脳無(幼女)のヴィランアカデミア 作:殻木の弟子
優先順位としては、
自分の命=仲間の命>>>>越えられない壁>>>>その他
という感じです。
脳無は脳無なんで、生前と人格が全く同じかと言われるとそうでもありません。
「ふーん・・・。それで、骸ちゃんはわたし達についてきたんですね」
「うん」
どこかの部屋に転移したわたしは、一緒に転移してきた皆・・・
「わたしは、皆について行きたいの」
「あー・・・。どうすんだ?死柄木」
仮面の人・・・Mr.コンプレスが、手だらけの人・・・死柄木弔に視線をやる。
「俺は餓鬼が嫌いだ。なんでお荷物になるやつを連れて行かなきゃならない」
弔はわたしが足手まといになると思ってるみたい。
「戦闘面なら大丈夫。プロヒーロー?とか言うのとはもう戦った」
「・・・あそこに転がってたやつらか?」
「糸みたいなのを操る人とか、でっかい人のこと?襲われたからやっつけた」
「おいおい、それってベストジーニストとMt.レディじゃねえか!?すげえじゃんか骸ちゃん!俺でもできるぜ!」
褒めてるのかけなしてるのかよくわからない人・・・トゥワイスの称賛に、えっへんと胸を張る。
「オール・フォー・ワンはわたしのこと、『黒霧とは別タイプの成功例かも』って言ってた」
それを聞いた靄の人・・・黒霧が、弔に話しかける。
「・・・死柄木弔。彼女は、脳無だと思われます」
「何・・・?」
全員がビックリしたように、わたしの方を見た。
「脳無!?あの脳みそ剥き出しのやつ!?」
「そうは見えねえけどなぁ・・・。でも、それなら戦闘力の面では大丈夫だろ」
「それじゃあ、わたしも連れて行って」
弔の顔を見つめてお願いする。
「チッ・・・しかたねえな」
「わーい」
喜ぶわたしに、コンプレスが懐から花束を差し出す。
「くれるの?」
「そいつはおじさんからのプレゼントだ。ようこそ、敵連合へ!」
そして、数日後。
わたしは寂れた公園でブランコを漕いでいた。
「はぁ・・・。せっかく仲間になれたのに、単独行動か・・・」
敵連合は現在、捜査の目を眩ますため、また組織の勢力拡大のため、各地に分散している。
「おいおいお嬢ちゃーん、ひとりぼっちでどうしたんだい?迷子になっちゃったのかな?」
「道案内してあげるから、お兄さん達と一緒においでよ~!ぐへへ」
「・・・」
また変態だ。
こいつらのやることはいつも同じ。
人気の無い所に連れ込んで、個性で脅して、襲う。
本当にどうしようもない奴ら。
でも、人気の無い所に自分から来てくれるのは好都合かな。
「へへっ、痛い目にあ「黙れ」
腕を変形させ、変態男2人の頭部を破壊する。
「ふん・・・大した事ない個性」
殺した2人の死体を吸収し、ゲットした個性を確認する。
わたしの個性『死体融合』は、死体を吸収するだけでなく、その個性も使えるようになる。
なのでこうして、変態共を狩って個性を蓄積。
ついでに死体から財布を奪って、お金も集めている。
「ひっ・・・」
「ん・・・?」
声のした方へ目をやると、チンピラみたいな格好をした男が腰を抜かしていた。
「・・・見たな」
「く、来るなっ、化け物!」
化け物・・・化け物かぁ。
確かに、わたしは化け物かも。
人間を殺してもなんとも思わないし、体の仕組みも人間とは違う。
怪我をしたら血は出るけど、それはわたしの血じゃない。
吸収した人間の血が溢れただけ。
「文字通り、血も涙もないってね」
チンピラの心臓を貫き、死体を吸収する。
「5万円しか持ってないか・・・ん?」
連絡用に渡されたスマホが振動する。
「もしもし?」
『全員集合だ、拠点に来い』
「はーい」
敵連合のメンバー──荼毘はそれだけ言うと、電話を切ってしまった。
久しぶりに皆に会える・・・もっと仲良くなれたらいいなぁ・・・。
バツン!
そんな音を立てて、マグ姉の上半身がいきなり吹き飛んだ。
「マグ姉ー!!!?」
「先に手を出したのはおまえらだ・・・。ああ汚いな・・・!!これだから嫌だ」
手袋についた血を服に拭いながらそんなことを言うオーバーホールに、コンプレスが飛びかかる。
「待てコンプレ・・・ス?」
死柄木が言い終える前に、天井を突き破って何かが降ってきた。
「・・・何だ?」
無造作に積み重ねられたそれは、オーバーホールと同じようなマスクを着けた死体。
「これ「死ね」
オーバーホールが何か言いかけて、天井から伸びてきた腕に頭を握り潰された。
伸びてきた腕の主は──骸ちゃんだった。
「死ね。死ね。死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」
天井から降りてきた骸ちゃんは、ブツブツ呟きながらオーバーホールの死体をめちゃくちゃに叩き潰す。
「お、おい・・・骸ちゃん?」
「ん・・・トゥワイス。怪我はない?」
ミンチになった死体を腕から吸収し、返り血塗れの顔で骸ちゃんは振り向いた。
「弔。今殺したの、誰?」
「・・・おい。聞く前に殺すなよ」
「さっきのはマグネを殺した。だったらその仲間も本人も殺されて当然」
当たり前でしょ?と言う骸ちゃん。
「で、さっきのはどこの誰?」
「・・・治崎廻。死穢八斎會の若頭だ」
「そう。じゃあ、そいつら全部殺してくるね。あ、これあげる」
そう言うと、骸ちゃんは懐から札束を大量に放り投げ、天井からどこかへ去って行った。
「・・・マジかよ」
コンプレスがそれだけ呟き、呆然と立ち尽くす。
俺も、いろんなことが一気に起こりすぎて整理できていない。
「マグ姉・・・」
俺が治崎を連れてきたせいで、マグ姉が死んだ。
でも、その治崎は骸ちゃんに殺された。
「骸ちゃんのこと、追いかけなくていいんですか?」
トガちゃんが死柄木に問いかける。
さっきのめちゃくちゃな力を見たら、骸ちゃんがヤクザに負けるとは思えない。
でも、暴れてる所をヒーローに見つかったら不味い。
「はぁ・・・仕方ねえ。迎えに行くぞ」
「死穢八斎會の本部・・・ここだね」
スマホの地図アプリを閉じ、スーツのポケットに入れる。
チンピラから奪った炎熱系の個性で燃やしてもいいけど、それだと死体の回収がめんどくさい。
「だから、全員わたしが直接殺す」
正面の門を蹴破り、敷地内に侵入する。
「さあ、皆殺しだ」
骸が死穢八斎會本部に突入してから数分後。
ヒーロー達は『死穢八斎會が何者かに襲撃を受けている』ことを確認。
本部の建物を破壊する骸の姿が確認されたため、『
「何だ・・・これ」
ルミリオン──通形ミリオは、目の前の景色に衝撃を受けていた。
崩壊した建物の残骸には、内臓や血液が撒き散らされており、ひどい有り様だ。
なおも建物からは破壊音が響いている。
「止まるなルミリオン!」
イレイザーヘッド──相澤消太が呼びかける。
「中に居る奴は、既に50件以上の殺人を犯してる!ここで捕らえなけりゃ、また民間人に被害が出るぞ!」
被害者は少なくとも85名。
遺体は残っていないが、監視カメラにその現場が残っていた。
頭部を破壊し、遺体を吸収するその手口。
少女の外見をしているが、まさしくその姿は怪物であった。
「・・・はい!」
「待て!ルミリオン、イレイザー!」
サー・ナイトアイが2人に叫ぶ。
「「っ!?」」
直後、足元が崩壊し、そこから血塗れの少女が飛び出した。
彼女は、白い髪の少女を抱えていた。
「女の子・・・?」
「気をつけろ、そいつは──」
こちらに気付いた少女は、白い髪の少女を地面に下ろしたあと、猛烈な速度で接近してきた。
「ヒーローは排除」
「──敵連合だ!!」
骸ちゃんの中では、仲間の命の価値は、それ以外の命の1000倍以上はあります。
なので、仲間や自分のためなら他者を何人殺しても平気です。