脳無(幼女)のヴィランアカデミア   作:殻木の弟子

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1年生のインターンはまだギリギリ始まっていないので、緑谷はこの場に来ていません。

防犯カメラの映像から、骸が複数個性を使用することが発覚。
殺傷能力が高いやつばっか使用しており、周辺地域へ被害が出ることも考えられたので、対策として相澤先生が呼ばれました。



第3話

「死ね」

 

「くっ・・・」

 

ルミリオンと骸の戦闘は激しさを増していた。

 

当たれば確実に人体を破壊する威力の攻撃を、次々と繰り出す骸。

ルミリオンはそれを『透過』を駆使してなんとか躱している。

 

「個性を消して、なおこの速度か・・・!」

 

そう呟くイレイザーヘッドの目は、真っ赤に充血している。

 

サー・ナイトアイは白い髪の少女を保護して一時離脱。

イレイザーヘッドの『抹消』を発動した状態でも、攻撃を回避するのがやっとという化け物を、たった2人で足止めしなくてはならないのだ。

 

「しつこい」

 

「ぐっ・・・!?」

 

遂に骸の攻撃がルミリオンに当たった。

ルミリオンは腕をクロスさせて防いだが、圧倒的な力で吹き飛ばされ、瓦礫の山に叩きつけられる。

 

「ルミリオン!」

 

「よそ見してる場合?」

 

意識を逸らした瞬間、目の前に迫る骸の腕。

 

「さっさと死ん「赫灼熱拳 ジェットバーン!!」

 

炎の壁が、骸とイレイザーヘッドの間に現れた。

 

「熱い・・・」

 

たまらず飛び退く骸。

しかし、火傷した腕は一瞬で再生する。

 

「エンデヴァー!サー・ナイトアイ!」

 

「今すぐここまで来れるのは彼だけでした。他のヒーローもここに向かっています」

 

「遅くなったな。にしても、あれが脳無とは・・・」

 

エンデヴァーは骸の方を見る。

彼が戦った脳無とは全く異なり、外見は人間のようにしか見えない。

 

「ワラワラと・・・またこれを使おうか」

 

そう言うと骸は、ポケットから赤い銃弾を取り出した。

 

「なんだ・・・?」

 

「ただの銃弾じゃないだろう・・・なんであれ、回避だ!」

 

骸は銃弾を握りしめたまま、ヒーロー達へ高速で接近する。

 

「赫灼熱拳 ヘルスパイダー!!」

 

「・・・鬱陶しい」

 

骸は変形させた腕を振り回し、エンデヴァーの炎を打ち消す。

 

「まずは数を減らそう」

 

そう呟くと、骸は地面に拳を叩きつけた。

土煙と瓦礫が舞い上がり、視界が一瞬遮られる。

そして土煙が晴れたときには、骸は姿を消していた。

 

「くっ・・・見失った!」

 

「これが目的か」

 

目線を外しても、少しの間『抹消』は持続するが、長くは続かない。

骸の個性が戻らない内に、再び捕捉する必要がある。

 

「遅い」

 

「くっ!?」

 

正面からかなりの速度で突っ込んでくる骸。

イレイザーヘッドはなんとか回避したが・・・突如として骸の姿が揺らぎ、消えた。

 

「ぐっ!?」

 

「作戦通り」

 

骸に攻撃を受けたのは、サー・ナイトアイだった。

 

「サー・ナイトアイ!?」

 

「馬鹿な、こちらに殴りかかって来たはず!」

 

実はエンデヴァーも、自身に殴りかかってくる骸の姿を見ていた。

しかしイレイザーヘッドの見た骸と同様に、突然姿を消したのだ。

 

「幻覚を見せる個性か・・・!」

 

「答える義務は、ない」

 

サー・ナイトアイを放り投げ、今度はエンデヴァー達に襲いかかろうとする骸。

 

「おい待て、骸」

 

その肩を掴んで止めたのは、黒い靄の中から姿を現した死柄木弔だった。

 

「死柄木・・・弔・・・!」

 

「・・・おい。なんでNo.1ヒーローがここにいる」

 

「さっき飛んできた」

 

ヒーロー達を無視して話す2人。

 

黒霧の『ワープゲート』を『抹消』で消せば逃走手段を奪えるが、そうすれば個性を取り戻した骸によって全滅させられる。

故にイレイザーヘッドは、骸を見つめているほかなかった。

 

「帰るぞ」

 

「いいけど、個性を消せるやつがそこにいるよ?入ってる途中で消されたら、真っ二つになっちゃう」

 

そう言って骸は、イレイザーヘッドの方を見る。

 

「あー・・・。荼毘、ちょっと来い」

 

死柄木が引っ込み、荼毘の腕だけが出てきた。

 

「・・・なるほど。じゃあ、いくよ」

 

そう言うと、骸は地面を叩き割って土煙を巻き上げ、さらに荼毘が炎を放つ。

 

「目眩ましか!」

 

エンデヴァーが炎の中に飛び込むが、既に(ヴィラン)連合の姿はどこにもなかった。

 


 

「おかえり、骸ちゃん」

 

「怪我してないか?大丈夫か!?」

 

ワープゲートから出ると、トゥワイスとトガが駆け寄って来た。

 

「うん、大丈夫。あ、これお土産」

 

死穢八斎會の地下から持ってきた赤い銃弾を取り出し、机の上に置く。

 

「・・・これは?」

 

「撃ち込んだら個性が使えなくなるやつ。効果は八斎會の連中とヒーローで試したよ」

 

片方は個性を一定期間使用できなくするもの、もう片方は個性を永遠に使えなくするものだ。

 

持ってたやつを締め上げたら、効果を教えてくれた。

そいつやルミリオンとかいうやつで試したから、効果は本物なはず。

 

サー・ナイトアイとかいうプロヒーローも、今頃個性が使えなくなってるはずだ。

 

「マジかよ・・・すげえじゃんか骸ちゃん!すごくねえよ!」

 

「ふふん。そう、わたしはすごい」

 

何回か話した感じ、トゥワイスは思ってないことを勝手に喋ってしまうらしい。

大抵は最初に言ったことを打ち消すように喋るから、あとから言ったことは無視しておけばいいみたい。

 

「治崎とかいうやつの個性は便利・・・腹立つけど」

 

あらゆるものを『分解』し、『再構築』する個性。

治崎がマグネにやったような即死攻撃ができるし、傷を治すこともできる。

 

「他のやつらの個性は、わたしの好みじゃない」

 

わたしが欲しい個性は、炎とか雷とか、適当に使っても相手を殺せるようなやつだ。

広範囲攻撃ならなおいい。

 

「荼毘の炎とかいいよね・・・」

 

「おい」

 

「冗談だよ。荼毘は仲間だから、殺さないよ」

 

そう言ってわたしは、ニッコリ笑った。

 


 

ここは、サー・ナイトアイとルミリオンが搬送された大学病院。

 

ルミリオンの方は両腕の骨と肋骨3本を折る重傷だったが、翌日には意識を取り戻した。

サー・ナイトアイは右腕骨折のみである。

 

しかし、それより問題だったのは――

 

「個性が使えない?」

 

「はい。2人とも意識を取り戻したのですが、個性が発動できなくなってしまったようで・・・」

 

2人とも、個性が全く使用できなくなってしまったのだ。

 

「・・・あの赤い銃弾の影響か」

 

ルミリオンとサー・ナイトアイに突き刺さっていた銃弾。

調査の結果、人間の血液や細胞が素材に使用されているとわかった。

 

死穢八斎會の本部地下から発見された資料によれば、保護された少女・・・壊理の体を素材として作成されたものらしい。

 

「・・・敵連合が彼女を狙ってくる可能性もある。しばらくは警戒が必要だな」




今回骸が使用した個性は『蜃気楼』。
自分と同じ動きをする蜃気楼を3体まで出せます。
ただし本体の速度が速すぎると蜃気楼で再現できないため、普段よりパンチの速度が控えめになりました。

これにより、サー・ナイトアイ、生存。

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