【完結】すごいよ!! マサルくん   作:わへい

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 お待たせしました。

 マサルVSユウリ 決着です。



今日───敗者の君達へ

 チャンピオンの器。

 

 カントートップジムリーダー、グリーンは確かにそう言った。

 

 カントーのレジェンドトレーナーレッドよりも早くポケモンリーグを制覇し、一度は()()()に就いたことがある人物の言葉。

 

 その言葉に、どれほどの重みが、説得力があるのか。

 

 だが、その言葉は届かない。

 

 当の本人である、マサル自身には届いていない。

 

 極限の集中状態を超えた領域にいる彼の目に映っているのは、一人の少女だけ。

 

 歓声もスタジアムの光景も、彼にとっては領域外の出来事だった。

 

 そして、勘違いをしてはならないのは、マサルはあくまでその領域に()()足を踏み入れることができた()()だということ。

 

 たかが一歩。

 

 されど一歩。

 

 だが、その偉大なる一歩は間違いなく、文字通り、少年の世界を変えた。

 

(ユウリ、これがお前の……いや、お前()が見ている世界か)

 

 マサルは、思わない。

 

 これだけで、彼らと対等になったなどとは思わない。

 

 偉大な先達達が巣食うその領域を垣間見ただけの自分では、到底届かない。

 

(それでも俺は掴んだぞ。お前達の背中を───)

 

 マサルの集中力が、さらに研ぎ澄まされていく。

 

 だが。

 

 進化が加速するのは、真価を発揮するのは。

 

 彼だけではない。

 

(来いよユウリ。お前は絶対、()()()を出してくるんだろ?)

 

 彼にはわかる。手に取るようにわかる。

 

 少女の、考えが。

 

 それと同時にマサルは理解し、体感する。

 

 ここから先の攻防は。

 

 あのツワブキ・ダイゴをして「天才」と言わしめた少女による───()()だと。

 

「ニンフィア!!」

「メタグロス!!」

 

 両者の三体目。

 

 タイプ相性のみならば、マサルが圧倒的に不利である。そして、このメタグロスこそが、ユウリに勝つための最大の障壁であり、マサルが()()()()()()()()()()()と考えていた本命だった。

 

 しかし、マサルは当然こうなる事態も想定していた。

 

 フェアリータイプにとって最悪の相性となりうる鋼タイプ。その中でも、種族としての強さが、伝説系を除けば最上位に位置するであろうメタグロス。

 

 そのメタグロスとニンフィアが対峙せざるを得ないという事態をも、想定していた。

 

「メタグロス!! コメットパンチ!!」

「ニンフィア!! リフレクター!!」

 

 四つ足を駆使し、距離を詰めるメタグロスの眼前に五層の透き通ったシールドが形成される。メタグロスはそのシールドに対し、躊躇うことなく片方の前足を振り上げ、叩き付けた。

 

 メタグロスは鋼タイプであるがためにその耐久力にばかり目を向けられがちだが……純粋な物理攻撃力()()()()()

 

 バンギラスをも、凌駕する。

 

 故に。

 

 メタグロスにとって「リフレクター」は、攻撃速度を()()()()遅らせ、威力を数割削る程度の障害にしかなりえない。

 

 が、その数瞬の攻撃速度の低下こそが。

 

 マサルにとって最大の、目的。

 

「ニンフィア!!」

 

 五層のシールドがあっという間に破壊され、メタグロスの強烈な一撃がニンフィアに襲い掛かるその瞬間、ニンフィアは()()()()()、ダメージを最小限に抑えた。

 

 その動きはまさに、先程のバンギラスとシャワーズの攻防のそれだった。

 

 ユウリがバンギラスの対策をシャワーズに仕込んでいたように。

 

 マサルもメタグロスの対策をニンフィアに仕込んでいたのだ。

 

 そしてここまでは、両者共に同じことを考えて()()

 

 そう、「いた」だ。

 

 つまり、ここから先の選択は、正反対の道を行く。

 

「ニンフィア!! マジカルフレイム!!」

 

 マサルの選択は攻撃技。吹き飛ばされたことにより得た距離を最大限生かし、空中で体勢を立て直したニンフィアは鋼タイプの天敵である炎タイプ技を放つ。

 

 対するユウリの選択は───

 

「メタグロス!! コメットパンチ!!」

 

 防御でも回避でもない、真正面からの特攻。

 

 その選択に、マサルがわずかに歯噛みしたのをユウリは見逃さなかった。つまりそれは、マサルにとって最悪の選択であることを意味する。

 

そして、「マジカルフレイム」を受けながらも、メタグロスは止まらない。炎を纏いながらも距離を詰め、ニンフィアに迫った。

 

 ここでマサルが取る選択は「リフレクター」「まもる」のような防御技、あるいは「みがわり」のような回避技だと()()()()()()()()()

 

 だが、マサルは。

 

「ニンフィア」

 

 マサルの選んだ選択は。

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 迎撃。

 

 いつも笑顔とその愛嬌で見る者を虜にし、癒しを与えていたニンフィアが、今まで一度も見せたことがないほどの鋭い目つきでメタグロスを睨みつけ、業火を放つ。

 

 先程空中で放ったそれとは、雲泥の差がある威力の炎。

 

 だが、それでも。

 

 それでも、止まらない。

 

 その程度では、鋼の要塞メタグロスは止まらない。

 

 炎に包まれながらも、メタグロスはその前足を大きく振り上げ。

 

 叩き、込む。

 

「ふぃ……あ……」

 

 吹き飛ばされたニンフィアはフィールドを転がり、震える足で必死に立ち上がるも。

 

「ニンフィア」

 

 優しい笑顔で()()()()()()()()()マサルを見て。

 

「よく、がんばったな。あとは俺達に任せてゆっくり休んでくれ」

 

 ニンフィアは目にいっぱいの涙を浮かべ、それでも安堵の表情で、倒れ伏す。

 

『ニンフィア倒れる!! だが!! タイプ相性が最悪のメタグロスを相手に一歩も退かず……威風堂々とした立ち回りを見せてくれました!!』

『二発目の「マジカルフレイム」を使わせたことに関しちゃ賛否両論ありそうだが、俺は評価するぜ。傍から見りゃあ、メタグロスに少しでもダメージを与えるためにニンフィアを犠牲にしたように映るだろうが、それ()()なら、二発目があれだけの高威力になるはずがねえ。ニンフィアはマサルの考えを理解していて……マサルとの間に絶対的な信頼関係があるからこそ、あそこまで戦い抜けたんだ』

『……あれだけボロボロになりながらも立ち上がろうとしたのがその証拠』

『バトルってのは思い通りの展開にならないことの方が多い。トレーナーはその中で常に最善の選択を……だが、その最善が時には非情にならざるを得ない選択だということもある。特に、タイプ相性が悪けりゃなおさらだ。マサルはそれらを全部理解した上でニンフィアに躊躇わず指示を出し、ニンフィアはマサルの信頼と期待に全力で応えた。それに、ユウリの攻め方もよかったな。下手に防御や回避に回らず、メタグロスの耐久力を信じて攻撃させたことで、マサルとニンフィアに選択の余地を与えなかった』

『先程のバンギラスとシャワーズの攻防でも似たような場面があり、マサル選手はシャワーズの「ハイドロポンプ」を「ストーンエッジ」で防御していましたね。このあたりに、マサル選手とユウリ選手の考え方の違いがありそうです』

『どっちかが間違ってるってことじゃねえ。どっちも正解だ。そもそもバンギラスはその前にルカリオから「インファイト」を貰ってたから、全く同じ状況とは言えないしな』

 

 ニンフィアとメタグロスの攻防、その結果はマサルにとっては想定内。想定内ではあるのだが、ユウリが最適行動を取り続けたことによる、()()()()最悪の想定内だった。

 

 ジバコイルとエースバーンに始まり、マサルはこのバトルにおいては基本的に後手に回らざるを得なかった。バンギラスの活躍で盛り返しはしたものの、マサルはゆっくりと真綿で首を絞められるような圧迫感、閉塞感に支配されつつあることを自覚する。

 

()()()()()()()、メタグロス」

 

 そして、ユウリはポケモンを交代させるつもりがないようだ。マサルの手持ちが残り二体に対し、ユウリは三体。至極当たり前であるが、ポケモンバトルは後半になればなるほど、互いの手持ちが少なくなればなるほど、選出における読み合いの要素は薄れていく。

 

 それはすなわち、マサルの強みが潰される一方で、ユウリの選出における圧倒的アドバンテージの影響が少なくなることをも意味していた。

 

 だが、ユウリがそのアドバンテージを失ったところでユウリのポケモン達が弱体化するわけではない。むしろ、互いの手持ちが少なくなればなるほど、勝敗を大きく左右するのは───トレーナーではなくポケモンの能力であることを。

 

 それをマサルは、そして()()()は痛感することになる。

 

(交代させない……。ユウリのヤツ、完全に誘ってやがるが、そもそも俺に選択肢はねえ。ここでインテレオンを出すことには、このタイミングでユウリの裏をかくことには何の意味もない)

 

 まだユウリにはエースバーンを温存している状況にもかかわらず、ここでインテレオンを出すことには意味がないどころかマイナスにしかならないとマサルは結論付けた。

 

(上等だ。ウチの最高火力でその牙城を崩してやる)

 

 そしてマサルは、四つ目のボールを構えた。

 

「シャンデラ!!」

 

 青い炎を纏う黄泉の国への案内人であり、メタグロスにとってはマサルのパーティー内で、最大の天敵。

 

「臆すなシャンデラ!! お前の火力で落とせない相手はいねえ!!」

 

 マサルの激を受け、シャンデラの纏う炎がさらに猛々しく荒れ狂う。

 

 だがユウリは、そしてメタグロスは動かない。

 

 先ほどのニンフィアとは比較にならないほどの灼熱の業火を操るシャンデラを、真正面から待ち受けるつもりのようだ。そしてそれは、決して驕りや慢心などではない。

 

 それは───

 

「オーバーヒート!!」

 

 それは───信頼であり。

 

 シャンデラを()()()()()()()の、策。

 

 シャンデラの、全身全霊の一撃。一般ポケモンで最高の特殊攻撃力を誇るシャンデラの一撃は、他の炎ポケモンの追随を許さず、イッシュ地方の伝説とされるレシラムにも引けを取らない。

 

 

 

 

 

 

 はずだった。

 

 

 

 

 

 

「ふざ……けんな、よ……!!」

 

 思わず、マサルはそんな言葉を漏らしていた。

 

 ダイマックス技と何ら遜色のない紅蓮の獄炎がフィールドを支配し、メタグロスの巨体を容赦なく飲み込んだ。

 

 にも、かかわらず。

 

「シャンデラの……『オーバーヒート』だぞ……!?」

 

 倒れない。

 

 メタグロスは、倒れない。

 

 それはもはや「鉄壁」「不動」「不沈」などという言葉では、足りない。

 

 不死身の要塞、メタグロス。

 

(俺は……俺にはわかっていたんだ……!! シャンデラの一撃だけじゃ倒しきれねえだろうってことを!! だから……だから俺は、ニンフィアを犠牲にしてまで「マジカルフレイム」を二発使わせたんだ!! なのに……この、野郎……!!)

 

 獄炎の中心で悠々と佇むメタグロス。未だ全く鈍らないその眼光を、その光景を目の当たりにしたマサルはこのバトルで初めて、冷や汗をかいた。

 

「メタグロス」

 

 ユウリの言葉と共に、メタグロスは足の一本を高く振り上げ。

 

 

 

 

 

 

「じしん」

 

 

 

 

 

 

 

 全身全霊の一撃による反動で動けないシャンデラへと、地面タイプ最上級技が襲い掛かった。

 

 回避も防御もできず、己の一撃に全てを懸け、不死身の要塞を打ち滅ぼさんとした黄泉の国への案内人が。

 

 沈む。

 

 この瞬間。

 

 マサルの手元に残ったのは。

 

 インテレオン、ただ一体。

 

 

 

 

 

 

「化け物かよ……あのメタグロス。相棒じゃないとはいえ、キョダイマックスした俺様のジュラルドンを沈めたシャンデラの『オーバーヒート』だぞ」

「炎タイプのポケモンだけで攻略できる相手じゃない。マサルくんもそれがわかっていたからこそ、タイプ相性が不利なニンフィアにあの立ち回りをさせたんだ。僕のマルヤクデが相手をしたとしても……一筋縄ではいかないな」

「ぼ、僕もシャンデラ……持ってる、けど……あれ、耐えられたら……む、無理ぃ……!」

 

 百戦錬磨のジムリーダー達が抱いたものは、驚愕よりも畏怖だった。

 

 ガラル地方は土地柄、地質の影響で他の地方と比較して鋼タイプを複合しているポケモンが多く生息している。故に、ガラルのジムリーダー達、ポケモントレーナー達は他の地方よりもより高いレベルでの鋼タイプへの対策が要求され、鋼タイプのポケモンに対する理解度も非常に高い。

 

 にもかかわらず、否、理解が深いからこそ戦慄した。

 

 あのメタグロスの、異常なまでの強さに。

 

「ユウリのヤツ、あんなメタグロス……正確にはダンバルか。どこで手に入れやがったんだ? ダンバルなんて『カンムリ雪原』にしか生息してなかったはずだぜ」

「ああ、ユウリちゃんのダンバルは僕があげたんだよ!」

 

 キバナの疑問に対する答えを、ツワブキ・ダイゴが満面の笑みで誇らしげにあっさりと口にした。

 

 その瞬間、その場にいたダンデを除く全員の視線が一斉にダイゴに注がれ、その視線は雄弁にこう語る。

 

「何やってんだこいつ?」と。

 

「……いや、何やってるんですかダイゴさん」

 

 誰もが思うだけで言葉にしなかったことを、イッシュの英雄トウコがあっさりと言いのけた。

 

「ユウリちゃんとマサルくん、二人と鉱山で初めて会った時に、ユウリちゃんは鋼タイプのポケモンを持っていなかったんだ。鋼タイプをこよなく愛する僕としては、『アイアンズクラブ』の終身名誉会長の僕としては決して見過ごせることじゃなかった。だから僕の()()()()()の子をあげることにしたんだよ!」

「……その結果、マサルがあんなに苦しむ羽目になったんですね」

「でもねトウコちゃん。忘れちゃいけないのは、あのダンバルをあそこまで育て上げたのはユウリちゃんの純粋な実力だ。どれだけ個体として優れていようとも、トレーナーに実力が備わっていなければ、そもそもメタグロスに進化すらしていなかっただろうね」

 

 これだけ強力なポケモンを育てるトレーナーが少ない一番の理由はそこだ。強ければ強いほど、種族として優れていればいるほど、それに比例して育成の難易度も上がっていく。特に、ドラゴンタイプはそれが顕著だった。

 

「ユウリちゃんだけじゃなくて、マサルくんには『かみなりのいし』と『やみのいし』をあげたからね。あ、ユウリちゃんには『みずのいし』もあげてたかな」

「自由すぎんだろこの人……」

 

 キバナは呆れたようにそう言った。元とはいえダンデと同じチャンピオンでここまで違うものなのか、と。

 

「さて、どう見るダンデ? お前の一番のお気に入りが追い詰められちまったぜ?」

「……むしろ、ここからだろう」

「ここから?」

「ああ、そうだ。窮地でこそ、ポケモントレーナーとしての真価が問われる。俺の見込んだ男が、このまま簡単に終わるはずがない」

「こういう場面でこそ、真価が問われる、か。それに関しちゃ同意見だが()()()()()()()()()()()だぜ? 残りのポケモンを考慮すりゃあ、相当厳しい───」

「なーに言ってんのよ! マサルの()()()()()()()が誰なのかあんた達ちゃんとわかってんの? ここまで来たら難しいこと考えずに全部押し流してやればいいのよ! 行きなさいマサル! 私がついてるわ!」

「ルリナ……お前はマサルの何なんだよ?」

 

 ルリナが観覧席の窓ガラスをバンバン叩きながら叫ぶようにそう言っているのを見て、キバナは苦笑する。

 

 この場にいる全員が、気付いていた。

 

 歴史に残る名勝負、この一戦の終わりが近づいてきていることを。

 

(マサル……)

 

 そして、マサルをこの舞台へと推薦した一人の少女は、両手を握り、静かに静かに祈っていた。

 

 彼の───勝利を。

 

 

 

 

 

 

「マサルが……追い詰められた」

 

 倒れるシャンデラを見て、ソニアは思わずそう呟いていた。ソニアにとって、マサルとユウリはどちらも小さい頃から知っている大事な弟分と妹分だ。この戦いが始まる前に、個人的な恩返しのためにマサルに激励の言葉を送ったとはいえ、ソニアは二人のことを等しく応援していた。

 

 だが、重なる。重なってしまう。

 

 マサルの姿が、七年前の自分の姿と重なってしまう。

 

 あの時の自分が、追い詰められた自分がダンデを前にして何を思っていたか。ソニアはそれを、はっきりと覚えている。

 

()()()()()()()()()、一矢報いる」と。

 

 そうだ。あの時の自分はすでに、心のどこかで己の敗北を悟ってしまっていたのだ。「勝ちたい」と心の底から願いながら。

 

 それでも彼女は知っている。逃れようのない、理不尽に襲い掛かってくる「敗北」を。

 

 ソニアは、知っている。

 

「追い詰められた、か……。ソニア、お前まだまだマサルのことをわかってないぞ」

 

 ホップの言葉に、ソニアは無意識の内に俯きかけていた自分に気づき、顔を上げた。

 

()()が、追い詰められた人間の顔か? あいつの目は微塵も死んでないぞ」

 

 

 

 

 

 

 マサルは笑った。

 

 笑っていた。

 

 未だ三体のポケモンを擁するユウリに対し、自分のポケモンは残り一体。自軍が誇る最高火力の一撃を受けてもなお沈まない、不死身の要塞が目の前に立ちはだかっているにもかかわらず。

 

「敗北」の二文字が、己を支配しようとしている絶望的な状況にもかかわらず。

 

 マサルは笑った。

 

 それは決して、自暴自棄になったわけでも、全てを諦めたわけでもない。

 

「ははははははっ! すげえ……やっぱりお前は、お前達はすげえよユウリ。俺がここまで……ここまで追い詰められたのは()()()()()()()だ」

 

 それは、敬意。

 

 ユウリと彼女が使役するポケモン達に対する最大限の、敬意。

 

 己が持てる力の全てを尽くしても尚、ポケモン達が持てる力の全てを尽くしても尚、それらを上回る目の前の少女達。

 

 悔しさはある。確かにある。

 

 それでも少年は、彼女達に敬意を抱かずにはいられなかった。

 

「だけどな、これで()()()()()()になってんじゃねえぞユウリ。ポケモン勝負は、()()()()()()()()()()()、何が起こるかわからねえからな」

 

 その言葉の、意味を。

 

 ユウリは、真の意味で理解することになる。

 

「思えばいつもこうだったな。いつもお前には、一番苦しい場面を任せてきた」

 

 マサルは、纏う闘志はそのままに、だが感慨深げで、どこか穏やかな表情で()()()モンスターボールを構える。

 

「俺は、お前達の力を……お前の力を疑ったことなんて───一度だってありはしない」

 

 少年の最後のモンスターボール。その中で静かに牙を研ぎ続けていたのは。

 

 少年の最初のパートナー。

 

「さあ、頂点を取りに行くぞ」

 

 ダイマックスバンドが、輝いた。

 

 そして。

 

 その言葉に。

 

 その姿に。

 

 ガラル全土が、震撼する。

 

 

 

 

 

 

「インテレオン───()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 輝く巨大なモンスターボールの中から現れたのは、少年の相棒であり、真の切り札であり。

 

 もう一つの、姿。

 

 柱のような数十メートルの長い尾が天を貫き、その頂点に鎮座する青きスナイパーは、静かに見下ろしていた。

 

 不死身の要塞と、少女を。

 

「打破しろインテレオン。全部押し流せ」

 

 スタジアムが、沸く。限られた種族の、さらに特定の個体にのみ許される特別なダイマックス。今の今まで、ジムリーダー達との戦いの中でさえ一度も見せなかったキョダイマックス。

 

 誰も知らなかった。対峙する少女も、彼のことを最も理解している少年でさえも知らなかった。

 

 まさにそれは、切り札と呼ぶに相応しい。

 

 そして、その切り札を、その正体を知っていたのは。

 

 マサルの他に、もう一人。

 

 世界でたった、一人だけ。

 

 

 

 

 

 

「そう……ですか。ここで使いますか、マサル」

 

 ガラルにおける、ダイマックス研究の第一人者───マグノリア。

 

 

 

 

 

 

「まずはてめえだメタグロス。散々好き勝手暴れてくれやがって」

 

 マサルとインテレオンは右腕を伸ばし、射貫くように、真っ直ぐに己の人差し指をメタグロスへ向けた。

 

 そして。

 

「ダイストリーム」

 

 津波の如き激流が、抵抗も回避も一切許さず、ただただ理不尽に、あっという間にメタグロスを飲み込んだ。

 

「───沈めメタグロス」

 

 猛威を振るい、遺憾なくその能力を発揮し、マサルのパーティーを半壊させた不死身の要塞が、激流の渦に飲み込まれ、沈む。

 

 だが、沈みゆくメタグロスを前にして。

 

 自軍の最高戦力が落とされる様を目の当たりにして。

 

 少女は、ほんのわずかに口角を吊り上げた。

 

 その意味を。

 

 マサルが、そして───ガラルで最も()()()()()()()()()()トップジムリーダーキバナが。

 

 誰より早く、理解する。

 

「ユウリ……お前、お前まさか……!!」

 

 マサルの言葉に、ユウリは空に向かって手を伸ばした。

 

 特定タイプのダイマックス技やキョダイマックス技には天候すらをも支配する効果がある。本来ならば「ダイストリーム」も例に漏れず、水タイプのダイマックス技であるが故、この技には天候を「雨」へと変える効果があった。

 

 そう、()()()()()、だ。

 

 しかい、今このフィールドを、スタジアムを支配しているのは───スタジアムの熱を冷ますような()()()()()

 

 スタジアムの熱気をさらに加速させるような、()()()()()()()

 

 肌をじりじりと突き刺す、焼けるような痛み。

 

「最後の最後で、メタグロスに使わせやがったな……!!」

 

 マサルは悔しそうに、だがどこか嬉しさを含んだ声で、言葉を漏らす。

 

 ユウリが最後に選択した技。

 

 それは───

 

 

 

 

 

 

『……「にほんばれ」』

『ユウリのヤツ……()()()()()()を見据えて、天候を上書きしやがった』

『え、えー……状況があまりにも目まぐるしく変わりすぎて実況が追いつきませんが……メタグロスは最後までその役割を全うしました。ですがグリーンさん、この先の攻防を見据えてと仰っていましたが、インテレオンの体力を削る技という選択もあったのでは?』

『判断が難しいところだよな。キョダイマックスしているとはいえ、インテレオンの素の耐久力は低い。「インテレオンにダメージを与えること」と「水タイプに不利かつ炎タイプに有利な天候にすること」を天秤にかけた場合……どちらに重きを置くかは人によって分かれるだろうぜ。そしてユウリは後者を選んだ』

『……エースバーンが「まひ」してるから』

『機動力が奪われたエースバーンに「雨」っつー天候下でインテレオンとやり合うのは分が悪過ぎる。だが、水タイプ技の威力を半減し、炎タイプ技の威力を激増させる「晴れ」状態なら……互角に渡り合える』

『ニンフィアを葬り……天敵であるシャンデラの「オーバーヒート」を耐え、最後は後続のサポートまでやってのけたメタグロス。メタグロスそのものの強さもそうですが、そのポテンシャルを100%引き出したユウリ選手も素晴らしいですね!』

『インテレオンを含めれば、実質三体がかりでようやく倒せたんだ。……どんな育て方をしたらああなるんだよ』

 

 

 

 

 

 

 インテレオンのキョダイマックス。自分すら知らなかったマサル正真正銘の切り札。その事実に驚きはしたものの、それ以上に、ユウリが抱いた感情は、喜びと高揚だった。

 

 そして、ユウリが抱いた感情そのものに、マサルは気付いていたものの、その()()には気付くことができなかった。

 

「すごい……すごいねマサル。インテレオンがキョダイマックスできるなんて……私、ぜーんぜん知らなかった」

「俺も知ったのはほんの()()()だよ。今この瞬間まで、これを知っていたのは俺と()()()()()()()()()だ」

 

 シュートシティに到着した日、マサルは内密でマグノリア博士に調査を依頼していたのだ。インテレオンがキョダイマックス可能な個体かどうかということについて。

 

 そして結果は、マサルが望んだ通りのものとなる。

 

 ホップとのバトルでは展開上、インテレオンがキョダイマックスすることなく終わったので、公式戦でインテレオンのキョダイマックスをお披露目するのはこれが初めてだ。もちろん、誰にも気付かれないよう、深夜にこっそりと巣穴で野生のポケモンを相手にキョダイマックスの試運転は行っていた。

 

「すーーーっごくびっくりしたよ。あの小さかったメッソンが……最高の好敵手として、こうして私の前に立ちはだかっているんだから」

 

 遠い昔を懐かしむように、ユウリは優しく穏やかな口調でそう言った。

 

「でもね」

 

 その瞳に、全身に猛る炎のような闘志を纏いながら。

 

「それ以上に、嬉しかったよ」

 

 そしてユウリは最初のモンスターボールを構え。

 

「だって」

 

 衝撃の真実を、告げる。

 

「私の切り札()()()()()()()なんだから」

 

 ユウリのダイマックスバンドが、輝いた。

 

 

 

 

 

 

「エースバーン───()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 言葉と共に、エースバーンが異形の姿へと変化する。

 

 太陽の如き莫大なエネルギーを内包し、全てを焼き尽くすような巨大な火球。

 

 その上に、仁王立ちする蹴撃の達人。

 

 あまりにも荘厳たるその姿を。

 

 目にした誰もが、息を飲んだ。

 

「やっぱりお前は最高だよ、ユウリ」

 

 久しく感じていなかったこの感覚。エースバーンの熱量と同等かそれ以上の、魂がひりつく程の脈動、衝動。それらは全て、インテレオンにも伝播し、彼らはそれに逆らうことなく、この一撃に全てを懸ける。

 

 己の命を。魂を。誇りを。生き様を。

 

 歩んできた、この道のりを。

 

 全て。

 

「撃ち抜けインテレオン!!」

「薙ぎ払えエースバーン!!」

 

 インテレオンは大気中の水分を全て取り込み、巨大な狙撃銃を作り上げ。

 

 エースバーンは大気中の酸素を全て取り込み、巨大な火球に命を与える。

 

 そして。

 

「キョダイソゲキ!!」

「キョダイカキュウ!!」

 

 彼らだけに許された、至高にして唯一の絶技。

 

 水と炎、共に四元素の一角を極限まで操る、生物に許された最高到達点。

 

 故に。

 

 ()()()()()は、なかった。

 

 

 

 

 

 

「……あんた達は、知らなかったの?」

「あんた達()って……ソニアは知ってたのか?」

「私が知っていたのは、エースバーン()()。数日前に、ユウリに頼まれて調べてあげたのよ。それが、まさか……マサルのインテレオンもキョダイマックス個体だったなんて……」

「もしかしてソニアさん……()()、ユウリと話してたんって……」

「うん。エースバーンのことだよ。結果自体は昨日の内に伝えていたんだけど、技を練り上げる時間なんてほとんどなかったはず」

 

 にもかかわらず、マサルもユウリもたった一日で彼ら独自の技を練り上げ、至高の一撃へと昇華させていた。「才能」の一言では、決して片付けられない領域。その先の世界へ、彼らが足を踏み入れている事実を、ホップとマリィは知ることになる。

 

 それと同時に理解した。

 

 今の自分達では、どうあがいても決してあの二人には敵わないということを。

 

 だが。

 

「それが諦める理由になんてならないぞ」

「うん。二人にできて、あたしらにできん理由はなか。今は先に行かれちゃってるけど……いつか必ず」

「絶対に追いついて……いや、追い抜いてみせるぞ」

 

 だからこそ、今の二人にできるのは、この光景を、戦いの結末をその目に、心に、魂に強く強く、刻み付けること。

 

 それだけだ。

 

 そして。

 

 インテレオンとエースバーン。

 

 文字通り、互いの全てを懸けたその一撃。どちらに軍配が上がったのか。

 

 ()()()()()()が、雄弁に、そして静かに語る。

 

『エースバーン!! た、倒れる!! 両者……共、に……!! 凄まじい、キョダイマックス技の……打ち合いの果て!! 全てを妬き焼き尽くす太陽を撃ち落とし!! 世界を白驟雨(はくしゅうう)が包み込んだ!!』

『ははっ!! やりやがった!! やりやがったなマサルのヤツ!! あの状況から……三対一の状況から盛り返しやがった!!』

『……でも、インテレオンのキョダイマックスも解けてる』

 

 軍配はインテレオンに上がった。それは間違いない。だが決して、決してインテレオンも無傷ではなかった。キョダイマックスが解け、身体のあちこちに痛々しい火傷の跡が残っており、最も重症であろう利き腕は最早、このバトルでは使い物にならないだろう。

 

 それでも彼らは追い詰めた。

 

 マサル達は、追い詰めた。

 

 数多の犠牲の果てに。あらゆる苦難を、逆境を乗り越えて。

 

 マサルはその牙を、天才を食い殺す異才の牙を、ユウリの喉元へ突き付けた。

 

「───ここまで来たぞ、ユウリ」

 

 

 

 

 

 

「うぉぁああああだらっしゃあああああああっっっ!!! ほら見なさい!! 見なさいよあんた達!! やっぱり水タイプがナンバーワン!! メタグロス? エースバーン? インテレオンの前に誰も彼もひれ伏しなさい!! うおおおおおっっ!! インテレオーン!! 私だー!! 結婚してくれーーーっ!!」

 

 ルリナが観覧席の窓ガラスにガンガンと額をぶつけ、絶叫する。ガラルトップモデルのあられもない姿にドン引きしているのは、人見知りのオニオン、ルリナを姉のように慕っているサイトウ、イッシュの英雄トウコの三人だけだった。

 

 彼女が激情家であることをよく知る他のジムリーダーとダンデ、ついでにツワブキ・ダイゴはこんなことでは動じない。

 

「落ち着けよルリナ。確かにインテレオンはすげえが、まだ()()()でイーブンになっただけだろ?」

「ふん、バカねキバナ。数の上だけじゃないでしょう。太陽が隠れ、水タイプのポケモンを強化するこの()……流れは確実にマサルでしょうが!」

「……わざとなのか天然なのか。いや、()()()()()()()だぜ、ルリナ」

 

 キバナの眼光が、ルリナを射抜く。

 

「キバナくんの言う通りだ。この天候、マサルくんのポケモン、ユウリくんのポケモン……今この瞬間が、一体どういう状況なのか。君はそれを()()()()()()()()はずだ」

 

 カブの窘めるような言葉に、ルリナが口をつぐむ。そう、わかっていた。わかっているのだ彼女には。水タイプのエキスパートであるが故に、彼女は誰よりもわかっているのだ。

 

「『雨』っつー天候の恩恵を受けるのは───()()()()()()()()()()()()()()()

 

 その、残酷なまでの現実に。

 

 

 

 

 

 

「ねえマサル、覚えてる?」

 

 降りしきる雨の中、ユウリはエースバーンをボールに戻し、静かに問いかけた。

 

「この子はね。私が初めて()()()()で捕まえたポケモンなんだよ」

 

 そして、愛おしそうに、ユウリは最後のモンスターボールを見つめる。

 

「この子はね。私とマサルが初めて()()()捕まえたポケモンなんだよ」

 

 マサルは当然覚えている。あの日の出来事を、覚えている。ダンデにポケモンを貰った次の日、二番道路でユウリと共に捕まえたポケモンのことを。あの時の彼女の笑顔を、喜びを。

 

 マサルが忘れるはずがない。

 

「だからね、マサル」

 

 忘れるはずが、ないからこそ。

 

「私とこの子で、あなたに───あなた達に引導を渡してあげる」

 

 ユウリの言葉を、誰より早く理解する。

 

「おいで、パルスワン」

 

 現れたのは、電撃を操る猟犬。

 

 何の因果か。彼が、マサルが生まれた時から共に育ってきた、誰よりも、長い時間を共に過ごしてきた愛犬。

 

 その同族が、最後の最後でマサルの前に立ちはだかる。

 

 よくできた、出来過ぎた物語のような現実に。

 

 マサルはもう一度、笑った。

 

 そして。

 

「インテレオン!! ねらいう───」

「───パルスワン」

 

 満身創痍のインテレオン。エースバーンとの激闘で力の大部分を使い果たし、持ち前の機動力を失ったインテレオンに。

 

 

 

 

 

 

「かみなり」

 

 

 

 

 

 神の(いかづち)が、降り注ぐ。

 

 雷よりも速く動ける生物は存在しない。電撃よりも速く動ける生物は存在しない。故に、()()()()()を除けば、電気技は発動してしまえば回避不可能。

 

 だが、電気系最上級技「かみなり」はその「一部の例外」に該当する。

 

 ではなぜ、ユウリがこの場面で、外れる可能性のある「かみなり」を選択したのか。

 

 その理由は、ただ一つ。

 

「雨」という天候は。

 

「かみなり」を含む一部の技を───必中技へと昇華させる。

 

 

 

 爆発にも似た轟音が鳴り響いたその瞬間、()()()()()()()がこう思った。

 

 勝敗は決した、と。

 

 雷光が瞬いたその瞬間、()()()()()()()がこう思った。

 

 彼女が勝利した、と。

 

 観客達が。ジムリーダー達が。マクロコスモスグループ首脳陣が。サイトウが。ソニアが。マリィが。

 

 ()()()()()()、も。

 

 その瞬間。

 

 そう()()()()()()()()は、この世界に数人だけ。

 

 ホップが。トップジムリーダーキバナが。ホウエン元チャンピオンが。イッシュの英雄が。英雄となるはずだった青年が。カントートップジムリーダーグリーンが。

 

「いいや……」

 

 ガラルポケモンリーグ・チャンピオンダンデが。

 

 そして───

 

 

 

 

『───まだだっ!!』

 

 原点にして頂点。

 

 カントーチャンピオン・レッドが。

 

 

 

 

「インテレオン」

 

 後に彼女はこう語る。

 

 あの日、あの時、あの瞬間の油断こそが。

 

 勝利を確信してしまったことが───

 

 

 

 

 

 

 トレーナー人生における()()()()()であった、と。

 

 

 

 

 

 

 そして。

 

 轟音の、中心地。

 

 雷の一撃により、白驟雨が深く濃い霧となった、その向こう。

 

 ユウリは見た。確かに見た。

 

 利き腕とは()()()()を真っ直ぐに伸ばし、こちらを見据えるスナイパー。

 

 その隣に立つ、少年の影を。

 

 確かに、見た。

 

「───ねらいうち」

 

 言葉と共に、必中にして必殺の一撃が。

 

 霧を飲み込み、大気を裂き。

 

 パルスワンの、()()()()───

 

 ()()()()を、撃ち抜くその瞬間まで。

 

 ユウリは、動けなかった。

 

「───ッ!! パルスワン!!」

 

 直後、頭が事態を理解するよりも早く、脳の伝達物質が、彼女の身体を突き動かす。

 

 その前に。

 

 雨が止み、霧が晴れたその先の光景に。

 

 マサルが()()()()()()()()、インテレオンと向かい合っているその光景に。

 

 ユウリは、そして誰もが言葉を失った。

 

「インテレオン」

 

 マサルの、彼のその行動の意味を。

 

「よくやった。本当によくやってくれた。お前は俺の───誇りだよ」

 

 その言葉の意味を。

 

「だからもう───()()()()

 

 ユウリは、そして誰もが理解した。

 

 優しい笑顔を浮かべ、両腕を広げている少年。

 

 その姿を、忠誠を誓った主のその姿を見て。

 

 限界など、()()()()()()()()インテレオンは膝をつき、主の腕の中へと、倒れる。

 

 少年は、最後の最後まで戦い抜いてくれた相棒を抱き留め。

 

 少年は、最後の最後まで戦い抜いてくれた全てのポケモン達の思いを胸に。

 

 間違いなく、ガラルの歴史に残るであろうこの名勝負を。

 

 こう───締めくくった。

 

 

 

 

 

「ユウリ───お前の勝ちだ」




 マサルVSユウリ 決着

 技の効果等がゲームと異なりますが、「あらすじ」の【注意事項】の通りです。ご指摘いただいても修正いたしませんのでご了承ください。

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