【完結】すごいよ!! マサルくん   作:わへい

40 / 95

 評価、感想、誤字報告、ここすき等ありがとうございます!
 執筆の励みになっております!

 X始めました。よろしければフォローお願いします!





No.0038 うぬぼれ!! ユウリちゃんⅡ

 マサルは本当に優しい男の子。

 

 出会った時からずっと優しくて、温かくて、私達の成長を自分のことのように喜んでくれて。

 

 私が甘えるとマサルはどんな時でも優しく撫でて抱き締めてくれるの。

 

 そんな、とっても優しい男の子。

 

 私だけじゃないわ。マサルは他の子達、みんなにも同じようにたくさんの愛情を注いでくれているの。

 

 ヒトモシちゃん……今はランプラーちゃんだけど、マサルはよく肩に乗せてあげていて、レアコイルちゃんの身体をピカピカに磨いてあげて、ヨーギラスちゃんの重たい身体をがんばって抱っこしてあげていたの。

 

 そんな風に、みんなに優しいからみんなマサルのことが大好きなのよ。

 

 もちろん私もマサルのことが大好きよ。最近はマサルと一緒に寝ることが多いから、マサルの寝顔を見るのが楽しみなの。

 

 寝ている間は私のことをずーっと抱き締めてくれるのよ。

 

 お可愛いこと。

 

 最初は「変な服を着た人間ね」くらいにしか思わなかったのに。

 

 あの服を好んで着ているマサルは……お可愛いこと……?

 

 と、とにかくマサルは私達にすごく優しくて、些細な変化にもすぐに気付いてくれるわ。特にヨーギラスちゃんは、これまで辛い思いをしてきたみたいだから余計に気にかけているみたいね。

 

 他のみんなもヨーギラスちゃんに優しく接してあげているし、みんなとっても良い子達だわ。

 

 でもね。

 

 みんなに優しいマサルだけど……マサルにとって、特別な存在が二人いるの。

 

 そして、その特別な存在は……残念ながら私じゃないわ。

 

 マサルにとって特別な人。

 

 一人目は、インテレオンちゃん。

 

 私達の中でマサルと一番付き合いが長くて、マサルが一番信頼している……彼の相棒。

 

 この前のジムリーダーとの戦いで、マサルの隣に立つことが許されたのは、インテレオンちゃんだけ。

 

 私達には、彼らが戦っている様を黙って見ていることしかできなかった。

 

 悔しかった。

 

 すごくすごく悔しかった。

 

 マサルは私達に謝っていたけれど……彼に謝らせてしまったことが、大好きなマサルの力になれないことが、本当に、胸が痛むくらい悔しかったわ。

 

 だからね。

 

 もう二度と、あんな思いをしないように。

 

 もう二度と、マサルにあんな思いをさせないように。

 

 強くなった。

 

 あなたの望む強さを手に入れた。

 

 信頼するあなたのために。大好きなあなたのために。

 

 私の思い描く理想の自分になるために。あなたの思い描く理想の私になるために。

 

 私は、新しい力を手に入れた。

 

 進化した私を見て、マサルはたくさん褒めてくれた。たくさん撫でてくれた。たくさん抱き締めてくれた。

 

 それだけで満足しちゃうなんて……私って案外単純な女なのね。

 

 でも、それでいいの。マサルにとって本当に特別な女の子は、他にいるから。

 

 そう。みんなに優しいマサルにとって特別な二人目……それはユウリ。

 

 ユウリはいつも元気で明るくて、表情がコロコロ変わる面白い女の子。

 

 お可愛いこと。

 

 私以上に、マサルに甘えている女の子。

 

 お可愛いこと。

 

 私がマサルに甘えていると、対抗心を燃やして空回りしちゃう女の子。

 

 お可愛いこと。

 

 そして。

 

 マサルのことが大好きな女の子。

 

 そんなユウリにマサルはいつも呆れたような態度をとっているけれど……。

 

 ねえ、気付いてる?

 

 ユウリを見る時にあなたは、他の人には決して見せないような優しい目をしているのよ。

 

 ねえ、気付いてる?

 

 ユウリを抱き締めている時に、ユウリの頭を撫でている時にあなたは、他の人には決して見せないような優しい表情をしているのよ。

 

 ユウリがマサルのことを大好きなように、マサルもユウリのことが大好きなの。

 

 言葉には出さないけれど、ね。

 

 いいえ。きっとマサルに尋ねれば……。

 

「ユウリのこと? 好きに決まってんだろ」

 

 と、あっさり答えてくれるわね。きっと。

 

 ああ、決して……入れない。

 

 二人の間には、入り込む余地がない。

 

 それくらい、特別な関係の二人。

 

 それくらい、特別な絆で結ばれている二人。

 

 たとえ、お互いの向け合っている感情が───()()恋愛感情ではないとしても。

 

 ふふっ、二人が自分の感情を自覚するのはいつになるのかしらね?

 

 今からとっても楽しみだわ。

 

 あ、そうそう。

 

 二人の間に入り込む余地なんてないけれど、私はこれからもマサルに甘えることをやめないわ。

 

 だって私、マサルのことが大好きだもの。

 

 それに、ユウリのことも大好きだもの。

 

 ユウリはね、本当に面白くて可愛い子なのよ。

 

 嫌いな野菜をラビフットに食べさせようとしてマサルに見つかって怒られたり。マサルに内緒で私達にこっそりおやつをくれたり。一緒にモモンの実をつまみ食いしたり。隙あらば料理にカレールウを入れようとしたり。私がマサルとお昼寝していたらほっぺたをふくらませてわざとらしく不機嫌になったり。

 

 本当にお可愛いこと。

 

 でも、可愛いからってあんまり油断しちゃだめよ?

 

 特別な関係だからってあんまり油断しちゃだめよ?

 

 わるーい泥棒猫さんにマサルを奪われちゃうかもしれないからね。

 

 ああ、安心してちょうだい。

 

 泥棒猫さんは()()()()()から。

 

 それに、マサルがたとえ誰と結ばれようとも───私はずーっとマサルのそばにいるんだもの。

 

 だから、がんばってねユウリ。

 

 私はあなたを応援しているし、大好きだけれど。

 

 私が一番大好きなのは───マサルなんだから。

 

 

 

 

 

 

 朝起きたら、なぜかマサルと一緒のテントで寝ていた。昨日はマリィと一緒に寝ていたはずなのに……教授、これは一体!?

 

 真実はいつも一つ……そう、マサルが私のことを好き過ぎるがゆえの行動なのだ!!

 

 確かにここ数日、夜はマリィと一緒に寝ていたからマサルに寂しい思いをさせたかもしれない。

 

 それゆえに!!

 

 マサルが!!

 

 超絶可愛いユウリちゃんと一緒に寝られないことを寂しく思ったマサルが!!

 

 超絶可愛いユウリちゃんのことを大好き過ぎるマサルが!!

 

 私を自分のテントに連れ込んだのだ!!

 

 どうだこの一片の隙もない完璧な推理!!

 

 どうやら私には探偵の才能があったらしい。可愛くてバトルが強くて頭脳明晰で可愛いとか……あかんマサルがまた私に惚れてしまう。ぐへへへっ……!!

 

「もうっ! マサルったらそんなに私と一緒に寝たかったのね~♪」

「は? 何言ってんだ? お前が夜中に寝ぼけながら起きてきて俺から離れなかったんだろうが」

「ふふーん、そういうことにしといてあげる♪ マサル、私はね? ぜーんぶわかってるからね?」

 

 マサルは恥ずかしがり屋さんの照れ屋さんだから素直になれないんだよね。大丈夫大丈夫。マサルの気持ちはね、マサルが私のことを好き過ぎるっていう思いはね、ちゃーんと伝わってるからね。ふへへへっ。

 

「ふぃあーぉ♪」

 

 いつの間にかニンフィアが私の足元に擦り寄って見上げてきている。はぁ~……可愛いなぁニンフィア。きっとこの子は自分が可愛いことを自覚していて周りに愛想を振りまくだけ振りまいて思わせぶりな行動を取って「あいつ俺のこと好きなんじゃ……」って勘違いさせて数多の悲劇を生み出す魔性の女に違いない!!

 

 もしくは「この子、私のことが好きなのね」って自惚れて勘違いして調子に乗って自分から何も行動しなかった結果本当に好きな子をぽっと出の女の子に奪われて脳破壊されて闇落ちするパターン!!

 

 そんなニンフィアに!!

 

 恋愛強者であり勝者であるユウリちゃんがアドバイスをしてあげようじゃないか!!

 

 心して聞くがよい!!

 

「ニンフィア、恋はね……駆け引きなんだよ?」

「ふぃあ~……?」

「待ってるだけじゃだめ。たまにはこっちから攻めていかないと好きな子は振り向いてくれないの。まあ? 私レベルの美少女なら? 待ってるだけで駆け引きが成立しちゃうんですけどぉ?」

「ふぃあ……」

 

 ニンフィアの耳がペタンと垂れてしまった。自信を無くしちゃったのね。でも大丈夫だよ。頭脳明晰で幼馴染から愛されまくっているユウリちゃんがついてるんだから!

 

「ニンフィアにだけね、こっそり教えてあげる。実はね。マサルがね。私のことを好き過ぎて私に振り向いてもらおうと必死で駆け引きしようとしてるんだよ。マサルってほんとに可愛いでしょ? だから私はそんなマサルの駆け引きに付き合ってあげているの。ニンフィアも恋愛強者になりたかったら私くらいの心の余裕が必要なんだよ」

 

 そう! 私はまさにガラル淑女のお手本たる存在なのだ!

 

 それだけではない!!

 

「歩く恋愛攻略本」といっても過言ではないだろう!!

 

 はっ!? そうだ!! 私の恋愛観を執筆した本を出せばたちまち全世界でベストセラーになっちゃうのでは!?

 

 そして世界中の恋する少女達のカリスマ的存在になって「ユウリ様」って呼ばれちゃったり~?

 

 それでぇ! 世界中の男達からモテモテになってぇ! ちやほやされちゃってるユウリちゃんを見てぇ! 嫉妬しちゃったマサルがとうとう我慢できずに私に思いの丈をぶちまけて押し倒しちゃ───きゃーっ! きゃーっ! きゃーっ!

 

 マサルが私のことをしゅきしゅきなんだが♡

 

 はい! 映画化決定! ドラマ化決定! 漫画化決定! ゲーム化決定! これで私もスーパーハイパーカリスマ大女優!

 

「ふぃあ~」

「どうしたニンフィア? そんな元気ない顔して……ユウリ? なんでユウリにそんな残念なものを見るような目を向けて……あ~、変な妄想状態に入ってんのか。あいつにはよくあることだから放っておけ。美味いもんの匂いをかがせたら元に戻るから。ごめんなニンフィア。妄想モードのユウリは人に見せられない顔してるからびっくりしたよな?」

「ふぃあ~お♪」

 

 マサルがしゃがみ込んでニンフィアを優しく撫でている。ふ、ふんっ! そうやって私を嫉妬させようっていう作戦なんだね! ざ、残念だけど恋愛強者のユウリちゃんにはマサルの浅はかな作戦なんてお見通しなんだからっ!

 

 別に全然羨ましくなんか……。

 

「おいおい、くすぐったいだろ~」

「ふぃーあっ♪」

 

 ニンフィアがマサルの顔をペロペロしてマサルはニンフィアをぎゅーって抱き締めて……。

 

 う、羨ましくなんか……。

 

「はぁ~。ほんとにニンフィアは抱き心地良いな~。これから毎日俺と一緒に寝るか?」

「ふぃあっ! ふぃあっ!」

「ぎゃおおおおおおんっ!!」

 

 気付けば私はマサルに突進して背中に抱き着いていた。

 

 これは決して!! ニンフィアに嫉妬したわけではない!! 決して!!

 

 そう!! これはマサルが良からぬ性癖へ目覚めてしまうことを阻止するための正義の行動なのだ!!

 

 嫉妬ではない!! 嫉妬ではないのだ!! 嫉妬ではないっつってんだろ!!

 

「だめーっ! だめーっ! マサルはニンフィアと一緒に寝ちゃだめーっ!」

「なんでだよ!? っつーか、危ないからいきなり抱き着いてくんな!」 

「マサルは私と一緒に寝るのーっ! 寝ーるーのーっ!」

「お前はマリィと寝てるだろうが」

「マリィとも寝るのーっ!」

「無茶苦茶言うな!」

 

 私がそうやってマサルの背中にくっついてると、マサルは呆れたように溜息を吐いて私を抱き締めて頭を撫でてくれる。フヒッ、そんな呆れたような演技しちゃって~。ほんとはユウリちゃんにくっつかれて嬉しい癖に~。

 

 わ、私は別にマサルに抱き締められて撫でられたからって……な、何ともないんだから~。

 

 えへへっ♪ もっと撫でて撫でて~♪

 

 

 

 

 

 

「ニンフィア、マジカルシャイン」

「ベロバー、あくのはどう」

 

 朝食を食べて後片付けをした後、私達はナックルシティへ向けて出発する。マリィとニンフィアがものすごーく呆れたような目を私に向けていたけど……ち、違うからね! あれはマサルが私を好き過ぎるがゆえの行動であって私には何の責任もないんだから! マサルにぎゅーってされて頭なでなでされて喜んでたわけじゃないんだから! あれは高度な恋の駆け引きなんだから!

 

「よくやったニンフィア。あれだけ苦戦していた格闘や悪タイプのポケモンをこんなにあっさり倒せるとは……これでドラゴンにも有利取れるってフェアリー様様だな」

「ベロバーも良い感じ。マサル、本当に『あくのはどう』のわざレコード貰ってよかったん?」

「ウチの面子じゃ使わないからな。エスパー相手ならランプラーかヨーギラスが進化すれば大丈夫だし。ついでにほい。『マジカルシャイン』のわざレコードも余ってるからあげる。ベロバーに覚えさせなよ」

「わっわっ。そ、そんな悪かばい。あたし、貰ってばっかりでなんにもお返しできんのに……」

「んじゃあ、スパイクタウンに着いたら何か美味いもん奢ってちょーだい」

「うん……わかった。マリィが小さい頃から通ってるお店に連れて行ってあげるね」

 

 マリィが小さい頃から通ってるお店!? 行きたい行きたい行きたい行きたい!! 私も行きたい!! よくやったマサル!!  褒めて遣わすぞ!! マリィは私のお嫁さんなんだから、スパイクタウンは私のふるさとみたいなものだよね!!

 

「ユウリ! そっちにユキノオーが───」

「ラビフット、ニトロチャージ」

 

 ふふん、マサルに言われなくても気付いてるよ。私のマリィ溺愛タイムを邪魔する者は何人たりとも許しはせんぞ! ラビフット! やっておしまい!

 

 軽快なフットワークで翻弄しつつ、ラビフットは一撃でユキノオーを仕留めた。さすがだぞ! タイプ相性をばっちり理解してるんだな! へへ~ん。ホップの真似だよ~。

 

 そういえば、いつの間にかホップがいなくなってて……今頃どこにいるのかなぁ? ホップのことだから大丈夫だとは思うけどね。

 

「おろ?」

 

 そんなことを考えながらがんばってくれたラビフットの頭を撫でていると、いきなりラビフットの身体が光りはじめた。も、もしやもしや!? よもやよもや!? 

 

 私が期待に胸を膨らませてラビフットの様子を見守っていると、光の中からラビフットよりも一回り以上大きくなった影が現れた。すぐに私はスマホロトムのポケモン図鑑アプリを起動させる。

 

「エースバーン……」

「ふぁーっ!」

 

 甲高い鳴き声と共にエースバーンが私ににっこりと笑いかけてくれると同時に私は思わずエースバーンに抱き着いていた。何これ何これ何これ!! 格好良さに磨きがかかりすぎでしょ!! 立派なお耳がピシッと立ってて目はキリっとしてて!! これで女の子なんだよ!! イケ女だよイケ女!!

 

「おー、格好良くなったなエースバーン」

「ふぁーふぁー♪」

 

 マサルがエースバーンの頭を撫でている。ふふーん♪ すごいでしょ? 格好良いでしょ? マサルのインテレオンも格好良いけど、私のエースバーンの方が上だからね~? はぁ~、ウチの子達がみんなかっこ可愛くてちゅらい♡

 

「やっぱりワイルドエリアは育成するのにええね。巣穴でダイマックスの練習もできて、あたしのグレッグルもドクロッグに進化したし」

「俺達が籠りきりになるのもわかるだろ?」

「でも、毎日カレーは飽きる」

 

 カレーハアキル? マリィは一体何を言っているんだろう? 私、マリィのこと大好きだけど今の言葉は理解できなかったな~。

 

 カレーはね。世界を救うんだよ。私は伝説のカレーを見つけるまで旅をやめるつもりなんてないから!

 

「ユウリはあとリオルとメタングが最終進化待ちだな。メタングは進化が遅いポケモンだからまだ時間がかかるとして……リオルはぼちぼち進化してもいい頃な気もするな」

「あお~ん……」

「ああ、別に焦んなくていいからな。リオルが強くなってるのは俺もユウリもみんなちゃーんとわかってるから」

「あおんっ♪」

 

 ちょっ! マサル! それリオルのトレーナーの私が言うべきことだよ! ぐぬぬっ……そうやって私のポケモンがマサルに懐いちゃったから、ポケモン達がクーデターを起こして私の毎日三食カレーの野望を阻止したんだよね。

 

 はっ!? 待てよ……これはいわゆる「外堀を埋める」というヤツではなかろうか?

 

 私に対して「しゅきしゅきアピール♡」するだけじゃなく、私のポケモン達の好感度も稼ぐというマサルなりの恋の駆け引き!?

 

 もうっ! マサルったらお可愛いこと。あの手この手で私を攻略しようとするんだからぁ~♪

 

「あれ、ナックルシティの入り口やない?」

「そうだな。リーグスタッフさんもいるし……意外と早く着いたな」

 

 遠くに長ーい防壁と階段が見えて、そのすぐ近くにリーグスタッフさんが立っていた。あれがナックルシティか~。確か、最後のジムがある街だよね。大きな街みたいだし、色々見て回りたいな~。

 

「おーい、三人ともー!」

 

 野生のポケモン達を蹴散らしつつナックルシティの入口へ向かっていると、後ろからホップが手を振りながら私達の方へ走って来た。あれ? てっきりもうナックルシティに着いてるのかと思ってたのに、いつの間にか私達の方が追い越しちゃったんだね。

 

「なんだ。まだワイルドエリアをうろうろしてたのかよ」

「それはこっちのセリフだぞ。ポケモンを捕まえたり育てたりしてたからな。それよりマサル、俺と勝負してくれ! 俺の新しい仲間をお披露目するぞ!」

「ほう? それならこっちもマサル組の完璧で究極なアイドルをお見せしよう」

「さすがだぞ! イーブイをニンフィアに進化させることができたんだな!」

 

 そう言ってマサルとホップがバトルを始めてしまった。

 

 ホップの手持ちはバイウールー、アオガラス、クイタラン、カビゴン、バチンキーの五体だった。ウールーが進化してて、クイタランとカビゴンが新しく捕まえたポケモンだね。私もゴンベをお家で飼ってるからわかるけど、カビゴンを育てるのは大変だよ? ご飯をたくさん食べるからね。

 

 バトルの結果は、マサルの勝ち。ヨーギラスとランプラーがカビゴンの「DDラリアット」っていうすごい技で倒されちゃったけど、最終的にインテレオンの「ねらいうち」が猛威を振るっていた。

 

 エースバーンの「かえんボール」もインテレオン相手だと撃ち抜かれるかもしれないね。

 

「やっぱりマサルは強いな! さすが俺の最高のライバルだぞ!」

「カビゴンは相当やばいな。色んなタイプの技を覚えて耐久力もある上にノーマルは不利なタイプが少ない……あんまり相手にしたくねえなぁ」

「カビゴンの加入で戦術の幅がぐっと広がったんだぞ。クイタランは……マサルやユウリが炎タイプのポケモンを使ってて格好良かったら欲しくなったんだ」

 

 バトルが終わった後も二人は反省しつつ楽しくお喋りしている。うん。ホップが元気になってよかった! また落ち込んでたら私の美味しいカレーを振舞って……はっ!? そういえば、マサルもホップも私のことが大好きだからいつかは「私と付き合う権利」を賭けて二人が戦うことになるんだよね!?

 

 かーっ!! これだからなーっ!! モテる女はつれーんだよなぁーっ!!

 

 でもごめんね二人とも。マリィは私のお嫁さんだから!!

 

 ん? 待てよ?

 

 私がマサルとホップのお嫁さんになってマリィが私のお嫁さんになるのが誰もが幸せになれる一番平和な展開なのではないだろうか?

 

 ふーっ……やっぱり私、天才過ぎる!!

 

「ねえ、ユウリ」

「どうしたのマリィ? 結婚する?」

「け、けっこ!? 何言うとんのあんた!? ユウリにリベンジしたいけんバトルしようって声かけたんやけど……」

 

 リベンジ……つまりマリィも私をお嫁さんにしたいと思ってるんだね! 負けないよ! 私はマリィのウェディングドレス姿が見たいんだ!

 

 そして私達もマサル達と同じようにバトルをして……結果は私の勝ち!

 

「うーん、やっぱり強いねユウリは。マリィももっと戦術を見直してこの子達を育てんと……」

 

 マリィが時々自分のことを「マリィ」って言うの可愛すぎんか!? 私も真似してみようかな~? 時々マサルの前で「ユウリはね~♪」って言っちゃうの。

 

 ぐひひっ……きっとマサルは私の可愛さでもっとメロメロになってなんにもできなくなっちゃうんだろうなぁ~。フヘッ。

 

「俺はもう少しワイルドエリアで鍛えてから先に進むぞ!」

「あ、ホップ。あたしも付き合っていい?」

「もちろんだぞ! マリィの戦い方は勉強になるからな! 一緒に鍛えてマサルとユウリに勝つぞ!」

「じゃあ俺は先にナックルシティに行くわ。ユウリ、お前はどうする?」

「え~? ユウリはね~どうしよっかな~?」

 

 私がマリィの真似をしてあま~い声でマサルに囁くとマサルがメロメロに……じゃなくてものすごくスンッってした表情になった。もぉ~、マサルったら照れ屋さんなんだからぁ~♡ ほんとはユウリちゃんの可愛さでいちげきひっさつなんだろー?

 

「マサルが独りぼっちだと可哀想だから一緒に行ってあげよう。ねえねえ、マサル。また私と一緒で嬉しい?」

「あー、嬉しい嬉しい」

 

 まったくぅ~。照れちゃって可愛いんだからぁ~。

 

 はぁ~……。

 

 本当に!! 

 

 幼馴染が!! 

 

 私のことを!!

 

 好き過ぎる!!




 メインヒロイン回でした。

 本当はね。ユウリは「その着せ替え人形は恋をする」の喜多川海夢ちゃんみたいな誰にでも分け隔てなく接する明るいギャルっぽい可愛い性格の女の子にしようと思ってたんです。それがなぜかいつの間にかこんなことに……。ごめんね海夢ちゃん。

 そしてマサルパーティのアイドル、ニンフィアちゃんの独白。ニンフィアはマサルのこともユウリのこともみんな大好きな完璧で究極なアイドルです。それはそれとしてユウリの反応が面白いのでからかったりしますが。

 そしてホップはこの時点で手持ちがかなり強化されています。迷いが晴れたホップは強いんだぞ! ホップのカビゴンはまあまあ面倒臭かった記憶があります。ただ、もっと技構成はなんとかならんかったんか?

 次回はナックルシティでローズ委員長と会ってキバナと会ってソニアと会って……カジッチュイベントをやる! かもしれない。

 普通のラブコメならさ。男女二人で一緒に旅してカジッチュイベントみたいなのに遭遇したらちょっとはお互い意識し始めるはずなんだけど……マサルとユウリだもんなぁ。ラブコメのラブ抜きで終わる結末しか見えない。

 ではでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!

 次回もよろしくお願いします!

 こうやって調子に乗ってイキっちゃうユウリちゃんはなんだかんだ可愛くて好きだよと思う人はここをぽちぽちしてください!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。