脳無(幼女)のヴィランアカデミア   作:殻木の弟子

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骸ちゃんの倫理観はめちゃくちゃです。

優先順位としては、
自分の命=仲間の命>>>>越えられない壁>>>>その他
という感じです。

脳無は脳無なんで、生前と人格が全く同じかと言われるとそうでもありません。


第2話

「ふーん・・・。それで、骸ちゃんはわたし達についてきたんですね」

 

「うん」

 

どこかの部屋に転移したわたしは、一緒に転移してきた皆・・・(ヴィラン)連合に、これまでの経緯を話した。

 

「わたしは、皆について行きたいの」

 

「あー・・・。どうすんだ?死柄木」

 

仮面の人・・・Mr.コンプレスが、手だらけの人・・・死柄木弔に視線をやる。

 

「俺は餓鬼が嫌いだ。なんでお荷物になるやつを連れて行かなきゃならない」

 

弔はわたしが足手まといになると思ってるみたい。

 

「戦闘面なら大丈夫。プロヒーロー?とか言うのとはもう戦った」

 

「・・・あそこに転がってたやつらか?」

 

「糸みたいなのを操る人とか、でっかい人のこと?襲われたからやっつけた」

 

「おいおい、それってベストジーニストとMt.レディじゃねえか!?すげえじゃんか骸ちゃん!俺でもできるぜ!」

 

褒めてるのかけなしてるのかよくわからない人・・・トゥワイスの称賛に、えっへんと胸を張る。

 

「オール・フォー・ワンはわたしのこと、『黒霧とは別タイプの成功例かも』って言ってた」

 

それを聞いた靄の人・・・黒霧が、弔に話しかける。

 

「・・・死柄木弔。彼女は、脳無だと思われます」

 

「何・・・?」

 

全員がビックリしたように、わたしの方を見た。

 

「脳無!?あの脳みそ剥き出しのやつ!?」

 

「そうは見えねえけどなぁ・・・。でも、それなら戦闘力の面では大丈夫だろ」

 

「それじゃあ、わたしも連れて行って」

 

弔の顔を見つめてお願いする。

 

「チッ・・・しかたねえな」

 

「わーい」

 

喜ぶわたしに、コンプレスが懐から花束を差し出す。

 

「くれるの?」

 

「そいつはおじさんからのプレゼントだ。ようこそ、敵連合へ!」

 

 

 

 

 

 

そして、数日後。

わたしは寂れた公園でブランコを漕いでいた。

 

「はぁ・・・。せっかく仲間になれたのに、単独行動か・・・」

 

敵連合は現在、捜査の目を眩ますため、また組織の勢力拡大のため、各地に分散している。

 

「おいおいお嬢ちゃーん、ひとりぼっちでどうしたんだい?迷子になっちゃったのかな?」

 

「道案内してあげるから、お兄さん達と一緒においでよ~!ぐへへ」

 

「・・・」

 

また変態だ。

 

こいつらのやることはいつも同じ。

人気の無い所に連れ込んで、個性で脅して、襲う。

本当にどうしようもない奴ら。

 

でも、人気の無い所に自分から来てくれるのは好都合かな。

 

「へへっ、痛い目にあ「黙れ」

 

腕を変形させ、変態男2人の頭部を破壊する。

 

「ふん・・・大した事ない個性」

 

殺した2人の死体を吸収し、ゲットした個性を確認する。

 

わたしの個性『死体融合』は、死体を吸収するだけでなく、その個性も使えるようになる。

なのでこうして、変態共を狩って個性を蓄積。

ついでに死体から財布を奪って、お金も集めている。

 

「ひっ・・・」

 

「ん・・・?」

 

声のした方へ目をやると、チンピラみたいな格好をした男が腰を抜かしていた。

 

「・・・見たな」

 

「く、来るなっ、化け物!」

 

化け物・・・化け物かぁ。

 

確かに、わたしは化け物かも。

人間を殺してもなんとも思わないし、体の仕組みも人間とは違う。

怪我をしたら血は出るけど、それはわたしの血じゃない。

吸収した人間の血が溢れただけ。

 

「文字通り、血も涙もないってね」

 

チンピラの心臓を貫き、死体を吸収する。

 

「5万円しか持ってないか・・・ん?」

 

連絡用に渡されたスマホが振動する。

 

「もしもし?」

 

『全員集合だ、拠点に来い』

 

「はーい」

 

敵連合のメンバー──荼毘はそれだけ言うと、電話を切ってしまった。

 

久しぶりに皆に会える・・・もっと仲良くなれたらいいなぁ・・・。

 


 

バツン!

 

そんな音を立てて、マグ姉の上半身がいきなり吹き飛んだ。

 

「マグ姉ー!!!?」

 

「先に手を出したのはおまえらだ・・・。ああ汚いな・・・!!これだから嫌だ」

 

手袋についた血を服に拭いながらそんなことを言うオーバーホールに、コンプレスが飛びかかる。

 

「待てコンプレ・・・ス?」

 

死柄木が言い終える前に、天井を突き破って何かが降ってきた。

 

「・・・何だ?」

 

無造作に積み重ねられたそれは、オーバーホールと同じようなマスクを着けた死体。

 

「これ「死ね」

 

オーバーホールが何か言いかけて、天井から伸びてきた腕に頭を握り潰された。

 

伸びてきた腕の主は──骸ちゃんだった。

 

「死ね。死ね。死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」

 

天井から降りてきた骸ちゃんは、ブツブツ呟きながらオーバーホールの死体をめちゃくちゃに叩き潰す。

 

「お、おい・・・骸ちゃん?」

 

「ん・・・トゥワイス。怪我はない?」

 

ミンチになった死体を腕から吸収し、返り血塗れの顔で骸ちゃんは振り向いた。

 

「弔。今殺したの、誰?」

 

「・・・おい。聞く前に殺すなよ」

 

「さっきのはマグネを殺した。だったらその仲間も本人も殺されて当然」

 

当たり前でしょ?と言う骸ちゃん。

 

「で、さっきのはどこの誰?」

 

「・・・治崎廻。死穢八斎會の若頭だ」

 

「そう。じゃあ、そいつら全部殺してくるね。あ、これあげる」

 

そう言うと、骸ちゃんは懐から札束を大量に放り投げ、天井からどこかへ去って行った。

 

「・・・マジかよ」

 

コンプレスがそれだけ呟き、呆然と立ち尽くす。

俺も、いろんなことが一気に起こりすぎて整理できていない。

 

「マグ姉・・・」

 

俺が治崎を連れてきたせいで、マグ姉が死んだ。

でも、その治崎は骸ちゃんに殺された。

 

「骸ちゃんのこと、追いかけなくていいんですか?」

 

トガちゃんが死柄木に問いかける。

 

さっきのめちゃくちゃな力を見たら、骸ちゃんがヤクザに負けるとは思えない。

でも、暴れてる所をヒーローに見つかったら不味い。

 

「はぁ・・・仕方ねえ。迎えに行くぞ」

 


 

「死穢八斎會の本部・・・ここだね」

 

スマホの地図アプリを閉じ、スーツのポケットに入れる。

 

チンピラから奪った炎熱系の個性で燃やしてもいいけど、それだと死体の回収がめんどくさい。

 

「だから、全員わたしが直接殺す」

 

正面の門を蹴破り、敷地内に侵入する。

 

「さあ、皆殺しだ」

 


 

骸が死穢八斎會本部に突入してから数分後。

 

ヒーロー達は『死穢八斎會が何者かに襲撃を受けている』ことを確認。

本部の建物を破壊する骸の姿が確認されたため、『(ヴィラン)連合と死穢八斎會の抗争が発生した』と判断し、現場へ急行した。

 

「何だ・・・これ」

 

ルミリオン──通形ミリオは、目の前の景色に衝撃を受けていた。

 

崩壊した建物の残骸には、内臓や血液が撒き散らされており、ひどい有り様だ。

なおも建物からは破壊音が響いている。

 

「止まるなルミリオン!」

 

イレイザーヘッド──相澤消太が呼びかける。

 

「中に居る奴は、既に50件以上の殺人を犯してる!ここで捕らえなけりゃ、また民間人に被害が出るぞ!」

 

被害者は少なくとも85名。

遺体は残っていないが、監視カメラにその現場が残っていた。

 

頭部を破壊し、遺体を吸収するその手口。

少女の外見をしているが、まさしくその姿は怪物であった。

 

「・・・はい!」

 

「待て!ルミリオン、イレイザー!」

 

サー・ナイトアイが2人に叫ぶ。

 

「「っ!?」」

 

直後、足元が崩壊し、そこから血塗れの少女が飛び出した。

彼女は、白い髪の少女を抱えていた。

 

「女の子・・・?」

 

「気をつけろ、そいつは──」

 

こちらに気付いた少女は、白い髪の少女を地面に下ろしたあと、猛烈な速度で接近してきた。

 

「ヒーローは排除」

 

「──敵連合だ!!」




骸ちゃんの中では、仲間の命の価値は、それ以外の命の1000倍以上はあります。
なので、仲間や自分のためなら他者を何人殺しても平気です。
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