霞「奴等のデカい顔も癪に障らないか?」 作:文才の無い本の虫
――
――ハハハッ、天津風に怒られる前に行こうか
――うん、司令官
「ようこそ、天津風。君を歓迎するよ。ま、何にもないけどね!!ハハハハハッ!!」
「えっ・・・・・此処って
「いや、正真正銘、あの五大鎮守府の呉であっている。無能な上のせいで私と任一郎以外誰もいないがな」
「う、嘘でしょ・・・・・」
彼女はまるで僻地に飛ばされた官僚の様な顔をしている。
そんな天津風に霞は続けて言った。
「だが・・・・・天津風、貴様が苦しむ要因も無い」
「!!」
霞は天津風に軽く微笑む。
おー、お母さんみたいな微笑みだね。
「今は休め。それしかできんのだからな」
「・・・・・わかったわ」
・・・・・あれ?
俺より霞の方が提督してない??
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「どうかな?」
「!・・・・・美味しい」
「ハハハッ!!それは良かった!!おかわりは一杯あるからさ、沢山食べな」
「・・・・・・・・・・おかわり」
「任一郎、私もおかわりだ」
「はいはーい、ちょーっと待っててね!!」
「ねぇ、霞・・・・・軍服を着た大男が間宮さんのエプロンしてるのってシュールね」
「まあ・・・・・気にするな天津風。すぐ慣れる」
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天津風が来てから、数日が経った。
彼女はふらふらと鎮守府の中を散歩していたり、港で海風に当たっていることが多い。
まあ、ご飯を美味しそうに食べれるからそこまで心配はしていない。
俺は霞に書類を任せて――無論、サボっている訳では無い――あくせく妖精さんと工廠で働いている。
「任一郎、どうだ?」
「うーん・・・・・彼女の艤装、修理は出来そうだけどほぼ新造になっちゃうね」
「構わん。艤装は艦娘の半身だ。それを大破状態で放置する訳にはいかないからな」
「了解。じゃ、ちゃちゃっと作っちゃいますかね!!」
俺は壊れている艤装に向き合う。
装甲は大部分を作り直し、機関部に関しては明石姉から貰ったタービンや新型缶の設計図を参考に新造した。
「よし、完成」
「相変わらず手際が良いな」
「まあね」
俺は修理が終わった艤装を丁寧に仕舞い、蓋を閉める。
彼女が
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「うん?どうしたのかな?」
【
【
【
【
「はい?」
五艦も建造したっけ??
俺は霞を見るが、彼女も意味がわからないといった顔をしていた。
「・・・・・取り敢えず、見に行こっか」
「ああ」
俺達は工廠の端、海に近い区画に向かっていく。
――建造。
ソレは五種類の資材に命を吹き込み、艦娘を生み出す妖精のオーバーテクノロジー。
必要な物は、時間と資材と環境と妖精の協力のみ。
それだけで創れてしまう。
だからせめて―――――――。
それが俺の義務だから。
「提督、軽巡大淀、戦列に加わりました。艦隊指揮、運営はどうぞお任せください」
「グーテンターク・・・・・あ、違った。提督、よろしければぁ「はち」と呼んでくださいねぇ」
「暁よ。一人前のレディーとして扱ってよね!」
「電です。どうか、よろしくお願いいたします」
「雷よ!!かみなりじゃないわ!そこのとこもよろしく頼むわね、提督!!」
・・・・・暁型。
俺は整列・・・・・整列?していた彼女達を見回す。
ていうか流石に多すぎじゃない?
「おーっと、俺は聖徳太子じゃないんだけどなぁー・・・・・まあ、自己紹介ぐらいはしようか。俺は主宮任一郎。よろしく頼むよ、皆」
・・・・・ごめん、そんな期待の眼差しを向けないで。
俺、本職じゃなくてメカニックだから。
「えーっと・・・・・ごめん、霞。後は任せて良いかな?」
「・・・・・はぁ。一つ貸しだからな?」
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鎮守府が寝静まった深夜。
俺は港の端で夜風に当っていた彼女に話し掛けた。
「やあ、天津風。
すると、彼女は白銀の髪を靡かせながら振り返った。
月を背にした彼女は、輝いて見える。
だが、その顔は曇っていた。
「・・・・・・・・・・ええ、そうよ。あまり深く眠れないの」
「そりゃあ、難儀だねぇ。隣、失礼するよ」
俺は彼女の隣に座った。
すると、彼女も地面に腰を下ろした。
「ねぇ・・・・・提督。感謝・・・・・してるのよ、本当は。こんな私に優しくしてくれて、なにかを強制することも無い。あの提督とは、大違い」
天津風はうずくまる様に膝を抱える。
「あのね・・・・・思い出すの、あの頃のこと。いろいろ頑張ったけど・・・・・・・・・・時津風も、名前も知らない娘達も・・・・・全員居なくなったの。私は運良く助かってしまっただけ」
彼女は、ポロポロと涙を流す。
「提督。私は・・・・・どうすればいいの?」
「・・・・・そうだねぇ。一つ、昔話をしてあげよう」
――ソレは、仲間を失った提督のお話
不貞腐れて、影に縋って・・・・・誰かに火を灯してもらわないと動けなかった。
そんなどうしようもない、
「どうだい?滑稽な話だろ?」
「・・・・・悲しいわね」
「そ、悲しいんだ。だから、まだ前に進める。進まなくちゃいけない。俺も、君も」
だから。
「天津風。君が進む理由を見つけなれないなら、俺が灯台になろう。時間が必要だというのなら、好きなだけ考えると良い。俺は、君の意志を尊重するよ」
暫くして、彼女は言った。
「・・・・・・・・・・貴方は、太陽の様な人ね。眩しくて、温かい・・・・・・・・・・ねぇ、
「そりゃ、助かるね。君が手伝ってくれるなら、俺が生きている間に戦争が終わるかも」
「大袈裟ね」
「ハハハッ・・・・・調子、出てきたんじゃないかな?」
「ええ」
彼女は立ち上がった。
そして、俺に向かって手を伸ばす。
「改めて。私は、天津風。よろしくね、
「ああ。よろしく、天津風」
俺は、立ち上がってその手を握り返した。
――その様子を、月だけが見守っていた
任一郎
無論、引き摺っている。だが、笑う。彼女とまた会う日まで、折れるわけにはいかないから。
天津風
立ち直った訳では無い。だが、彼女は進む。彼女にとっての太陽が現れたから。
霞
大淀を補佐に艦隊運営中。下手な提督よりも提督している。