「朱に交われば赤くなる」吸血鬼でPKが好みだった俺が平和思考のギルメンやリーダーのせいでちょっと平和もいいと思った。
 それなのに、なんでお前がそっち側にいるんだ?

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 夢で見た部分を適当に繋ぎ合わせただけの作品です。過度な期待は禁物です。


俺を平和主義にさせたヤツが世界を襲ってるのは幻か?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もうずいぶん遠い記憶だ。

 1度ギルドメンバーに、「自分が現実世界の王になったらどうするのか?」という問いを興味本位で投げかけてみた。

 

 たっち・みーとかモモンガといった穏健なのが好きな奴らは「()()」にすると言っていた。

 一方で、ウルベルトとか悪魔系の奴らの大半は「あんな世界()()()()」と言っていた。

 

 

 現実はイかれたディストピアみたいな世界なんだ。どちらの主張も分かるし、なんなら俺も後者側だった。

 だが、ギルメンとの交流やギルメンが作ったNPC達を眺めたり、作るのに協力したりする中で「平和」っていうのもありだなって思った。

 

 そう思った理由の1番大きな要因を占めているのは、最後までいっしょにギルド「アインズ・ウール・ゴウン」を維持・運営した穏健派モモンガの存在だろう。

 アイツといっしょに「アインズ・ウール・ゴウン」の運営をして、NPCや守護者たちに愛情が芽生えたのが俺の考え方を変える大きな要因だったのは明白だ。それは自覚している。

 

 ──だからこそだ。だからオマエがそっち側にいるのは理解できねぇ。

 ふざけんなよモモンガッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺が人生を捧げていた「ユグドラシル」がサービス終了する直前まで、俺はこの世界を飛び回っていた。吸血鬼という種族の性能を活かし世界を飛び回れることなんて2度とないと思い、自分の気持ちが続くまで飛んでいた。

 

 ギルメンへの挨拶なんてものは何もしてないし、守護者たちNPCの顔は親の顔より見たし、今更ナザリックに帰ってもさすがにもう誰もいないと思った。

 ···ワンチャン、モモンガがいるかもしれないがまあいいだろう。アイツとは2ヶ月くらい前にログインできなくなる旨を伝えたし、実質そこが別れみたいなもんだろう。

 

 サービス終了だからか、貴重なアイテムや武器などが死ぬほど安く売られてたから買い占めたり、綺麗な景色を見に行ったりした。本当にその時間は楽しかった。

 

 楽しい時間は早く過ぎ、サービス終了の時間を迎え、俺は目を閉じ、この世界から弾かれるのを待った。

 

 ···だが、一向に弾かれる気配がなくログアウトのボタンすら無くなっていた。

 

 

 ──サービス終了までに出なかったら、出れねぇの??

 そんな嫌な予感がしたが、それを掻き消すほどの違和感に気づいた。

 

「···は?匂いが、視覚が鮮明だ···アップデート···いや終了時点でアップデートするような運営なんてどこにもいねぇだろ」

 

 誰もいない満月の下でひとりごちる。

 アップデートなんてイかれた可能性を信じ込むよりも、この世界に閉じ込められた。またはこの世界の住人になったと考える方が自然だった。

 

「···まぁこの世界にいれる時間が長くなったとポジティブに考えよう···会社への言い訳も完璧だな」

 

 そんな楽観的な考えをしていた。

 仕事が理由でこのゲームを遊べなくなったのだから、会社を休む理由ができたのなら何の憂いもなく遊べると思った。1日、2日くらいで解決すると思った。

 

 そんな幻想は10日経っても何も連絡がなかった時点で砕け散った。

 

 10日間はこの帝国?みたいなのの強いとされてる奴ら(女連中)と青のワカメみたいなのをしばき倒したり、周りを散策したりしていれば風のように過ぎ去っていった。

 

 適当な変装をしていたら、仮面つけたロリに人間ではないことがバレたのが始まりだ。仮面ロリも人間ではないのは雰囲気で分かったから、「お前が言うな」と言ったら驚いていた。カッとなったのか、人間でないことがバレたのがダメだったのかは分からないが普通に襲ってきたが、クソ雑魚だった。

 

 

 ···あ、オマエらの察知能力・実力はそんな感じね。

 

 

 どうやらプレイヤーではなく、NPCであるようだった。悪意は感じなかったし適当にあしらってたら、なんかスカウトされた。

 ···オマエらは傭兵みたいな感じのことしてるんね。で、この国を守ってるんか。この国は平和なのか?平和っぽいな。

 ···メンバーにはならないが力は貸してやろう。

 

 この()を吹けば駆けつけてやるから、死に際になったら吹けよ。

 

 とまぁ、女傭兵たちと仲良くなったり男青ワカメの力試しに付き合ったりした以外は観光していた。

 ステルス化して飛び回り、この国やこの世界を見て回った。その中で結論が出た。

 

 この世界は平和だ。少なくともリアルより千倍くらいはまともだった。

 だから俺はこの平和な世界は守りたかった。

 

 俺の願いはおかしくなんてないだろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どこかからか笛の音がし、眠りから覚めた。

 この世界においてまあまあ強いやつらにしか渡してないから、俺みたいなのがいたんだろうなと思い、その音のところへ転移した。

 

 

 ちょっと強いのがいるだけだと思ってた。だが、現実は違ったらしい。

 

「オマエは···」

 

 

 眠っていたところを起きてすぐ飛んできたからか頭が回っていなかったが、この状況を見て脳が一周回ってクリアになった。

 

「青薔薇」が俺らの虫メイドをぼろぼろの状態にしたのだろうか?彼女は虫に運ばれていっていた。

 そんな中地上には、見覚えのある仮面をつけた悪魔が立っていた。

 

「お待たせしました。では早速始めましょうか」

 

「仮面ロリ、これどういう状況?」

「ッ!レイッ!!」

 

「ヘルファイアーウォール」

「アクアウォール」

 

 俺のことを気にかけるそぶりすらなく、

 悪魔、デミウルゴスが「青薔薇」の忍者とハンマー使いに向けて火を放った。俺が壁立ててなかったら死んでるぞ···?

 

 この時点の俺は、ウルベルトか誰かが「アインズ・ウール・ゴウン」を率いて世界を支配しようとしているのだなと思った。

 ···ウルベルトみたいな過激派がこのゲームに残ってたはずがないことは気づかないようにした。

 

 

「殺させるかよ」

 

「···ほう、私の炎を防ぎますか。無駄な抵抗をしなければ楽に死ねますよ?」

 

 

 人間に擬態していた期間が長いからか、普通に顔を人間仕様に変えていた。だからだろう、デミウルゴスが俺のことが誰だか分かってないのは。

 ···え?さすがに知らないって訳じゃないよな?ウルベルトか誰かは知らないが、他のギルメンの記憶消してたら殺す。

 

 

「···無駄な抵抗?ははっ!俺がそんなに弱く見えるのか?」

「!!···レイッ!!目の前にいるのは高位の悪魔だっ!!お前とはいえ死ぬぞ!!」

「仮面ロリ、お仲間は生きてるか?」

「またその呼び方···!いや今はいい!どちらも生きてる!だから撤退するぞ!!」

「撤退ねぇ···」

 

 後ろにいる仮面ロリと話しながらも目線は悪魔から離さない。

 コイツも確か100レベだったし油断大敵だ。けど変身系だった記憶があるからまだマシだけど。

 まあでも俺が負けることはない。

 1v1とかそういうの得意だし、たっち・みーとも勝率は変わらなかった。

 

 ──それに加えて、上には()()が機会を伺っているのが感じ取れる。

 ···多分ギルメンだろう。さすがに人間状態じゃ詳しく調べなれなかったが、多分マッチポンプしようとしてることは分かる。

 

「お前転移できなくしたんだろ?」

 

「ええ、会って早々別れるのは悲しいですからね」

 

 丁寧な言葉遣い、確かコイツの設定にそんな感じあったよな···はぁ、ガチか。俺らの中の()()が世界牛耳ろうとしてんのかよ。

 ──とりあえず、その()()を引っ張り出すか。

 

「そ···仮面ロリ、コイツの相手死なない程度にがんばれ」

「は?」

 

「おや、貴方が私の相手を務めてくださると思ってましたよ。大分他の方たちと実力差があるのに、なぜチームを組んでいるのですか?」

 

「別にチーム組んでる訳ではねえ。知り合い助けるのは普通だろ。俺は仲間思いのあるギルドに入ってんだよ」

 

 多分コイツらを助けるために上で様子見てると思うし、ピンチになってもらわないと誰かは出てこないだろう。

 

「死にかけたら助けるからがんばれ」

「お前なぁ!!······チッ···2人の手当てを頼む」

「おけおけ」

 

 

 

 

 仮面ロリに特攻させてみるも、全力の一撃ですら何もダメージを与えられなかった。

 仮面ロリが絶望の表情になったとき、上から何かが降ってきた。

 

「来たな」

 

 砂埃がやむと、クソデカい騎士···いやアンデッドがいた。見た目は騎士だが、雰囲気で分かる。

 

 アンデッド···?魔力は感じないが、オマエなのか?

 

 え、あ、は、いや、そんなはずはないだろ、オマエが、オマエが善人を殺すことはしねぇよな···?

 

 

 

 

 

 

 

「それで、私の敵はどちらかな」

 

 声がくもって聞こえづらいが、想像していなかった聞き覚えのある声が聞こえた。

 信じたくはなかった。信じたくはないが、これが現実らしい。

 ───一応そのメット剥がさせてもらう。

 

 

 仮面ロリが知り合いだったみたく、状況をコイツに説明していた。

 人間状態の俺は仮面ロリよりはちょい強いくらいだから、コイツは俺の方を見向きもせず悪魔と向き合っていた。

 すると、悪魔が頭を下げ、

 

 

「まずは、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?私はヤルダバオトと申します」

 と言った。扱いが他のと違いすぎてバレバレじゃね?

 

「ヤルダバオトか···分かった。

 私は()()()。アダマンタイト級冒険者だ」

 

 そこはモモンガじゃねぇのか。···はぁ···ほんとにオマエなんだな。

 

 

 そこからは適当に悪魔と骸骨が話しているのを聞き、機会を伺った。

 

 

「···なるほど。大体理解した。そういうことならば···ここで倒させてもらおう!問題ないな!」

「困りますので抵抗させてもらいます」

 

 骸骨が力をこめるのを感じ、俺も変身を解いて7割くらいの力を爪にこめた。

 

「···ゆくぞっ!···!?──この爪は···?!なぜだ!?」

「!?···レイ様···!!」

 

 話が終わり悪魔に突撃する直前に甲冑を壊すくらいの強さで殴った。いや、結構ダメージが残るくらいで殴った。

 俺が敵であることを示すために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「···ゆくぞっ!」

 

 ヤルダバオト(デミウルゴス)との現状報告を済ませ、あとは適当に戦い合うだけのはずだった。

 ──後ろからの懐かしい殺気を感じるまでは。

 

「···!?ッ──何をす···る···」

 

 赤く長い爪で鎧を全て粉々にされ、アンデッドということがバレたのは仕方がない。そんなことは問題にはならない。

 問題はただ1つだけだ。

 

 ···なんで貴方が、レイさんがそっちについてるんだ?

 

 ──思考はまとまらないけど、今は聞くしかない。

 

「何故だ?!何故レイがここにいる?!」

 

 最後の方まで残ってくれた人ではあるけど、最終盤は仕事の関係で来れなくなったはずだよね。なのになんで、ここにいるんだろ?

 というか、なんでそっちの味方···ってレイさんから見たらこっちが悪者か!···えっどうしよ?

 

「なぜ?面白いこと聞くな···俺はお前と同じく()()が好きなんだよ!だからテメェらみたいなこの世界を荒そうとしてる奴らは殺したくなるんだよ!!」

 

 このとき久しぶりに魔王ロールプレイを憎んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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