霞「奴等のデカい顔も癪に障らないか?」 作:文才の無い本の虫
――あー、あー。舞鶴佐久保連合艦隊の人達ー?聴こえてるかな?
――少し俺から君達へプレゼントがあってね。プレゼント、気に入ってくれると良いけど
――じゃ、頑張ってね!!ハハハハハッ!!
――えー、こほん。ウチの提督が失礼したわ。此方、呉鎮守府所属、駆逐艦天津風。救援に向かうわ。少し持ちこたえて頂戴
俺は矩郎さんからの伝令と、天津風が受け取った霞からの通信を聞き――工廠で修理や整備、
距離的に
隣で割烹着を着て立っている天津風に言う。
「天津風。皆お腹を空かせて帰ってくるだろうからさ、手伝ってくれるかな?」
「ええ。勿論よ」
「うん、髪を後ろで纏めた天津風
「にゃっ?!・・・・・そ、そう?」
「勿論さ。そんな事で嘘付いたりしない」
赤くなっている天津風を横目に、空気を切り替えるために言う。
「ハハハ。んじゃ、はじめようか。カレー作りをさ」
そうして、俺と天津風は帰って来る皆の為に大鍋でカレーを作り始めた。
お互いに、熱くなっている顔を気にしないようにしながら。
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「疲れたクマー」
「ええ。でも、もう直ぐで鎮守府よ」
後ろから、加賀と球磨の疲労の滲んだ声が聞こえる。
情報に無かった姫級との連戦を小破で――尚且つ加賀と球磨のみで姫級を一体撃破して――乗り越えたんだ、無理も無い。
「うぅ・・・・・お風呂入りたい・・・・・」
「つ、疲れたわ・・・・・」
「暁ちゃん、もうちょっと・・・・・頑張るのです・・・・・」
ボロボロの暁達はいかにも疲労困憊といった所だな。
だが、奴等は姫級との連戦を中破で乗り切った。
――改駆逐艦の割になかなかやるものだな
かなり根性がある。
少し、
「ふ・・・・・私語を慎めとまでは言わんが、鎮守府に帰投するまでは気を抜くなよ」
「鎮守府の近海ですし、私や愛宕さんが警戒しているので大丈夫ですよ、霞教官」
「そうですよ、教官!!」
右で大淀が言い、左で駄肉が揺れる。
・・・・・もいでやろうか。
「はぁ・・・・・まあ、初戦だ。そこまで求めんさ」
日向、翔鶴が大破。
伊勢、瑞鶴、高雄、暁、電が中破。
加賀、球磨、雷、それと私が小破。
愛宕、大淀が損傷軽微といった所か。
完全勝利・・・・・とは言い辛いが、初戦――それも初の協働作戦の出来としては悪く無い結果だろう。
「そら、見えてきたぞ」
私は皆に言い、先を指差す。
見慣れた、鎮守府の港が見える。
そして――その埠頭に立つ任一郎も。
「すんすん・・・・・これは、カレーの匂いだクマー!!」
「ほう・・・・・それは楽しみだな」
「皆、良く帰ってきてくれたね。歓迎しよう、盛大にな!!ハハハハハッ!!」
「もう少しまともにできんのか貴様は?!」
「そう怒らないでよスミちゃん」
「スミちゃん言うな!!」
「ほら、皆。お風呂沸かしてあるわ。艤装は工廠に置いて入ってきちゃいなさい」
「ありがとうございます・・・・・なのです・・・・・」
「お風呂・・・・・」
「有り難くいただくわ・・・・・」
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「はい、大淀から貰った報告書よ」
「ん、ありがとう」
俺は天津風から報告書を受け取る。
大破2、中破5、小破4、損傷軽微2かぁ・・・・・。
「うーん・・・・・治すのは大変だけど、皆無事で良かったよ。それに、姫級はちゃんと撃破したみたいだし、悪く無い結果だ」
だけど。
――違和感
「どうしたの?」
「いや、霞が言ってたじゃん?姫級が多かったって。それがなんか引っかかるんだよねえ・・・・・」
複数の姫級・・・・・もしかして罠?
いや、罠にしては杜撰というよりも幼稚過ぎる。
――幼稚?
まさか成長している?
・・・・・舞鶴と佐久保が不味いかもしれん。
この仮定が正しかったとして、救援に出せる戦力は・・・・・。
「ねえ、あなた」
「・・・・・天津風?」
いつの間にか、天津風が正面に立っていた。
「あなたが悩んでるのは分かるわ。だから・・・・・私、天津風の出番ね」
「いや、コレはそんな簡単な話じゃ・・・・・?」
あれ?
・・・・・スミちゃんが言ってた言葉を思い出せ。
『スミちゃん言うな!!』『任一郎、今日の飯は何だ?』『ふむ、天津風か・・・・・一言で言うなら、速い、だな』『時間があれば天津風の為に中距離用の突撃砲と近距離用の速射砲を作ってやれ。奴の戦い方に装備が着いて行けてないぞ』『報告書・・・・・まだ処理していないのか??』『また徹夜か・・・・・』『今の天津風は一対一なら私より強い』
賭けになるけど・・・・・倉庫に眠ってるアレを使えば距離はどうにかなる。
だから、
「・・・・・天津風。ぶっちゃけ、コレは賭けだ。そもそも賭けをしなくても俺達には何の支障もない」
「だけど、リターンは大きいんでしょ?」
「まあね」
「ふーん。じゃあ、私はあなたに賭けるわ。
「・・・・・」
この賭けが起きないで欲しい。
――天津風に言ったのは嘘だ
もし仮説があっていれば舞鶴と佐久保は全滅する。
そうすれば日本は確実に荒れるだろう。
――ああ、そうか・・・・・俺は彼女を失いたく無いのか
「天津風・・・・・帰って来たら、俺が叶えられる事なら何でも叶えてあげるよ。だから・・・・・頼む」
「ええ。あなた、心配しないで。必ず帰るわ」
舞鶴と佐久保が出撃するまで三日。
その間に、倉庫で埃を被ってるアレを仕上げる。
「・・・・・ま、仮説が外れてくれる事が一番なんだけどね」
「えっと・・・・・その場合って」
「今の会話は丸々無駄・・・・・唯の恥ずかしい黒歴史だね!」
「〜〜ッ?!私、勢いに任せて告白紛いの事言っちゃったんだけど?!」
「ハハハハハッ!!」
「束ねた・・・・・筒?コレが移動手段なの?」
「そうそう。
「えーっと・・・・・コレを背負うの?」
「うん。それで目的地まで、かっ飛ぶ」
「かっ飛ぶってどういう事?!」
「あ、試運転しとく?」
「・・・・・するわ」
天津風
装備は任一郎の技術力の結晶と言える
「
「
「新型高温高圧缶(現地改修)」を装備している。
まあ、わかる人にはわかる的確に削るダブルトリガー。
無論、メインヒロイン。
▶オマケ
中期以降の艦隊型駆逐艦に搭載された主砲のif改修型、それの現地改修版です。
駆逐艦天津風の要望を汲み、火力と精密性を向上させ、装甲を確実に削る特殊な小口径主砲です。
中期以降の艦隊型駆逐艦に搭載された主砲のif改修型、それの現地改修版です。
駆逐艦天津風の要望を汲み、速射性と精密性を両立、突撃用に調整された特殊な小口径主砲です。
新型高温高圧缶(現地改修)
次世代駆逐艦などに搭載するための高温高圧缶、その現地改修版です。
従来の艦本式ロ号缶と比べて、全体的に性能を向上、速度に拘った調整がされています。
艦の回避率を大きく向上させると共に、単体でも高い性能を発揮することが期待されます。
超長距離を飛行し、敵の包囲網を抜けて突撃する為の追加ブースターです。
特殊なロケットブースターを十三門束ね、高い突破力と規格外の加速力が期待されます。
最精鋭の単艦による運用で、敵の包囲網を突破せよ!