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【前回のあらすじ】
・ちゅうになサイトウちゃん
・伝説の超人気ポケモンコイル
・ナンジャモのおっぱい
「諸君! 本日より我が『マサル組』の一員となったポケモンを紹介しよう! かつて、人気投票においてカントー地方で不動のナンバーワンだったピカチュウに圧倒的勝利を収めた電撃使い───コイルくんちゃんだっ! はい、みんな拍手!」
またマサルがポケモン達を集めてへんてこな集会を開いてる……私のラビフットやワンパチまでおとなしく言うことを聞いちゃってるし。相変わらずマサルに懐いてるな~。っていうか、コイルくんちゃんって何!?
「コイルくんちゃんは性別を超越した存在……いわばトランスジェンダーポケモンだ! 昨今は軽々しく『男らしく』だの『女らしく』だの軽々しく発言するとすーぐ炎上するからな。そんなご時世の中……性別を超越したコイルくんちゃんはまさにこの時代を象徴するポケモンだと言っていい。みんな、仲良くするように!」
コイルくんちゃんって呼ぶ理由が意外と真面目だった!! ポケモン達もみんな嬉しそうにぱちぱち拍手しててコイルくんちゃんは恥ずかしそうにしている。恥じらいとかあるの!? というか、モーモーミルクどこから飲んでるのそれ!?
い、色々ツッコミたいところはあるけど……今は晩御飯のカレー作りに集中しよう。
何はともあれ、新しい仲間が増えたからちゃーんとお祝いしないとね!
いやー、それにしても……ジムチャレンジに参加することになって、マサルと一緒に旅を始めて改めて……改めて思ったことがある!!
それは───
幼馴染が!! 私のことを!! 好き過ぎる!!
あ^~幼馴染の二人に愛され過ぎて今日もカレーが美味いんじゃ~!!
ホップはいっつも私のことを褒めてくれて優しくて肯定してくれるスーパーポジティブパーフェクトガラル紳士!!
マサルは変なことばっかり言うけどなんだかんだ私のわがままを聞いてくれるし甘やかしてくれるし面倒見のいいお兄ちゃん!! いや私の方がおねーさんだから弟だね!!
何はともあれね!! 二人ともね!! 私のことがね!! 大大大大好き過ぎてユウリちゃん困っちゃうな~!!
こんなの……こんなのセミファイナルトーナメントで……
「マサル、チャンピオンへの挑戦権だけじゃなくユウリへの告白権を賭けてバトルだ!!」
「ホップ、俺のユウリへの愛は───お前なんかじゃ止められない!!」
「やめて!! 私のために争わないで!!」
絶対こんな展開になるじゃん!!
かーっ!! つれーっ!! 愛され過ぎてつれーっ!! モテまくりなユウリちゃんでごめりんこ♪
仕方ないよなーっ!! 私がなーっ!! 可愛過ぎるのがいけないんだもんなーっ!!
まさに傾国の美少女ユウリ!! 私の姿がジムチャレンジでガラル全土に放送されたら一体どうなっちゃうの~!?
ふひっ! ふひひっ!! ふひひひひひひひひっ!!!
おっといけない。汚い笑い声が漏れるところだった。私は淑女、ガラルを代表する淑女。淑女と検索したら「淑女 ユウリ」って予測が出るくらいの淑女。この程度のことでいちいち舞い上がったり自惚れたりしませんのよ?
いやー、それにしても……それにしてもなーっ!
幼馴染二人……特にマサルが!! 特に!! マサルが!!
私のことを好き過ぎるんだよなぁ~っ!!
だってだってぇ~。小さい頃から毎日一緒に遊んで一緒のベッドでお昼寝して私をぎゅーって抱き締めてくれて……十四歳の今も一緒に旅して一緒に寝てマサルが寂しいだろうから私がマサルの抱き枕になってあげたりして……
どんだけ私のこと好きなんだよ!!
マサルったら完全に私の虜なのね!!
ちょうぜつかわいいユウリちゃんの メロメロこうげき!! こうかはばつぐんだ!!
困るな~っ! そんなつもりなかったんだけどな~っ! 別にマサルのことを誘惑してるつもりなんてなかったんだけどな~っ!
私の隠しきれない可愛さが……全身から溢れ出る女の魅力がなーっ!! マサルの初恋を奪っていったんだよなーっ!!
かーっ!! 甘酸っぺー甘酸っぺー!! 口の中砂糖でじゃりじゃりっすわ!!
まったく、私ったらなんて罪深い女なの……?
ホップはホップで私と一緒に旅をするのが恥ずかしいから先に行っちゃうし……もうっ! なんて初心なのかしらっ!!
ぐふふっ……ぎゅふふふっ……ぎゅるふふふふふふっ……!!
見てるか「幼馴染は負けヒロイン」とかほざいてる負け犬女達~?
私はね!! 幼馴染という関係に胡坐をかいて何も行動しなかった結果ぽっと出のヒロインに搔っ攫われるような踏み台負けヒロインとは違うのだよ!!
ヤツらは幼馴染だから負けたんじゃない……
何もしなかったから!!
私を!! そんじょそこらの幼馴染ヒロインと同じにするな!!
私が!! 本物の幼馴染というものを教えてやる!!
まあ? 私レベルの超絶美少女だったらぁ? 幼馴染っていう関係がなくてもぉ!! 愛されまくりのモテまくりなんですけどねぇ!! ぶひゃひゃひゃひゃ!!
あぁん? マサルの周りには可愛い子がたくさんいるってぇ?
はぁ~~~っ……ほんっっっっっっとになーんにもわかってねぇなぁ?
まずリコちゃんは確かに可愛いけどマサルにとっては妹みたいな存在だしソニアちゃんは何か知らないけどマサルを頼りにしててでもダンデくんがいるから問題ないしサイトウさんは小さい頃に私の知らないところで「ジムチャレンジで戦いましょう!」ってマサルと約束してそれを果たすためだけな関係だし何も焦ることなんてないし別にラテラルジムでサイトウさんとマサルが良い雰囲気になることを恐れたりなんかしないし。
焦ってないよ? 焦ってないっすよ? 私を焦らせたら大したもんですよ。
……焦ってないっつってんだろ!!
ふ、ふんっ!! たとえサイトウさんが「夜のガラル空手師範」だとしても……幼馴染の私には勝てませんからぁ!! 積み重ねてきた時間と!! 思い出の数が全然違いますからぁ!!
万が一にも、いいや! 億が一にもサイトウさんには勝ち目なんてありませんからぁ!! サイトウさんにマサルが奪われる確率なんて色違いポケモンと百回連続でエンカウントするくらいありえませんからぁ!!
マリィ? 可愛いよね♡ 私、マリィ大好き♡ 私が男だったら絶対マリィのこと好きになってた♡
でも大丈夫。
マリィは小さい頃に迷子だったところをマサルに助けてもらって七年振りに同じポケモントレーナーとして偶然の再会を果たしてマリィの相棒のモルペコが懐いててボケとツッコミの相性と会話のテンポが良過ぎて方言が超絶可愛くて面倒見が良いだけだから。
うむ!! 私の勝利は揺るがないな!!
まあ? マサルが今さらどんな女の子と出会ってもぉ? マサルはずーっとずーっと昔から私のことが大大大好きですからぁ!!
さっきも「お前(の方)が好きに決まってんだろ」って言ってくれたしぃ?
きゃーっ! きゃーっ! マサルの愛が……マサルの愛が尊いよぉ……尊しゅぎりゅうぅ……
これはもう告白されるのも時間の問題ですねぇ!!
げへっ……げへへへへっ!!
し、仕方ないにゃぁ……
マサルが!! どーしても!! どーしてもって言うなら!!
つ、つつつつ付き合ってあげてもいいよぉ!!?? ふひゅっ、ふひひひひひひっ!!
あ、でででででもホップも私のこと大好きだからぁ!! マサルとホップ……二人とも私と付き合っちゃうぅ!!??
これはいけませんなぁ!! 世のモテない女達の嫉妬と怨嗟で飯が美味いですなぁ!! 今日のカレーはとびっきり美味しくなるに違いない!!
えへへっ♡ 待っててねマサル♡
ユウリちゃん特製の美味しいカレーでますます惚れさせてあげるから♡
かーっ!! 完璧だなーっ!! 完璧過ぎる美少女だなーっ!! これはもう勝ち確定ですよ!! 他の女が入り込む余地なんて一切なし!! 幸せ過ぎてごめんねごめんねぇ!!
「あおんっ!!」
ほーら、ワンパチも私の考えに同意して……あれ? ワンパチってこんな鳴き声だったかな?
カレーのお鍋をぐるぐるかき混ぜながら鳴き声がした方へ視線を向けると、なんか二足歩行の青い狼みたいなポケモンがいた。
えっ!? えっ!? えっ!? や、野生のポケモン!! わ、私達のキャンプに入ってきちゃったの!?
「へい、ロトム! この子の名前を教えて!」
私がそう言うとスマホロトムがポケットから飛び出し、ポケモン図鑑アプリを開いて該当するページを表示してくれた。
「リオル……はもんポケモン。格闘タイプ、か」
リオルは鼻をスンスンさせながらカレーの鍋の匂いを嗅いでいる。私達を攻撃してくるって感じじゃない。うーん……お腹が減ってただけなのかな?
そんなことを考えていると、今度はリオルが物欲しそうな上目遣いで私を見上げてきた。
か、可愛いっ! その上目遣い……さては相当やるなおぬし? ふっふっふ。よかろうよかろう。そのあざとさに免じてカレーの味見をさせてやろうではないか!
私は小皿に少量のルーを入れてリオルに渡してあげる。するとリオルはご機嫌な表情で小皿を受け取ってルーを飲んだ。
「あおん♪ あおん♪」
途端に尻尾をフリフリして私に擦り寄ってくる。か、可愛すぎるっ!! ハイ決めた! 決めました! この子、ウチの子にします! 私の三体目はリオルちゃんに決定です!
これで私もマサルと同じ三体目のポケモン。マサルとお揃い……フヒッ。
「うおっほん! ねえ、リオル。私と一緒に───伝説のカレーを追い求めない?」
「あおーんっ!!」
「そうこなくっちゃね! おーい、マサルー! 私も三体目のポケモンゲットしたよー!」
振り返ると、マサルがポケモン達と遊んでいた。もうっ、マサルったら「ポケモンと戯れてる俺もいいだろ? アピール」なんてしなくてもいいのにぃ~♪ そんなことしなくても、完璧究極アイドルユウリちゃんはマサルの気持ちがちゃーんとわかってますから!
もしかして~? それがマサル流の恋愛の駆け引きってヤツぅ?
ふひっ……私に恋愛頭脳戦を挑もうとは笑止千万!!
「あん? って、リオルじゃねえか。へー……色んなタイプの技覚えるし、物理と特殊のどっちもいける優秀なアタッカーだな」
こ、ここでマサル選手の「俺、ポケモン詳しいぜアピール」!! もうっ♡ そんなに立て続けにアピールしなくてもいいってばぁ♪
マサルったらどれだけ私のことが好きなのぉ?
「よーし、お前らもう一回集まれ! 新しいマサル組の仲間、リオル……ちゃんだな! はい、みんな歓迎の拍手~! リオル、マサル組に入ったらまずは
「あ、あおん?」
「飲んでみ? 美味いから」
「あおんっ♪ あおんっ♪」
モーモーミルクを飲んだリオルがものすっごい勢いでマサルに懐いてる!? ちょいちょいちょい!! マサルの実家のモーモーミルクが美味しいのは知ってるけど懐くの早すぎない!?
ね、寝取られやんけ~!?
「寝てから言え」とか思った喪女達よ!! 私!! もう!! 何回も!! マサルと!! 寝て(健全)ますからぁ!!
そんな安い挑発がこの恋愛の天才完璧究極アイドルユウリちゃんに効くはずがなかろう!!
これはマサルの「他の女(リオル)と仲良くしてユウリを嫉妬させてやるぜアピール」なんだから!!
「ん~……やっぱ俺も格闘技が使える物理アタッカーを仲間にするかな」
私と同じタイプのポケモンを捕まえようだなんて……お可愛いこと。
その後、みんなでカレーを食べていつものようにマサルと一緒に寝て朝ご飯はマサルが作ってくれました。
かーっ!! やっぱり!! マサルが!! 私のこと!! 大好き過ぎる!!
ここ数日、ユウリの様子が変だった。なんか俺を見てニヤニヤしたり突然「フヒッ」とか気持ち悪く笑い出したり……どーせろくでもないこと考えてんだろ? それか聞くのも阿呆らしい妄想をしているかのどっちかだな。ユウリにはよくあることだしスルースルー。
「コイル、でんげきは!」
生物の反応速度では回避しようのない電撃がペリッパーを貫く。やっぱ必中技は正義だな。威力は「10万ボルト」に劣るけど、この辺の敵にはこれくらいで十分だ。10万ボルトの技マシンもリーグスタッフから買えたし。
「リオル! かわらわり!」
ユウリが指示を出すと、リオルはマッスグマの攻撃を華麗に回避し、一気に距離を縮めてマッスグマの脳天に拳を叩き込んで一撃で沈めた。進化前でこれかよ。さすがリオルだな。
俺のポケモンは三体とも特殊アタッカーだから一体は物理を入れたいところ。狙っているポケモンはいるけど、ゲームだとレア扱いだったから出会えるかどうかは運次第だな。
あとはドラゴン、悪、格闘対策でフェアリータイプも捕まえておきたい。っつっても、俺がやってたBWにはフェアリータイプなんていなかったから何を捕まえていいのか全然わかんねーんだよな。
まあ、なんとかなるっしょ。
「うっし。ユウリ、昼飯食ったらぼちぼちエンジンシティに戻るか」
「そうだね。新入りの子達もバトルに慣れたみたいだし。よーし、まずはターフタウンの『草バッジ』だ~!」
さすがに三日も経てばいい加減ターフタウンのジムも空いてるだろう。ジムチャレンジの様子はテレビ放送されているからスマホロトムでユウリと一緒に観て対策も話し合ったから問題なし。その話し合いの時にユウリが気持ち悪く笑ったりしてたんだけどな。
ほんとに大丈夫かお前?
「まーさーるーっ! 今日のお昼は何カレー?」
「今日はパスタだ。ベーコンときのこと玉ねぎとほうれん草を使ったクリームパスタ」
「私のはほうれん草抜きにしてね」
「好き嫌いすんな。残さず食え」
「好き……フヒッ」
まーた出やがったよ。言っておくけど、お前のそんな気持ち悪い笑い方にはラビフット達も引いてるからな?
そして俺は、なんかフヒフヒ言ってるユウリのパスタのほうれん草をてんこ盛りにしてやるのだった。
「やあ、マサルくん。久しぶりだね。それと君は……ダンデくんに推薦されたユウリくんだったかな?」
エンジンシティのポケモンセンターで回復を終えて外に出ると、意外な人物に声をかけられた。
その人物はポケモンリーグ委員長のローズさん。この前の開会式であいさつしてたけど、まだエンジンシティに残ってたのか? いや、それともたまたま仕事で来てただけか。隣にはオリーヴさんもいるし。
「ご無沙汰してますローズ委員長」
「あ、え、えっと……は、はじめましてっ! ユウリですっ!」
俺が丁寧に頭を下げるとユウリも慌てて俺にならって頭を下げる。この人なら当然ユウリのことくらい知ってるよな。というか、ダンデくんをジムチャレンジに推薦したくらいだからユウリの才能を見抜いてる節もある。
「二人とも、ここにいるということはもう『草バッジ』と『水バッジ』を手に入れたのですか?」
「いえいえ。むしろこれからターフタウンに向かうところですよ。開会式が終わってからの数日間はワイルドエリアでポケモン達を鍛えていたんです」
「なるほど。ジムリーダー達と戦う前にしっかりと準備をしていたということですね。勢いだけではジムリーダー達には勝てませんからね。特に、ガラル地方はジムチャレンジという特性上、ジムリーダーに挑戦できる期限が決まっていますから、ポケモン達の強さだけでなく
その通り。別に早くジムリーダー達を倒せば偉いというものではない。むしろ、ジムミッションを含めた情報収集は大事なので期限ギリギリいっぱいまで粘るメリットも大きかったりするんだ。まあ、粘り過ぎてジムリーダーに勝てず期限切れになるリスクもあるけどな。
ただ、俺は少なくともそのリスクを負ってでもしっかり準備した方がいいと考えている。ユウリは多分そこまで深く考えてないだろうけどな。むしろこいつはその天性の感覚で突き進む方がその才能を十分に発揮できるトレーナーだ。
「そういえば、小耳に挟んだのですが……委員長が推薦したトレーナーがジムチャレンジに参加しているとか?」
「ええ。彼は私が昔孤児院で出会った少年なんですよ。えーっと……確か名前は……」
「ビート選手です。委員長」
オリーヴさんが代わりに答えた。名前覚えてないんかい!?
「そうだそうだ! ビートくんだ。彼
そういえば、七年前に会った時もそんな話をチラッとしていたような気がする。委員長の口ぶりからすると、俺達と年齢が近いっぽいな。ふーん……まあ、その内どっかで会うだろ。
「今年のジムチャレンジは盛り上がりますよぉ! ダンデくんの推薦者、私の推薦者、ネズくんの妹にサイトウくんの推薦者である君。いやぁ、サイトウくんが推薦しなければ私がマサルくんを推薦したかったんだけどね」
ローズ委員長が笑顔で俺にそう言った。いやいやいや、俺と会ったのは七年前のシュートシティのスタジアム以来でしょうよ。この七年間で特に交流があったわけでもないのになんで俺を推薦しようと思ったんですか。
「なぜ自分にそれほど期待をしているのか……そういう顔をしているね?」
うげっ!? 極力顔に出さないようにしていたのに一瞬でバレた。さすがですねローズ委員長。まあ、それくらいの観察眼がなかったらマクロコスモスグループのトップなんてやれないよな。
「一言で言うなら───君は私と
同じ境遇。
おそらく、この場でその意味を理解できたのは俺とローズ委員長だけだろう。ユウリはもちろん、オリーヴさんもわずかに眉をひそめていたから理解できていないみたいだな。
「圧倒的才能を見出すことは楽しいですが、それ以上に───傑物に挑む
まじでこの人、俺の内面を見抜いてやがるな。まともに話すのはこれが二回目だっつーのに……なるほど、なるほど。俺はどうも、このローズという人物をまだまだ過小評価していたようだ。
「委員長、そろそろお時間です」
「おや、そうですか。本当はもっとゆっくり
七年前と同じだな。ほんとにこーゆーことが好きなおっさんだ。
「き、聞きたいこと? え、えーっと……えーっと……」
ユウリは突然話を振られてわたわたしている。気持ちはわかる。俺も七年前は同じ感じだったからな。
「あっ! お、お二人はどういう関係なんですかっ!?」
こいつ……ぶっこみやがった!! 俺でさえ……七年前の俺でさえ自重したっていうのに、ローズ委員長とオリーヴさんの関係についてぶっこみやがった!! どんな心臓してんだおめー!?
「オリーヴくんは、私が見出した傑物の一人ですよ。私が最も信頼している───私の右腕です」
「もったいないお言葉です、委員長」
ローズ委員長はよどみなく答えた。こういう質問にも慣れてるんだろうし……間違いなく彼の本心なんだろうな。
「わたしのみぎうで……か、格好良い!!」
そして「だいばくはつ」寸前のマルマインの如き質問をぶっこんだユウリはオリーヴさんに憧れの視線を向けている。どー考えてもお前はオリーヴさんみたいなバリキャリウーマンにはなれないから諦めろ。
「マサルくんは何かありますか?」
続いて俺に尋ねてくる。俺の言いたいことなんて一つだけだ。
「……痩せられなかったんですね」
「最初の一年目はね。がんばったんですよ」
ローズ委員長はそれはそれは悲しい目で自分のお腹を見つめていた。俺は将来、こんなメタボ腹にならないよう、おっさんになっても毎日適度な運動を心がけようと誓うのだった。
「では二人とも、ジムチャレンジがんばってくださいね!」
そう言ってローズ委員長とオリーヴさんはチャーターしていたらしいアーマーガアタクシーに乗って去っていく。相変わらず台風みたいな人だったな。
「マサル! 私決めた! 将来はオリーヴさんみたいな格好良い女性になる!」
「ヒンバスじゃギャラドスになれないんだよなぁ」
(マサルは私をヒンバスに例えた……つまり進化すれば世界一美しいポケモンであるミロカロスになるということ!! もぅ♪ マサルったら私のことをそんな風に思ってたなんて!! やっぱりマサルは私のことが大好き過ぎる!! かーっ!! つれーなぁっ! 愛され過ぎてつれーなぁっ! これが女の幸せってヤツなんだろうなぁっ! ふひひひひひひっ!!)
ヒンバスに例えたからずつきされるかと思ったのにフヒフヒ笑い始めやがった。
えっ……ユウリさん気持ち悪っ!!
「はぁ~~~~~っ!! ヤクデヤクデヤクデヤクデヤクデちゃんがいっぱ~~~~い!! 三番道路は天国なのかい!? 理想郷なのかい!? どっちなんだい!? でもごめんなぁ……本当にごめんなぁ……!! 俺が、俺ごときがカブさんと同じポケモンを使うなんて……そんな、そんなおこがましいこと……できるわけが、ないっ!! ううぅ……達者でなぁ……達者で暮らせよヤクデ達ぃ……どんなに離れていてもずっとお前達を見守っているからなぁ……!」
「えっ……マサルさん気持ち悪っ!!」
ユウリちゃん回でした。
メインヒロインに恥じない活躍でしたね。あまあまな恋愛模様を期待していた人達はごめんなさい。でも私は後悔していません。こんな風に自惚れて調子に乗って脳内で暴走するユウリちゃんを私は心の底から可愛いと思っています。
ちなみにユウリは「かーっ!! マサルとホップが私のことを好き過ぎるんだよなーっ!!」と調子に乗っていますがユウリからマサルやホップへの感情は一切吐露していません。彼女はそういう子なのです。幼馴染二人が自分に恋い焦がれていると勘違いしている愚かで可哀想な可愛い女の子です。
こんな内面を知ったらホップも「さすがだぞ!」とは言えないでしょう。
後半はローズ委員長との再会です。実はマサルの内面を誰よりも理解している有能なおっさんです。ただしメタボ。なぜここまで理解できているのかは……カブさんとのバトル辺りで明らかにする予定です。ツッコミどころしかないとは思うけど許してね。
次回はガラル鉱山に行きます。ビートくんをわからせて謎のイケメンと遭遇します!
鉱山にいそうなイケメン……誰のことなんやろなぁ?
ではでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!
次回もよろしくお願いします!
超絶可愛い完璧究極アイドルのユウリちゃんが幼馴染負けヒロインにしか見えなかった人はここをぽちぽちしてくださいね!