよその身長、使用している武器、仲間内での呼び名、その他書き手の推測による性格や、それによる危険度、狙いやすさなどが細かに書かれたメモ用紙。わずかに血の滲んだそれは今の状況も相まって異常なものに思えた。
「先生、アズサちゃん・・・!見てください・・・これ・・・」
「これは・・・。ヒフミ、先生、一旦ここは引こう。ここが危険だとわかった以上長居するのはリスクが大きすぎる」
「”わかった。この子も安全なところに運んであげないとだしね”」
先生が気絶している不良を抱きかかえる。3人が部屋を出ると─
「おいおい、あいつどこ行ったんだよ」
「わかんねーっすよリーダー、気づいたらいなっくなって─」
先生が抱きかかえる不良の仲間と思しき集団と出くわした。しばらくの沈黙の後、リーダーと呼ばれた不良が叫ぶ。
「あー!お前らか!うちらの仲間襲ったの!」
「よく見たらターゲットのお嬢ちゃんもいるじゃん!ぜってぇ逃すな!」
「先生、まずいことになった」
「ここはひとまず逃げよう」
To Be Continued…
文才ってどこで売っているんですかね