「「でんせつTシャツマーン! がんばえー!」」
「二人がマサルを応援するなら私はマリィを応援するよ! マリィー! 最高に可愛いよー!」
「人数のバランス的に俺もマリィを応援するぞ」
「なぜ幼馴染二人が敵に回って会ったばかりのちびっ子達が味方なのか」
ちびっ子達も交えて一緒にカレーを食べていると、なぜかホップとマリィが俺達のキャンプへとやって来た。話を聞くと、ジムバッジは無事に手に入れたんだけど、俺達がちゃんとターフタウンに到着するのを確認してから次のバウタウンへ向かう予定だったらしい。
ところが、俺達がターフタウンのすぐ手前でなぜかカレーを食べ始めたからツッコミを入れに来たとのこと。
んで、せっかくだからホップとマリィも一緒にカレーを食べて……なぜか俺とマリィ、そしてユウリとホップがバトルするという話になったんだ。薄情な幼馴染達は可愛い女の子を応援し、俺の味方はコスプレしたちびっ子達だけ。まったく、世知辛い世の中だ。
「エンジンシティでマサルに指摘されてから、私も手持ちを一体増やしたんよ」
「ああ、ヤローさんとのバトルを観てたよ。グレッグルだろ? 俺だってワイルドエリアで遊んでたわけじゃないからな。二体も手持ちが増えて合計四体だ」
「コイルとイーブイやね。ふーん……結構バランスの良いパーティじゃん」
グレッグルは毒・格闘の複合タイプでフェアリー対策と同時にヤローさんの草対策にもなっている。悪は複合していないけど……どこぞのジムリーダーはドラゴンバッジを担当してるくせにジムチャレンジでは四体のうち二体がドラゴンじゃないからな。タイプ詐欺ですよタイプ詐欺!!
にしてもグレッグルか。こいつのタイプを初見で毒・格闘だと見抜けるトレーナーはいるのか? 俺は無理だった。絶対水タイプが入ってると思って電気わざぶち込んで「あれー?」ってなった記憶がある。だってあの見た目だと絶対に水タイプって思うだろ!!
まあいいや。グレッグルの思い出話は置いておくとして、俺はバトル前にどうしてもマリィに言いたいことがあった。
「マリィ、一つ忠告しておこう」
「なぁに?」
それは……
「その服装であんなに足を上げる投球フォームはやめておいた方がいい」
「……え?」
マリィは首をかしげてポカンとした表情を浮かべるも、すぐに言葉の意味に気付いたらしく、顔を真っ赤にしてスカートを押さえ、恨みがましい目を俺に向けてきた。そんな表情も可愛いね。
「かーっ!! マサルはほんとうにえっちだね!! ナンジャモのおっぱいに釣られたりマリィのパンツに釣られたり!! もうね!! ポケモントレーナーをね!! いやらしい目でしか見てないよね!! ……はっ!? もしや私のこともいやらしい目で───」
「自分の発育具合を見てから言え」
「はぁーっ!? 私だってちょっとずつおっぱいおっきくなってるですけどぉー!? そもそも私は着痩せするタイプなんですけどぉーっ!?」
「……はんっ」
「鼻で笑いやがったこいつー! ホップー! マサルが鼻で笑いやがったよー!」
「さすがだぞ!! これが盤外戦術ってヤツなんだな!! 俺には絶対真似できないしするつもりもないぞ!!」
こちとら善意で忠告してあげたっつーのに何だその反応は。だってお前、マリィがあんなスカートで足を高く上げてモンスターボールを投げてみろよ。ハルトくんのハルトくんが「かたくなる」して性癖が歪むだろ。そんでマリィとハルトくんがおねショタ同人展開に……なるわけないか。
とにかく、このSNS全盛期にマリィがネットの玩具になるのを防ぐためなら喜んで汚れ役になろう! ……でも、よく考えたらマリィと二人の時にこっそり伝えればよかったな。その点は俺が悪い。反省。
「あたし、負けたら不機嫌になるけんね……」
マリィは顔を赤らめながらそう言った。あざとっ!! このあざとさ……ユウリにも匹敵する!!
ってか、バトル前からもう不機嫌じゃんとはツッコめなかった。
まあいい、ここからは頭をバトル用に切り替えよう。
マリィの手持ちはモルペコ、ズルッグ、グレッグルの三体。それに対して俺の手持ちは……そこで俺は気付いた。気付いてしまった。
あれ? もしかして俺の手持ち……悪に有利なタイプいなくね?
格闘は追々物理アタッカーで補う予定だった。フェアリーも追々捕まえる予定だった。
うん。まずいな。シンプルにまずいな。マリィと俺だと……タイプ相性が悪すぎる。まずコイル……耐性が優秀だけどズルッグとグレッグルの格闘技でやられる。ジメレオンはモルペコが刺さる。ヒトモシはモルペコとズルッグが刺さる。イーブイは捕まえたばかりで何ができるかわからないからバトルに出せない。
まいったなぁ……今まで一番きついバトルになりそうだ。
まず先発を誰にするかなんだけど……いやいやこんなのジメレオン一択だろ。普段ならコイルだけど格闘が二体いるからなぁ。ヒトモシも無理だ。悪が二体いる上に素早さが低いから何もできずに落とされる可能性がある。
とりあえずジメレオンで行けるところまで行くしかない。もしもマリィがそれを読んで一発目にモルペコを出してきたら……ジメレオンの素早さに賭ける!! とにかく、最初の一体を何とか落として
理想はジメレオンVSズルッグ、モルペコVSコイル、ヒトモシVSグレッグル。
どうにかこの展開に持っていきたい。
うっし! 戦い方は決まった! ぶっちゃけ、勝てるかどうかは運次第! だって相性悪いんだもの。
「マリィ、準備は?」
「いつでもいいよ」
マリィも準備ができたようなので……バトル開始!
「ジメレオン!」
「モルペコ!」
はい。一番最悪のパターンです。ただでさえ低かった勝率がこれでぐっと下がりました。
くそ……やるやないかマリィ。まさか俺の初手ジメレオン出しを読んでくるとは。
ふいうち戦法はだめだ。ホップとのバトルでマリィに見せてるし、ジメレオン読みのマリィは当然ふいうちを警戒しているだろうから不発に終わる可能性が高い。
だからここは……
「ジメレオン、みずのは───」
「モルペコ、スパーク」
ジメレオンがみずのはどうを出すよりも早く、モルペコは全身をバチバチと帯電させ高速でジメレオンにたいあたりする。
は、速っ!? まじかよ! モルペコってここまで速いポケモンだったのか!? ジメレオンだってかなり素早いはずなのに……
「きゅ、きゅわわっ……!!」
た、耐えた!! ジメレオンが耐えた!! 今の一撃で落ちてもおかしくなかったけど食いしばりやがった!! よっしゃ、やれジメレオン!! ゼロ距離みずのはどうでモルペコを吹っ飛ばせ!!
密着状態からのみずのはどうでジメレオンがモルペコを吹っ飛ばし、二体の間に距離ができる。
ってあれ? なんかモルペコの姿が変わってね? 真っ黒になって目付きが悪く……モルペコが不良になった!?
ええい!! 理屈はわからないけど多分モルペコの特性だろう!! 考えてもわからんもんは仕方ないし、そもそも今は悠長に考えている時間はない!!
ジメレオンとモルペコの火力と耐久はほぼ互角、素早さはあっちが上……距離がある今、もう一発みずのはどうを出せば避けられてそのまま反撃されて落ちる。
それなら……。
「モルペコ! でんこうせっか!」
「ジメレオン! アクアジェット!」
くしくも、俺達二人が選んだのは速度重視の先制技。ゲームだと確実に先手が取れる技だけど、現実はターンバトルなんかじゃない。両者が同時に技を発動させてぶつかり合うなんてこともザラにある。そして、今回のバトルも例外ではなかった。
モルペコとジメレオン、二体が真っ向からぶつかり合う……そして───
「あ、相打ち!?」
「マサルのジメレオンもマリィのモルペコも倒れた……相性はジメレオンの方が不利だったのによくやったぞ!」
ユウリとホップの言葉通り、ジメレオンとモルペコは互いの技のぶつかり合いで両者共に戦闘不能。これでもう一度仕切り直し……なんだけど格闘が二体残ったかぁ~。
正直キツイ。めちゃくちゃキツイ。ジメレオンがいきなり落とされたのがキツイ。向こうのモルペコはコイルとぶち当てたかったんだけどな。マリィの残りはグレッグルとズルッグ……それならこっちは二択に賭ける! これを外したらほぼ負け確だ!
「ヒトモシ!」
「グレッグル!」
よし、とりあえず第一関門突破! ズルッグよりはまだグレッグルの方がマシだ! マシってだけで有利が取れるわけじゃないけどな! ゴーストは格闘にも毒にも等倍だからな! だけど、グレッグルの格闘技は封じた。
こっからはゴースト特有のいやらしい技でせめてやる!!
「ヒトモシ、のろい!」
「グレッグル、ベノムショック!」
グレッグルのベノムショックが届くよりも一瞬早く、ヒトモシののろいが発動する。よし、最低限の仕事はした! ごめんなヒトモシ……今のお前じゃこのベノムショックを耐えられ───
「も、もしーっ!」
た、耐えた!? お、お前もかヒトモシ! ジメレオンといい、自分達が不利だってことをわかってるんだな! その気合いと根性は認めよう。だけどそれだけじゃダメだ。気合いや根性だけじゃどうにもならないことを、俺は
だから、俺がそれ以外を───お前達の気合いや根性以外の部分を補ってやる!!
それがポケモントレーナーだ。
「ヒトモシ……おにびだ!」
「グレッグル、もう一回ベノムショ───グレッグル!?」
本来、グレッグルはヒトモシよりも素早いポケモンだ。普通ならば、ヒトモシのおにびが発動するよりも早くグレッグルのベノムショックでヒトモシは落ちていただろう。
そう、
グレッグルが技を発動させようとした瞬間、ヒトモシののろいでダメージが入り、グレッグルはほんの数秒硬直してしまう。そしてその隙を───俺もヒトモシも見逃さなかった。
おにびが、通る。
ゲームでは絶対にありえない現象。最初にヒトモシがのろいを発動した時も、ゲームならば素早さの高いグレッグルのベノムショックの方が優先されるが、ヒトモシとグレッグルの間には距離があったことと、のろいがヒトモシ自身を対象とする技であったため、ギリギリのところでのろいを先に発動させることに成功していた。
ぶっちゃけ、これは本当に勝算の薄い賭けだったが……俺は、その賭けに勝った。
「ベノムショック!!」
そして、硬直が解けたグレッグルのベノムショックを受けてヒトモシは戦闘不能。
よくやった。本当によくやったヒトモシ。
「───コイル」
俺はその場に最後のポケモンを出す。
相対するのは、やけどで攻撃力が半減し、のろいでダメージを受けているグレッグル。
今のコイルなら、グレッグルを落とせる。
「グレッグル! けたぐり!」
コイルにとって相性の悪い格闘技が命中した。だけど、コイルの耐久力と攻撃力が半減しているグレッグルなら───いくら弱点とはいえ軍配はコイルに上がる!!
「10万ボルト!!」
そして、コイルの強力な電撃を受けてグレッグルは倒れた。
これで、マリィの手持ちも残り一体。俺の手持ちもコイルのみ。
「すごいぞ! あそこからイーブンの状況に持っていったのか!」
「「がんばえー! でんせつTシャツマーン!」」
ホップとちびっ子二人は純粋に俺を称賛するような声援を送っている。
だが、ユウリは───ユウリだけは違った。
俺達の一挙手一投足を見逃すまいと、今までのポケモンバトルで一度も見たことがないような真剣な眼差しを俺達に……いいや、正確には
ははっ、なんだよ。お前もそういう顔、できるんじゃねえか。
ただ、覚えとけよユウリ。
闘志だけじゃどうにもならないことが世の中には山ほどあるってことをな。
「さっすが私のマリィ! 私はね、最初っからマリィが勝つと信じてたよ! モルペコも普段はあんなに可愛いのにすーーーごく強かったね!」
「うらら~♪」
「さすがだぞ! 俺なんてエンジンシティでマサルに一方的にやられたのに……やっぱりマリィはすごいトレーナーだったんだな!」
「本当にすごいのはあたしじゃない。一番がんばったのはこの子達だよ」
結局、俺はマリィに負けた。あの後、コイルはズルッグの攻撃を受けきれずタイプ相性の差もあり押し負けたんだ。まあ、最初から勝ち目の薄いバトルだったからな。むしろタイプ相性を考えれば大健闘だわ。
ぶっちゃけ、ジメレオンVSモルペコになった時点でほぼ勝ち目がなくなったし。完全にマリィに読み負けた。っつーか、ジメレオンがスパークを耐えなかったらもっと一方的にやられてたな。ヒトモシも食いしばってのろいとおにびをぶち込んだし。コイルもその特攻の高さと硬さは健在だった。
敗因はこの私───ポケモン達は最高のバトルをした!!
「でんせつTシャツマン負けちゃったね……ヒマリがよしよししてあげる~」
「僕もよしよししてあげる~」
傷ついたポケモン達を回復していると、ちびっ子二人が俺を優しく慰めてくれた。この子達いい子過ぎるだろ!! 普通に抱きしめたくなったわ!!
「応援ありがとうな。次は
「がんばってね~! ジムチャレンジ、絶対テレビで観るよ!」
「ヒマリもね、ずーっと応援しててあげる! それでね。シュートシティにもね。ファイナルトーナメントの応援に行くからね!」
二人ともウチの子にならない? 俺……子供達に応援されるプリキュアの気持ちを理解できたよ。今の俺なら魔法少女になれる。そう、俺はキュア・レジェンドだっ!
とまあ、ふざけるのもここまでにして……このバトルで発覚した一番の課題を再確認しておこう。
一番の課題、それは───
「うわっ……俺のパーティ悪と格闘に弱すぎ……?」
これに尽きる。
「そうやね。マサルはバランスよく色んなタイプのポケモンを育ててるみたいだから、次に仲間にする子はその弱点を補えるポケモンにしなよ」
「次にマリィとやる時はフェアリー無双してやる」
「はいヘドロウェーブ」
「じしん!」
グレッグルには地面技を使えるポケモンをぶつけてやる。もしくはヒトモシを進化させてサイキネ覚えさせるからな!
「もし~……」
「きゅわわ~……」
そんなことを考えていると、回復して目が覚めたポケモン達が起き上がって申し訳なさそうな表情で俺に近づいてくる。おいおい、一回負けたくらいでなんて顔してんだよ。言っておくけど、お前ら本当によくやったからな? モルペコに全抜きされてもおかしくなかったからな? 一番の敗因は俺の実力不足なんだから。
俺が優しくポケモン達を慰めていると、ジメレオンは俺の隣にピッタリと寄り添い、コイルは頭にくっついてきた。ナンジャモじゃねえか。ヒトモシはめそめそしていたので抱っこしてなでなでしてやることにする。
「ぶい~」
そして、唯一バトルに参加しなかったイーブイはヒトモシの頬を伝う涙をぺろぺろと舐めてやっている。ウチの子達……いい子過ぎるだろ!! 最高のパーティだよお前ら!!
ふー、とはいえ……次はイーブイもバトルに参加させないとな。今のパーティ状況を踏まえた結果、イーブイの進化先も決まったし。
ただなぁ……どうやって進化させていいかわかんねーんだよなぁ。運ゲーだったらどうしよう。
……なんとかするしかねえか。
イーブイの頭を撫でながら、俺は改めて決意した。
ちなみに、ホップとユウリのバトルはユウリの圧勝。こいつ強すぎだろ。捕まえたばっかのイーブイとの連携もばっちりだし。やっぱとんでもねえな。
で、バトルを終えた後にホップとマリィは先にバウタウンへと向かい、俺達はようやくターフタウンへと足を踏み入れるのだった。
「お、無事に到着したようだね~。感心感心!」
「ソニアちゃ~ん♪」
ターフタウンのポケモンセンター前でソニアちゃんが俺達の到着を待ってくれていた。ユウリがソニアちゃんを見つけるなり抱き着きに行こうとしたので首根っこを掴んで捕まえておくことにする。
「石碑と地上絵の調査だっけ? 終わった?」
「うん。一通り見て回ったけど、あんた達の意見も聞きたくてね」
俺が尋ねるとソニアちゃんが髪の毛先をくるくると指で弄りながらそんなことを言ってきた。俺らの意見? おいおい、俺はともかくユウリの意見が参考になるとか本気で思っとるんか? どーせ「おっきいね~」くらいの感想しか出てこないと思うけど。
「地上絵見たーい!」
「うん、じゃあ早速行きましょうか」
ユウリもノリノリだったのでとりあえず地上絵を見に行くことにする。途中でジムの前を通ったら、特に行列ができていることもなくすぐに挑めそうな感じだった。ホップ達に聞くと、あいつらが到着した時はめちゃくちゃ並んでいたらしい。ふっ、やはり俺の判断は正しかった。
そして俺達はターフタウンののどかな雰囲気を楽しみながら町中を歩いていく。いやー、ほんとにハロンタウンを思い出す雰囲気だな。父さんが仕事で時々ここに来てるらしいけどなるほど納得だ。ハロンタウンと同じで農業が盛んなんだな。あの段々畑が美しい……
「わー、すごーい! 広場が展望台みたいになってるんだねー! あ、マサル! あそこに顔ハメパネルがあるよ!」
「なんでイシヘンジンとヨクバリス? チョイスがよくわかんねえな。もっと可愛いポケモンがいるだろ」
坂を登って広場にやって来ると、辺り一面に広大な山々と畑が広がり、綺麗に伐採された山の一角に巨大な地上絵があった。なるほどな。思った以上にデカい。
「マサルはイシヘンジンね! 私がヨクバリスの方に行くから! ねえソニアちゃん、写真撮ってくれる?」
「しょうがないわね。ほら、撮ってあげるからいってらっしゃい」
しかしユウリは地上絵よりもパネルの方に興味を示してしまったらしく、観光地にきた五歳児みたいに目をキラキラさせていた。
ソニアちゃんも素直に言うことを聞いちゃうあたり、なんだかんだユウリに甘いよな。
「ほら、マサルー! 撮るよー!」
「パネルの穴からウインディの顔を出せばええんか?」
「マサルの顔!!」
そんなこんなでユウリと一緒に写真を撮り、本来の目的である地上絵が正面に見える場所へと移動する。まじででかいな。なんか渦から雷みたいなビリビリが出てて、めっちゃでかいポケモンみたいな巨人とちっこい人間みたいなのが描かれている。
ナスカの地上絵とかもそうだけど、航空技術が発達していない大昔の人達はどうやってこれを描いたんだろうな。
「さて、二人とも。何か気付くところはある?」
「でっかい」
「おっきい」
「五歳児並みの感想ね!!」
ソニアちゃんが(>_<)みたいな表情になって俺達に盛大なツッコミを入れる。ソニアちゃんがツッコみいれる時のこの表情可愛いよな。味わい深くて好き。
「あれって何の絵なの? あの渦はナルト……? はっ!? まさか、あの地上絵は伝説ラーメンのレシピの在処について示してるんじゃ……!! それならきっとどこかに伝説カレーのレシピを示した地上絵も!!」
「そんなわけないでしょ! ブラックナイトよブラックナイト! なんで私が伝説ラーメンだのカレーだのを調査しないといけないのよ!」
ソニアちゃん、悪いけどユウリは本気で言ってるからな。ポケモンバトル以外だとこいつの直感は何一つ役に立たないからな。
「大昔……黒い渦がガラル地方を覆い巨大なポケモンが暴れまわった。ブラックナイトと呼ばれた黒い渦ってなんなの? ダイマックスとどんな関係? ねえ、マサルはどう思う?」
「それを調べるのがソニアちゃんの仕事だろ?」
「そうだけど、色んな人の意見も聞いておきたいじゃない。マサルって結構鋭いところあるし。ねーねー、マサルの考えを聞かせてよー」
ソニアちゃんは俺のTシャツの裾をくいくい引っ張りながらおねだりするようにそう言った。
ソニアちゃんは一見すると頼れる大人なお姉さんなのに、年下に平気で甘えてくるポンコツお姉様だったりするんだよな。でも、そういうギャップが可愛いところだと思う。
これでソニアちゃんがその辺の適当な男と付き合ったりしたら……そこで初めてソニアちゃんへの感情を自覚してダンデくんの脳が破壊されそうだよなぁ。
ま、そんなことは置いといて……この地上絵を見ての意見だよな?
「あれだ。ブラックナイトっていうのは大昔にガラルで初めてダイマックスしたポケモンで……剣と盾のポケモンとそのトレーナーに倒されたけど、ブラックナイトの力と剣と盾のポケモンの力が異次元レベルに強力過ぎて、現代まで両者の戦いの影響が残っちゃったんだ。で、その影響っていうのが───」
「ダイマックスってわけね。ふーん……ぶっ飛んだ話だけど面白い意見ね。参考にさせてもらうわ」
「す、すごい……マサルがなんか賢そうなこと言ってる……でも、そんなすごいポケモンなんているのかなぁ?」
「いるいる。他の地方には世界中を干上がらせたり海の底に沈めたり時間を操ったり空間を操ったりするポケモンがいるからな。ほら、何年か前にはイッシュ地方のポケモンリーグが
あれからあの緑頭のイケメンはどうなったんだろうな。どこかで元気にやってるといいんだけど。
「つまり……この地上絵は伝説の巨大ポケモン伝説!!」
ユウリが腕を組んで得意げにそう言った。
伝説が被ってんじゃねえか。まあ、めちゃくちゃざっくり言うとそうなるわな。
「ありがとうね、二人とも。私はこのままバウタウンに行くけど、ジムチャレンジがんばりなさいよ!」
「ヤローさん……草タイプの使い手……ラビフット無双だね!」
こいつは本当に無双しそうだから困る。まあ俺もヒトモシでゴリ押すつもりだけどな。
「ユウリ、ジムに挑む前にやること───わかってるよな?」
「ふっふっふ。もちろんだよマサルくん。私を誰だと思っているのかな?」
こういう時だけは見事に俺達の考えが一致するよな。
よーし……
「あ、言っておくけど、ターフタウンにはエンジンシティみたいなブティックがないからね」
ないんかい!!
ソニアちゃんの無慈悲な言葉に俺とユウリはその場で膝をつくのだった。
つよつよマリィちゃんと敗北者マサル回でした。
現時点だとマサルのパーティは悪と格闘がぶっ刺さり過ぎるのでマリィは天敵だったりします。でもマサルは敗北をズルズル引きずってウジウジ悩んだりはしません。その辺はスパッと割り切ってしまう性格なので。
バトルの流れに関してはゲームと違ってツッコミどころ満載かもしれませんが、本作ではあまりシステム的なバトルにはしないです。あくまで生き物が戦っているという前提なのであしからず。
ポケモンの「とくせい」に関してもほとんど触れていないのは上記の理由があったりするからです。そういうシステム的なバトルをやってる名作は他にたくさんあるのでね。本作はこういう方針になるのでご容赦ください。
それはそれとしてマリィの投球フォームは実にけしからんですね。あんなの横からだとパンツ丸見えじゃないですか。絶対ネットで玩具にされて「かたくなる」しちゃうよ……
そして次回はヤロー戦になります。やっと一つ目のジムです。ここまで長かった……
ではでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!
次回もよろしくお願いします。
マリィちゃんのパンツは「パンクな髪型と服装に合ったえっちなヤツ派だ!」な人も「ギャップ狙いの子供っぽい可愛いヤツ派だ!」な人も「マリィちゃんのパンツが気になって夜しか眠れない人」もここをぽちぽちしてくださいね!