【完結】すごいよ!! マサルくん   作:わへい

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人のポケモンで国の重要文化財を破壊して追放されたエリートトレーナーが妖怪婆と悪魔の契約を結んでピンクの力で成り上がり!? 契約の代償が重すぎたことを後悔してももう遅い!!

 うへへ。

 

 うへへへへっ!

 

 うへへへへへへへへへへっ!!

 

 あ^~ましゃるの愛が……マサルの私への愛がつよつよしゅぎてユウリちゃん困っちゃうな~!

 

「俺と一緒に世界を見に行こう」だってぇ~!! ずーっとずーーーっと一緒にいてくれるんだってぇ~!

 

 もぉ~♪ マサルったら本当に私のことが大大大好きなのね! ふひゅひひひひひひひひ……。

 

 昨日の夜はマサルにぃ……ち、ちゅちゅちゅちゅちゅーされちゃってぇ~。そのまま一緒に寝ちゃってぇ~。

 

 かーっ!! 甘酸っぺえ甘酸っぺえ! たまんねえなおい!

 

 今だってベッドの上で私の隣で眠ってて、こうやってすぐに抱き着ける距離に……。

 

 う~んこのもふもふ感と甘い匂い……また眠くなってきた……。

 

 ってあれ? もふもふ感? マサルってこんなに毛むくじゃらだった───

 

「ふぃあ~お♪」

「おんぎゃああああああああああああああああああああっ!!??」

「うるせえぞユウリ!」

 

 な、ななななにゃんでニンフィアがいるのぉ!? にゃんでニンフィアがベッドに潜り込んでるのぉ~!? ここは私とマサルの愛の巣でしょうがぁ!!

 

「びっくりしたなぁニンフィア。急にユウリが大きい声出すんだもんな~?」

「ふぃ~あっ♪」

 

 ニンフィアは軽やかな動きでベッドから降りて、ソファに座ってコーヒーか何かを飲んでいたマサルに擦り寄っている。そんなニンフィアをマサルは優しく撫でて……う、羨ましいぞ貴様!! マサルになでなでされるのは私だけの特権だ!!

 

 お、おのれニンフィアめ……そんな勝ち誇った顔で私を見てきおってからに……!!

 

 ふ、ふんっ! 私が完全無欠の最強究極完璧ヒロインであることを証明してあげるんだから!!

 

「マサルー! マサルー!」

「なんだよ?」

「お、おおおおおおおはようのちゅーは!?」

「んあ? そういやまだだったな。ほら、おいでニンフィア~」

「ふぃあ~♡」

「ぎゃおおーーーん!! ちーがーうーだーろー!! 私にだろーーーっ!!」

「え? やだよ。先に顔洗って歯磨きしてこい」

「き、貴様ぁーーーっ!! それが愛する彼女に対する仕打ちかーーーっ!!」

「よだれ垂らして寝癖ぼさぼさのみっともない(ツラ)をした女に対する仕打ちだ」

「ちくしょおーーーっ!! ちくしょーーーっ!! そんな私のことが大好きなくせにーーーっ!!」

「それとこれとは話が別」

「エースバーン!! ルカリオ!! マサルを捕まえて!!」

「あいつらなら今風呂入ってるぞ」

「あおーーーんっ!!」

 

 しばらくベッドでじたばた暴れていたけど、観念して顔を洗って寝癖を直して歯を磨いたら、マサルがおはようのちゅーをしてくれた。ぶへへへへへっ♪ もぉう、マサルったら本当に私のことが大好きなのね♡

 

 それから支度をしてホテルのレストランでみんなで朝ごはんを食べている時にマサルとのことを報告すると……。

 

「……やっと?」

 

 マリィは一言そう言った。そうだよ! やっとなんだよ! やっとマサルが観念して私のことを大好きだって認めたんだよ! 

 

 それにしても、マリィが「やっと」って言うくらいマサルの私への愛がバレバレだったなんて……ほんとーにマサルはしょーがないなー!

 

「あ、でもね。私のマリィへの愛は一切揺らがないから!」

「誰もそんな心配しとらんよ」

 

 つまりマリィも変わらず私を愛してくれるってことだよね? かーーーっ!! 愛されすぎてつれーっ!!

 

 ん? 待てよ。愛されすぎで思い出したけど……ホップも私のことが大好きだったよね? こ、ここここここれは!? マサルとホップが私をめぐって修羅場を繰り広げちゃったりぃ~!?

 

「で、式はいつにするんだ?」

「あー……まあ、四、五年は先だろうな」

「友人代表挨拶は俺に任せるんだぞ!」

「お前以外の誰に任せられるんだよ」

 

 しゅ、修羅場にならない……!! ホップったらなんて良い子なの!? 私への愛よりも友情を貫くなんて……なんという気高き精神。尊い、尊いよぉ……。ホップにならマリィを任せられる!! 私が許そう!! 二人を阻む障害はこの私が全て駆逐してやる!! この恋愛マスターであるユウリちゃんがね!!

 

「ユウリがすごい顔で俺を見てくるぞ」

「どーせ『マサルとホップが私をめぐって修羅場を繰り広げちゃうかも~!?』みたいな妄想してるだけだ」

「……ユウリは昔から変な妄想をする癖があるからな」

 

 ふっふっふ。しかしこのユウリちゃん。恋愛にかまけてバトルをおろそかにするほど愚かではない!!

 

 私の勝利をより盤石にするために、カツカレーをもう一杯食べようそうしよう!!

 

 

 

 

 

 

 朝ご飯を食べて、シュートスタジアムへやってくる。マサル達は観客席に行くからここでお別れだ。べ、別に私は寂しくないけど私がいなくてマサルが寂しそうだったから私をぎゅーってさせてあげてもう本当にマサルったら私がいないとだめだめなのね。わ、私は寂しくないよ! ほんとだよ!

 

「勝てよユウリ。お前なら大丈夫だ」

「うんっ!」

 

 昨日までは不安だった。柄にもなく緊張していて、昨日の夜にマサルに会うまではすごくすごく不安だった。

 

 でも大丈夫。もう大丈夫だよ。

 

 だって約束したんだから。マサルと約束したんだから。みんなと約束したんだから。

 

 私がチャンピオンになる、って。

 

 だからみんな、私を見てて。

 

 ここからは、私だけの戦いじゃない。みんなの思いを、全部全部……私が背負って先に行く。

 

「忘れるなユウリ。お前は、一人じゃない」

 

 そう言ってマサルは私を強く抱きしめてくれた。

 

 マサルがね。そう言ってくれるだけでね。

 マサルがね。そうやって抱きしめてくれるだけでね。

 

 私はどこまでもがんばれるよ。

 

「じゃあみんな! 行ってくるね!」

 

 

 

 

 

 

 ユニフォームに着替えて控え室にやってくる。私の出番は第一試合……相手はサイトウさんだ。サイトウさんはマサルを推薦したトレーナーさんで、マサルにとっても特別な人。

 

 昔の私は、大昔の私はそのことに対してちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、ほんのほんのちょっとだけ嫉妬していたけれど、今の私にそんな感情はない。

 

 気持ちが、思考が完全に切り替わっている。

 

 ほんのわずかな気持ちの()()が、不安が、迷いが、恐怖が、油断が。

 

 敗北に直結することを、私は学んだ。

 

 マサルが教えてくれた。

 

 だから私はもう、バトルに余計なものを持ち込まない。バトルを全力で楽しんで、相手を倒すために最善を尽くす。

 

 私にできることは、私がやるべきことは、それだけだ。

 

「ユウリ選手、入場をお願いします!」

 

 スタッフさんの言葉に従い、フィールドへ続く暗い通路を歩き始める。うん、いつもより体が軽い気がする。こんなに幸せな気持ちは初めて。もう何も怖くない!

 

 ……なんだろう。変なフラグが立った気がする。

 

 気のせいだよね、きっと。

 

 通路を抜けて、スタジアムの大喝采を浴びる。この光景にも慣れちゃったな。緊張も、ドキドキもない。昨日の夜の方がよっぽどドキドキしてたよ。ぶへへ。

 

 うん、良い精神状態でバトルに臨めそう。誰が相手でも負ける気がしないや。

 

 間違いなく、今の私が一番強い。

 

「少しはマシな顔になったじゃありませんか」

 

 ふいに、声をかけられた。サイトウさんじゃない……男の子の、声。

 

 知っている。私はこの声の主を知っている。

 

「ビートくん!?」

 

 スタジアムがどよめく中、フィールドの中心へと歩いてきたのは……相変わらず偉そうな態度で歩いてきたのはビートくんだった。

 

 え? え? え? なんでなんでなんで!?

 

 ビートくんはナックルシティでポプラさんに誘拐されたはずじゃ……!? まさか、逃げ出してきたの!?

 

「皆様、よろしいでしょうか!」

 

 そんな私の動揺なんて完全に無視して、ビートくんはスタジアムの観客席を見回していた。

 

 おい! ちゃんと説明をしろ説明を!

 

「僕を覚えておいででしょうか? ジムチャレンジを無念のリタイアとなったビートです!」

「無念って……あれは完全にビートくんの自業自得じゃん」

 

 どんな理由があっても遺跡を壊しちゃったのはだめだと思う。ほんとーにびっくりしたんだからね! あの時のビートくん、変なポケモンに操られてるのかと思ったんだもん!

 

「彼女とは……ユウリ選手とは浅からぬ因縁があります!」

「最初に因縁つけてきたのはビートくんだよね? 全部返り討ちにしたけど」

「さっきからうるさいですよあなた!」

「全部事実だもん!」

 

 鉱山でいきなり喧嘩売ってきて返り討ちにしたらお手本のような負け惜しみを言ってたじゃん! 私とマサルに一回も勝てなかったじゃん! 

 

 あ、そういえばマサルはビートくんの負け惜しみの真似が上手だったなぁ~。

 

「『ビートくんがバトルに負けた時に言いそうなセリフ選手権』とかやってたよ」

「人をネタに何やってるんですかあなた達は!?」

「ビートくんがジムチャレンジをリタイアした後も……ビートくんは私達の心の中で生き続けていたんだ」

「死んだみたいに言わないでもらえます?」

「あれ? そういえばビートくんってそんなユニフォームだった?」

「相変わらず人の話を聞かない(かた)ですね!!」

 

 ピンクと水色……まるでフェアリータイプのポケモンみたい。はっ、そうか!! ビートくんはポプラさんに誘拐されてピンクに染められちゃったんだ!! ……どうせなら髪もピンクに染めればよかったのに。

 

「久しぶりにビートくんの元気な姿が見られてよかったよ、じゃあまたね」

「何を勝手に終わらそうとしているんですか!! まだ用事は終わってませんよ!!」

「え? 可愛い私を激励しに来てくれたんじゃないの?」

「そんなことのためにわざわざこんな大がかりなことをするわけないでしょう!!」

 

 そんなこととはなんだそんなこととはー!? いやでもビートくんって多分ツンデレだから本当は私に会いたかったんだよね? ふっふっふー♪ 大丈夫だよビートくん。おねーさんには君の気持がちゃーんとわかってるから。

 

「はあ……はあ……あなたと会話していると頭が痛くなりますよ」

「……恋?」

「何を脳内お花畑なことを!! 僕が恋なんて……な、何っ!? バカな……!!」

 

 あれ? 急にビートくんの顔色が変わった。どうしたんだろう? そういえば、ビートくんってバトルに負けそうになったらいっつもそんな顔になるよね。

 

「その膨大なピンクオーラ……20000……30000……まだ上がっていくだと!? あ、ありえない……!! あのバアさんに鍛えられた僕でさえまだ10000オーラが限界だというのに!! 昨日のバトルでのあなたはそうではなかったはずだ!! ……何をした? 昨日あなたは一体何をしたんだ!?」

「昨日の私達のバトルを見てくれてたんだ! 嬉しい~♪」

「とことん会話が嚙み合わない人ですね!!」

 

 どうやらビートくんは私のオーラに……チャンピオンたるオーラ、バトルクイーンユウリちゃんのオーラに圧倒されているみたい。ふ~やれやれ。これも私が大物である証か。

 

「僕が……この僕がピンクオーラの総量で負けるなんて……!! エリートである僕に、敗北の二文字は許されないというのに……!!」

「そう言う割には結構負けてるよねビートくん」

「うるさい! そもそもあなた達と出会ってしまったことが僕の尽きだったんだ! あなた達と出会ってからの僕は無茶苦茶だ! オリーヴさんに頼まれてローズ委員長のために『ねがいぼし』を集めていたのにその委員長には見捨てられ……わけのわからないバアさんに朝から晩までフェアリータイプとピンクについて叩き込まれ……」

 

 さっきも言ったけど全部ビートくんの自業自得だよね?

 

「ルール違反は承知の上だ! 滅茶苦茶なことを言っているのは承知の上だ! だけど、僕が本当の意味で先に進むためにはあなたに勝たなければならない! 選手生命をかけて僕と勝負してください! 負けたら僕はトレーナー引退です!」

 

 おおう。ビートくんが今まで見たことがないくらい鬼気迫る表情を浮かべてる。う~ん……私としてはバトルするのは全然問題ないけど、リーグの人達が「ダメ」って言ったらどうしようもないよね~。

 

 あれ? 今、負けたらトレーナー引退って言ったよね? なんだかこの展開、どこかで見たような……。

 

「あっ! ジムチャレンジの権利をかけてカブさんとバトルしたマサルと同じだ! ビートくん……そこまでマサルをリスペクトしてたなんて……。大丈夫? 憧れる相手間違えてない?」

「四六時中あんなヘンテコなTシャツを着てる男に誰が憧れると言うんですか!?」

「知らないの? マサルってちびっ子達に大人気なんだよ」

「僕をそこらの子供と一緒にしないでもらえます!?」

 

 ビートくんの言動って子供っぽいところがあるからな~。でもこれを言うとビートくん怒っちゃうよね? 仕方ない。おねーさんは温かく見守ってあげよう。ふふーん♪ このユウリちゃん、人の神経を逆撫でするようなことはしないのだ!

 

 そんなこんなで、リーグの人の許可……というよりもチャンピオンのダンデさんが許可してくれたみたいなので、私とビートくんでバトルができることになった。

 

「まさか私がビートくんのトレーナー人生に引導を渡すことになるとは……」

「ふん。戦う前からもう勝ったつもりですか? まるでエネココアのように甘いことを言いますね。その油断が命取りになりますよ」

「エネココア……スパイクタウンにすっごく美味しいエネココアを出してくれるお店があるんだよ!」

「なんで今エネココアを掘り下げたぁ!?」

 

 マリィとの思い出のエネココア……。私がチャンピオンになった暁にはスパイクタウンにも凱旋せねば!

 

 それにビートくん、今面白いこと言ってたよね?

 

 私が、油断?

 

()()()()()()()()()───油断なんてするわけないでしょ?」

 

 そう言うと、ビートくんは気圧されたような驚いた表情で目を見開いた。

 

「ッ!! ははっ! そうですよ! その顔が見たかった! 大いなるピンクオーラと闘気の融合……あのバアさんすら至ることができなかったその境地。まさに、生まれ変わった僕の強さを証明する相手に相応しい!」

「ピンクオーラと闘気の融合……『スーパーユウリちゃんオーラ』と名付けよう!!」

「『ヘドロばくだん』のようなネーミングセンスですね。壊滅的なファッションセンスを持つマサルくんとお似合いですよ」

「えへへ~♪ やっぱりぃ? やっぱりぃぃぃ? もうっ、ビートくんったらぁ♪ 私とマサルがガラルで一番の超絶お似合いカップルだなんてぇ~♪ ぐへへへへっ……」

「そこまで言ってないでしょう!? 何なんですかあなた!!」

「愛の戦士……ハイパーユウリちゃんだ!!」

「スーパーからグレードアップしてる!? ……ぐっ、うぅ……。な、何なんですかこの強烈なピンクオーラは……!? さっきまでの、比ではない……!! だが!! だが僕は折れるわけには……膝をつくわけにはいかないんだ!! 僕が僕であるために!! 僕の強さを証明するために!! 僕はあなたを超えていく!! 思い出せ僕!! いや思い出したくはないけれど……ピンクに囲まれ理不尽なクイズに苛まれたあの日々を思い出したくはないけれど!! バアさんの理不尽な修行に比べれば今のあなたのオーラなんて───」

「ウルトラユウリちゃんオーラ!!」

「……ウルトラユウリちゃんオーラなんて、僕にとってはコイキングに等しい!!」

「成長したねビートくん。でもコイキングって例えが面白くない! 全能力六段階ダウン!」

「ぐわあああああああっ!? 修行のトラウマが蘇るぅ!! はぁ……はぁ……よくもポケモンだけじゃなく僕の能力も低下させてくれたな……本当に何者なんだあのバアさん!! だけど僕は負けない!! こんな理不尽に負けやしない!! 行きますよユウリさん!! 僕はフェアリータイプとエスパータイプを操る大いなるピンクを継ぐ者!! いざ尋常に勝負!!」

「私はハイパーキュートウルトラプリティDXユウリちゃんαΩ!! 受けて立つよ!!」

 

 うおおおおおおおおおおおおおおっっっ!! 私の愛が世界を救うと信じて!!

 

 

 

 

 

 

「おっ、ユウリが勝ったぞ」

「なん……これ……? なんなん……これ……?」

「やっぱフェアリー婆が関わるとろくなことにならねえな」

 

 

 

 

 

 

「ヤハハハハハハ!! このユウリちゃんに勝とうなど100年早いのだ~!!」

「くっ……バカな……!? この僕が、負けた……? あの理不尽な修行を乗り越えた僕が……? なるほど、ようやくわかりましたよ。ユウリさん、あなたこそ理不尽の権化だ」

「確かに私の可愛さは理不尽だよね!」

「……あなたの化け物じみた強さは本当に理不尽だ。だけど覚えておいてくださいね。いつだって、化け物を倒すのは人間であるということを」

「おお~。ビートくんからそんな少年漫画のようなセリフを聞く日がくるとは……ちょっと感動」

 

 バトルは私の圧勝だった。いきなりクチートを出された時はちょっと焦ったけど……ルカリオががんばった! 鋼・フェアリーってずるいよね。フェアリーの天敵の毒は無効化できて鋼は受けられるんだもん。

 

 あとの三体……サーナイト、ギャロップ、ブリムオンはメタグロスが蹴散らしてくれた。……育てておいてなんだけど、私絶対メタグロスを敵に回したくない!

 

「はぁ……こんなのは僕のキャラじゃなかったはずなのに。それもこれも全部あのバアさんの……いいえ、あなた達と出会ってしまったせいだ!」

「とんでもない責任転嫁だね!? 最初に喧嘩売ってきたのはビートくんの方でしょ!?」

「もしも時間を戻せるのなら、あなた達との出会いをやり直したい」

「どうしよう。セリフだけならものすごく感動的なのにビートくんの心底嫌がっている顔が全てを物語ってる……」

「やり直したいどころか出会いたくなかった!」

「言い直しやがったなこのやろー!」

 

 むむむ~! ……あーあ。ビートくん、これで引退しちゃうのか~。せっかく仲良くなれたと思ったのに残念だな~。でも大丈夫だよビートくん。たとえトレーナーを引退しても私達は友達だからね!

 

 うん、さすが私! 全ガラルが涙する素晴らしい精神! よーし、この思いをビートくんに伝えてあげるぞー!

 

「良いバトルだったぞー!」

「引退してもう一回デビューしろー!」

「いい加減あの婆を休ませてやれー!」

「アラベスクスタジアムの超高齢化問題を解決できるのはお前だー!」

 

 お、おお? なんだかビートくんを応援する声援がたくさん聞こえてくる。い、意外だ……あ、そっか! ビートくんって私達に態度が悪かっただけでジムチャレンジ中はお行儀よくしてて猫被ってたもんね。

 

「なんてことだ……。あなたにリベンジできればオッケー。負けても引退してバアさんから逃げられるという完璧な僕の計画が……。ふっ、しかし、そこまで請われては仕方がありません。僕こそが、フェアリータイプのジムリーダー……そしていずれ、このガラルの頂点に立つトレーナーです!」

 

 う~ん、口ではごちゃごちゃ言ってるけど嬉しそうだねビートくん。でもよかったよ! そうやってふてぶてしいのがビートくんらしさだから! 

 

 ただそれはそれとして! ビートくんに言っておきたいことがありまぁす!

 

「引退するする詐欺……。伸び悩んでいるアイドルやインフルエンサーに残された最後の手段。でもそれは、かまってちゃんと思われかねない諸刃の剣……。ビートくん、君はとんでもない承認欲求モンスターだったんだね!」

「誰が承認欲求モンスターですか!! かまってちゃんなのはあなたの方でしょう!?」

「いや~、私レベルになると何もしなくても周りが放っておかないからね!」

「……あなたのその図太さだけは見習いたいですね」

「ビートくんには図太いって言われたくないよ!」

 

 何回バトルしても負けを認めないし、遺跡壊したのにローズ委員長に反抗するし……ビートくんの図太さはリザードン級だよ! 少しは繊細な私を見習いなさい!

 

「まったく、あなたと会話をしていると頭が悪くなりそうですよ。……まがりなりにも、あなたは僕に勝ったんだ。この先、簡単に負けることは絶対に許しませんからね」

「大丈夫だよ。だって私、チャンピオンになるから」

「大口もそこまで叩けるなら立派な才能です。ま、あまり期待せずに観戦しますよ」

「なんだとーっ!?」

 

 ビートくんがそう言って手を差し出してきた。相変わらずふてぶてしく笑ってたけど。まあ? 私は淑女だからそのくらいは大目に見てあげるしぃ? 大人な対応だって余裕だしぃ?

 

「ビートくん、またバトルしようね!」

「次に勝つのは僕です」

 

 最後に、私達は固い握手を交わした。改めてビートくんの顔を見てみると、なんだか前と違って目に生気がある気がする……。ふっ、またしても一人、私の可愛さの虜になってしまったか。私ったらなんて罪深い女なのかしら。

 

 そして私は手で髪をファサっとして淑女なレディをアピールしつつビートくんに背を向ける。う~ん、これは完全で瀟洒な淑女。あかんマサルがまた私に惚れ直してしまう。ふひひひっ。トーナメントが終わったらマサルにいっぱいぎゅーってしてもらおーっと♪

 

 

 

 

 

 

「さて……予定外のバトルでトーナメントが始まるまで時間ができたことだし」

「飲み物でも買いに行くん?」

「違うぞマリィ。ここでやることなんて一つだぞ。なあマサル?」

「ホップの言う通り! 俺達がやるべきこと……いいや、やらなくてはならないこと。それは───」

「絶対しょーもないことやん! 言わんでええけんね」

「ビート少年を弄り倒しに行く!!」

「やっぱりしょーもないことやった! あたしは行かんけんね……ってモルペコ! マサルについて行かんとこっちにおりんしゃい!」

 

 なんだかんだ言いつつ、結局マリィも俺達について来ることになって……。

 

 

 

 

 

 

「敗北者はここかーっ!!」

「うわあああああっ!! 何なんですかあなた達!? 負けた選手の控え室に突撃してくるなんて非常識ですよ!」

「人のポケモン使って重要文化財をぶっ壊してたビート少年に非常識とは言われたくない」

「観念するんだぞビート。ユウリを泣かせた罪……丸坊主になって償ってもらうぞ」

「弄り倒すって物理的にって意味やったと!?」

 

 こうして俺達は久々の再会の喜びを分かち合うのだった。




 ユウリVSビート キンクリ!!

 だって覚醒したユウリにどうあがいてもビートが勝てるわけないので。代わりに大いなるピンクオーラバトルを繰り広げてもらいました。マサルVSポプラもそうでしたが、フェアリータイプのジムリーダーが関わると私のIQが著しく低下しますね。

 次回、ファイナルトーナメント……はほぼキンクリになる予定! 

むげんだいなちゃん3000さい「復活したら各地方のレジェンド達に袋叩きにされることが確定している件について」

 むげんだいなちゃんがんばえー!
 
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