このッ…クソ運営がぁぁ!   作:mnomno

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暑い…夏が殺しに来てる…
前々話からギルメンのプロフィール載せてます。


無法者たち

 

青いマント羽織った覇気のない青年…そんな姿に似合わない可憐な声で肩を怒らせてやってくる。

 

「いやおかしいじゃない!経験値10倍のイ-ジーモードじゃなかったの⁉…手が空いてて点数稼ぎになるかなって思って手上げたのに全っ然終わる気しないんだけど!!?」

 

ホントそれな

分かる〜!チェルシーの隣に立ち同じく御曹司たちを見据える俺

 

「しかも私たちが周回してる間、あなたたちは和気藹々と改造楽しんでるし!」

「そうだそうだ!色々と試したいことあるんだから俺たちにも拠点改造させろ!」

「そうよ!しかもSEにデザイナーに3Dのモデラーとギルドの中に一体何人連れてきてるのよ!あと二週間残ってるって言っても内部情報駄々洩れじゃない!!」*1

 

俺のアバターのまま啖呵をきるチェルシーに援護しながらブラック経営者(御曹司たち)を睨みつける。

「あ、安心して!確かに色んな人来てるけどユグドラシルで活動してるのは千年王国の人たちだけだから」

「あの二人ずいぶんと仲良くなったな…」

「ついこの前まで耳元で飛んでる蚊みたいに殺そうとしてたのになァ…」

 

ピエロに宥められながら御曹司と強面がなんか呟いてるがそんなことで俺とチェルシーの不満は収まるはずもない

…暫く俺らの愚痴を聞いていた御曹司が呟いた。

 

「…はぁ、貴様らが拠点改造し始めたら半年は籠り切りになるだろう」

まるで見てきたような呆れたような視線が突き刺さった。

 

「まぁそうねー。商品化できなかった衣服のアイデア沢山あるしこっちで再現してみたいモノも結構あるから…そうねNPCの外装データは残しておいて特別に私が腕を振るってあげる」

「そんなことはないぞ。あぁでも集回の合間に自動でプログラムを組み立ててくれるプログラム作っといたから使ってくれ。少なくともうちの社員より優秀だ」

 

なんかギルドで作業してた何人かが震えてる?

ついでに窓際や御曹司が頭が痛そうにしてるけどなんでだ?

 

俺のシステム構築は勿論、チェルシーだってモデルに加えて自分のブランドを持っていた一流のデザイナーだ。

周回とかいう時間があれば誰にでもできる事をさせるんじゃなくてデッサンやシステムにおいてトップの実力を持つ俺らに任せた方が良いモノになるのは当然じゃないか?

 

「このッ後先考えないクリエーターどもめ…!」

「今あなた達に表に出てこられると困りますよ」

「それにあの子に加えてあんたらまで好き勝手にやり始めたら手が付けられなくなるからねぇ…」

 

「「???」」

 

経験値稼ぎに俺が駆り出されてる理由の一つはサポートNPCで固めた方がバフの効果が重複されることが原因。泥バフと同じようにPLとNPCで掛けられるバフが重複させられる抜け道を使うと引率のPL×1とNPC×5で攻略するのが泥・稼ぎ・経験値全てにおいて最高効率となる。

しかも載せられるバフが累乗される仕様上、雑魚のレア泥程度なら確定で落ち、経験値倍率は初心者育成キャンペーンなんかより遥かに高い倍率、ついでに獲得金貨のバフも掛けてるせいで気付けば所持金がカンストしていることもざらにある。

となるとプレイヤーはチーム全体を指揮できる指揮官のクラスであることが望ましく…まぁ俺の出番となる訳だ

 

当然俺に変身しているチェルシーも大体同じことが出来るので、二人掛かりで倍率ドン!

…にも拘らずレベル上げは牛歩の歩み、これもそれも105を超えての経験値テーブルがバグっているせいだ!

バフ乗算できるNPCたちでこれなんだからあのPLレベル上限を上げられるWI実は産廃だったのではないか説が俺とチェルシーの中で有力になってきている。

 

…全部NPCたちだけに任せられるなら話が早いんだけどギルドの中なら兎も角、ダンジョンだとプレイヤー一人はついていないといけないからな。

しかも俺と俺に化けられるチェルシー以外が引率すると目に見えて効率落ちるし…御曹司ならやれなくもないけど(チラっ)

 

「はぁ…これ以上俺の時間を浪費させるな」

「ですよね~」

 

まぁ白夜はギルメンの中でも群を抜いて忙しいからな~。

そんな中で放っておいたらそのうち空中分解しそうなギルメンの手綱を握っているし、他ギルドとの重要な交渉の場は出てくれてるしこれ以上の負担は掛けられないよね。

それに最近コイツが忙しい原因俺だし…

 

「でも、いい加減毎日毎日ダンジョンに籠ってモンスターを倒し続けるのも飽きるわ。これじゃ隠れ家に籠ってるのと変わらないよ」

「それは自業自得では?」

「元凶は黙ってて!」

俺のアバターのまま怒鳴り返すチェルシー

 

こいつもすっかり元気になったよな~。暫く俺や強面の声聞いただけで震えてたつーのに。

まぁ俺からしても目の前にいる国の為に人類の足を引っ張る本末転倒の救えないやつからこのクソみたいな周回を共にする同士にまで格上げされたるので人のこと言えないが。

って、あぁチエルは死んだからそれらしい痕跡を見つけられるとマズい訳か。

 

チェルシーの今の立場はとても脆いモノになっている。

会場に辿り着いたチェルシーを強面と用意したホテルの一屋(即席焼却炉)に案内させてスイッチ入れるまでは良かったんだけど作業の途中で御曹司に邪魔されめっちゃ怒られた。

 

で、その後帝に引き取られてちゃんとチェルシー本人がオフ会に参加してた訳だが…いきなり御曹司が生かすって言い出したから後始末が大変だったんだよな〜

 

だって既にチェルシーは28のアーコロジーで指名手配にされお代わりの粛清組織がダース単位で送られて来てたからね…

頑張って彼女と全く同じクローン用意して当初の予定通り東京湾に突っ込ませた。

あとそれ拾ったやつらのためにそれなりの情報詰めたUSB入れてたり、御曹司がチェルシー新しい戸籍作ってきたりと色々として…

 

今彼女は俺らの用意した隠れ家で別人となって過ごしているつー訳だ。前に使えてた使用人も何人かは戻って来てるみたいで最近はだいぶ明るくなったように感じる。

 

ユグドラシルのアカウントは個人専用だから一回破棄させている。装備とかアイテムが勿体ないからって個人の所有品を引き継げるように半年に一個しか入手出来ない特殊なアイテムを使うことになったが俺らはそれなりに貯まってるので痛くはない。

 

だから今のログインしているアカウントも機体もチェルシーが居なくなったことをギルメンに悟らせないようにする為、御曹司が用意してた影武者のモノな訳で…

そんな中で死んでるはずのチェルシーがデザインしていたものと作風が似ている服を新しくメンバーとなった奴が作っていたら血眼になって探していたヤツらに怪しまれるか。

どうしたって手癖は出るし拠点改造からチェルシーが外されているのは妥当なとこだな。

 

…じゃあ俺は関係ないのでは?

 

「…もしこの拠点をバグ(運営の怠慢)何故か改善されないクソ仕様(故意の不正利用)を使って無理やり偵察しようとした不届きものが居たらどうする?」

「BAN」

「貴様は9層以降のシステム担当だ。間違ってもそれより上には手を出すな!」

 

うへぇ…なんか怒られた。

俺とチェルシーは暫くあーだーこーだ抗議したがやりたいことが御曹司たちに聞き届けられることはなかった。

 

「ほとぼりが冷め次第、人目に付かない階層での制作を認めますので今はレベル上げに従事してくれると嬉しいですね」

「分かったわ」

「そっちは全力だしてやる…」

 

そうして出た窓際からの折衷案に二人で頷いた。

つまりサポートNPCのレベリング続行です、悲しいね。

 

 

(ハーハッハッハ!)

《「白夜、ステージ全体にWTXのグラボの効果を反映できるようにしたら容量が足りなくなってしまったよ。急ぎ運営にサーバーを変えるよう要請しに行くのだけど一緒に来てくれるかい?」

「またか貴様あぁ”~ッ!」

 

なんか後ろから御曹司の絶叫が聞こえた気がするけど気のせい、か?

こうして俺とチェルシーを除いたギルド拠点開発は順調に進んでいくのであった。

 

 

 

そんなレベリングの毎日を送っていると前に所属していたギルドの知り合いがギルドを訪ねてきた。

 

「それで俺に依頼したいことがあるって?」

「あぁ、そのために俺様が直々に来てやったのだ。魔導の深淵(ロマン)を全く理解しない愚か者たちに…目にモノ見せてやろうじゃないか、なぁアーミー」

 

その男は真っ黒なローブを羽織り、手には小剣にも満たない小さな杖を持っていた。

細い枝のような身体は見た目通りの貧弱さでレベルをカンストしているにも関わらずレベル70程度の上級モンスターの一撃で倒されてしまいかねないほどに脆弱なことを俺は知ってる。

しかし男は傲岸不遜に態度を崩さない。

 

「ま、とりあえず内容聞いてからだな」

「ならば聞け。ユグドラシルに魔法ギルドは数あれど我らこそ魔導の深淵、叡智の学冠…真の魔法ギルドだと。そして我らの目指す偉業の序章を、な」

 

 

ユグドラシルで一番の無法者と問えば一体誰を思い浮かべるだろうか?

 

初めてウロボロスを使いレイドボスの特性であらゆるイベントを無双したクソ野郎?

それとも精錬バグを悪用して汎ゆる素材を独占し相場を掌握した大商人?

いやいやワールドチャンピオンでありながら課金拳10倍とかいう合法チートでもう別ゲーを始める孫悟空?

 

他にも時代によっては他に幾人もの候補がいたかもしれない

――しかし今一人挙げろと聞かれたならこの男しかいない。

 

人呼んで魔法狂い

非公式WIの著者

略奪ギルドを略奪する者

あのクソ運営に初めて同情した

全ての超位魔法を過去のモノに変えた

 

クソ運営がこれからメインコンテンツにしようとしていたギルド対抗戦を始まる前に終わらせた災害(ディザスター)

魔法傭兵ギルドが長にしてユグドラシル最凶の魔法使い

 

その強力無比さ故九つの世界に一人ずつしか存在出来ないワールド職を数十人ものギルドメンバーへ就かせた。

それだけ、ただそれだけのことでユグドラシルの『数は力だ』という当たり前が一つ砕け散った。

 

新しい常識はこうだ『ギルド戦?で、例のギルド(魔法傭兵)はどっちに付いてる?』

 

 

「てかその蛇…傭兵NPCじゃないよな?お前がサポートNPCイベに参加してたって聞いてないんだけど」

「フっ…フフフ……ッ。そうか聞きたいか我らが偉業の一端、この世界の魔導の可能性の一つをなぁ…」

ニっコニコしながら自分の成果とそれに至る過程を話し始めるトム。

こんな不気味な姿なのに魔法関連について話してるところは飼い主に褒めて貰いたがるシベリアンハスキーみたいなの面白いよな

 

「ちゃんと聞いているのかアーミー?今フレーバーテキストが実際に効力を持つのか確かめ実験をだな…」

「聞いてる聞いてるって。でも短めに頼むよトム」

 

そんなことしてたらボイチャに資料が送られてきた件。はぁ、コイツ話しだすと長いんだよな…

こっそりアイテムボックスの整理とかしてていいか…?

 

楽し気なトムの姿はその後しばらく続いた。

 

 

 

「あの無能どもッ!」

アーコロジー下層の更に外側。アーコロジー外の除染しきれなかった汚染物質が流れ込み防塵マスクがなければ数年しないうちに命を落とす死地

そんな場で一人の男が荒れ狂っていた。

 

『そう言わないでくれ。確かにあの襲撃によって我々の計画は大幅に後退し、人・モノ・金あらゆる資源を失った我らは再び隆起するまでに長い時間が必要になるだろう。…しかし闘い散って逝った同士のことを罵るのは忍びない…』

『そうだデビル、犠牲も大きかったがその代わりに新たな協力者を…

「毒餌だ」

 

狂った地磁波の影響を受ける外周付近では普通は通信機の類が使用できない。

なのに外部と連絡を取れることはそれだけの技術・組織力を持つことの証でもある

 

『なにっ?』

「復権派からの援助に外国のスパイ騒動から始まった権力闘争で落ちぶれた元権力者からの支援…どれも俺たちに都合が良すぎだ。…裏で画策している奴がいる」

『…しかしあの負け犬どもにそんな意図を感じなかった…俺の眼が節穴だとでもいうのか?』

「いや、アイツラ自体は蹴落とした相手に仕返しをしたいだけ…いつもどおりのクズだ。だがそんなクズ共の行動を読みわざと泳がせてる奴がいる」

『まさか』

『ふむ…』

 

その男は生まれが悪かった。

富裕層に捨てられた母から生まれロクな教育も受けられず(小学校にも行けず)まともな食事も採れず背も低いまま

どころか6歳の誕生日を迎える前に母親と死別し自分で食い扶持を稼げなければならなかった。

 

もうとっくに死んでいるはずだった人間

 

まともでない仕事しか就けず、まっとうな生き方が出来ず、周りには人生を諦めていずれ来る死を受け入れている者たちばかり

そんな地獄のような淀みの中で生き残り、それなりの立場を手に入れたのはこの男の頭脳が遥かに(・・・)優れていたからだ。

 

『信じれん…何より奴らから辿ったところで我々を見つけることは出来んはずだ』

『…では、どこまで入り込まれているとみる?』

『オルト!?』

『仮定の話を聞くだけだ』

 

通信先の二人は両極端な反応。しかしこの機器が繋がる時間も限られている。

 

「物資を最初に保管した場所と関わった人員。それと……

三割…下手をすると半分以上こちらの情報が漏れている懸念を伝える。

 

『馬鹿なッ!あんなもの噂話に決まっているだろう…貴様の頭脳だけは認めていたのだがな』

通話が切れ電波が悪いことによる砂嵐のおとだけが耳に残る。

 

『あやつめ…はぁ。だがもしお前の言っていることが真でであるならどうする、手はあるのか?』

「…それ、は」

『いい、支援を受け入れることは決定しているからな。だがもしもの時は――頼んだぞ』

「…はい」

 

自分の価値を認め拾ってくれた恩人からの通信も切れた。

 

「・・・・」

今度こそ一人っきりで荒野に立つ男

 

「…ッ、俺一人で何が出来るっていうんだ」

漠然とした無力感に全身を苛まれる

 

「………ッ!」

だが、それでもやらなければならない!

ボロ雑巾のように母を捨てたクズを、この手で殺すまでは…

例えどんな手段(・・・・・)を使おうとも必ず引きずり下ろしてやる

 

その目には消えようのない復讐の火が煌々と輝いていた。

 

 


 

ピエロ モチーフ無し

クラス ワイルド(魔法)

苗木に狛枝を足して割らない程度の幸運。良くも悪くも周りにいると退屈できない

ギルドのムードメーカー 我の強いギルメンたちの潤滑剤であり、その運の良さから狩りに行く時に必須の人物とされてる(特に御曹司)

ノリが合うのか主人公と強面で組んでることが多く何かイベントがあると何かと盛り上げようとする

実は富裕層ではなく課金額は兎っ子を除くとぶっちぎりワースト1だが、運が良すぎるせいで誰もその事に気づけていない。

主人公の本体と会ったことがある。

 

中衛からスタンやデバフで敵を攪乱するトリックスター

「みんな凄いなー僕も頑張らないと!」

「あはは、なんかこっち行った方が良い気がする」

 

種族Lv55(+10)職業Lv45

ピエロLV5(+10)

スマイラ―Lv10

ザ・グリム・ラフターLv5 

トリックスターLv5

他Lv75

 

ステータス

HP90 MP104 攻撃44 防御77 素早93

魔攻99 魔防88 総耐82 特殊40  合計717

 

 

りゅーたん モチーフ 柳生但馬守宗矩

スピード、瞬間DPS特化の物理アタッカー&回避盾

何事も卒なくこなす細かな条件があるクエストもお手の物。その深い見識で慣れてない事に苦戦するピエロにこっそり入れ知恵してたりしている。

 

「はてさて…!この天裂き地吞む化生…如何様に斬ったものか」

 

種族Lv5 職業Lv105 

ローニンLV15

サムライLv10

ケンセイLv5

ケンキLv5

他75Lv

 

ステータス

HP95 MP80 攻撃110 防御90 素早110

魔攻30 魔防70 総耐85 合計755

 

 

*1
ギルド拠点を獲得してから一月の間は拠点の改造に注力できるよう非戦闘エリアとなる※オリ設定

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