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タロちゃん√です。ミアレ編やパルデア編程長くはなりません。多分。
タロちゃん√【わるわるタロちゃん編】厄介強火ファンセイカちゃんとメイちゃんのお姉ちゃん化計画
「こいつが……伝説の巨大シビルドン。この辺りで神として祀られているだけはあるな。その姿、まさに雷神と呼ぶにふさわしいよ」
イッシュ地方、とある未踏のジャングルにて青年は全長百メートルはあろうかと思われる超巨大シビルドンと対峙していた。隊長のヤーコンを筆頭に、マサル、トウコ、トウヤ、タロの五人はこのジャングルに住むといわれる幻の民族、そして、その民族が「神」と崇める伝説の巨大シビルドンを追い求め、数多の困難を乗り越え、遂に伝説に遭遇する。
しかし、大自然の権化ともいえる強大な神の力は彼らの想像をはるかに超えていた。全身に
「こいつの力が暴走すれば……俺達だけじゃない! 近くの集落も巻き込まれる! ヤーコン隊長、みんな! ここは俺に任せてみんなは集落の人達を避難させてください!」
「無茶よマサル! あなた一人でどうにかできる相手じゃないわ!」
「……トウコさん。俺の実力はあなたが一番よくわかっているでしょう?」
「マサル……」
二人はかつて、共にガラル滅亡の危機を救った英雄同士。もちろん、お互いに実力を理解してはいるが、トウコにとってマサルは弟のような存在だ。だからこそ、彼一人に任せるなんてできやしなかった。
「時間がない! もたもたしてたらこの辺り一帯は焦土になる! 大丈夫、身の程はわきまえてますよ。時間を稼いだら俺もさっさと逃げますから。さあ、行ってください!」
「……すまん! マサル、後で必ず助けに来る! だからそれまで死ぬんじゃないぞ!」
「パパ!」
「行くぞタロ! マサルの覚悟を無駄にするな!」
タロと呼ばれた少女は父親に手を引かれながらも、悲痛な表情でマサルの方へ振り返ると、マサルはタロを安心させるように自然な笑顔を浮かべていた。
「大丈夫だよ、タロちゃん。だって俺達は強いから」
「マサルくん……」
「帰ったらタロちゃんに伝えたいことがあるんだ。だから、待っててくれる?」
「私も……! 私もマサルくんに伝えたいことがあります! だから……だからどうか、無事に帰ってきてください!」
マサルとタロは、共に熱い視線を交わす。その傍らでトウコが「ごめんなさいユウリ」と呟きながら
そして、去っていく彼らの背を見送り、マサルは超巨大シビルドンと向かい合う。恐れることは何もない。何かを守るための力が世界で一番強いことを、青年は知っているから。
「まったく、一人で格好つけちゃってさ」
「トウヤさん!?」
「君を一人にするとトウコが悲しむからね。世界一可愛い妹の涙なんて見たくない」
トウヤと呼ばれた青年が、立ち並ぶ。彼はトウコと共にイッシュを救った英雄の一人で、チャンピオンである彼女と同等の力の持ち主だ。
「それに、惚れた女の笑顔一つ守れないなんて男じゃないだろ?」
「……トウヤさんはまず惚れた女を
「したよ! 絞ろうとしたよ! でもね! 俺の意思が無視されるどころか
「お? モテ男の言い訳見苦しいぞ~」
「ちがっ!? 俺はそんなつもりじゃ……」
「ほら、シビルドン様もバチバチしていらっしゃる。トウヤさんの煮え切らない態度が神の怒りを買ったようで」
「そんなわけないだろ!! ああもう!! なんでマサルはいつもこうなんだ!? Nとはなんかすっげーエモい再会してたのに!!」
言い合いながらも二人は臨戦態勢を崩さない。そんな二人の闘志にあてられたかのように、シビルドンの纏う雷が一層激しくなっていく。
「とまあ、おふざけは……」
「ここまでにしようか」
二人の手に握られているのは、奇しくも同じ
「ムゲンダイナ!!」
「キュレム!!」
ガラルを、そしてイッシュを滅亡の危機へと招いた伝説が今───神に挑む。
彼らの命運や如何に!!
数日後。
「マサル! 山奥の秘境に良い川を見つけたんだが今度の休みに一緒に釣りに行かないか? 新しい釣竿を試したくてな!」
「いいですね~。ヤーコンさん、ぜひご一緒させてください!」
「もうっ、マサルくん!」
マサルとヤーコンが新しい釣竿にきゃっきゃとはしゃいでいる傍らで、タロがわざとらしく不機嫌な表情で頬を膨らませながら、胸の前で腕を交差させてばってんを作りこう言った。
「
タロちゃん√【わるわるタロちゃん編】厄介強火ファンセイカちゃんとメイちゃんのお姉ちゃん化計画
「あ、タロちゃん。紹介するわね。この子がマサル。あたしがガラルで色々お世話してあげた……まあ、弟みたいなものね」
「はじめまして。ガラル地方からやってきました。よろしくお願いします!」
彼と出会ったきっかけは、イッシュチャンピオンであるトウコさんに紹介されたからだった。すごく特徴的で
「……タロですっ! よろしくお願いします」
彼と初めて会った瞬間に、私はこう思った。
思っちゃったんだ。
私はこの人のお嫁さんになるんだなーって。
「一目惚れって本当にあるんですね~」
「いきなりどしたん?」
「ほら、私ってマサルくんに一目惚れしたじゃないですか」
「え!? タロちゃんってそんな初期から俺のこと好きだったの!?」
「そうですよ。マサルくんは違うんですか?」
「……あんま違わないかも」
「お揃いですね~」
自宅のソファで一緒にくつろぎながら私はマサルくんの肩にこてんと頭を預けてみる。今まで告白されたことは何度かあったけれど、男の子に対してこんな感情を抱いたのはマサルくんが初めてだった。
普通はもっと色んな出来事があって仲良くなってちょっとずつ好きになっていくのが恋愛なんだろうけれど……恋は理屈じゃないのです!
「まほ~♪」
「お? どしたねマホイップ。これか? この飴ちゃんがほしいんか?」
「まほまほ~♪」
いつの間にかボールから出ていたマホイップがマサルくんの身体をよじ登って、可愛いお口を開けておねだりしている。うーん、あざとい! いったい誰に似たのでしょう? でも可愛いから許します! 可愛いは最強で正義なので!
マサルくんは私のポケモン達によくおやつをあげているので、ポケモン達もすごく懐いている。特にマホイップとグランブルが。でもなぜかマサルくんはドリュウズのことを「ドリュウズ先生」と呼んでいて、理由を尋ねたら……。
「知り合いのポケモンで温泉掘るのにめっちゃお世話になった」
「その知り合いって女の子ですか?」
「女の子」
「……ふーん? ふーん? ふーん?」
そうやってわざとらしく嫉妬した素振りを見せると、マサルくんは決まって困ったように笑いながら私の頭を撫でてくれた。ま、本当は嫉妬なんてしてないんだけどね! ちょっとしか。ほんのちょっとしか。ほんのほんのちょっとしか。
でもこうするとマサルくんが甘やかしてくれるので定期的にいじわるしていこうと思います。なぜなら私はわるわるの悪戯っ子なので!
「マサルくん」
「んー?」
「……あーん」
私もマホイップのように口を開けておねだりすると、やっぱりマサルくんは困ったように笑いながら飴を食べさせてくれて、口の中に甘いミルクの味が広がった。
今日はこのままマサルくんに甘えつつマサルくんを甘やかしつつだらだら過ごそうかな。
そんなことを考えていると、マサルくんのスマホロトムがふよふよと浮いて誰かからの着信を知らせてきた。
「お、キョウヤだ」
「どなたですか?」
「ミアレで出会ったやべーヤツ」
「マサルくんよりも?」
「俺と良い勝負だな」
……いったいどんな人なのでしょう? 私もすごく気になったので「電話に出ていいよ」って言うと、マサルくんはお礼を言って電話に出た。
『ようマサル。悪ぃないきなり。今大丈夫か?』
「どうしたキョウヤ? まーたミアレが滅亡しそうになっとんか?」
『え? なんでわかんの?』
「マジなんかい。んで、今度はなんだ? メガシンカを超えた究極メガメガシンカポケモンが暴れ出したか?」
『いやちげーよ。なんだよメガメガシンカって。あ、でもメガメガニウムがいるから……ってそうじゃない! なんかミアレが異次元に飲み込まれて消滅しそうになっててさー』
「まるで意味が分からんぞ。にしても、最終兵器で滅びかけてプリズムタワーが吹っ飛んで異次元に飲み込まれそうになるとかミアレが試される大地すぎる」
『ほんそれ』
……話の内容はとんでもないのにどうしてこの二人は全然危機感のない雰囲気で話しているのでしょう? 街一つが滅びるって大事件なのに。あ、でもガラルもイッシュも何年か前に滅びかけてたね。
『でさー。ミアレを救うために異次元のでかい金玉から出てきたバターを使って幼女とドーナツを作んなきゃいけないんだけど』
「脳みそ暴走メガシンカしてんのか?」
『してねーよ! 全部事実だ。なんかワープゲートみたいなとこ通って異次元ミアレに行って暴走してるメガシンカポケモンを鎮圧したらくそでけー金玉が出てきてそれぶっ壊したらすげー質の良いバターが取れたんだよ』
どうしよう。電話越しの彼……キョウヤさんの言っていることが全く理解できない。
「言ってることの八割理解できんわ。っつーか、そんな怪しいバター使うのはやめとけ」
『あ、やっぱそう思う?』
「ウチの実家で作ってるバター送ってやるから。ついでにヨクバリスエプロンも」
『え? マサルがタウニーとカレーバトルした時に着てたあのエプロン? いらねーよ』
私はあのエプロンもきのみパーカーも可愛いと思いますけどね~。
「わざわざ俺に電話してきたってことはマジでやばいんだな。待っとけ。そっち戻ってやっから」
『それは大丈夫。バターについて聞きたかっただけなんだ。それにめっちゃつえー助っ人もいるしな』
「助っ人? ああ、カルムさんとセレナさんか」
『いや、あの人達がどっか行ってからミアレがやべーことになってさ』
「どっか行ったんかい。で、助っ人ってのは?」
『全身にメガストーンをつけた露出の多い金髪の綺麗なお姉さん』
「ファッションセンス暴走メガシンカかよ」
『コルニさんもマサルにだけは言われたくねーと思うぜ』
「ほっとけ。カナリィやムクちゃんは? 元気してる?」
『ムクは……だいぶマサルロスってるけどカナリィは元気にサビ組の事務所にカチコミかけてたぜ』
「何やってんだあいつ!?」
カナリィさん、ムクさん……ふむふむ。聞き覚えのある女の子の名前ですね。確かマサルくんがミアレに滞在していた時に特に仲良くなった女の子達だったはず。マサルくんがカナリィさんのお家を借りて、ムクさんが突如生えてきた妹って言っていたような……。ムクさんはともかくカナリィさんは要警戒だと私の第六感がそう言っています。
なのでマサルくんに抱き着いてほっぺすりすりしましょう! えいっ。
うん。マサルくんのほっぺたはもちもちです。
「まあ、なんとかなりそうならいいけど……マジでやばそうなら呼べよ?」
『大丈夫だ。ジガルデもフラエッテも力を貸してくれてるからな』
「じゃあ用件は終わりだな」
『ちょい待ちちょい待ち! もう一つ話したいことが……むしろこれからが本題』
「ミアレが滅びそう以外が本題ってどんなネタだよ」
『俺の可愛い妹を紹介します』
「詳しく聞こうか?」
マサルくんが妹というワードに反応している……確かパルデアでも妹が三人生えてきて、イッシュではメイさんが妹弟子という立ち位置だったはず。もしやマサルくんは妹フェチ? 今度そういうプレイをしてみるのもありだね!
『うっし。じゃあテレビ電話にして、っと。……え? ま、マサルさん? そ、そちらに映っていらっしゃいます美少女はどちら様ですか? もしや……イッシュで生えてきた妹?』
「残念。俺の彼女だ」
『……え? かの、かのっ!? 彼女!? マサルの彼女!? お、お前……!! 彼女、できたんかっ!?』
「はじめまして。タロです」
『え、やばい。とても可愛い』
「だろ?」
『ちょ、ちょい待ち! タロさんってずっとそこにいた?』
「いましたね~」
『うわっ……うわーっ! じゃあ異次元のでかい金玉とか全部聞かれてたじゃん!! ごめんなさいセクハラするつもりはなかったんです土下座するんで訴訟だけは勘弁してください!』
「ミアレ最強のメガシンカ使いの姿か……これが」
「ふふっ。安心してください。いくらイッシュが訴訟大国でもこのくらいで訴えたりしませんから」
『……天使』
キョウヤさんって面白い人ですね。……ここで私がキョウヤさんを褒めればマサルくんが嫉妬したり? しないですね。マサルくんはそういうところがあるからな~。優しくて甘やかしてくれて包容力があるところは大好きだけど、それはそれとしてちょっとくらい嫉妬してほしい。う~ん、やっぱり私は我儘でわるわるな女ですね。
「で、キョウヤの妹は?」
『はっ!? そういやそうだった。あまりにも衝撃の真実に忘れるとこだったぜ。おーい、セイカー!』
『なにー?』
『紹介したいヤツがいるからちょっとこっち来いよー!』
『……はぁ~。もう、何よ。アンシャちゃんとドーナツ作るのに忙しいんだけど?』
『それなんだけど金玉バターは使用禁止な』
『金玉バター言うなぁ!! って、え……?』
キョウヤさんの妹さんを紹介するとのことだったので、名残惜しく思いながらマサルくんから離れる。そして、スマホロトムの画面に映ったのは、キョウヤさんとよく似た顔立ちでくっきりした目元が特徴の綺麗な女の子。
「うおっ……さすがイケメンキョウヤの妹。めっちゃ美人さんだな」
『だろ? どこに出しても恥ずかしくない自慢の妹だ。ほらセイカ、前に話したマサル。こんなんでもガラルの大物だからな。あいさつしろあいさつ』
キョウヤさんが促しても、妹さん……セイカさんはマサルくんの顔を見て固まったまま。どうしたんでしょう? 緊張しているのでしょうか? それにしてはやけに熱い視線をマサルくんに向けているような……。
まさか……!? いえ違います。セイカさんのこの視線、この表情、それが意味するものは───
『あっあっあっ……!? まさっ、ま、まさっ……!? まさまさまさっ……マサルっ!? ほ、本物……ほんもにょ!? にゃうわっ!? あっあっあっ!! わ、わたっ、わたたっ、私っ! せ、セイカって……! セイカって言いましゅ!』
そう、これは……一目惚れなんかじゃない。
『……え? お前、何そのコミュ障オタクみたいな反応』
『あ、あにょっ! あのあのっ、わ、わた私っ……マサル……さんのあの、ジムチャレンジの、あのっ、ユウリとの、バトル見て、あの、ファンになって、あの、配信とか、教育番組とか全部録画して、て……Tシャツシリーズも、ぜ、全部そ、揃えてましゅっ!』
『お前マサルのファンだったん? 俺知らんかったんだけど』
『キョウヤに言う必要ある? そもそも私がミアレに来たのも地元じゃ買えないマサルTシャツシリーズを揃えるためであんたの様子を見に来たのはついでなんだからね』
急にキャラが変わりましたね。というよりもこちらが彼女の素でしょうか。
『……なるほどな。お前の戦い方が誰かに似てんなーって思ってたけどマサルだったのか。しっくりきたわ。そういやお前、手持ちにバンギとシャンデラとニンフィアいたよな? そこまでリスペクトしてんの?』
『あっあっあっ、なんっ、なんで今バラす……!? あっ、そのっ、ま、マサルさん、と、い、いいい一緒のポケモン、育てたくなって……いやほんとキモイですよねごめんなさい私如きが推しと同じポケモンを育てるだなんておこがましいにもほどがありましたごめんなさいごめんなさい何でもするから許してください』
マサルくんはそんなセイカさんを見てからから笑っている。うーん、マサルくんってこういう良い反応してくれる女の子好きですもんね~。
「セイカちゃんってめっちゃおもしれーのな」
『普段はこんなんじゃねえんだよ。もっとしっかりしてて俺のやらかしの尻拭いしてくれて地元でも結構モテてんのに……』
『あっあっあっ、ま、マサルさんに、お、おもしれー女認定されちゃった……生まれてきて、よかった』
『ほんと誰だこいつ』
「俺もセイカちゃんの気持ちわかるよ。自分なんかが推しと同じポケモンを育てるのって恐れ多いって思っちゃうよな。でも他の人が推しと同じポケモンを育ててたら『ほう……? こいつわかってるな』って気持ちになるんだ」
『そうなんですよ本当はインテレオンやジバコイルやムゲンダイナも一緒に育ててみたかったんですけどそこまでやるとさすがにキモ過ぎるかなと思ってそもそもこの三体ってミアレにいないんですよねでも電気、水、ドラゴンってパーティーにほしかったからゲッコウガとデンリュウとカイリューを育ててます』
『な? タイプ構成までマサルと似てるんだよ』
「いやー、自分の戦い方とかパーティー構成とか真似てくれるファンがいるってめっちゃ嬉しいな」
『推しに……!? よ、喜んで……!? も、もらえた……!? ……我が生涯に一片の悔いなし』
『もっと悔いろ』
うーん、なるほどなるほど。ちょーっと警戒しなくちゃいけないと思っていましたが大丈夫そうですねー。どうやらマサルくんを純粋に尊敬しているようですし、セイカさんは推しと恋愛感情をきちんと切り離して考えることができるファンのようですから。
でもマサルくんのことだからなー。どこでとんちきな運命力を発揮するかわかりません。セイカさんよりもマサルくんの動向に注意しておきましょう。
「セイカちゃん、ガラルに帰る前にミアレに寄るからさ。そん時はバトルしようか」
『あ、あぁ^~』
『妹のこんな姿見とうなかった』
『あ、あのっ……ば、バトルももちろん嬉しいんですけどできればサインと握手とあとマサルさんのポケモンちゃん達と触れ合わせてもらいたくて』
『コミュ障ファン発動する割に図々しいのな』
「もちろん。来年のチャンピオンカップの観戦チケットも送ってあげるよ」
『あぁ^~』
『マサルはマサルで俺の妹を殺す気か』
セイカさんが夢の世界へトリップしてしまったようなので、そこで通話は終わりました。これはこれはなかなかに濃くて可愛い女の子が出てきましたね。出会うタイミング次第ではマサルくんがセイカさんと付き合っていてもおかしくはなかったかもしれないな~。
今は私がマサルくんの彼女ですけどね! ふふーん♪
ただ~、マサルくんがセイカさんとばっかり楽しくお話をしていたのでここはわるわるアピールをしておきましょう。
「マサルくん」
「んー?」
マホイップのほっぺたをむにむにしていたマサルくんにぎゅーっと抱き着いてみる。すると今度は私のほっぺたをむにむにしてくれました。
うーん、だめだな~。やっぱり我慢できそうにないや。
「マサルくん、今日───パパは帰ってきませんよ」
耳元で囁くと、マサルくんがくすくす笑い始めたので、思い切ってキスをするとマサルくんはすごくびっくりした表情になった。
「今日の私はわるわるですよ~♪」
このあとたくさんバトルしました!
「そういやセイカ」
「何?」
「マサルって彼女がいるんだぜ?」
「それがどうしたのもしかしてキョウヤ私がマサルさんに彼女ができたくらいで失望してファンを辞めちゃうようなそんな愛の浅い女だと思ってるわけ真のファンは推しの幸せを一番に願うのであってそれができないのであればファンなんて辞めるべきね私を恋愛脳に支配されたその辺のミーハー女共と一緒にしないでくれる大体そういうミーハー女共はマサルの真の魅力がわかってないんだよねそういう連中に限って反転アンチになってSNSで大暴れして炎上してお気持ち表明してネットの玩具になって最終的に開示請求寸前まで追い詰められてアカウントを消して逃げるのよ何が言いたいかというと私はマサルさんと彼女を心の底から祝福するってことまあ私の心に鼻毛を抜いた時くらいのダメージはあったけど」
「効いてんじゃねえか」
「効いてねえし。はあ、こんな時は可愛いアンシャちゃんとドーナツ作りをして気を紛らわすのが一番ね」
「あ、マサルがドーナツ作り用のバター送ってくれるってさ」
「え? マサルさんのバターでドーナツ作るってそれもう私とマサルさんの愛の共同作業でしょ実質マサルさんがミアレを救うって訳ね」
「メインで作るのはアンシャだろーが」
「マサルさん! 今日という今日はあたしの弟になってもらいますよ!」
「俺こそがトウコさんの一番弟子。貴様如きが俺の姉弟子になろうなぞ片腹痛いわ!」
「なんだとーっ!? あたしは数年前にゲーチスおじが大暴れして絶体絶命だったところをトウコさんに救われたんですよ! あたしこそが一番弟子に相応しいです!」
「俺は数年前のブラックナイトでトウコさんに命を救ってもらって肩を並べて戦ってガラルを救ってゼクロムの背中に乗って夜の空中散歩して何なら俺が持ってる服をトウコさんが気に入ったからあげたりしたんだけど?」
「……うがぁーーーっ!!」
「エモエモエピソードで勝てねえからって実力行使に出た時点で貴様の負けは確定した」
「痛い痛い痛い! アイアンクローはやめてください! 頭脳明晰なメイちゃんの頭が割れてしまう!」
今日はメイさんがお家にやってきました。どうやらいつものトウコさんとのエモエモエピソードマウント合戦の真っ最中のようですね。今のところマサルくんの勝率が十割ですが。今回もメイさんがマサルくんに「ロケットずつき」をして返り討ちにあっています。
「うっうっ。タロさん慰めてください。マサルさんがね、酷いんですよ。すぐあたしをプロレス技の実験台にして……」
「よしよし。メイさんは良い子です~」
「あぁ^~」
マサルくんとの夜のプロレスはいつも私の圧勝ですけどね!
「ふー、タロさんに癒されて元気が出ました。……どうしてタロさんのような人がマサルさんと付き合っているのでしょう。……はっ!? もしやマサルさん、『さいみんじゅつ』でタロさんを洗脳しまし───ぎゃあああああっ!?」
今度はコブラツイストの餌食になっています。それに催眠に弱いのはマサルくんの方ですけどね~。この前だって試しに催眠プレイを───いえ、この話は今はいいでしょう。
「メイさん、良いことを教えてあげましょう。マサルくんの弱点タイプはエスパーとフェアリーですよ」
「確かに! マサルさんは見るからに格闘タイプですもんね! よーし……マサルさん、糸で吊るされたこのコインを見てください。あなたはだんだん可愛い可愛いメイちゃんを甘やかしたくなーる。あなたはだんだん可愛い可愛いメイちゃんをお姉ちゃんと呼びたく───ぎゃあああああっ!?」
今度はヘッドロックされていますね。だめですよ~メイさん。いくらマサルくんでもそんな子供騙しの催眠には引っ掛かりません。もっと大いなるピンクの力を利用しなければ!
「きょ、今日はこのくらいで勘弁してやります。メイちゃんは大人なので今日の所はマサルさんをマサルお兄ちゃんと呼んであげましょう!」
マサルくんがものすごくスンとした表情になっちゃった。メイさん相手にはよくそういう表情になるよね。
「あ、あれは……キョウヘイくんとヒュウくんがあたしに呆れ返った時に見せるのと同じ顔!」
「そのキョウヘイとヒュウはどうしたんだよ」
「ヒュウくんはあたしに『やべー女だ』って言い残してどっか行きました! キョウヘイくんはルリちゃんとデートです。まったく、可愛い幼馴染であるメイちゃんのお姉ちゃん化計画を放っておいてルリちゃんとデートだなんて酷いと思いません?」
「俺がキョウヘイでもそうする」
「バカな!? 可愛くておっぱいの大きいメイちゃんに何が足りないというのか!?」
「知性かなぁ」
「知性溢れる顔をしているでしょう!」
「溢れまくって空っぽになってんな」
二人の言い争いを見ていると本当の兄妹みたいで和むなぁ。……メイさんがマサルくんの妹ということは必然的に私の妹にもなるわけで。メイさんに「タロお姉ちゃん」と呼ばれる……ありですね!
「このアップルパイすごく美味しいです! さすがタロさん。可愛い上にお菓子作りも上手だなんて完璧ですね!」
「作ったのはマサルくんですよ~」
「えぇっ!? マサルお兄ちゃんにカレー以外の物が作れると!? ……待てよ。そういえば聞いたことがあります。ガラルでは好きな子にカジッチュを送って告白するとその恋が実ると! つ、つつつつまりマサルお兄ちゃんが手作りのアップルパイをあたしに食べさせた=マサルお兄ちゃんはあたしのことが好きだということ! み、見損ないましたよ! タロさんという完璧な彼女がいながら妹弟子を口説き落とそうなんて! まったく罪深い男ですねあなたは! ……いえ、本当に罪深いのは可愛すぎるあたし、か……」
またメイさんがマサルくんのプロレス技の餌食になるかと思いましたが、マサルくんは何かを懐かしむような優しい表情でメイさんを見ていました。マサルくんはガラルにいる幼馴染さんの話をする時に決まってこういう表情をするんだよね~。
「メイ」
「な、なんですか!? 言っておきますがあたしはそんなちょろい女じゃありませんからね! フウロさん達の『トウヤさん共有財産化計画』みたいにハーレムを許容したりしませんから!」
あの共有財産化計画はどちらかというとトウヤさんにハーレムを認めさせる計画のような……。
メイさんが荒ぶる威嚇のポーズを取るも、マサルくんはメイさんに優しく笑いかけるだけでした。
「晩飯食っていくか?」
「いただきます! あ、そういえばマサルお兄ちゃん」
「あん?」
「トウコさんが
「んにゃ。初耳」
トウコさんがガラルへ行った理由は気になりますが、それはそれとして三人で美味しくカレーをいただきました。
その後、マサルくんを美味しくいただきました。
今日も私はわるわるですね♪
「あっあっあっ……まさ、マサルに、彼女……イッシュで……よりによって、トウコさんの、いる……イッシュで……あっあっあっ……相手が、トウコさんなら……まだ……納得、でき、た……のに……あっあっあっ……」
「ごめんなさいユウリ! 言い訳にならないでしょうけど……だって、
「ひぎぃっ!?」
「彼女の言う通りですね。ユウリさん、あれだけマサルくんと一緒にいながらあなたは今まで何をやっていたんです?」
「おごぉっ!?」
「……ごめんユウリ。同情はする。たくさん慰めてもあげる。でも……でも……ビートの発言のフォローはできんけん!」
「あぎゃっ!?」
「マサルを世界に解き放てばこうなると思ってたぞ。むしろよくパルデアとカロスで何もなかったな。それに俺は言ったぞ。『一緒に行かなくていいのか?』って……。いやでも、うーん……ユウリはチャンピオンで自由に動けなかったし。マサルがいる間にもっと根回しすべきだったな。俺も責任を感じるぞ」
「え? マサル氏に彼女!? ……イッシュのブルーベリー学園の四天王かぁ。ふーん……? 可愛い子じゃん。僕やカナリィ氏はあんな屈辱的な目に遭わせておいてイッシュであっさり彼女ねぇ? ふーん? いや別に深い意味はないけどマサル氏の友人としては相手の女の子が悪い子だったりしたらマサル氏が傷つくかもしれないじゃんだから相手のことを調べる必要があるよね友人としてブルーベリー学園ね確かオレンジアカデミーと姉妹校だったはずアオイ氏とハルト氏が林間学校と交換留学に参加するって言ってたからマサル氏の様子を見てきてもらおうかなアオイ氏もマサル氏を慕っていたからねうんそれ以上の深い意味はないよほんとだよ」
「……カナリィ」
「言うなムクちゃん。みなまで言わなくてもわかるっす。マサルに彼女ができた。いや別にそれはいいんすよ友人に彼女ができたなんて喜ばしい話題じゃないすかでも写真を見せてもらってどうも相手の女の子が気になるというか悪女のオーラを感じるというかもしも僕の直感が正しかったらマサルが不幸になるかもしれないじゃないすかそんなの友人として見過ごせないっすよねちょうど異次元ミアレも落ち着いてきたことだしマサルも僕らのことを心配しているだろうからちょっと顔を見せに行こうと思うんすけどああもちろんそんな深い意味はないっすよやっぱり直接会って話さないとわからないことってあるじゃないすかねぇムクちゃん」
「確かに。この女が本当にマサルお兄ちゃんに相応しいかどうか見極める必要がある」
「というわけでこのブルーベリー学園ってとこに乗り込むっすよ」
タロちゃん√の第一話です。
カナリィ√やナンジャモ√と比較して糖度高めとでしたね。(セイカやメイの奇行から目を背けつつ)
これまでのifは最後の最後で付き合うパターンでしたが、今回は最初から付き合っている状態でのスタートです。こうでもしないとコメディの波動から逃げられないんだ。
ちなみにセイカはマサルの強火ファンでパーティー構成、バトルスタイルがマサルによく似ていて、マサルのでんTシリーズを全て買い揃えているやべー女です。マサルが異次元ミアレの解決までミアレに残っていてカナリィ√に入らなかった場合はこの子がヒロインになる可能性が高かったでしょう。
そして、次回はブルーベリー学園編になります。ヒロインのカキツバタが登場します。時系列的にはSVのDLC前なのでスグリはグレていません。最終的にキタカミの里にいってタロちゃんとお祭りデートします。
ただ、次回なんですけど……本作の丁度100話目なのでもしかしたら別のお話をやるかもしれません。
今のところ考えているのが。
①完全無欠の最強可愛いヒロインユウリちゃんとのいちゃらぶ生活
②頂への挑戦
③マサル、パシオで再び反逆の翼を翻す!
①はタイトル通りです。if√ばっか執筆しててマサユウ成分が不足している私の脳を回復させる意味もあります。②はワールドチャンピオントーナメントのマサルVSレッドです。100話という節目をリビングレジェンドとのお話にします。実質レッドさんがヒロインです。③はポケマスで不遇な男主人公(マサル、コウキ、キョウヘイ、カルム)がパシオで(主にマサルが)やりたい放題するお話です。ポケマスやってない人にはわかんないかもなので微妙かも……。
この三つのお話のどれかをやるかもしれないし、普通にタロちゃん√の続きをやるかもしれない。全ては私の気分次第です。
ではでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!
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