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『ガラルの皆様、大変長らくお待たせいたしました! いよいよ本日、ガラル最強のトレーナーを決める戦いが……チャンピオン決定戦が開催されます! スタジアムはこれまでのバトルと同様、例に漏れず超満員! 天候は雲一つない快晴! 降り注ぐ太陽光が天然のスポットライトのようにフィールドを照らしています! 解説席には引き続きレッドさんとグリーンさんをお招きしております。本日もどうぞよろしくお願いします!』
『よろしく頼むぜ。ガラルでの仕事が今日で最後だと思うと寂しくなるな』
『……あと半年くらいいたい』
ローズが引き起こしたブラックナイトにより延期となっていたチャンピオン決定戦。幸いにも人的被害は少なく、スタジアムや街の主要施設が破壊されることなく収束となったブラックナイト。ただ、「こんな状況でチャンピオン決定戦を開催するのか?」と思う人もいるだろう。
だが、
「おーおー、沸いてんなぁ」
「すごい熱気だぞ。つい最近、俺達もこんな場所でバトルをしていたなんて信じられないな」
「……あたしら、こんなええ席取ってもらってよかったんかな?」
「チャンピオンカップ出場のご褒美なんだろ。それともジムリーダー達と一緒のVIPルームの方がよかったか?」
「そんなとこやったら緊張で楽しめんけん!」
「あんた達三人はわかるけど、なんで私もここなんだろうね」
「オリーヴさんをぶっ倒して地下プラントの暴走を止めたのはソニアちゃんだろ? ブラックナイト収束の功労者がなーに言ってんの」
マサル、ホップ、マリィ、ソニアの四人は最もグレードの高い最前列のボックス席に座り、ダンデとユウリ、二人の登場を待っていた。
「ほんっとに大変だったんだからね! オリーヴさんすっごく強かったし、ダストダスはキョダイマックスするし……普通にメジャージムリーダークラスの実力だったよ! くそう……バトルを避けるために地下に行ったのになんで私があんな目に……」
「ソニアちゃんはちょっと不憫な目に遭ってる時が一番可愛い」
「他にもっと可愛いポイントあるだろ!!」
「……料理はできるのに部屋が散らかってるところとか?」
「コスメグッズや化粧品が散乱してたぞ」
「化粧品で思い出した。ネイルを新しくしたらダンデくんに『大丈夫かソニア? 内出血したのか?』って本気で心配されてたよな」
「余計な事思い出すな! あれから赤系のネイルはしないようになったんだからね!」
「トラウマになっとる……」
「しゃーない。ダンデくんはポケモンの気持ちは理解できても女心は全く読めないからな」
「がんばれソニア。兄貴の未来はソニアにかかってるんだぞ」
「ソニアちゃんを応援し続けて早十年。この想いが報われる日は来るのか!」
「初恋を拗らせて行き遅れにならないようにするんだぞ」
「応援してるのか馬鹿にしてるのかどっちなんだよ!!」
緊張感の欠片もなく、四人はぎゃーぎゃーと騒いでいる。チャンピオン決定戦前の緊張や、ダンデとユウリがこのフィールドで向かい合うことに対して感慨にふけるというようなことはブラックナイトの前に一度やってしまっているので、今の四人はただ純粋にバトルを楽しむ一観客となっていた。
「ねえマサル。ダンデさんとユウリは最初に誰を出すと思う?」
「……ダンデくんはギルガルドを先発させることが多い。が、鋼タイプを先発させて痛い目を見た俺のケースもあるからな。ただ、あえてそこを逆手にとってギルガルドってことも考えられる。ユウリの立場で考えるとリザードン以外の四体の内、二体がドラゴン。だったらドラゴンに有効な技を持つポケモンを先発させる可能性が高いな」
「ダンデさんがリザードンを先発させることはなかと?」
「
マサルの言うように、ダンデはチャンピオンとなってからの七年間、エキシビションマッチを含めた全ての試合で、リザードンをキョダイマックス以外で出したことはなかった。それが、ダンデが己に課した絶対の流儀。だが、その流儀があってもなお、誰もダンデの牙城を崩すことができていないのだ。
それほどの実力差が、ダンデと他のトレーナー達の間には、ある。
「俺の予想だと、ダンデくんはドラパルトかオノノクス、ユウリはシャワーズかパルスワンを先発させる」
「なるほどね。マサルがダンデさんと戦うとしたら誰を最初に出すと?」
「……シャンデラだな。ギルガルドとバリコオルには炎で、ドラパルトにはゴーストで対抗できる。唯一対処が面倒なオノノクスは『おにび』からの『たたりめ』で削っていく」
「あたしやとオーロンゲかな。バリコオル以外には対抗できるけん」
「俺はいつも通りバイウールー……だとギルガルドで詰むからカビゴンだ。カビゴンはああ見えて色んなタイプの技を覚えるから器用なんだぞ」
「ぐわっ! 眩しい……! 若者達の希望に満ちた輝かしい瞳が眩しいよぉ!」
「ソニアは年を取ったからな」
「ソニアちゃんって三十過ぎても『私、女子だから!』とか言ってそう。で、ダンデくんに真面目な顔で『何歳までが女子なんだ?』って聞かれそう」
「やめろやめろ! ダンデくんの悪意のないあの表情が容易に想像できるから!」
「おばさんの若作りほど痛々しいものはないんだぞ」
「私がおばさんになる頃にはあんた達もおじさんだよ!」
彼らはただ、一観客として楽しむだけじゃない。いつかあの場所に自分達が立つことを想定し、自分ならば彼と、彼女とどう戦うのかということを思案する。敗者であるマサル達はその現実から目をそらさず、しっかりと先を、未来を見据えていた。
「───っと、二人が入場するみたいだな」
「……いよいよ始まるぞ」
「ユウリ、がんばりんしゃい! マリィがついとるけんね!」
「どっちが勝っても私は泣く!」
「俺の試合はいつも満員になるんだが、これほど熱狂しているのは初めてだ。……みんな知っているんだ。俺達が剣と盾の伝説のポケモン達と共にガラルの未来を守ったことを。君は、屈強なライバル達を退け、ガラルが誇るジムリーダー達を打ち破りここに立っている。間違いなく、歴代最高のチャレンジャーだ。俺の無敗記録を伸ばすにはもってこいの相手だぜ」
「……こうして、ここで立って向かい合っただけでわかります。ダンデさん……あなたは間違いなく、私が対峙したトレーナーの中で
フィールドの中心で、殺気にも似た張り詰めた緊張感の中、二人は向かい合う。もう、二人の戦いを阻むものは何もない。間違いなく、ガラルの歴史に残るであろう、ガラルの未来を変えるであろう一戦が幕を開けようとしていた。
「だけど私はマサルと約束しました。『次に彼と戦うまで誰にも負けない』って。ダンデさん、あなたがどれだけ強くても、あなた達がどれだけ強くても……私は、私達はあなたを超えていく」
「……そうか。奇遇だな。俺も約束したんだ。俺が
二人は不敵に笑い、背を向け合う。もはやこれ以上の言葉は不要。あとはただ、この戦いで己の強さを、ポケモン達の強さを証明するのみ。
互いに、一定の距離を取ったところで振り返る。
そしてダンデは。
ガラル最強の証であるマントを脱ぎ捨て、
純白のユニフォームを纏うチャレンジャーとは対照的に、剣と盾がデザインされた漆黒のユニフォーム。
その背に刻まれているのは「1」の文字。
「さあ───チャンピオンタイムを始めよう」
チャンピオンのダンデが
チャレンジャーのユウリが
勝負を仕掛けてきた!
「オノノクス!!」
「パルスワン!!」
互いの先手はマサルの予想通りだった。
ダンデはギルガルドではなくドラゴンタイプのオノノクス。そしてユウリはそんなダンデの思考を読み切っていたかのように、フェアリータイプの技を使えるパルスワン。マサルのインテレオンを沈めた、エースバーンに次ぐパーティーの古参。
「パルスワン!! じゃれつく!!」
ユウリに迷いはない。初手を読み切ったと確信したユウリは、パルスワンにフェアリー技を命じた。指示を受け、持ち前の機動力により文字通り一瞬で距離を詰めたパルスワンは、スピードを一切落とすことなくオノノクスに突撃した。
バトルに求められるスピードとは、最高速度よりも加速力。ゼロからトップスピードに至るまでの時間。
パルスワンとオノノクス。決して近くはない距離にいた両者だが、パルスワンはわずか一歩で最高速度へと至る。
そして、技の威力に、こと
どれだけ技本来が持つ威力が高かろうとも、それを生かすだけの身体能力がなければ意味がない。
そしてパルスワンは、パワーこそ平均を下回るものの。
それを補って余りある、圧倒的スピードを誇る。
しかし。
「君達なら、
チャンピオンダンデのポケモン。
その強さは、ユウリの想定を遥かに上回っていた。
「オノノクス」
高機動物理アタッカーであるパルスワンの強力な一撃を受け、オノノクスは大きくのけ反った。
だが、それだけ。それだけだ。
ガラルの頂点に立つチャンピオンダンデのポケモンは。
この程度では、倒れない。
「じしん」
大地が、揺らぐ。
大きく足を踏み抜いたオノノクスに
フィールドに、沈む。
『パルスワン倒れる!! ドラゴンタイプの弱点であるフェアリー技でオノノクスに一撃を与えるも、返す一手で逆に戦闘不能へと追い込まれた!! こ、これまでの全試合を通して……ユウリ選手が
『ユウリとダンデ。互いの先発は互いの想定内だったろうよ。ただ、両者の明暗を分けたのは技の破壊力。パルスワンのスピードは全ポケモンで上位クラス。確かに目を見張るものがあった。あれだけのスピードでの「じゃれつく」は相当な威力だが……オノノクスは伝説系を除けば全ポケモン中、五本の指に入るであろう物理攻撃力を持っている。っつーか、ピンポイントで「じしん」を覚えさせるかね? 確かに、地面技はサブウエポンとしては優秀だが……普通はフェアリー対策を優先させるだろ』
『ダンデのオノノクスは毒や鋼タイプの技も使えますよ』
『……器用』
これまでのバトルでは圧倒的な実力で常に先手を取り続けてきたユウリ。対峙するトレーナーに先にポケモンを倒されたのは、彼女にとって
「狼狽えるな! 動揺せずに次に備えろ!」
ダンデの檄が飛ぶ。マサルとのバトルでは初めての経験に動揺を隠しきれず、パニック状態に陥りかけたユウリ。
だが。
「狼狽える? 面白いこと言いますねダンデさん」
動じない。
数多の激戦を乗り越え、マサルとの死闘を制したユウリにとって。
「
相手に先手を取られることなど、些事に等しい。
ユウリの言葉を聞き、彼女の視線を受け、ダンデは無意識の内に己の首筋に手を当てていた。
久しく、感じていなかった悪寒。
ダンデは、自分の勝利を信じてやまないが。
チャンピオンになって初めて抱く、恐怖にも似た感情。
この瞬間、ほんのわずかにダンデの脳裏にある考えが浮かんだ。浮かんでしまった。
「この少女は、自分を打ち負かすのではないか」と。
が、ほんのわずかとはいえ、そんな考えを浮かべてしまったという事実が、ダンデの心に火をつけた。
「戻れ! オノノクス!」
手負いのオノノクスを下げ、ダンデはボールを持ち替える。もちろん、もう一度オノノクスを出すという選択肢もあるが、ダンデのこれまでの戦い方を見る限り、その可能性は限りなく低い。
ダンデはガラルの頂点に立つチャンピオンとして、負けることは決して許されない。
だが、ただ勝てば良いということでもない。
ポケモンバトルが興行として成立しているガラルだからこそ、チャンピオンに相応しい勝ち方が求められてしまう。
故に、一度下げたポケモンを続けて出すという
(ユウリ相手に奇策は通じない。どんな策を講じようと、あいつは二体目以降なら、相手が出してくるポケモンがわかるからな)
一体目の攻防を見て、考えを巡らせる中で、マサルの頭にふとこんな疑問が浮かんだ。
(……いや待て。そもそもあいつの能力は、
マサルは子供の頃に、ダンデに聞いたことがあった。ダンデもユウリと同じように「相手が出してくるポケモンがなんとなくわかる」と。ならばもし、互いに似た能力を持つ者同士がぶつかり合った時、どういう結果に至るのか。
誰も、その答えを知らない。
「シャワーズ!!」
「ドラパルト!!」
互いの二体目。
ユウリはドラゴンに有利な氷タイプ技を使えるシャワーズ。対してダンデはパーティー最速の両刀アタッカードラパルト。ドラゴンとゴーストという非常に珍しい複合タイプのポケモン。
ドラパルトはフィールドに現れるなり、持ち前の機動力を生かして飛び上がった。対して、決して機動力が高いとは言えない耐久型のアタッカーシャワーズはドラパルトを視界に収めたまま、ユウリの指示を待つ。
「ドラパルト!! 10まんボルト!!」
フィールドを縦横無尽に飛び回るドラパルトが不可避の一撃を放った。オノノクスの「じしん」といい、ユウリのポケモン達の弱点を的確に突く技をしっかりと習熟させているあたり、ダンデのトレーナーとしての力量の高さが改めてうかがえる。
「……シャワーズ、さすがの耐久力やね。弱点タイプ技の10まんボルトを耐えよったよ」
「ドラパルトの真価は火力よりもそのスピードだぞ。そうそう追いつけるポケモンはいない」
「私も七年前はドラパルトに全然攻撃を当てられなくて一方的にやられちゃったんだよね」
さらに、ドラパルトは飛行タイプのように空中を縦横無尽に飛び回る。地上を駆け回る二次元的な動きではなく、
「ドラパルトの弱点は耐久力だ。で、その耐久力の低さをスピードで補ってる。相手が三次元的な動きで翻弄してくるっつーんなら、こっちも同じく
マサルが冷静に状況を分析し、そう言った。
「ドラパルトを
「……マサルには次にユウリが何をするかわかると?」
「シャワーズが使える技を考えると、この状況だと実質一択。ユウリなら必ず、
モニターに映る少女の顔に動揺や焦り、迷いはない。
「その技は───」
そしてこの瞬間、マサルはユウリの思考を完全に読み切っていた。
「ふぶき」
「ふぶき」
照り付ける太陽が遮られ、どす黒い暗雲がスタジアム上空を包み込んだ。
そう思った数舜後には、「雪」と呼ぶにはあまりにも
「ドラパルトは速い。すっごく速い。こんな状況で『れいとうビーム』を当てるのは至難の業だよ」
ならば、どうすれば良いのか。
「でもね」
気温が下がり、白い息を吐き出しながら、ユウリは告げる。
「どれだけ速くても、
故に、氷タイプ最上級技である「ふぶき」
舞い散る無数の氷塊が容赦なくドラパルトに襲い掛かった。
「さっきも言ったように、ドラパルトは耐久力の低さを持ち前のスピードを駆使して回避することでカバーしている。言い換えれば、弱点タイプの技を当てられさえすれば───」
『ドラパルト、戦闘不能!! 降り注ぐ氷塊の乱流から逃れられず、地に落ちる!! ダンデパーティーのスピードスターがシャワーズの全方位攻撃により撃墜!!』
『ああいう素早いポケモンへの対処法は大きく分けて二つだ。一つはユウリがやったような範囲攻撃。もう一つはスピードを封じる補助技。どっちも正解だが、ドラパルトの耐久力とシャワーズの残り体力を考えればここは攻撃一択だったな』
『……ユウリ、冷静だった』
ドラパルトが倒れ、暗雲が晴れたことで再びスタジアム内を太陽光が照り付ける。ユウリは、ドラパルトが完全に戦闘不能になったことを確認してからシャワーズをボールへ戻した。
「こうかばつぐん……君達なら当然の攻撃だ」
自身のポケモンが倒されながらも、ダンデは笑みを崩さない。だがその瞳には変わらず、猛々しい炎が宿っている。
これで互いのポケモンは一体ずつ戦闘不能となった。そして、ダンデのオノノクスとユウリのシャワーズは共に手負いの状態。バトルが中盤に差し掛かり、ダンデとユウリの二人は互いに理解する。
この中盤で、局面が一気に動く、と。
「
「バリコオル!!」
ユウリの選択は再びのシャワーズ。だが、ダンデがバリコオルを出した瞬間、ユウリのほんの一瞬歯噛みしたことをマサルは見逃さなかった。と同時に、マサルは確信する。
(ユウリの
水タイプのシャワーズと氷タイプのバリコオル。他タイプのサブウエポンを習得させていることを除けば、互いに有効打のない組み合わせのように思えるかもしれないが。
バリコオルには、
「フリーズドライ!!」
「ねっとう!!」
互いのスピードは、ほぼ互角。
バリコオルへ超高温の「ねっとう」が襲い掛かり押し流そうとするも、空間をも凍結させるような冷気が、「ねっとう」ごとシャワーズを凍てつかせ、フィールドのど真ん中に巨大な氷像を作り上げた。
『シャワーズ、戦闘不能!! 氷タイプで唯一、水タイプに対して有利を取れる技である「フリーズドライ」! ドラパルトの「10まんボルト」を受けたこともあり、シャワーズがここで力尽きた!!』
『だが、ユウリも良い判断をしたな。普通の水タイプ技じゃバリコオルにほとんどダメージを与えられなかっただろうが、「ねっとう」っつー
これでユウリは二体を失い、残り三体。対してダンデは手負い二体を含む四体。ユウリはダンデと戦いながら、初めて自分が
(すごい。ダンデさんが相手だと私の直感が通じたり通じなかったり……思考に
そしてユウリは三つ目のボールを構え、ここで大きな賭けに出た。
「エースバーン!!」
「ギルガルド!!」
ユウリの選出は、自身の相棒であるエースバーン。対してダンデはエースバーンを天敵とするギルガルド。この瞬間、ユウリは賭けに勝ち、ダンデは読みを外されたことにほんのわずかな悔しさを滲ませつつ、楽し気に笑っていた。
「かえんボール!!」
「キングシールド!!」
マサルのジバコイルを一撃で沈めた先制の「かえんボール」を、「キングシールド」が完全に防ぐ。
「ブレードフォルム!!」
そして、「かえんボール」を防ぐと同時、ギルガルドが超攻撃型の姿へとフォルムチェンジした。ダンデはエースバーンを相手に守りを固めても事態は好転しないと考えたのか、迎撃の形を取る。
(あえて防御力を下げたのだったら……攻撃される前に落とす!!)
エースバーンは高機動型の物理アタッカー。元より、攻撃の手を休める理由がない。
「かえんボール!!」
「パワートリック!!」
だが、そんなユウリの思考を読み切ったかのように、ダンデはポケモンの「攻撃力」と「防御力」を入れ替える技を選択した。超攻撃型フォルムでありながら、耐久力は「シールドフォルム」のままとなったギルガルドは「かえんボール」を耐え切った。
(……やられたっ!! まさかこんな手で「かえんボール」を受けきるなんて……。えっと、今は見た目は「ブレードフォルム」で中身は「シールドフォルム」。や、ややこしいよぉっ! でも、いくら防御が固いといっても確実にダメージは与えたんだ! 今のギルガルドが「かえんボール」を二発も耐えられるとは思えない! このまま押し切る!)
ユウリは一瞬混乱しかけるも、迷えばダンデの思う壺であり形勢をひっくり返される恐れがあるため、即座にエースバーンに指示を出そうとした。
「エースバーン!!」
だが。
その直感と判断の早さこそを。
ダンデに利用されることになる。
「か───」
瞬間、ユウリは全身を悪寒に支配された。何か大きな、
(あの時の、感覚……! マサルとのバトル、最後の最後で勝利を確信して気が緩んだ一瞬……インテレオンに「ねらいうち」をされた時と同じ……!!)
すでに一度経験していたその感覚が、ユウリを窮地から救い上げた。
「
ユウリの悪寒を感じ取ったエースバーンはギルガルドから距離を取り、自慢の機動力をさらに爆発的に上昇させ、フィールドを駆け回る。
「……素晴らしい
ユウリの選択に対し、ダンデは思わずそんな言葉を漏らしていた。
『ここで「こうそくいどう」!? あのまま「かえんボール」で押し切れそうでもありましたが……』
『ダンデのねらいは、まさに
『ま、まさか……!?』
『……「みちづれ」』
『レッドの言う通り、あの瞬間ダンデは「みちづれ」を狙っていた。初手「キングシールド」で
『ですが、すんでのところでユウリ選手がダンデの狙いに気付き「みちづれ」が不発に終わった、と』
『何を狙ってるかまではわかってなかったと思うぜ。ただ、直感的に「ここで攻撃するとヤバい」って思ったんだろ』
『……あるある』
「でも、なんで『こうそくいどう』なん? エースバーンの火力を上げるっていう手もあったと思うんやけど」
「それだと、もう一度『みちづれ』を使われたら同じ結果になるからだ。ギルガルドの欠点はスピード。『キングシールド』も『パワートリック』も補助技だから辛うじてエースバーンの『かえんボール』に対応できた。んで、『みちづれ』も系統としては補助技に近い。だったら、『みちづれ』を発動させないくらいぶっちぎりの速度で技を発動させるしかない」
「なるほど。……ただ、兄貴が『みちづれ』を使おうとしたところなんて初めて見たぞ」
「それだけユウリを脅威だと認識してるってことだ」
「……いや、ユウリも規格外だけどその意図を即座に理解するあんたも大概でしょ」
そしてマサルの言葉通り、エースバーンは一度目の「みちづれ」の効果が切れた瞬間、ギルガルドが「みちづれ」を再発動させる間もないほどの圧倒的速度で「かえんボール」を放ち、ギルガルドは戦闘不能となった。
「これでダンデさんとユウリのポケモンは残り三体……。数は互角やけど、オノノクスとバリコオルはダメージを受けとる。対してユウリのポケモンは三体とも元気いっぱい。でも、なんでやろ……ユウリが優位に立ってるように思えんね」
「ポケモンを鍛えてきた期間が違うからだ。ダンデくんは七年以上、今のポケモン達と共に苦楽を共にしてきた。相当な数の修羅場をくぐってきた。対してユウリはポケモンを本格的に育て始めて半年足らず。文字通り、経験が違う」
「そう考えると、オノノクスとバリコオルのダメージなんてあってないようなもんだぞ。その上、兄貴にはまだ万全のリザードンがいるんだ。リザードンを突破しない限り、ユウリに勝ち目はない」
「そこだよね。ただ、ユウリのルカリオもメタグロスもダンデくんのリザードンを天敵としている。ここでシャワーズが残ってなかったのは痛手かな」
「オノノクスに相性が良いポケモンもおらんね……ここまでユウリが後手に回るなんて思わんかった」
「ポケモンの数だけなら主導権の奪い合いは互角に見える、が……パルスワン対オノノクス、シャワーズ対ドラパルト、シャワーズ対バリコオル、エースバーン対ギルガルド。四度の攻防は、常にダンデくんが先手を取って次の攻防でユウリが巻き返す展開だった。ユウリはここで先手を取れねえと相当キツイ」
「ダンデくんは最後に必ずリザードンを出す。なら、オノノクスかバリコオルの二択になるけど……バリコオルにはユウリのポケモンが三体共相性が良くて、逆にオノノクスに対しては三体共
「あの『じしん』を受けたら、メタグロスだってただじゃすまないぞ」
オノノクスの物理攻撃力はマサルのバンギラスはおろか、ユウリのメタグロスさえをも上回っている。メタグロスがいくら物理に強いポケモンとはいえ、ホップの言った通りオノノクスの「じしん」を受ければ致命傷になるだろう。当たり所が悪ければ、一撃で落とされる可能性すらある。
そして、ルカリオとエースバーンの耐久力ではオノノクスの火力に耐えられない。
(すごい……本当にすごい。ダンデさんは本当に、私がこれまで戦った中で一番強いトレーナーだ。これが、チャンピオン……ガラルの頂点に君臨するトレーナー……)
ユウリは自分がダンデと互角に戦えている、とは思わなかった。自分は常に先手を取られ、後手の対応を強いられている。ダンデが
(相変わらず、直感は働いたり働かなかったりだね。でも、次の手はもう決まった。ここで時間をかけても事態が好転するわけじゃない。むしろ、少しでも躊躇えば、そのまま一気に押し切られる。うん、大丈夫だよ。直感を信じる私が一番強いってことを、マサルが教えてくれたから)
エースバーンをボールに戻し、ユウリは
(この一手で、流れを手繰り寄せる!!)
ユウリとダンデ、二人のトレーナーは猛々しいまでの闘志を纏い、ボールを投げた。
「ルカリオ!!」
「バリコオル!!」
ユウルの選出は物理・特殊の機動型両刀アタッカー。対してダンデは、ユウリの残り三体と相性が良くないバリコオル。
「インファイト!!」
ユウリはダンデが
だが。
ユウリがどのポケモンを出してこようとも、使う技をあらかじめ決めていたのは。
ダンデも同じだった。
「
ルカリオのインファイトが炸裂すると同時、照りつける太陽光がさらに強くなり、肌を焼くようなチリチリとした痛みが走るのをユウリは感じ取る。
バリコオルはルカリオの一撃を受け、戦闘不能。ユウリはこの瞬間、ダンデとのバトルで初めて数的優位に立つも、その表情は優れない。それどころか、唇をギュッと噛みしめていた。
『「にほんばれ」!? チャンピオンダンデがここで天候操作技を選択!!』
『バリコオルはユウリの残り三体に対して有効打を持っていなかった。だからこそ、ユウリが誰を出そうとも、ダンデは初めからバリコオルに「にほんばれ」を使わせるつもりだったんだ。
『……マサルの時と一緒』
『確かに、ユウリ選手はマサル選手とのバトルでメタグロスに「にほんばれ」を使わせ、天候が後の攻防に大きな影響を与えました。自分が使った戦法をこの局面でやり返されるとは……』
『ユウリの残り三体の中に、炎タイプを受けきれるポケモンはいねえ。この天候なら、
『ですが、ユウリ選手にはリザードンと同じ炎タイプのエースバーンがいます』
『たとえエースバーンが天候の恩恵を受けるとしても、リザードンで押し切れると判断したんだろ。さあ、どうするユウリ? バリコオルは倒したが、依然お前が選択を迫られる立場なのは変わらねえ。ダンデはもう、バトルプランを
グリーンの言葉に、ユウリはほんの数秒目を閉じる。この瞬間、ユウリもダンデと同じように頭の中でバトルプランを最後まで描き切っていた。
「ルカリオ!! このままいくよ!!」
ユウリがダンデを指差し、叫ぶ。そんなユウリの闘志に応えるように、ルカリオは高々と遠吠えをあげ、ダンデはユウリの決断に思わず白い歯を見せていた。
「そうこなくてはな!! オノノクス!!」
二度目のオノノクス。超高火力の機動型物理アタッカー。対するルカリオも機動型の両刀アタッカー。機動力がほぼ互角であるアタッカー同士のぶつかり合いはすなわち、守りや補助など一切考慮しない、ノーガードでの殴り合い。
そして、この局面で。
ルカリオは「はどうポケモン」としての真価を、その神髄を。
遺憾なく発揮する。
「じしん!!」
「
大地を揺るがす天災の一撃がルカリオを打ち砕き。
大気を揺るがす天龍の一撃がオノノクスを打ち抜いた。
『ルカリオ、オノノクス……両者共に戦闘不能!! 凄まじい技の応酬でした!! オノノクスの「じしん」はパルスワンとの戦いで見せていましたが、まさかルカリオがドラゴンタイプの技を、「りゅうのはどう」を使えるとは……』
『「はどうポケモン」の名に恥じない活躍だったぜルカリオ。当たり前っちゃ当たり前なんだが、ポケモンにはそのポケモンが得意なタイプの技だけ覚えさせればいいってもんじゃねえ。多様なタイプのポケモンが存在するからこそ、得意タイプ以外のサブウエポンの有無が重要になってくる』
『……ルカリオはとても器用』
『い、いずれにしても……ダンデの残すポケモンは、リザードン一体のみ!!』
「ユウリ……っ!!」
マサルは思わず立ち上がり、フィールドと観客席を隔てる手すりから身を乗り出さんばかりの勢いで、フィールドの中心に立つ少女の名を呼んだ。
「ユウリが……チャンピオンを追い詰めた」
「ははっ……すごすぎるぞユウリ。こんなの、今まで誰にもできなかった! このままいけっ!! 兄貴を倒せっ!! ユウリ!!」
スタジアムの観衆達と同様、興奮を抑え切れないホップとマリィの二人だが、そんな彼らとは対照的にソニアは……ソニアだけはただ静かにフィールドの中心を見つめていた。
「かつて、ダンデくんと
それは、驚くほど酷く冷静な声だった。
「───
「本当に、すごいな君は。チャンピオンになり……七年。ここまで俺を、俺達と渡り合ったトレーナーは君が初めてだ」
言葉を紡ぎながら、ダンデは楽しさを隠し切れなかった。自身をここまで追い詰めたトレーナーに対して。否、ダンデは
バリコオルに「にほんばれ」を使わせた時点で、ここまでの展開はダンデが描いた
そしてダンデは最後のモンスターボールを強く握り、ダイマックスバンドを輝かせる。
「ここからが本当のチャンピオンタイムだ!! 焼き尽くせリザードン───キョダイマックス!!」
雄叫びとともに、煉獄を纏いし紅の龍が。
七年間の間、一度も倒されたことのない無敵の炎龍が。
歴代最強の挑戦者の前に、立ちはだかる。
「さあ、かかってこい」
その威風堂々たる姿を見て、ユウリは思わず喉を鳴らし、照り付ける太陽光とは別の要因による汗が頬を伝うのを自覚した。
(これが、ダンデさんの相棒……リザードン。その、真の姿)
数多の強敵を屠ってきた最強の王者。
その圧倒的な存在感に、威圧感に、気圧されそうになる。
(そうだとしても、私のやることは変わらない。だって、
足がすくみそうになる恐怖を、圧倒的な威圧感を
「メタグロス!!」
この局面で出てくるのは、自軍の最高戦力メタグロス。このバトルでまだ一度も姿を見せなかったメタグロス。
マサルのパーティーを半壊させた不死身の要塞にして最強の矛。
ダンデのリザードンと同じく数多の強敵を屠ってきた。
だが、そんなメタグロスの
ユウリに現実を突き付ける。
「キョダイゴクエン!!」
メタグロスの唯一の弱点。
それは、スピード。
メタグロスは、スピードを引き換えに堅牢な守りと激烈な破壊力を得たポケモンだ。
そして、スピードとは、何も動きの素早さだけを示すものではない。ポケモンバトルにおけるスピードとは、動きの素早さと───技の
そのどちらもがリザードンに遥かに劣るメタグロスは。
灼熱の獄炎に、呆気なく飲み込まれる。
だが、ユウリは学んでいた。
マサルとの戦いで、学んでいた。
ポケモンバトルの結末は、
「ストーンエッジ」
ダンデの顔色が、
メタグロスは。
フィールドを支配する獄炎に包まれながら。
倒れる最後の瞬間に。
紅蓮の炎龍へ、その一撃を叩き込む。
『メタグロス倒れる!! これまでの戦い……あらゆる局面でその猛威を振るってきたメタグロスが……チャンピオンダンデのリザードンの前に……一撃で沈んだあああああああ!!』
『おいおいマジかよ。マサルとのバトルじゃあ三体がかりでようやく倒せたメタグロスだぜ? それを、キョダイマックスしているとはいえ一撃で……。あのリザードン
『……「ストーンエッジ」、がんばった』
『だな。メタグロスもただじゃ終わらなかった。最後の力を振り絞ってリザードンの一番の弱点である岩タイプ技をぶち当てたんだからよ。ダンデの表情を見るに、このバトルでの
『あんなダンデの顔は初めて見ましたね……』
『これでユウリとダンデのポケモンは互いに一体。天候は炎タイプに有利な晴れ。経験値ではリザードンが圧倒的に上だが、メタグロスの一撃で痛手を負った。……ははっ、マジでどっちに転ぶか全くわかんねえな』
スタジアムの熱狂は最高潮だ。かつてここまでダンデに肉薄したトレーナーは現れなかった。他の地方ならチャンピオンになれる実力の持ち主であるキバナでさえも、ダンデを最後の一体まで追い詰めることはできなかった。
それを、今。
一人の少女が。
齢十四の少女が。
七年間無敗を誇るチャンピオンの牙城を、崩しにかかる。
「エースバーン───キョダイマックス」
少女のダイマックスバンドが輝き、現れるは灼熱の火球を操る蹴撃の達人。そして、紅蓮の炎龍と向かい合い、両者が纏う灼熱の獄炎が生み出す気流が少女の髪を靡かせる。
炎に照らされている、神々しいまでの少女の姿はまさに、歴史を変えるに、伝説を塗り替えるに相応しい。
誰もが理解した。
決着は、近いと。
「キョダイカキュウ!!」
「キョダイゴクエン!!」
ここまで来れば、もはやトレーナーにできることは一つ。最高の一撃を繰り出す、己のポケモンを信じることだけ。
同種でありながら、異質な炎のぶつかり合い。それによる、超高温、超高圧の大爆発。宇宙の始まりとされる、ビッグバンだと言われたとしても誰もが納得するだろう。
ここが、頂点。
ガラルの、頂点。
雌雄を決する
爆発の末に、立っているのは───
『獄炎の先に君臨するは……だが、いや……まさか……!? リザードンの
キョダイマックスが解け、苦しそうな表情で膝をついているリザードン。だが、その瞳に宿した闘志は未だ衰えていない。
それでも、相対するエースバーンは負傷こそしているものの、キョダイマックスのまま。
大勢は決した。
伝説の終わりを。
誰もが確信した。
(まだだ!! 私はここからマサルに敗北寸前まで追い詰められた!! 次の一撃で……リザードンが倒れるのをこの目で見届けるまで……私は絶対に勝利を確信しない!!)
ユウリは即座に、リザードンに向けて指を差す。
「エースバーン!! キョ───」
だがその瞬間、ユウリは全身が押し潰されるような、これまで一度も体験したことのない重圧に支配された。
喉まで出かかった言葉が出てこない。
この言葉を発すればその瞬間、自分の勝利が確定するというのに。
言葉は、出てきてくれなかった。
(な、に……これ……ポケモンの技、なんかじゃ、ない……! ダンデさんが、何かをしたわけじゃ……ないっ……!)
膝が、震えそうになっている。
呼吸が、荒くなっている。
背中がびっしょりと、
自分がそんな状態になっていることに気付き、ユウリは思い出していた。
『お前はこの先、必ず……必ず、今まで一度も体験したことがない
セミファイナルトーナメントの決勝戦後、マサルが言っていた言葉を。
(これが……)
そして、理解する。
(これがマサルの言っていた重圧の正体───
その言葉の、意味を。
ユウリという少女は、世界で稀有な才能を持つポケモントレーナーだが、その精神は、十四歳の女の子。どこにでもいる、十四歳の女の子。
そんな少女が、ガラルのポケモントレーナー達の、その頂点に立つ。
これから先、少女が背負わなければならない責務は、重圧は、計り知れないことだろう。
これから先、今までの人生とは比較にならないほどの困難が待ち受けているだろう。
そもそも。
チャンピオンという存在は。
「バトルが強い」
それだけでは、決して務まることはない、ポケモントレーナーの頂点。
その座を掴み取る、その一歩手前まで来て少女は。
こう、思ってしまったのだ。
(私が───勝っていいの?)
そう思ってしまうのも、無理はない。
それは、ユウリと言う少女がごく普通の女の子であるという理由以上に。
ダンデというチャンピオンが、
ダンデはチャンピオンとして完璧だった。完璧過ぎた。
バトルの強さも。人柄も。人気も。立ち居振る舞いも。全てが。
誰もが思い描く、理想のチャンピオンだった。
だからこそ。
(……なれない)
だからこそユウリは。
(私は───ダンデさんのようなチャンピオンにはなれない)
躊躇ってしまった。
あれほどに、覚悟したはずだったのに。「迷わない」と誓ったはずだったのに。
だが決して、躊躇った彼女を責めることなど誰にもできやしない。
チャンピオンとは、そういう存在なのだから。
だが。
その一秒にも満たない一瞬の躊躇いを。
ダンデは───
そして
見逃さなかった。
「勝て!! ユウリ!!」
声が、聞こえた。
スタジアム中を飲み込むような大歓声の中、聞き分けられるはずがないのに。
だが確かに、少女の耳には届いていた。
少女が今、一番聞きたかった少年の声が。
『もしかすると、そんな重圧に押し潰されそうになるかもしれない。耐えられないと思ってしまうかもしれない。目を逸らして、逃げ出したくなるかもしれない』
あの時彼はこう言った。
『俺には、それを背負うことができない。でもな、ユウリ』
少女を抱き締めながら、こう言った。
『
覚えている。
あの時の少年の言葉を。
あの時の少年の温もりを。
少女は、覚えている。
『絶対に、何があっても───俺がお前を、一人になんてさせやしない』
力が、戻る。
足の震えが、止まった。
全身を、血液が巡っているのがわかる。
『ユウリ。お前は、ダンデくんとは違う。ダンデくんとは違う力を、ダンデくんにはない力を、お前は持っている』
そして少女は、自身を押し潰さんとする重圧を。
自身を支配せんとする呪縛を打ち破り。
「私は」
大いなる一歩を踏み出し、宣言する。
「私は───ポケモントレーナーのユウリだ」
戦いが、終わる。
蹴撃の達人が繰り出す最後の一撃を。
紅蓮の炎龍が真正面から受け止め。
地に、倒れ伏す。
最後の最後、その瞬間まで。
少女は決して、目を逸らさなかった。
そして。
ガラルの頂点に
悔しさと、そして喜びが入り混じった笑みを口元に浮かべ。
チャンピオンの証であるその帽子が。
高々と、宙を舞った。
「チャンピオンタイム イズ オーバー」
すごいよ!! マサルくん
No.0227
「ポケモントレーナー ユウリ:チャンピオン」
「プレイヤーが勝っていいのか?」と思わせてくれたチャンピオンはダンデが初めてでした。
おめでとうユウリ。
ではでは、次回もよろしくお願いします!
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