そういえばですが各話のタイトルはホラーゲームのオマージュとなっています。主人公がホラー映画が元ネタなのでホラー映画タイトルにするか迷いましたが作者がビビりなのでホラー映画はあんまり見てないんですよね、映画特有のビックリ演出苦手で…ゲームもジャンプスケア系苦手です
現在先生たち一行は、ビル3階の一室に隠れていた。不良達の追跡はヒフミが逃げる際に落としたペロロ様のデコイが気をそらしてくれたおかげで簡単に撒けたが、上の階に逃げたため出口のある1階からは離れてしまった。仲間を倒された(と勘違いしている)不良達は、怒声をあげながら怒り狂って先生たちを探し回っている。
扉に聞き耳を立て外の様子を伺っているアズサは、思った以上に危険な状態に静かにするようにジェスチャーをしてから小声で話し始める。
「事態は思ったよりも深刻だ。向こうの戦力は思ったより多いみたい、数で劣るこちらが不利だ。非戦闘員の先生がいるし抗戦するのは厳しいだろう…こうなったら私が囮になって先生とヒフミだけでも…」
「そ、それじゃアズサちゃんが…!」
「”……いや、なんとかなりそうだよ、二人とも”」
先生はそういうと周囲を見渡す。
「”入ってきたときは気がつかなかったけどここは資料室みたいだよ”」
「”もしかしたらフロアマップみたいなものがまだ残っているかもしれない”」
「そうです!非常口がフロアマップに記載されていたら気づかれないように脱出できるかもしれません!」
「わかった、私はこっちを探す」
「では私はあっちを探しますね」
「うーん…」
「”…うーん?”」
「あはは…そういえば不良さんを抱えたままでしたね、先生…」
「”とりあえず私はこの子の手当てをしているね、悪いけど探索は任せてもいいかな?”」
先生はヒフミが連れてきてしまった不良生徒に今ある手持ちで応急手当を施していく。幸いにも応急用品が入ったバッグを持っていたので、慣れないなりにそこそこちゃんとした手当てをすることができた。
一通り終わってから一息ついて周囲を見渡す。アズサとヒフミはまだ探しているようで、私も探すかと先生も立ち上がる。そこで先生はあることに気がついた。
それは暗闇に目が慣れてきたからか、あるいは今も探索をしているヒフミとアズサよりも離れていて部屋全体が見渡せる位置にいたからか、どちらにせよ先生は小さな違和感に気がつくことができた。
「”なんだか随分と綺麗だね、この部屋”」
「”廃墟とは思えないくらいに整頓されているというか、埃っぽくないというか”」
「確かにそうですね、どうしてなんでしょう」
考えてもどうしようもないことだがヒフミと先生は顔を見合わせて不思議がる。
「でも、おかげで目当てのものが見つけられた。先生、ヒフミ、フロアマップだ。どうやら4階に非常用脱出シューター*1があるみたいだ」
「ではそれを使えば!」
「”ここから無事に脱出することができそうだね”」
「伝説のペロロ様グッズはまた後日明るくなってから探しにきましょうか!なんなら明日にでも─」
「うーん、イテテ…ここは…?」
その瞬間のアズサの行動は早かった、素早く不良に近づいたかと思うと手早く不良の銃を奪い、後ろに回り口を手で覆う。
「動くな」
「ひっ─」
「何も喋らずゆっくり手を頭の上に上げろ、不審な行動をしたら容赦なく撃つ」
アズサの迫力にびびったのか不良は顔を青ざめさせ、冷や汗を流しながら言うことに従う。いや、アズサの迫力以上に何かに恐怖しているのか緊張で体が震えている。
「”アズサ、そこまでしなくて大丈夫だよ”」
「だが先生…」
「”ここは私を信じてくれないかな?”」
「…わかった、先生の指示に従う」
アズサは不良からゆっくり手を離し、先生のそばに向かう。しかし不良はアズサが離れてなお、いや離れる前以上に震えていた。
「”大丈夫だよ、落ち着いて、私と一緒に深呼吸して”」
先生は不良の手を握り、目を合わせてできるだけゆっくり、安心感を与えるように話しかける。深呼吸を続けるうちに震えはだんだんと止まっていく、なんとか落ち着きを取り戻したようだった。
「”落ち着いた?”」
「あ、ああ、なんとか…」
「”君が良かったらなんだけど、何があったのか聞いてもいいかな?”」
「う、うん…私の手当て、あんたらがしてくれたんだろ…?お、お礼ってわけじゃないけど私の知ってること、話すよ…」
「”ありがとう、それでどうして倒れていたのかな?”」
「ああ、えっとな、私らはここらを縄張りにしているチームでさ、前に他のチームがトリニティのお嬢さまがブラックマーケットにきてるの見たってんで情報屋に頼んで色々情報集めてそいつおびき出そうとしてたんだ…」
「あ、あはは…そうなんですね…」
「それで…ちょうどいい廃ビルがあるからここにおびき寄せて不意打ちして身代金でも〜って感じで張ってたらあんたらが入ってくのが見えてさ、それぞれビルの中で待ってたんだ…そしたら…うぅ…」
不良は話しながら泣き出してしまった、先生は安心させるようにゆっくり背中をさする。
一方ヒフミはちょっと気まずそうにしていた。
「ありがとよ、せんせ…それで私は相方と二人で部屋の中で待機してたんだ、しばらくしてリーダーから合図があったから相方に声をかけたんだ、でも返事がなかったから後ろを向いたんだ、そしたら…そしたら、そいつはそこにいた…相方の首を持って、片手で持ち上げてた…息ができないのか相方は苦しそうにもがいてたんだ、そして気絶した相方を地面に下ろすと写真を撮って…それから私の方を向いて…それで…」
「先生、私はさっき何者かの視線を感じた。もしかしたらその謎の人物かもしれない」
「あう…なおさら早くここを脱出しないとですね…」
「そ、それなら私も連れてってくれ!お願いだ!」
「”そうだね、ここは危険だ、できるだけ早くここから出よう”」
先生はシッテムの箱を取り出しなにがしかの操作をする、しばらくののち何かを確認した先生はシッテムの箱をしまう。
「”よし、それじゃあ行こうか”」
「先生、私が先に出て安全を確認する」
アズサは静かにそして勢いよく扉を開け、素早く外に出るとクリアリングをする。左右の確認をした後ハンドジェスチャーで先生、ヒフミ、そして不良に合図を送る。それを確認した3人は静かに部屋を出てくる。
「…おかしい」
「な、何がおかしいんですか…アズサちゃん?」
「私たちがあの部屋に隠れた時は騒がしかったのに今は物音どころか気配が一切ない」
「”もしかして…”」
「うん、私たちを狩るために静かに行動しているか─謎の人物に全滅させられたかだ」
「う、嘘だ…私らのチームはまあまあ人数いる方だぞ…それを…うわあああぁぁぁぁ!嫌だあああぁぁぁぁぁ!」
「ま、待ってください…!」
不良はパニックを起こしたのか、ヒフミの止める間もなく一人で駆け出してしまった。追いかけようとするヒフミだったがそれを止めたのはアズサだった。
「ダメだヒフミ、ここで追いかけてはぐれてしまったらヒフミまで危険だ」
「”まずは脱出して、それから助けを求めよう”」
ヒフミは先生を見る、硬く握られた拳から先生が真っ先に助けに行きたいのだと言うことが察せられた。
「”よし、ここからなら脱出シューターの方が近いね。最初の予定どおりそっちに─”」
「先生!危ない!」
先生が振り返るとそこには鉄パイプを振りかぶった白いお化けの仮面を被った人物、先生もヒフミもアズサの方を向いていた故に先生の方を向いていたアズサしか気づけなかった、そしてそのアズサが、アリウスで厳しい訓練を受けてきた元スクワッドのアズサが攻撃寸前になるまで気づけなかった。
あまりに唐突な出来事に反応できずに先生は目を瞑ることもできずに自身に振り下ろされる鉄パイプを眺めるしかできなかった。しかし予想していた衝撃がやってくる前に先生の視線はぐるりと回り、そして鈍い音。
誰かが自分を後ろに引っ張ってくれたと理解し起き上がる先生の目には自身の代わりに鉄パイプで殴られ首を掴んで持ち上げられているアズサの姿が映った。
「”アズサ!!!”」
「アズサちゃん!!!」
「がっ…ぐぅ…」
アズサは拳を握り、謎の人物の腕や肩を叩くがまるで効いていないようだった。
「”アズサ!今助け─”」
「ダメです!先生が行っては危険です!あ、アズサちゃんを助ける道具…!なにかなにかなにか…!」
銃を撃てばアズサ当たると判断したヒフミは大焦りしながら自身のバッグを漁りアズサを助けられそうな道具を探す。が、出てくるのはペロロ様型のドローンにペロロ様ポーチにスモークグレネード、大して役に立ちそうなものは─
「あぁ!」
ヒフミの手からつるっと滑って行ったそれはアズサと謎の人物のちょうど間に落ち、そして膨らんだ。
勢いよく膨らんだそれは”ペロロ様のデコイ”─!!アズサと謎の人物の間で展開されたペロロ様は二人を強制的に隔て、二人を吹き飛ばした。
「かはっ…!けほっ…けほっ…」
「”アズサっ…!”」
「だ、大丈夫ですかアズサちゃん…?」
「ああ、ありがとうヒフミ、助かった」
吹き飛んだアズサは呼吸もそこそこに謎の人物の方を見る、しかしアズサと同じく吹き飛んだはずのそいつは影のように消えていた。
「…っ!一体どこに…」
「”わからない、少なくともシッテムの箱の指揮画面には映っていないよ”」
先ほどの不良の少女と今の状況を見るに敵は好んで奇襲を仕掛けるタイプであることが察せられた。アズサと先生の二人はまたいつ襲ってくるかわからない敵に神経を研ぎ澄ませて警戒していた。
故にそれに気がついたのはヒフミだけだった。
「あれは、ペロロ様のストラップと…手帳…?」
to be continued
みなさん4周年のフェスガチャはどうでしたか?私は400連引いてしっかりネルもリオも当てましたとも。なんなら水着ホシノすり抜け狙いで引いてたんですがなぜか臨戦ホシノが3人もきたんですよね…ホシノ推しとしては嬉しいけど複雑な気分でしたね
そういえば途中まで主人公視点だったのに急に3人称(先生視点)になったのには理由があるんですよ、よろしければみなさん考えてみてくださいね。