霞「奴等のデカい顔も癪に障らないか?」   作:文才の無い本の虫

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――貴殿が『WHITEGLINT』だな?かの『WHITEGLINT』と肩を並べられることを嬉しく思う

――そんな大層なものでは無いけれど、よろしく頼むわ







第十一話「白い閃光」

 

 

 

 

 

「どうかな?」

 

 

俺はスミちゃんに曳航してきてもらった超長距離突撃用十三連装式ブースターの整備をしながら聞いた。

 

 

「正しくじゃじゃ馬ね・・・・・でも、悪く無い風よ。それに、この剣みたいな突撃銃も嫌いじゃないわ」

 

 

「そりゃ良かった」

 

 

予定では三日後。

 

その日に舞鶴佐久保連合艦隊が出撃する。

 

それまでに準備は完璧にして置かなければ。

 

備えあれば憂いなしってね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何々・・・・・大規模建造計画?え?スミちゃん、これ本気?」

 

 

「ああ。2〜3艦予備戦力が欲しくてな」

 

 

「うーん・・・・・資材はあるし、ま、良いんじゃないの?」

 

 

「相変わらず雑だな・・・・・お前は」

 

 

「期待のし過ぎは来てくれる娘に良くないからね。それに、その方が面白いだろ?ハハハハハッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◥◤◢◣◥◤◢◣

 

 

 

 

 

『提督〜はっちゃん、作戦海域に到着しました〜』

 

 

「そっちはどんな感じ?」

 

 

俺は港で出撃準備を進めながら問う。

 

続けて、ノイズ混じりの伊8の声がスピーカーから流れた。

 

 

『連合艦隊は〜無事に到着したみたいですけど・・・・・』

 

 

「ど?」

 

 

『ヲ級とか、ネ級とかもちらほらと・・・・・ちょぉーっと、敵が多い、気がしますね〜』

 

 

「うーん・・・・・よし、天津風。出撃だ」

 

 

「良いの?まだ決まったわけじゃ無いんでしょ?」

 

 

「ま、何も無かったらその時はこれの飛行試験だったと思って帰ってくれば良いさ」

 

 

俺は超長距離突撃用十三連装式ブースターをぽんと叩いて言う。

 

 

「ん、了解したわ。あなた、よろしく」

 

 

「勿論」

 

 

天津風の艤装に超長距離突撃用十三連装式ブースターを繋げる。

 

 

「妖精さん達」

 

 

――――――――(セツゾクカクニン)

 

 

―――――(マカセロー)!!】

 

 

―――――――――――(オーバードブーストダゼ)!!】

 

 

――――――――――――――(ハヤキコトアマツカゼノゴトシ)

 

 

―――――――(オールグリーン)!!】

 

 

「・・・・・ま、頼んだよ」

 

 

俺は工具を仕舞いながら天津風に言う。

 

 

「作戦は、舞鶴佐久保連合艦隊の救援。救援が必要なさそうなら、帰ってくること」

 

 

「わかってるわ。じゃあ、行ってくるわね、あなた」

 

 

「ああ。無事に帰ってこい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「任一郎、良かったのか?」

 

 

「勿論。俺は、見てみたいんだ、天津風の可能性ってヤツを・・・・・と、冗談は此処までにして。まあ、天津風なら大丈夫さ。何せ、スミちゃんが認めたぐらいだしね。姫級一隻程度なら簡単に伸して帰ってくるさ」

 

 

「ふーん・・・・・まあ、お前が出した答えだ。私が言う事はない。伊8、引き続き索敵を継続。通信を繋げておけ」

 

 

『了解です〜』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◢◣◥◤◢◣◥◤

 

 

 

 

 

舞鶴佐久保連合艦隊の戦いは、軽巡仏棲姫と空母ヲ級の攻撃によって始まった。

 

 

「そんなっ?!姫級?!横須賀と呉が倒したんじゃないの?!」

 

 

「いえ、違いますっ!!これは待ち伏せです!!囲まれています!!総員、戦闘陣形!!」

 

 

「くっ・・・・・行くよ!!」

 

 

そうして戦闘開始から数分。

 

深海棲艦の待ち伏せに合った舞鶴佐久保連合艦隊は全十二艦の内、もう既に大破4、中破5、小破3。

 

無傷の艦など存在していなかった。

 

対して、深海棲艦側は無傷の軽巡仏棲姫とほぼ無傷の空母ヲ級。

 

数の利は連合艦隊にあったものの、状況は絶望的と言っても過言では無かった。

 

――その時

 

 

【ガッ?!ナン、ダッ?!】

 

 

軽巡仏棲姫を衝撃が襲った。

 

 

【・・・・・ヲ・・・・・遠方カラ、コウゲキ・・・・・ツウシン、ボウジュ】

 

 

軽巡仏棲姫が連合艦隊への攻撃の手を止め、南西を向く。

 

舞鶴佐久保連合艦隊の通信機に、ノイズと共に男の声が割り込んだ。

 

 

『あー、あー。舞鶴佐久保連合艦隊の人達ー?聴こえてるかな?』

 

 

正体不明の通信。

 

 

「貴方は、誰です?!この周波数は作戦本部しか知らないはずです・・・・・まさか、敵?!」

 

 

『いやいや、少し俺から君達へプレゼントがあってね。プレゼント、気に入ってくれると良いけど』

 

 

「プレゼント?この状況で何を?!」

 

 

『じゃ、頑張ってね!!ハハハハハッ!!』

 

 

その笑い声を最後に、通信は途切れる。

 

そして、その通信機から凛とした声が響いた。

 

 

『えー、こほん。ウチの提督が失礼したわ。此方、呉鎮守府所属、駆逐艦天津風。救援に向かうわ。少し持ちこたえて頂戴』

 

 

【ヲ・・・・・姫・・・・・ドウスル】

 

 

【チッ・・・・・イイヨ、マトウ・・・・・全力デ、ツブシテ、アゲルッ!!】

 

 

瞬間――暴風が軽巡仏棲姫の横を、空母ヲ級を巻き込んで通り過ぎた。

 

そして、一人の艦娘が連合艦隊と軽巡仏棲姫の間に降り立った。

 

 

「いえ、その必要は無いわ」

 

 

その艦娘――天津風は左手で白い髪をかき揚げ、沈んでゆく空母ヲ級に刺さった剣のような鋭い意匠を持った銃を引き抜き、軽巡仏棲姫に向けた。

 

天津風の視線が、軽巡仏棲姫を貫く。

 

 

「だって、貴女が沈むもの」

 

 

【オ前ハ・・・・・敵ッ・・・・・敵ダッ!!】

 

 

「ええ、そうよ」

 

 

軽巡仏棲姫の無数の砲が天津風に向けて弾を吐き出す。

 

だが、天津風はそれをたった一蹴りの勢いで軽々と躱し、軽巡仏棲姫の側面へと回り込む。

 

射撃。

 

天津風の速射砲が軽巡仏棲姫の装甲を削る。

 

 

【ガッ?!】

 

 

「このまま削らせて貰うわ!!」

 

 

続けて天津風は軽巡仏棲姫が旋回する方向と同じ方向に向かって軽巡仏棲姫の周囲を回りながら銃弾を叩き込んで行く。

 

 

【チョコマカ、トォ!!ウザインダヨッ!!】

 

 

「うざくて結構よ!!」

 

 

頃合いを見計らい、天津風は軽巡仏棲姫の背中――艤装のアタッチメント部分に銃を突き刺した。

 

 

【――ッッッ?!】

 

 

そして、引き金を引いた。

 

タタタッと短い銃声が響き、軽巡仏棲姫は崩れ落ちた。

 

 

「――さようなら」

 

 

駆逐艦単艦による、深海棲艦姫級の撃破。

 

その快挙は、僅か3分の間に成されたのであった。

 

 

「す、凄い・・・・・」

 

 

後に、彼女はその速さからこう呼ばれる事となる。

 

――『白い閃光』と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

 

 

「えーっと、スミちゃん?」

 

 

「任一郎・・・・・巫山戯すぎだ」

 

 

「・・・・・はい、スイマセン」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 









天津風
特注の艤装を携えて救援に向かった。強い。一応、フル改修主砲二本とSGレーダー、補強増設にフル改修新型高圧缶を装備した天津風改二を参考。



主宮任一郎
天津風の為に大奮発。簡単に言うとはっちゃけた。通信で巫山戯すぎた為、霞のお説教で正座中。



伊8
縁の下の力持ち。今回の通信や連合艦隊の現在位置を中継していた。



舞鶴佐久保連合艦隊
天津風に感謝を伝え無事に帰投した。




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